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本編
大輝編58話~愛美の元カレ~
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「久しぶり……だな。元気そうで何よりだ」
「彰……!」
俺の誕生日前日。
明日、サプライズはすでに種明かしをされてしまっていたのだが、ここにきて全く予期していなかったサプライズが起こった。
愛美さんと一緒に学校帰りに待ち合わせをして、駅前で明日の食材等の買出しに出て、必要なものがある程度揃ったのでお茶にでも、と思って立ち寄った喫茶店で、その男は現れた。
「酒は、控えてるのか?」
「……まぁ、飲むときは飲むけど」
「愛美さん、もしかして……」
「ああ、大分前に話した元婚約者だよ」
この人が……。
割とイケメンな風貌のその男は、見るからに爽やかで清廉潔白と言った装い。
髪も綺麗に整えられ、そこそこ経済力もありそうに見えた。
「そんなとこ立ってたら、ほかのお客さんに迷惑だろ。座りなよ。大輝、いいだろ?」
「え、ええ……」
ダメ、なんて言える雰囲気ではなかったが、正直心の中ではダメ、と言いたかった。
元カレと遭遇とか、できれば避けて通りたかったし……一生なくても良いハプニングだ。
「その子は、彼氏か?なんてな、そんなわけないか、年の差ありすぎるよな」
のっけから失礼なやつだ、と思った。
そんな爽やかなツラしていきなり嫌味とか、人間が腐ってるのか、こいつ。
「いや、彼氏だけど?何か問題あるの?」
「へ?」
「ちょ、ちょっと愛美さん……」
「何だよ、本当のことだろうが。それとも私と恋仲であることは、恥ずべきことなのか?」
「い、いやそういうわけじゃないですけど……」
あまりにも堂々としたその物言いに、俺は思わず言葉を失う。
いや、ぶっちゃけ法律的な部分を考えたら確かに、愛美さんが悪いことしてることになっちゃうんだけど……。
「ほ、本気なのか、愛美……」
「本気で何か悪いのか?あたしを捨てて出て行ったあんたが、今更あたしに言えることなんかあると思ってるのか?」
「それは……悪かったとは思ってる」
「まぁいいよ、あたしもあの頃はどうかしてた。どっちにしても過去のこと。そうでしょ?」
何だろう、置いてけぼりの状況で着々と修羅場になっていくこの状態。
「確かに、俺たちは若かった」
「何言ってんの、まだあたしたち二十代だよ?」
「そうだけどな……なら、彼氏くん、君はどう思ってるんだ?」
「はい?」
いきなり話を振られても、愛美さんの過去のことまで俺には立ち入ることはできない。
無闇に触れていいことでもない気がする。
「愛美と、これからも付き合っていくつもりなんだよな?十程度歳が違うと思うんだけど」
「はぁ、まぁ……」
「おい彰、どういうつもりだ?」
「君は、愛美を幸せにできる自信があるのか?」
「一体、何を言ってるんでしょうか……」
「愛美、君はこれからもこの子と付き合っていくつもりなのかもしれないが……本当にそれでいいのか?」
「おい、言いたいことがあんならはっきり言えよ。全然話が掴めないんだけど」
「愛美、俺とやり直そう。今の君には、現実が見えていないんだ」
「ああ?」
元カレ登場で正直こうなる予感はしていたけど……やっぱりこうなるのか。
だけど、これは俺の問題というよりも愛美さんと元カレの彰さんの問題な気がする。
たとえ俺が、愛美さんは渡さない、なんて息巻いてみたところで鼻で笑われてしまうだろう。
力で感情を操ったりすることもできなくはないが、そんな卑怯な真似をするのはさすがに違う。
というか、睦月やらに愛想尽かされるだろうな。
だが、一つだけはっきりさせておきたい。
「あの、一ついいですか」
「何かな」
「愛美さんには現実が見えてないから、彰さんとやり直そう、って今言いましたけど」
「そうだね、それが?」
「愛美さんを好きだから、とか愛しているから、とかじゃないんですか?」
「…………」
「なるほど、そうきたか」
「いや、ちょっと気になっただけなんで……普通に考えたら好きでもないなら、ヨリを戻そうなんて話しませんよね」
「君は若い様に見えてちゃんと見ているんだな。感心したよ」
「それはどうも……で、愛美さんとヨリを戻したいっていうのは本気なんですか?」
「本気だよ。今日会ったのはもちろん偶然だけど、これは運命なんじゃないかって思う」
「それは、あたしと大輝の愛情がより深まるための、踏み台に彰がなるっていう運命か?」
愛美さんがニヤリと笑って彰さんを見た。
彰さんは笑みを崩さないが、内心動揺している様に見える。
こんな時でも愛美さんは平常運航だな……。
「踏み台か……それも面白いんだけどね。俺は気味と別れてから、一日たりとて君のことを思い出さない日はなかったよ」
「そうかい、それは気持ち悪いな。あたしは割とあんたのこと忘れてたけどね。大輝のおかげもあるけど」
「ま、愛美さん、そこまで言わなくても……」
「いいんだよ、こいつにはこのくらい言わないと……いや言ってもあんまり効果ないんだけどさ」
「相変わらずの切れ味だよ、愛美。安心した」
「本当に気持ち悪いからやめてもらえる?さっき食ったラーメン出ちゃったらどうするのさ、もったいない」
いきなり下ネタに移行する辺り、絶好調だな。
しかし彰さんは意にも介していない様子だ。
もしかしてこの人マゾ?
「愛美からそういう風に言われてると、色々思い出して楽しくなるよ」
「うるせぇよ、中折れ王子が。しばらくトラウマになってた話、あんたの会社に広めんぞ」
「さ、さすがにその攻撃は効くからやめてもらえるとありがたいんだけど……」
「中折れ王子?」
「そうなんだよ、こいつさぁ……」
「ま、待った!その話は俺がいなくなってからにしてくれ。今日二人の邪魔をしたことは謝るから。お詫びにここの払いは任せてくれ」
そう言って彰さんは俺たちの分の伝票も持って立ち上がった。
「でも愛美、俺は本気だよ。もし余裕があったら考えてみてほしい。大輝くんだったか、君もね」
「何だお前、大輝にまで手をかけるつもりかよ。いつの間にバイになったわけ?マジでキモいんだけど」
「愛美さん、そういう意味じゃないと思う……」
「す、すまないなフォローまでさせて……じゃあ、とりあえず今日は帰るから……」
哀愁漂う背中を見せて、彰さんは去って行った。
一瞬で疲労度マックスになった様に見える。
「…………」
「大輝、お前はどう思ってるんだ?」
「えと……どうって……?」
愛美さんはいつになく真剣に、俺をまっすぐ見つめる。
何となく俺はその目を見ていられなくて目を逸らしてしまう。
「大輝の考える、あたしの幸せって何か、ってことさ。まだ大輝には早い話だったかな」
「そ、そんなことないです。ないですけど……簡単に言える様な内容でもない気がしますね」
「そんなに難しく考えることないと思うけどな。割とあたしの頭の中はシンプルなんだ。さっき彰に再会したときは確かにびっくりはしたけど……昔みたいなときめきはもう、微塵もなかったし」
そんな風に言われると、何だか嬉しくなってほっとする自分がいる。
何とも浅ましい限りだ。
大体、愛美さんが仮に彰さんを選んだところで、俺に文句を言う権利なんかないというのに。
「あのな、大輝」
「はい?」
「あたしは、前にも言ったと思うけど……お前に全部をあげてもいいとさえ思ってる」
「い、言ってましたね」
「だから、ちゃんとその手を離さないでいてくれればそれで、私は十分幸せなんだよ」
「愛美さん……」
それから俺たちは荷物を持って、マンションへ戻った。
他愛もない話をしながらの道のりだったが、会話の内容は一向に頭に入ってこなかった。
中折れ王子の由来の話なんかもしていた気がするが、右から左に抜けて行ってしまっている。
愛美さんの幸せか。
以前にも考えて、答えは出たはずだったけど……改めてライバル……でもないんだろうけど、愛美さんを俺の代わりに幸せにできるかもしれない人の出現に、少し動揺させられているのだ。
悪い癖だなとは思う。
自覚はあるのに、自信がないから思い悩んでしまう。
こんなに思ってくれている、というのも理解しているはずなのに。
答えだって決まっているはずだ。
俺は、愛美さんを取られたくない。
「大輝、それって」
マンションに戻って、俺の話を聞いた睦月が何かに気づいた様だった。
「ただのヤキモチと不安じゃない?」
朋美も気づいた様だった。
ただの、って失礼だな……ただのだけど。
そんなやり取りをしている俺たちを、愛美さんは微笑ましげに見ていた。
「やれやれ、大輝はあれだな……以前勉強したことをすぐ忘れちゃうんだな」
「どういうことです?」
「ふむ……じゃあ大輝、あたしのこと好きか?」
「そりゃ……あっ」
「何だよ、好きじゃないのか?じゃああたし、彰のとこ行った方がいいか?」
「嫌ですよ!好きに決まってるじゃないですか!」
「はは、ごめんごめん。大輝、お前がどう考えてるかわからないけどな、あたしにとって、あたしを幸せにできる人間はお前だけなんだぞ?」
俺だけ……。
果たして、本当にそうなのだろうか。
「まぁた考えてやがんな……全く……じゃあ大輝、お前はあたしを手放したいのか?」
「そんなわけないじゃないですか……」
「あたしはな、大輝。まぁ面と向かってこういうこと言うの、あんま得意じゃないんだけど……大輝のこと好きだよ」
「確かにあんまり言われたことないかもしれないですね」
「本人がそう言ってても信用できないっていうんであれば、もう私たちにはどうしようもないんだけどね」
「そうね、結局大輝くんが信用できるかどうか、だもの」
「信用できないというよりは……うーん……自信がないんだよな、多分だけど。身に余る光栄っていうのか、そういうのに俺自身の精神がついていけてないのかもしれない」
「もう割とこうなってから時間経ってるはずなのにね」
「慣れてはいても、人間の本質ってのはそう簡単に変わらないってことなのかもな」
愛美さんがこう考えていると言っても、彰さんを信用はできない。
まだ知り合って間もない人ではあるから仕方ないかもしれないが、どうもあの手のイケメンはいけ好かないというか……喫茶店は奢ってくれたけど。
仮に強硬策に出る様なら、俺も迎え撃つ準備くらいはしておいた方がいいかもしれない。
そして翌日、俺の誕生日会が催される。
小学校のころとかは友達の誕生日会とか呼ばれて行ったこともあったが、まさか高校になってもこんなことをするなんて思ってもみなかった。
「大輝のことが好きで集まってるみんなが、こういうのやりたがらないわけがないでしょ」
そう言って睦月はヘルを迎えに行った。
なら俺にもお前らの誕生日を、と思ったが、愛美さんや和歌さんはそろそろデリケートな時期かもだし、と口にするのはやめておいた。
ヘルがくるまでの間で、俺と朋美は飲み物を追加しようということで外に二人で出る。
コンビニまで歩いていると、見覚えのある男の顔があった。
「大輝くん……これは、どういうことかな?」
「どうって……ああ、言ってなかったでしたっけ。まぁ、こういうことですよ。愛美さんももちろん承知してますけど」
「大輝、この人って、もしかして……」
「ああ、そうだ。愛美さんの元婚約者の人だよ」
驚いた様な、失望した様な顔の彰さん。
予想できたリアクションではあるが、何故か言い訳をする気にはならなかった。
「大輝くん、君にはその子の様に、同年代の方が合ってるんじゃないのか?」
「そうですかね。合ってるってのはもちろん否定はしませんけど」
「わ、私と大輝がお似合いだなんて……」
一部だけをピックアップしてしきりに朋美が照れる。
こんな時なのに、羨ましい思考回路だ。
「だから、愛美を俺に譲ってくれ。頼むよ」
「犬や猫の子じゃあるまいし、はいそうですかってわけにもいかないですよ」
「そ、そうですよ。私たちはみんな、大輝を慕って集まってるんです」
「あ、おい……」
そこまで言うつもりはなかったが、朋美が勝手に突っ走って話してしまった。
彰さんが固まっているのが見える。
「みんなって……一体何人囲っているんだ?」
「十人じゃ利かないですね。それが?」
「俺は、君を見損なったよ……まさかそんな若いのに……」
「そういう言い方ってあんまりじゃないですか!?大輝が悪いみたいに……」
「おい朋美、やめろ。愛美さんのいないところでこんな風に争っても意味がない」
「逃げるのか、大輝くん」
「逃げる?必要がありませんよ。何の勝負がしたいんだかわかりませんけど、勝負にすらならないと思いますよ」
心に余裕がないのか、どうも煽る様な言い方をしてしまう。
本当に落ち着かないといけないのは俺の方な気がする。
「大した自信じゃないか。君は、その十人以上の女性全員の人生を背負っていく覚悟があるってことか?」
「そうです。さっき朋美が言った様に、彼女たちは全員俺を慕って集まってくれています。俺の力だけでなく、全員で力を合わせるんです。できないことなんかありませんよ」
「男として、それでいいと思ってるってことか?」
「男も女もありませんよ。人間は一人では生きていけないですから。助け合うのは当たり前じゃないんですか?」
朋美にやめろとか言っておいて俺が争ってるという。
何とも本末転倒だ。
大体みんな待ってるし、早いところ帰りたいんだけどな……。
「大輝くん、俺は愛美のことをあきらめないよ。また会おうじゃないか」
なんて思ってたら向こうから切り上げてくれた。
また会いたいなんて思える相手ではないな。
とりあえず、みんな待ってるということでさっさと買うものを買ってマンションへ戻ることにした。
「あ?また現れたのかよ、彰のやつ」
「ええ、まぁ……愛美さんのことをあきらめない、とかなんとか言ってましたけど」
「しつこいのは相変わらずか……で、大輝。お前もムキになって言い争ってきたってわけか?」
「えっと……まぁ、はい……」
嘘をついても、朋美が全部見ていたし正直誤魔化し様がない。
なので俺は正直にすべてを語ることにした……なんて言ってもそんなに語ることはなかったんだけど。
「なら大輝、今度あたしが話つけておいてやるよ」
「いや、愛美さんそれはさすがに……」
「何だ、ほかの男に会いに行くのが不安か?」
「…………」
そういう気持ちがないわけでは確かにない。
というかそれがほとんどかもしれない。
「心配なら、睦月辺りに付き合ってもらうか?それなら暴挙に出たところでどうにもならないだろうから」
「いや、そんな……なら俺が行きますよ」
「お前頭熱くなって、喧嘩ふっかけそうだからな……」
どうも信用がないみたいだが、ちょっと否定できないのが悔しい。
俺は自分で思っているよりも嫉妬深くて、独占欲が強いのかもしれない。
結局この日、あまり気分は晴れないままだったがみんなが祝ってくれるということで表面上は楽しむことにした。
こんな日に他の、しかも男のことなんか考えても何も得にならないということで、割り切ることにしたのだ。
少ししてヘルがきてくれて、順調に育っている息子を見て頬が緩む。
元々子どもは好きだったけど、自分の子どもなんだと思うとやはり違うな、と思う。
「大輝、愛美の元彼?とかっていうのと戦うの?」
「は?」
おそらく睦月辺りがしゃべったんだろうけど……何を話したのか、一体……。
「戦うって……いや、そんな物騒なことにはならないぞ、多分」
「何で?」
「何でって、相手は人間だからな。さすがに俺が本気で戦ったら死んじゃうから。それに、相手は大人だからな。言い合いにはなっても殴り合いとかには発展しないんじゃないか?」
「なるほど。愛美が取られたら、大輝は嫌なの?」
「当たり前だろ……」
「何で?」
「何でって……」
ヘルの相変わらずの純粋な質問を、みんなが見守る。
俺も、どう答えて良いのかわからない。
「大輝はね、ちょっと拗ねてるだけなんだよ」
「え?」
「は!?」
睦月のさらりとした物言いに、一同がざわつく。
愛美さんだけは、わかっていたかの様な顔をしている。
「俺だけが知ってるはずの愛美さんを、元カレなんかに語られたくない、みたいな独占欲だよね」
「ちょ、おい……」
「そうなのか、大輝」
「え?いや……」
思わず言い淀んでしまったが、違うと断ずることはできない。
「まぁ、そうなんだとしても……あたし、別に大輝が初めてじゃなかったからな」
「ぐっ……」
「処女信仰でもあるんだったら話は別かもしれないけど……そうじゃないんだろ?」
「そ、それはまぁ……」
確かに言う通りだ。
だったら何で、俺はそんな風に考えて、しかも睦月に考え見透かされて……。
「まぁ、確かにあたしとフレイヤ以外は処女だったからな。あ、ヘルもだっけ」
「まぁ……でも、別に処女じゃなかったからとか関係ないでしょ?」
「あとはあれかな。俺の知らない愛美さんを知ってるのが許せない、みたいな」
「ああ、ちょっとだけそれはわかる。でも、それって過去のこと洗いざらい話せってこと?」
「い、いや待ってくれ、勝手に話を進めないでくれよ」
「あたしの過去の話が聞きたいのか?全部聞いたら一週間くらいかかるかもしんないけど」
「それはそれでどうかと思いますけどね……」
だが、知りたい。
何と言われようと、やっぱり気になるのは気になる。
「……愛美さん。彰さんのことだけでいいので、聞かせてくれませんか?」
「彰のことだけでいいのか?男性遍歴全部聞かせてやってもいいけど」
「そ、それは……一週間かからないんであれば……」
「しょうがないやつだなぁ。まぁいいや、じゃあ暗くならない様に話そうか。メインは大輝の誕生日なんだし」
愛美さんはシャンパンを継ぎ足して、俺たちを見まわした。
今まで語られることのなかった、愛美さんの過去が明らかになるときがきたのだ。
次回に続きます。
「彰……!」
俺の誕生日前日。
明日、サプライズはすでに種明かしをされてしまっていたのだが、ここにきて全く予期していなかったサプライズが起こった。
愛美さんと一緒に学校帰りに待ち合わせをして、駅前で明日の食材等の買出しに出て、必要なものがある程度揃ったのでお茶にでも、と思って立ち寄った喫茶店で、その男は現れた。
「酒は、控えてるのか?」
「……まぁ、飲むときは飲むけど」
「愛美さん、もしかして……」
「ああ、大分前に話した元婚約者だよ」
この人が……。
割とイケメンな風貌のその男は、見るからに爽やかで清廉潔白と言った装い。
髪も綺麗に整えられ、そこそこ経済力もありそうに見えた。
「そんなとこ立ってたら、ほかのお客さんに迷惑だろ。座りなよ。大輝、いいだろ?」
「え、ええ……」
ダメ、なんて言える雰囲気ではなかったが、正直心の中ではダメ、と言いたかった。
元カレと遭遇とか、できれば避けて通りたかったし……一生なくても良いハプニングだ。
「その子は、彼氏か?なんてな、そんなわけないか、年の差ありすぎるよな」
のっけから失礼なやつだ、と思った。
そんな爽やかなツラしていきなり嫌味とか、人間が腐ってるのか、こいつ。
「いや、彼氏だけど?何か問題あるの?」
「へ?」
「ちょ、ちょっと愛美さん……」
「何だよ、本当のことだろうが。それとも私と恋仲であることは、恥ずべきことなのか?」
「い、いやそういうわけじゃないですけど……」
あまりにも堂々としたその物言いに、俺は思わず言葉を失う。
いや、ぶっちゃけ法律的な部分を考えたら確かに、愛美さんが悪いことしてることになっちゃうんだけど……。
「ほ、本気なのか、愛美……」
「本気で何か悪いのか?あたしを捨てて出て行ったあんたが、今更あたしに言えることなんかあると思ってるのか?」
「それは……悪かったとは思ってる」
「まぁいいよ、あたしもあの頃はどうかしてた。どっちにしても過去のこと。そうでしょ?」
何だろう、置いてけぼりの状況で着々と修羅場になっていくこの状態。
「確かに、俺たちは若かった」
「何言ってんの、まだあたしたち二十代だよ?」
「そうだけどな……なら、彼氏くん、君はどう思ってるんだ?」
「はい?」
いきなり話を振られても、愛美さんの過去のことまで俺には立ち入ることはできない。
無闇に触れていいことでもない気がする。
「愛美と、これからも付き合っていくつもりなんだよな?十程度歳が違うと思うんだけど」
「はぁ、まぁ……」
「おい彰、どういうつもりだ?」
「君は、愛美を幸せにできる自信があるのか?」
「一体、何を言ってるんでしょうか……」
「愛美、君はこれからもこの子と付き合っていくつもりなのかもしれないが……本当にそれでいいのか?」
「おい、言いたいことがあんならはっきり言えよ。全然話が掴めないんだけど」
「愛美、俺とやり直そう。今の君には、現実が見えていないんだ」
「ああ?」
元カレ登場で正直こうなる予感はしていたけど……やっぱりこうなるのか。
だけど、これは俺の問題というよりも愛美さんと元カレの彰さんの問題な気がする。
たとえ俺が、愛美さんは渡さない、なんて息巻いてみたところで鼻で笑われてしまうだろう。
力で感情を操ったりすることもできなくはないが、そんな卑怯な真似をするのはさすがに違う。
というか、睦月やらに愛想尽かされるだろうな。
だが、一つだけはっきりさせておきたい。
「あの、一ついいですか」
「何かな」
「愛美さんには現実が見えてないから、彰さんとやり直そう、って今言いましたけど」
「そうだね、それが?」
「愛美さんを好きだから、とか愛しているから、とかじゃないんですか?」
「…………」
「なるほど、そうきたか」
「いや、ちょっと気になっただけなんで……普通に考えたら好きでもないなら、ヨリを戻そうなんて話しませんよね」
「君は若い様に見えてちゃんと見ているんだな。感心したよ」
「それはどうも……で、愛美さんとヨリを戻したいっていうのは本気なんですか?」
「本気だよ。今日会ったのはもちろん偶然だけど、これは運命なんじゃないかって思う」
「それは、あたしと大輝の愛情がより深まるための、踏み台に彰がなるっていう運命か?」
愛美さんがニヤリと笑って彰さんを見た。
彰さんは笑みを崩さないが、内心動揺している様に見える。
こんな時でも愛美さんは平常運航だな……。
「踏み台か……それも面白いんだけどね。俺は気味と別れてから、一日たりとて君のことを思い出さない日はなかったよ」
「そうかい、それは気持ち悪いな。あたしは割とあんたのこと忘れてたけどね。大輝のおかげもあるけど」
「ま、愛美さん、そこまで言わなくても……」
「いいんだよ、こいつにはこのくらい言わないと……いや言ってもあんまり効果ないんだけどさ」
「相変わらずの切れ味だよ、愛美。安心した」
「本当に気持ち悪いからやめてもらえる?さっき食ったラーメン出ちゃったらどうするのさ、もったいない」
いきなり下ネタに移行する辺り、絶好調だな。
しかし彰さんは意にも介していない様子だ。
もしかしてこの人マゾ?
「愛美からそういう風に言われてると、色々思い出して楽しくなるよ」
「うるせぇよ、中折れ王子が。しばらくトラウマになってた話、あんたの会社に広めんぞ」
「さ、さすがにその攻撃は効くからやめてもらえるとありがたいんだけど……」
「中折れ王子?」
「そうなんだよ、こいつさぁ……」
「ま、待った!その話は俺がいなくなってからにしてくれ。今日二人の邪魔をしたことは謝るから。お詫びにここの払いは任せてくれ」
そう言って彰さんは俺たちの分の伝票も持って立ち上がった。
「でも愛美、俺は本気だよ。もし余裕があったら考えてみてほしい。大輝くんだったか、君もね」
「何だお前、大輝にまで手をかけるつもりかよ。いつの間にバイになったわけ?マジでキモいんだけど」
「愛美さん、そういう意味じゃないと思う……」
「す、すまないなフォローまでさせて……じゃあ、とりあえず今日は帰るから……」
哀愁漂う背中を見せて、彰さんは去って行った。
一瞬で疲労度マックスになった様に見える。
「…………」
「大輝、お前はどう思ってるんだ?」
「えと……どうって……?」
愛美さんはいつになく真剣に、俺をまっすぐ見つめる。
何となく俺はその目を見ていられなくて目を逸らしてしまう。
「大輝の考える、あたしの幸せって何か、ってことさ。まだ大輝には早い話だったかな」
「そ、そんなことないです。ないですけど……簡単に言える様な内容でもない気がしますね」
「そんなに難しく考えることないと思うけどな。割とあたしの頭の中はシンプルなんだ。さっき彰に再会したときは確かにびっくりはしたけど……昔みたいなときめきはもう、微塵もなかったし」
そんな風に言われると、何だか嬉しくなってほっとする自分がいる。
何とも浅ましい限りだ。
大体、愛美さんが仮に彰さんを選んだところで、俺に文句を言う権利なんかないというのに。
「あのな、大輝」
「はい?」
「あたしは、前にも言ったと思うけど……お前に全部をあげてもいいとさえ思ってる」
「い、言ってましたね」
「だから、ちゃんとその手を離さないでいてくれればそれで、私は十分幸せなんだよ」
「愛美さん……」
それから俺たちは荷物を持って、マンションへ戻った。
他愛もない話をしながらの道のりだったが、会話の内容は一向に頭に入ってこなかった。
中折れ王子の由来の話なんかもしていた気がするが、右から左に抜けて行ってしまっている。
愛美さんの幸せか。
以前にも考えて、答えは出たはずだったけど……改めてライバル……でもないんだろうけど、愛美さんを俺の代わりに幸せにできるかもしれない人の出現に、少し動揺させられているのだ。
悪い癖だなとは思う。
自覚はあるのに、自信がないから思い悩んでしまう。
こんなに思ってくれている、というのも理解しているはずなのに。
答えだって決まっているはずだ。
俺は、愛美さんを取られたくない。
「大輝、それって」
マンションに戻って、俺の話を聞いた睦月が何かに気づいた様だった。
「ただのヤキモチと不安じゃない?」
朋美も気づいた様だった。
ただの、って失礼だな……ただのだけど。
そんなやり取りをしている俺たちを、愛美さんは微笑ましげに見ていた。
「やれやれ、大輝はあれだな……以前勉強したことをすぐ忘れちゃうんだな」
「どういうことです?」
「ふむ……じゃあ大輝、あたしのこと好きか?」
「そりゃ……あっ」
「何だよ、好きじゃないのか?じゃああたし、彰のとこ行った方がいいか?」
「嫌ですよ!好きに決まってるじゃないですか!」
「はは、ごめんごめん。大輝、お前がどう考えてるかわからないけどな、あたしにとって、あたしを幸せにできる人間はお前だけなんだぞ?」
俺だけ……。
果たして、本当にそうなのだろうか。
「まぁた考えてやがんな……全く……じゃあ大輝、お前はあたしを手放したいのか?」
「そんなわけないじゃないですか……」
「あたしはな、大輝。まぁ面と向かってこういうこと言うの、あんま得意じゃないんだけど……大輝のこと好きだよ」
「確かにあんまり言われたことないかもしれないですね」
「本人がそう言ってても信用できないっていうんであれば、もう私たちにはどうしようもないんだけどね」
「そうね、結局大輝くんが信用できるかどうか、だもの」
「信用できないというよりは……うーん……自信がないんだよな、多分だけど。身に余る光栄っていうのか、そういうのに俺自身の精神がついていけてないのかもしれない」
「もう割とこうなってから時間経ってるはずなのにね」
「慣れてはいても、人間の本質ってのはそう簡単に変わらないってことなのかもな」
愛美さんがこう考えていると言っても、彰さんを信用はできない。
まだ知り合って間もない人ではあるから仕方ないかもしれないが、どうもあの手のイケメンはいけ好かないというか……喫茶店は奢ってくれたけど。
仮に強硬策に出る様なら、俺も迎え撃つ準備くらいはしておいた方がいいかもしれない。
そして翌日、俺の誕生日会が催される。
小学校のころとかは友達の誕生日会とか呼ばれて行ったこともあったが、まさか高校になってもこんなことをするなんて思ってもみなかった。
「大輝のことが好きで集まってるみんなが、こういうのやりたがらないわけがないでしょ」
そう言って睦月はヘルを迎えに行った。
なら俺にもお前らの誕生日を、と思ったが、愛美さんや和歌さんはそろそろデリケートな時期かもだし、と口にするのはやめておいた。
ヘルがくるまでの間で、俺と朋美は飲み物を追加しようということで外に二人で出る。
コンビニまで歩いていると、見覚えのある男の顔があった。
「大輝くん……これは、どういうことかな?」
「どうって……ああ、言ってなかったでしたっけ。まぁ、こういうことですよ。愛美さんももちろん承知してますけど」
「大輝、この人って、もしかして……」
「ああ、そうだ。愛美さんの元婚約者の人だよ」
驚いた様な、失望した様な顔の彰さん。
予想できたリアクションではあるが、何故か言い訳をする気にはならなかった。
「大輝くん、君にはその子の様に、同年代の方が合ってるんじゃないのか?」
「そうですかね。合ってるってのはもちろん否定はしませんけど」
「わ、私と大輝がお似合いだなんて……」
一部だけをピックアップしてしきりに朋美が照れる。
こんな時なのに、羨ましい思考回路だ。
「だから、愛美を俺に譲ってくれ。頼むよ」
「犬や猫の子じゃあるまいし、はいそうですかってわけにもいかないですよ」
「そ、そうですよ。私たちはみんな、大輝を慕って集まってるんです」
「あ、おい……」
そこまで言うつもりはなかったが、朋美が勝手に突っ走って話してしまった。
彰さんが固まっているのが見える。
「みんなって……一体何人囲っているんだ?」
「十人じゃ利かないですね。それが?」
「俺は、君を見損なったよ……まさかそんな若いのに……」
「そういう言い方ってあんまりじゃないですか!?大輝が悪いみたいに……」
「おい朋美、やめろ。愛美さんのいないところでこんな風に争っても意味がない」
「逃げるのか、大輝くん」
「逃げる?必要がありませんよ。何の勝負がしたいんだかわかりませんけど、勝負にすらならないと思いますよ」
心に余裕がないのか、どうも煽る様な言い方をしてしまう。
本当に落ち着かないといけないのは俺の方な気がする。
「大した自信じゃないか。君は、その十人以上の女性全員の人生を背負っていく覚悟があるってことか?」
「そうです。さっき朋美が言った様に、彼女たちは全員俺を慕って集まってくれています。俺の力だけでなく、全員で力を合わせるんです。できないことなんかありませんよ」
「男として、それでいいと思ってるってことか?」
「男も女もありませんよ。人間は一人では生きていけないですから。助け合うのは当たり前じゃないんですか?」
朋美にやめろとか言っておいて俺が争ってるという。
何とも本末転倒だ。
大体みんな待ってるし、早いところ帰りたいんだけどな……。
「大輝くん、俺は愛美のことをあきらめないよ。また会おうじゃないか」
なんて思ってたら向こうから切り上げてくれた。
また会いたいなんて思える相手ではないな。
とりあえず、みんな待ってるということでさっさと買うものを買ってマンションへ戻ることにした。
「あ?また現れたのかよ、彰のやつ」
「ええ、まぁ……愛美さんのことをあきらめない、とかなんとか言ってましたけど」
「しつこいのは相変わらずか……で、大輝。お前もムキになって言い争ってきたってわけか?」
「えっと……まぁ、はい……」
嘘をついても、朋美が全部見ていたし正直誤魔化し様がない。
なので俺は正直にすべてを語ることにした……なんて言ってもそんなに語ることはなかったんだけど。
「なら大輝、今度あたしが話つけておいてやるよ」
「いや、愛美さんそれはさすがに……」
「何だ、ほかの男に会いに行くのが不安か?」
「…………」
そういう気持ちがないわけでは確かにない。
というかそれがほとんどかもしれない。
「心配なら、睦月辺りに付き合ってもらうか?それなら暴挙に出たところでどうにもならないだろうから」
「いや、そんな……なら俺が行きますよ」
「お前頭熱くなって、喧嘩ふっかけそうだからな……」
どうも信用がないみたいだが、ちょっと否定できないのが悔しい。
俺は自分で思っているよりも嫉妬深くて、独占欲が強いのかもしれない。
結局この日、あまり気分は晴れないままだったがみんなが祝ってくれるということで表面上は楽しむことにした。
こんな日に他の、しかも男のことなんか考えても何も得にならないということで、割り切ることにしたのだ。
少ししてヘルがきてくれて、順調に育っている息子を見て頬が緩む。
元々子どもは好きだったけど、自分の子どもなんだと思うとやはり違うな、と思う。
「大輝、愛美の元彼?とかっていうのと戦うの?」
「は?」
おそらく睦月辺りがしゃべったんだろうけど……何を話したのか、一体……。
「戦うって……いや、そんな物騒なことにはならないぞ、多分」
「何で?」
「何でって、相手は人間だからな。さすがに俺が本気で戦ったら死んじゃうから。それに、相手は大人だからな。言い合いにはなっても殴り合いとかには発展しないんじゃないか?」
「なるほど。愛美が取られたら、大輝は嫌なの?」
「当たり前だろ……」
「何で?」
「何でって……」
ヘルの相変わらずの純粋な質問を、みんなが見守る。
俺も、どう答えて良いのかわからない。
「大輝はね、ちょっと拗ねてるだけなんだよ」
「え?」
「は!?」
睦月のさらりとした物言いに、一同がざわつく。
愛美さんだけは、わかっていたかの様な顔をしている。
「俺だけが知ってるはずの愛美さんを、元カレなんかに語られたくない、みたいな独占欲だよね」
「ちょ、おい……」
「そうなのか、大輝」
「え?いや……」
思わず言い淀んでしまったが、違うと断ずることはできない。
「まぁ、そうなんだとしても……あたし、別に大輝が初めてじゃなかったからな」
「ぐっ……」
「処女信仰でもあるんだったら話は別かもしれないけど……そうじゃないんだろ?」
「そ、それはまぁ……」
確かに言う通りだ。
だったら何で、俺はそんな風に考えて、しかも睦月に考え見透かされて……。
「まぁ、確かにあたしとフレイヤ以外は処女だったからな。あ、ヘルもだっけ」
「まぁ……でも、別に処女じゃなかったからとか関係ないでしょ?」
「あとはあれかな。俺の知らない愛美さんを知ってるのが許せない、みたいな」
「ああ、ちょっとだけそれはわかる。でも、それって過去のこと洗いざらい話せってこと?」
「い、いや待ってくれ、勝手に話を進めないでくれよ」
「あたしの過去の話が聞きたいのか?全部聞いたら一週間くらいかかるかもしんないけど」
「それはそれでどうかと思いますけどね……」
だが、知りたい。
何と言われようと、やっぱり気になるのは気になる。
「……愛美さん。彰さんのことだけでいいので、聞かせてくれませんか?」
「彰のことだけでいいのか?男性遍歴全部聞かせてやってもいいけど」
「そ、それは……一週間かからないんであれば……」
「しょうがないやつだなぁ。まぁいいや、じゃあ暗くならない様に話そうか。メインは大輝の誕生日なんだし」
愛美さんはシャンパンを継ぎ足して、俺たちを見まわした。
今まで語られることのなかった、愛美さんの過去が明らかになるときがきたのだ。
次回に続きます。
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