80 / 144
本編
大輝編49話~二人目の新入り~
しおりを挟む
「一応言っておきますけど、私は別に宇堂先輩に恋とかしてないですから」
「そうか、それなら別にそれでいいよ」
二人目の後輩、樋口さん。
この子はこの子でまたちょっと変わっている。
内田さんと違って、スタイルはあんまり良くないが、そのことを特にコンプレックスにしている様子はない。
寧ろひと昔前に流行った、貧乳は希少価値だ、ステータスだ、というのを前面に打ち出す様な子だった。
抉れているわけではないが、桜子といい勝負なのではないかというその貧乳。
だが、桜子と違って身長があるのでその貧乳が目立って見える。
本人は貧乳と言われることを全く嫌がらないどころか、俺が気を遣って控えめ、とか言うと逆に怒る。
貧乳って言ってもらえます?とか言われたときは思わず俺がおかしい事を言ったのか、と錯覚してしまった。
とにかく感度が良く、自分でもそれを自覚している。
感覚でここがいい、という場所も把握している。
ある意味で内田さんとは逆のタイプかもしれない。
恋をしていない、という割には甘え方が巧妙で、男にぐっと来させる何かを持っている。
魔性の女、という表現がぴったりかもしれない。
これからの人生で、やり方によっては男を狂わせまくる素質を秘めている、俺はそう感じた。
なるほど、確かにこれは恋をしているというよりは男を手玉に取る手法を勉強しているのかも、と思わされるものがあった。
そして彼女ならきっと、そういう人生を歩んでいけるのかもしれない。
だが、それでいいのか?
もちろん俺が口を挟む様な話ではない。
本人がそれでいいと言っている以上、本当に困りでもしない限りは俺が何かするべきではないと思う。
だが、その一方でこのままじゃ彼女は自分を見失うのではないか、という思いがあった。
「なるほど、確かに危ういね」
「だろ?俺なりに、どうするべきなのかなって思ってるんだけどさ」
「私は、大輝が正しいと思うやり方を選んでみるべきかなって思う」
睦月に相談すると、大体予想していた通りの返事が返ってくる。
これじゃ相談した意味がない。
そう思った俺は、できれば使いたくなかった奥の手を使うことにする。
「朋美ぃ!助けてくれ!困ってるんだ!!」
「ちょ、ちょっと何よ突然!?」
「頼む、お前しか頼れる人間がいない!!」
俺は朋美に泣きついた。
朋美がこんなにも取り乱してパニックになっているのを見るのは初めてかもしれない。
「……なるほどね。でも、それが解決できたら大輝にとってもプラスになるんじゃないかな」
「それはそうなんだけど、どうしたらいいのかわからなくて。朋美が俺なら、どうする?」
「私が大輝なら……難しいわね……考えたこともないかもしれない」
「そこを何とか……」
俺はその日の全精力と引き換えに、朋美から一つの光明を得た。
なるほど、これなら……と思ったが、具体的な案は何一つ出なかった。
つまりここからは俺の、俺による男の見せどころというわけだ。
朋美が与えてくれた案は、恋していないというのであれば、恋させちゃえばいい、というものだった。
おそらく本気で誰かを好きになった経験のない樋口さんは、恋愛感情というものがどういうものなのかわかっていないのではないか、と朋美は言った。
そういわれてみれば、確かに樋口さんは何処か冷めた様な一面を持っている気がする。
それが今の魔性につながるのであれば、そこを解決することで糸口は見えてくるかもしれない。
余計なお世話と言われればそれまでなのだが、俺にはどうしても放っておくことはできなかった。
見た目は綺麗で、でもどこか物足りなそうな表情。
周りが恋愛だの彼氏だのと言っている中、何がそんなに楽しいのか、とかそういう思いで一歩引いて見ていたのでは、などと考えると居たたまれない気持ちになった。
本人がそうだと言ったわけではないが、俺にはある種の確信があった。
以前、一回終わった後で彼女は俺の腕にしがみついてきたことがあった。
その時俺は、余計な一言を口にしてしまったのだ。
「俺には恋してないんじゃなかったっけ?」
今思うと、何でそんなこと言ったんだと悔やまれてならない。
彼女はその言葉を聞いて、はっとしてゆっくりと手を離した。
それを見て、俺もやってしまった、と思ったが後の祭りだ。
あの時、もしかしたら彼女はSOSを出していたのかもしれない。
それを、俺が心ない一言で一蹴してしまった。
許されたいだけだと言われたら、それは否定できない。
しかし、俺にはそんな彼女を救う義務がある。
頼まれたわけでもなんでもないが、このままでいるわけにはいかない。
一度閉じてしまった心を開かせるのは正直楽じゃないし、上手く行く保証などどこにもない。
だが、俺がやらないで誰がやるのか。
その思いだけが、俺の心を動かしている。
「え?デート……ですか?」
「そうだ。たまにはさ、なんつーかそういうのもいいかなって思うんだけど、どうかな」
気の利いた言葉がなかなか出てこない。
この口はどうでもいい時にはペラペラと動くくせに、いざとなると役立たずだ。
これで断られたらかなり間抜けだ、どうする、俺……。
「いいですよ。デート、行きましょう。しっかりエスコートしてくださいね」
先日の内田さんとのデートは睦月とのことを周りから追及される懸念から敬遠していたが、今回はそんな場合じゃない。
俺は彼女を救う。
そのためだったら多少追及されることがあろうと、糾弾されることがあろうと、構うもんか。
こうして樋口さんとのデートが始まった。
「男子と二人で遊園地とか、行ったことある?」
「いえ、ないですよ。誘われたことは何度かありましたけど」
「そうか、ならその初めてももらっちゃって悪いな」
「いえ、正直恋はしてませんけど……そういうの行くんだったら宇堂先輩しか考えられなかったので」
意外な答えだ。
先日のことで俺は一線引かれているのではないかと思っていただけに、この答えには思わず俺の方がドキリとさせられた。
てか、俺こそ彼女の術中にハマったりしないだろうな……それだけが心配だった。
デートと言えば遊園地、ということで日差しはややきついかなと思ったが、行く途中で帽子を買ってあげて、彼女にかぶせてあげた。
デザインは俺が選ぶと文句言われそうな気がして、彼女に選ばせた。
「これ、本当にもらっちゃっていいんですか?」
「うん、プレゼントするよ。それに今日の日差しはもはや凶器だからな。嫌じゃなかったらそれ、かぶっててくれよ」
「ありがとうございます。先輩って気遣いこまやかですよね」
「そ、そうか?釣った魚に餌やらないとか、割と厳しい評価が目立つんだけどな、最近」
「じゃあ私、釣られない様にした方がいいですね。餌、もらえなくなっちゃう」
いたずらっぽく笑う彼女は、本当に魅力的に見えた。
これが心からの笑顔だったら、俺もイチコロだったかもしれない。
だが何かを諦めた様に見えるその笑顔は、俺の心に響いてくることがない。
この笑顔を心からの、本物に変えることが俺の今日の使命と言える。
正直絶叫系の乗り物は得意でない俺だが、今日ばかりはそんなことを言っているわけにいかない。
夏休みということもあって長蛇の列ができているその乗り物にも、震えそうな足を懸命に抑えて並んだ。
熱中症の危険があるので、飲み物は携帯してある。
彼女がやや暑そうにしていたので、すっと飲み物を渡してやった。
「飲んじゃって、いいんですか?」
「当たり前だろ?てか倒れられたりしたら、俺が困っちゃうよ」
「倒れたら、優しく介抱してくれるんですか?」
「そりゃ、まぁな」
暑いけど、それでも俺が熱望して樋口さんの手を取り、恋人つなぎに移行する。
これには樋口さんもやや意外そうな顔をした。
「先輩って、外でベタベタするのあんまり好きじゃないんだと思ってました」
「あー……まぁ、嫌いじゃないよ。でも、樋口さんみたいな綺麗な子連れてたらやっぱり、見せつけてやりたくなるからな」
普段の俺ならまず言わない様なことを、割と頑張って頭を搾って口にする。
「先輩、手震えてませんか?」
「え?俺アル中とかじゃないんだけど……」
「もしかして、高いところとか苦手ですか?」
「い、いや?大丈夫。寧ろ大好き。もう、早く乗りたくてウズウズしてるんだ」
悪い癖が出てしまった。
図星を突かれて、つい心にもないことを誇張して言ってしまった。
これで睦月を怒らせたこともあるというのに、全然教訓が生きていない。
「そうですか、なら楽しみですね」
またもふっと笑って樋口さんが手を握り返してくる。
まだまだ心の氷は溶けていない様に見えた。
こんなに暑いんだから、さっさと溶ければいいのに、なんて思う心を自分でしかりつける。
面倒がったら絶対、そこで終了になる。
そんなわけにはいかないし、行かせない。
多少の無茶をしてでも、俺はこの子の心を掴む。
乗る瞬間までは、そう思っていたんだ……。
「先輩、大丈夫ですか?」
「あ、ああ……」
ジェットコースターに乗るまではな。
周りがキャー!だのうわー!だのうおおおおお!だのと悲鳴を上げる中、俺は安全バーに掴まってひたすら下を向いて終わるのを待っていた。
それも無言で歯を食いしばって。
隣で吹き出しそうになっている樋口さんの顔が少しだけ見えて、情けない姿も効果的なのか?と思ったりもした。
「はい、ジュースです。飲めますか?」
俺が気を遣われてどうする……。
さすがにここまで情けないのは想定外だった。
「全く、何でそんな無茶したんですか……」
呆れながらも仕方ないなぁ、と言いたげな笑顔。
少しだけ、氷は溶けたのだろうか。
「いや、樋口さんが乗りたそうだったから……」
「私のせいですか?」
「ち、違う。樋口さんの願いを最大限叶えるっていうのが、今日の俺のテーマなんだよ」
「ええ?何でまた……」
「だって、誘ったの俺だからな……少しはカッコつけておかないと」
「…………」
樋口さんの顔が、更に仕方ないなぁ、と言いたげなものに変わる。
これはいけるか?なんて調子に乗って、おっしゃ、と立ち上がると、立ち眩みに襲われて足がふらついた。
「無理したらダメですって!」
「お、おお?おおおお……」
樋口さんが咄嗟に俺の体を支える。
しかし支えきれずに、ベンチに俺が押し倒される形になってしまった。
何で俺が押し倒されてんだ……情けないにもほどがあるぞ……。
そこでつい目が合って、ドキドキしてしまった。
俺が攻略されちゃう、このままだと……。
「先輩は、仕方ないなぁ」
「め、面目ない……」
樋口さんが先に立って、俺に手を差し伸べる。
「ほら、立てますか?」
お、男らしい……俺が女だったら惚れて……いや女だったらおかしいことになるか。
差し伸べられた手を掴んで、立ち上がる。
今度はちゃんと立てた。
「お昼の時間ですね。先輩、お腹空いてますか?」
「まぁ、時間的にちょうどいいか。何食べたい?」
「んー……なんでもいい、っていうと先輩きっと困っちゃいますよね」
何ていうか、この子気遣いがすごく細やか。
俺よりずっとちゃんと気遣いできるんじゃないか?
「樋口さんが食べたいものでいいよ。……うなぎとかじゃなければ」
「何ですかそれ……こんなとこでうなぎなんて売ってないですよ」
「好き嫌いがあんまりないってことだよ。本当、何でもいいぞ。食べきれなかったら俺、頑張るし」
「じゃあ……」
樋口さんが選んだのは、園内にあるやや割高なレストランだった。
一度入ってみたかったと言っていたので、任せろ、とまたも並ぶ。
「暑いけど、大丈夫か?」
「もうすぐですし、大丈夫ですよ。先輩、心配性ですか?」
「ああ……そうかもしれない」
「優しいですもんね、先輩」
「そういうつもりはないけどなぁ……」
ようやく俺たちの番がきて、二人で中に入る。
メニューを眺めていると、一つ目に付くものがあった。
『カップル限定メニュー!愛し合う二人で、どうぞ!』
これ見よがしにでかでかと掲載されている、二人専用のメニュー。
見るからに巨大であることがわかる、パフェかこれは。
二人で一緒に飲むためのドリンクもセットらしい。
樋口さんも同じものを見ていた。
「興味あるの?」
「面白そうですけど……量が多くないですか?」
「まぁ、何とかなるだろ。じゃああと、何にする?」
デザートがでかいので、メインは控えめに行こうということになって、二人で注文を済ませた。
「先輩、何で今日はデートにしようと思ったんですか?」
注文を待つ間に、樋口さんが核心に迫った質問をしてくる。
これはどう答えるのが正解だろうか。
「何で、か。正直に言っちゃうと、樋口さんがどんな子か知りたかったから、かな。ああいう場面だけだと、やっぱりわからないことって沢山あるし」
割と正直に言った。
嘘は交えていないつもりだ。
「そうなんですか?私、てっきり先輩に口説かれちゃうのかと思ってました」
薄く笑う彼女は、おおよそのことがわかっている感じがする。
やっぱ俺みたいな大根役者じゃ、見抜かれるか……。
「まぁ、そういう気持ちがないとは言わないけどな……」
冷や汗をかきながら、尚足掻く。
ここで本当のことを告げてしまうのは、まだ早い。
「そうですか……じゃあ、今はまだそういうことにしといてあげますね」
見抜かれたら即帰宅されるんじゃないかと思っていただけに、何とも肩透かしをくらった気分ではある。
だが、まずはこの目の前の食事と、その後に控えているモンスターだ。
そして二十分後。
「……先輩、大丈夫ですか?」
「ま、任せとけ……!」
樋口さんは何口か食べて、あとは先輩どうぞ、とか言ってた。
ここで食べきらなくては、食べ物を無駄にするクズ男のレッテルを張られる、などと意味不明なことを考えて一瞬だけズルをした。
胃の中身をどっか適当な川に転送したのだ。
これなら……。
「先輩、お腹空いてるんですか?」
「へ?」
「さっきまでと食べ方が違う気がしたので」
良く見てんな……。
こいつ本当は、俺のこと好きなんじゃ……。
いや、まだあと半分もあるんだ、集中しろ……。
そして更に十分後。
「やったぞ、俺、結構頑張った……」
後半はアイスが溶けてもう何かカオスな感じだったけど、俺は巨大なパフェの九割くらいを食べきった。
樋口さんはというと、二人で飲む用のドリンクを、割とごくごく飲んでいる。
そんなに飲んで、トイレ近くなったりしない?
結局俺も手伝って残りのドリンクを飲み干して、少ししてから会計を済ませる。
財布を出そうとした樋口さんの手を押さえ、俺に任せろ、とか言ったときはやや引いた顔をされた気がした。
「先輩……私そろそろ、いつもの行きたいです」
「い、いつものって……いつもの?」
食事を終えて二人で出たところで、樋口さんが俺の腕を掴んだ。
いつものってことは、ここを出てホテルに行こうぜ!と樋口さんは言っているのだ。
もしかして退屈だったのだろうか。
ちょっとだけ残念な気持ちになりつつも、今日は樋口さんのお願い何でも叶えるデーだ、とか思い直してにこやかに了承した。
今日の俺はどうかしているかもしれない。
「先輩……私、やっぱり先輩のこと好きになってもいいですか?」
「そりゃもちろん……え?」
「一生懸命な先輩を見てたら、何だかかわいらしく思えてきて……」
ホテルに移ってからの後輩からの告白。
あれ……おかしいな、俺からこういうの言ってみて、今日はある程度頑張ったら締めようかと思ってたのに。
「先輩、以前私が腕に絡んだ時のこと覚えてます?」
「あ、うん、覚えてる……ごめん、本当に。あれは完全に俺が悪い」
「あ、責めてるんじゃないんです。今度は、ちゃんと受け止めてくれますか?」
「あ、当たり前だろ。今日はもう、何でも来いだ。俺の辞書に拒絶の文字はない」
事後に話を聞くと、デートに誘われた時点で多分こうなるんだろうな、という予感はしていたそうだ。
恐ろしい勘の良さだ。
最初はちょっと引き気味だったけど、段々一生懸命なところが伝わったとかなんとか。
この人は必死で私を引き上げてくれようとしている、と思ったらしい。
きっとこれが、這いあがるなら最後のチャンス、と思って迷ったらしいがきちんと女扱いしてくれたから決めたと樋口さんは言った。
初恋もまだだった少女にとって、俺たちの提案は正直人生を捨てるも同然だった。
きっと自分はこれから先、男に寄生する様に生きていくんだろう、なんて擦れた考えを持っていたこともあると言っていた。
だけど、今日のことでその考えは一変する。
俺みたいな大根役者が必死で差し伸べた手を、振り払うよりも掴みたい。
そう思ってくれたからこその成功だった。
「先輩、私のことちゃんと、大事にしてくれますか?」
「ああ、もちろんだ。なんでも言ってくれ。……結婚してくれとか言われても困るけど」
「もう、台無しですよ……でも、今はこれでいいんです。こうしててください」
そう言って樋口さんは俺に寄り添って目を閉じた。
これでよかったのかはわからないが、闇からは救ってあげられたのだと思う。
大体が後手に回っちゃったけど、結果オーライ……だよね?
「そうか、それなら別にそれでいいよ」
二人目の後輩、樋口さん。
この子はこの子でまたちょっと変わっている。
内田さんと違って、スタイルはあんまり良くないが、そのことを特にコンプレックスにしている様子はない。
寧ろひと昔前に流行った、貧乳は希少価値だ、ステータスだ、というのを前面に打ち出す様な子だった。
抉れているわけではないが、桜子といい勝負なのではないかというその貧乳。
だが、桜子と違って身長があるのでその貧乳が目立って見える。
本人は貧乳と言われることを全く嫌がらないどころか、俺が気を遣って控えめ、とか言うと逆に怒る。
貧乳って言ってもらえます?とか言われたときは思わず俺がおかしい事を言ったのか、と錯覚してしまった。
とにかく感度が良く、自分でもそれを自覚している。
感覚でここがいい、という場所も把握している。
ある意味で内田さんとは逆のタイプかもしれない。
恋をしていない、という割には甘え方が巧妙で、男にぐっと来させる何かを持っている。
魔性の女、という表現がぴったりかもしれない。
これからの人生で、やり方によっては男を狂わせまくる素質を秘めている、俺はそう感じた。
なるほど、確かにこれは恋をしているというよりは男を手玉に取る手法を勉強しているのかも、と思わされるものがあった。
そして彼女ならきっと、そういう人生を歩んでいけるのかもしれない。
だが、それでいいのか?
もちろん俺が口を挟む様な話ではない。
本人がそれでいいと言っている以上、本当に困りでもしない限りは俺が何かするべきではないと思う。
だが、その一方でこのままじゃ彼女は自分を見失うのではないか、という思いがあった。
「なるほど、確かに危ういね」
「だろ?俺なりに、どうするべきなのかなって思ってるんだけどさ」
「私は、大輝が正しいと思うやり方を選んでみるべきかなって思う」
睦月に相談すると、大体予想していた通りの返事が返ってくる。
これじゃ相談した意味がない。
そう思った俺は、できれば使いたくなかった奥の手を使うことにする。
「朋美ぃ!助けてくれ!困ってるんだ!!」
「ちょ、ちょっと何よ突然!?」
「頼む、お前しか頼れる人間がいない!!」
俺は朋美に泣きついた。
朋美がこんなにも取り乱してパニックになっているのを見るのは初めてかもしれない。
「……なるほどね。でも、それが解決できたら大輝にとってもプラスになるんじゃないかな」
「それはそうなんだけど、どうしたらいいのかわからなくて。朋美が俺なら、どうする?」
「私が大輝なら……難しいわね……考えたこともないかもしれない」
「そこを何とか……」
俺はその日の全精力と引き換えに、朋美から一つの光明を得た。
なるほど、これなら……と思ったが、具体的な案は何一つ出なかった。
つまりここからは俺の、俺による男の見せどころというわけだ。
朋美が与えてくれた案は、恋していないというのであれば、恋させちゃえばいい、というものだった。
おそらく本気で誰かを好きになった経験のない樋口さんは、恋愛感情というものがどういうものなのかわかっていないのではないか、と朋美は言った。
そういわれてみれば、確かに樋口さんは何処か冷めた様な一面を持っている気がする。
それが今の魔性につながるのであれば、そこを解決することで糸口は見えてくるかもしれない。
余計なお世話と言われればそれまでなのだが、俺にはどうしても放っておくことはできなかった。
見た目は綺麗で、でもどこか物足りなそうな表情。
周りが恋愛だの彼氏だのと言っている中、何がそんなに楽しいのか、とかそういう思いで一歩引いて見ていたのでは、などと考えると居たたまれない気持ちになった。
本人がそうだと言ったわけではないが、俺にはある種の確信があった。
以前、一回終わった後で彼女は俺の腕にしがみついてきたことがあった。
その時俺は、余計な一言を口にしてしまったのだ。
「俺には恋してないんじゃなかったっけ?」
今思うと、何でそんなこと言ったんだと悔やまれてならない。
彼女はその言葉を聞いて、はっとしてゆっくりと手を離した。
それを見て、俺もやってしまった、と思ったが後の祭りだ。
あの時、もしかしたら彼女はSOSを出していたのかもしれない。
それを、俺が心ない一言で一蹴してしまった。
許されたいだけだと言われたら、それは否定できない。
しかし、俺にはそんな彼女を救う義務がある。
頼まれたわけでもなんでもないが、このままでいるわけにはいかない。
一度閉じてしまった心を開かせるのは正直楽じゃないし、上手く行く保証などどこにもない。
だが、俺がやらないで誰がやるのか。
その思いだけが、俺の心を動かしている。
「え?デート……ですか?」
「そうだ。たまにはさ、なんつーかそういうのもいいかなって思うんだけど、どうかな」
気の利いた言葉がなかなか出てこない。
この口はどうでもいい時にはペラペラと動くくせに、いざとなると役立たずだ。
これで断られたらかなり間抜けだ、どうする、俺……。
「いいですよ。デート、行きましょう。しっかりエスコートしてくださいね」
先日の内田さんとのデートは睦月とのことを周りから追及される懸念から敬遠していたが、今回はそんな場合じゃない。
俺は彼女を救う。
そのためだったら多少追及されることがあろうと、糾弾されることがあろうと、構うもんか。
こうして樋口さんとのデートが始まった。
「男子と二人で遊園地とか、行ったことある?」
「いえ、ないですよ。誘われたことは何度かありましたけど」
「そうか、ならその初めてももらっちゃって悪いな」
「いえ、正直恋はしてませんけど……そういうの行くんだったら宇堂先輩しか考えられなかったので」
意外な答えだ。
先日のことで俺は一線引かれているのではないかと思っていただけに、この答えには思わず俺の方がドキリとさせられた。
てか、俺こそ彼女の術中にハマったりしないだろうな……それだけが心配だった。
デートと言えば遊園地、ということで日差しはややきついかなと思ったが、行く途中で帽子を買ってあげて、彼女にかぶせてあげた。
デザインは俺が選ぶと文句言われそうな気がして、彼女に選ばせた。
「これ、本当にもらっちゃっていいんですか?」
「うん、プレゼントするよ。それに今日の日差しはもはや凶器だからな。嫌じゃなかったらそれ、かぶっててくれよ」
「ありがとうございます。先輩って気遣いこまやかですよね」
「そ、そうか?釣った魚に餌やらないとか、割と厳しい評価が目立つんだけどな、最近」
「じゃあ私、釣られない様にした方がいいですね。餌、もらえなくなっちゃう」
いたずらっぽく笑う彼女は、本当に魅力的に見えた。
これが心からの笑顔だったら、俺もイチコロだったかもしれない。
だが何かを諦めた様に見えるその笑顔は、俺の心に響いてくることがない。
この笑顔を心からの、本物に変えることが俺の今日の使命と言える。
正直絶叫系の乗り物は得意でない俺だが、今日ばかりはそんなことを言っているわけにいかない。
夏休みということもあって長蛇の列ができているその乗り物にも、震えそうな足を懸命に抑えて並んだ。
熱中症の危険があるので、飲み物は携帯してある。
彼女がやや暑そうにしていたので、すっと飲み物を渡してやった。
「飲んじゃって、いいんですか?」
「当たり前だろ?てか倒れられたりしたら、俺が困っちゃうよ」
「倒れたら、優しく介抱してくれるんですか?」
「そりゃ、まぁな」
暑いけど、それでも俺が熱望して樋口さんの手を取り、恋人つなぎに移行する。
これには樋口さんもやや意外そうな顔をした。
「先輩って、外でベタベタするのあんまり好きじゃないんだと思ってました」
「あー……まぁ、嫌いじゃないよ。でも、樋口さんみたいな綺麗な子連れてたらやっぱり、見せつけてやりたくなるからな」
普段の俺ならまず言わない様なことを、割と頑張って頭を搾って口にする。
「先輩、手震えてませんか?」
「え?俺アル中とかじゃないんだけど……」
「もしかして、高いところとか苦手ですか?」
「い、いや?大丈夫。寧ろ大好き。もう、早く乗りたくてウズウズしてるんだ」
悪い癖が出てしまった。
図星を突かれて、つい心にもないことを誇張して言ってしまった。
これで睦月を怒らせたこともあるというのに、全然教訓が生きていない。
「そうですか、なら楽しみですね」
またもふっと笑って樋口さんが手を握り返してくる。
まだまだ心の氷は溶けていない様に見えた。
こんなに暑いんだから、さっさと溶ければいいのに、なんて思う心を自分でしかりつける。
面倒がったら絶対、そこで終了になる。
そんなわけにはいかないし、行かせない。
多少の無茶をしてでも、俺はこの子の心を掴む。
乗る瞬間までは、そう思っていたんだ……。
「先輩、大丈夫ですか?」
「あ、ああ……」
ジェットコースターに乗るまではな。
周りがキャー!だのうわー!だのうおおおおお!だのと悲鳴を上げる中、俺は安全バーに掴まってひたすら下を向いて終わるのを待っていた。
それも無言で歯を食いしばって。
隣で吹き出しそうになっている樋口さんの顔が少しだけ見えて、情けない姿も効果的なのか?と思ったりもした。
「はい、ジュースです。飲めますか?」
俺が気を遣われてどうする……。
さすがにここまで情けないのは想定外だった。
「全く、何でそんな無茶したんですか……」
呆れながらも仕方ないなぁ、と言いたげな笑顔。
少しだけ、氷は溶けたのだろうか。
「いや、樋口さんが乗りたそうだったから……」
「私のせいですか?」
「ち、違う。樋口さんの願いを最大限叶えるっていうのが、今日の俺のテーマなんだよ」
「ええ?何でまた……」
「だって、誘ったの俺だからな……少しはカッコつけておかないと」
「…………」
樋口さんの顔が、更に仕方ないなぁ、と言いたげなものに変わる。
これはいけるか?なんて調子に乗って、おっしゃ、と立ち上がると、立ち眩みに襲われて足がふらついた。
「無理したらダメですって!」
「お、おお?おおおお……」
樋口さんが咄嗟に俺の体を支える。
しかし支えきれずに、ベンチに俺が押し倒される形になってしまった。
何で俺が押し倒されてんだ……情けないにもほどがあるぞ……。
そこでつい目が合って、ドキドキしてしまった。
俺が攻略されちゃう、このままだと……。
「先輩は、仕方ないなぁ」
「め、面目ない……」
樋口さんが先に立って、俺に手を差し伸べる。
「ほら、立てますか?」
お、男らしい……俺が女だったら惚れて……いや女だったらおかしいことになるか。
差し伸べられた手を掴んで、立ち上がる。
今度はちゃんと立てた。
「お昼の時間ですね。先輩、お腹空いてますか?」
「まぁ、時間的にちょうどいいか。何食べたい?」
「んー……なんでもいい、っていうと先輩きっと困っちゃいますよね」
何ていうか、この子気遣いがすごく細やか。
俺よりずっとちゃんと気遣いできるんじゃないか?
「樋口さんが食べたいものでいいよ。……うなぎとかじゃなければ」
「何ですかそれ……こんなとこでうなぎなんて売ってないですよ」
「好き嫌いがあんまりないってことだよ。本当、何でもいいぞ。食べきれなかったら俺、頑張るし」
「じゃあ……」
樋口さんが選んだのは、園内にあるやや割高なレストランだった。
一度入ってみたかったと言っていたので、任せろ、とまたも並ぶ。
「暑いけど、大丈夫か?」
「もうすぐですし、大丈夫ですよ。先輩、心配性ですか?」
「ああ……そうかもしれない」
「優しいですもんね、先輩」
「そういうつもりはないけどなぁ……」
ようやく俺たちの番がきて、二人で中に入る。
メニューを眺めていると、一つ目に付くものがあった。
『カップル限定メニュー!愛し合う二人で、どうぞ!』
これ見よがしにでかでかと掲載されている、二人専用のメニュー。
見るからに巨大であることがわかる、パフェかこれは。
二人で一緒に飲むためのドリンクもセットらしい。
樋口さんも同じものを見ていた。
「興味あるの?」
「面白そうですけど……量が多くないですか?」
「まぁ、何とかなるだろ。じゃああと、何にする?」
デザートがでかいので、メインは控えめに行こうということになって、二人で注文を済ませた。
「先輩、何で今日はデートにしようと思ったんですか?」
注文を待つ間に、樋口さんが核心に迫った質問をしてくる。
これはどう答えるのが正解だろうか。
「何で、か。正直に言っちゃうと、樋口さんがどんな子か知りたかったから、かな。ああいう場面だけだと、やっぱりわからないことって沢山あるし」
割と正直に言った。
嘘は交えていないつもりだ。
「そうなんですか?私、てっきり先輩に口説かれちゃうのかと思ってました」
薄く笑う彼女は、おおよそのことがわかっている感じがする。
やっぱ俺みたいな大根役者じゃ、見抜かれるか……。
「まぁ、そういう気持ちがないとは言わないけどな……」
冷や汗をかきながら、尚足掻く。
ここで本当のことを告げてしまうのは、まだ早い。
「そうですか……じゃあ、今はまだそういうことにしといてあげますね」
見抜かれたら即帰宅されるんじゃないかと思っていただけに、何とも肩透かしをくらった気分ではある。
だが、まずはこの目の前の食事と、その後に控えているモンスターだ。
そして二十分後。
「……先輩、大丈夫ですか?」
「ま、任せとけ……!」
樋口さんは何口か食べて、あとは先輩どうぞ、とか言ってた。
ここで食べきらなくては、食べ物を無駄にするクズ男のレッテルを張られる、などと意味不明なことを考えて一瞬だけズルをした。
胃の中身をどっか適当な川に転送したのだ。
これなら……。
「先輩、お腹空いてるんですか?」
「へ?」
「さっきまでと食べ方が違う気がしたので」
良く見てんな……。
こいつ本当は、俺のこと好きなんじゃ……。
いや、まだあと半分もあるんだ、集中しろ……。
そして更に十分後。
「やったぞ、俺、結構頑張った……」
後半はアイスが溶けてもう何かカオスな感じだったけど、俺は巨大なパフェの九割くらいを食べきった。
樋口さんはというと、二人で飲む用のドリンクを、割とごくごく飲んでいる。
そんなに飲んで、トイレ近くなったりしない?
結局俺も手伝って残りのドリンクを飲み干して、少ししてから会計を済ませる。
財布を出そうとした樋口さんの手を押さえ、俺に任せろ、とか言ったときはやや引いた顔をされた気がした。
「先輩……私そろそろ、いつもの行きたいです」
「い、いつものって……いつもの?」
食事を終えて二人で出たところで、樋口さんが俺の腕を掴んだ。
いつものってことは、ここを出てホテルに行こうぜ!と樋口さんは言っているのだ。
もしかして退屈だったのだろうか。
ちょっとだけ残念な気持ちになりつつも、今日は樋口さんのお願い何でも叶えるデーだ、とか思い直してにこやかに了承した。
今日の俺はどうかしているかもしれない。
「先輩……私、やっぱり先輩のこと好きになってもいいですか?」
「そりゃもちろん……え?」
「一生懸命な先輩を見てたら、何だかかわいらしく思えてきて……」
ホテルに移ってからの後輩からの告白。
あれ……おかしいな、俺からこういうの言ってみて、今日はある程度頑張ったら締めようかと思ってたのに。
「先輩、以前私が腕に絡んだ時のこと覚えてます?」
「あ、うん、覚えてる……ごめん、本当に。あれは完全に俺が悪い」
「あ、責めてるんじゃないんです。今度は、ちゃんと受け止めてくれますか?」
「あ、当たり前だろ。今日はもう、何でも来いだ。俺の辞書に拒絶の文字はない」
事後に話を聞くと、デートに誘われた時点で多分こうなるんだろうな、という予感はしていたそうだ。
恐ろしい勘の良さだ。
最初はちょっと引き気味だったけど、段々一生懸命なところが伝わったとかなんとか。
この人は必死で私を引き上げてくれようとしている、と思ったらしい。
きっとこれが、這いあがるなら最後のチャンス、と思って迷ったらしいがきちんと女扱いしてくれたから決めたと樋口さんは言った。
初恋もまだだった少女にとって、俺たちの提案は正直人生を捨てるも同然だった。
きっと自分はこれから先、男に寄生する様に生きていくんだろう、なんて擦れた考えを持っていたこともあると言っていた。
だけど、今日のことでその考えは一変する。
俺みたいな大根役者が必死で差し伸べた手を、振り払うよりも掴みたい。
そう思ってくれたからこその成功だった。
「先輩、私のことちゃんと、大事にしてくれますか?」
「ああ、もちろんだ。なんでも言ってくれ。……結婚してくれとか言われても困るけど」
「もう、台無しですよ……でも、今はこれでいいんです。こうしててください」
そう言って樋口さんは俺に寄り添って目を閉じた。
これでよかったのかはわからないが、闇からは救ってあげられたのだと思う。
大体が後手に回っちゃったけど、結果オーライ……だよね?
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ヤクザのお嬢は25人の婚約者に迫られてるけど若頭が好き!
タタミ
恋愛
関東最大の極道組織・大蛇組組長の一人娘である大蛇姫子は、18歳の誕生日に父から「今年中に必ず結婚しろ」と命じられる。
姫子の抵抗虚しく、次から次へと夫候補の婚約者(仮)が現れては姫子と見合いをしていくことに。
しかし、姫子には子どもの頃からお目付け役として世話をしてくれている組員・望月大和に淡い恋心を抱き続けていて──?
全25人の婚約者から真実の愛を見つけることはできるのか!?今、抗争より熱い戦いの幕が上がる……!!
君への気持ちが冷めたと夫から言われたので家出をしたら、知らぬ間に懸賞金が掛けられていました
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【え? これってまさか私のこと?】
ソフィア・ヴァイロンは貧しい子爵家の令嬢だった。町の小さな雑貨店で働き、常連の男性客に密かに恋心を抱いていたある日のこと。父親から借金返済の為に結婚話を持ち掛けられる。断ることが出来ず、諦めて見合いをしようとした矢先、別の相手から結婚を申し込まれた。その相手こそ彼女が密かに思いを寄せていた青年だった。そこでソフィアは喜んで受け入れたのだが、望んでいたような結婚生活では無かった。そんなある日、「君への気持ちが冷めたと」と夫から告げられる。ショックを受けたソフィアは家出をして行方をくらませたのだが、夫から懸賞金を掛けられていたことを知る――
※他サイトでも投稿中
借りてきたカレ
しじましろ
恋愛
都合の良い存在であるはずのレンタル彼氏に振り回されて……
あらすじ
システムエンジニアの萩野みさをは、仕事中毒でゾンビのような見た目になるほど働いている。
人の良さにつけ込まれ、面倒な仕事を押しつけられたり、必要のない物を買わされたり、損ばかりしているが、本人は好きでやっていることとあまり気にしていない。
人並みに結婚願望はあるものの、三十歳過ぎても男性経験はゼロ。
しかし、レンタル彼氏・キキとの出会いが、そんな色の無いみさをの日常を大きく変えていく。
基本的にはカラッと明るいラブコメですが、生き馬の目を抜くIT企業のお仕事ものでもあるので、癖のあるサブキャラや意外な展開もお楽しみください!
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
昔好きだったお姉さんが不倫されたので落としに行ったら後輩からも好かれていた
九戸政景
恋愛
高校三年生の柴代大和は、小学校一年生の頃からの付き合いである秋田泰希の姉である夕希に恋心を抱いていたが、夕希の結婚をきっかけに恋心を諦めていた。
そして小学生の頃の夢を見た日、泰希から大和は夕希の離婚を伝えられ、それと同時にある頼みをされる。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
**2026.01.02start~2026.01.17end**
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる