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本編
Girls side58話~桜井家の真実2~
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「朋美、最近私……思うんだ」
「ど、どうしたのよいきなり……ていうかロキさんが何でまだいるの?」
「将来のことを見据えて、一気飲みとか覚える必要があるんじゃないかって。あとロキはいないものと考えてもらって構わないから」
「は?」
あの後大輝とロキと一緒に戻ったマンション。
朋美にあの量の神々の血を一気に飲ませる方策を、私たちは一生懸命考えた。
それはもう、今までにないくらい必死に。
だけど、大輝もロキもこういうときに限って大した意見を出してはこなくて、私はまず朋美の体作りから始めるべきだと考えた。
何故なら、一般的なワインボトル一本当たりの容量は七五〇ミリリットル。
中身が酒ではないとは言っても、あの量を一気に飲ませるとなれば、たとえジュースであってもそこまでの量飲まない朋美には絶対きつい。
私や大輝、ロキの様に神力でどうにでもなるわけではないし、訓練が必要だ。
しかも今回は神力に頼れないときている。
「えっと……三人で何を話し合ってきたの?」
「いや、社会人になれば忘年会とか参加することもあるじゃない?そしたら一気飲みとかきっと……」
「今の世の中でそれやらせたら、やらせた方が犯罪になるの、知らないの?」
「知ってるけど……ほら、ブラックな会社とか間違って入っちゃったりしたら……」
「何で私がブラック会社入ることが前提なのよ……」
ううむ、埒が明かない。
こうなったら強硬手段に出るしかないのだろうか。
「スルーズ、ちょっとこっちへ」
ロキに手招きされて、仕方なく私は廊下へ。
というか私を何度も呼び出すとか、極刑ものの罪悪なんだけど、ロキ限定で。
朋美の相手は今、大輝がしてくれているはずだ。
「朋美に気取られたらダメだって言ったじゃないか……」
「そうは言うけど……何か口実でもつけなきゃ、あんなの飲ませられないでしょ……」
「だからって、まだ高校生なのにいきなり忘年会ってのはちょっと……」
「うるさいなぁ……だったらあんた何か考えあんの?」
「いや、さすがにないんだけど……」
「代案出さないくせに、文句だけ言いたいとかナメてんの?いいから黙って見てろよ。必ず成功させてみせるから」
何か言いたそうなロキを放置して、私はリビングに戻る。
とにかく朋美には、何を置いても呑んでもらわなければならない。
ということはだ。
手段を選んでいる場合ではなかったのだ。
「じゃ、話を戻すんだけどね、朋美」
「一体どこまで戻すつもりなの?悪い予感しかしないんだけど……」
「一気飲みはもちろんなんだけど、一発芸的なものも……」
「だから何で私なのよ……絶対嫌なんだけど」
「絶対嫌って……そこまで拒否らなくてもいいじゃない……」
「朋美、騙されるなよ?こいつが傷つくなんてこと、そうそうあるわけないんだから」
「大輝?それはどういう意味かな……?」
目で威嚇して、余計なことを言うなと伝える。
「……睦月、ちょっとこっちきてくれ」
私の目に半分怯えながらも、大輝が私を廊下に連れ出す。
大輝に呼び出されるなら、たとえアラスカまでだって行っちゃうんだけどね。
ロキはあとでぶっ飛ばす。
「睦月、ここは俺に任せてくれ。妙案があるんだ」
おお、男らしい。
かつてこんな男らしい大輝を、私は……何度か見てるけど今日はやや必死さが違う気がする。
なので、私はとりあえず大輝に任せることにした。
「朋美、話があるんだ。とても、大事な」
「え?今度は大輝なの?ねぇ、何か隠してる?ロキさんがきてるってことは、神界とかに関連することなんでしょ?」
「えっと……まぁ、そのロキはとりあえず置いといてだな……お前に、頼みがあるんだ」
大輝がいつになく真剣な顔をしている。
というか朋美が少し気づき始めてる様に見えるのは、気のせいだろうか。
だけど、朋美の大輝を見る目も、何となく真剣に見える。
効いてるのだろうか、これは。
「頼む!!睦月の言う通り、一気飲みを覚えてくれ!!」
何とその場で土下座を……ええ……。
そんなんで、朋美がやってくれるわけがないと思うんだけど……あまりにも直球すぎるというか。
「な、何よ大輝まで……やめてよ、土下座なんて……」
「頼む、この通りだ!!」
地に額をこすりつけての、お手本の様な見事な土下座。
あのロキですら、大輝の土下座を黙って見守っている。
「もう、本当困ったやつ……でも大輝が、そこまで言うなら……」
は?
何であれで引き受けようと思った?
大輝に弱すぎませんかね、朋美さん。
ふと大輝を見ると、こっそり私に向かってガッツポーズなどしている。
何となく釈然としない思いはあるものの、これでとりあえず第一段階は上手く行ったと言える。
そして三十分後。
「がぼ……ぼぼ……」
朋美は両手足を椅子に縛り付けられて、何処から持ってきたのか、開口器によって強制的に口をこじ開けられている。
朋美も、何とか抵抗しようと足掻いている様だが思いのほか縛っているロープがきついらしく、椅子がガタガタ揺れる程度で手足が自由になることはなかった。
「あの、これ……大丈夫なの?あとでタコ坊主に知られたら殺されるんじゃない?大輝が」
「え、やっぱ俺なの?まぁ、そうなるんだろうな、ちくしょう」
「それで、どうするんだい?」
「いきなり本番ってのもあれだし……やっぱ飲むのに慣れてもらうことから始めようか」
そう言って大輝が持ってきたのは未開封のパーティ用コーラ。
それを見た朋美が、これから自分がどんな目に遭うのか理解した様で更にガタガタと抵抗し始める。
「ほら、朋美……暴れるともっと危ないぞ?じっとしててくれ」
「うーーーー!!!うーーーーー!!!」
「じゃ、心苦しいけど……行きますか」
案外さらりと言ってのけ、桜子や愛美さんはちょっと引いた顔で大輝を見ている。
そんなことを言ってる私も、正直今の大輝には恐怖を感じなくもない。
ロキは普段のニヤケ面が少し青ざめて見えた。
「がぼぼぼぼ!!!」
「ほら、少しずつ飲み込めよ?」
「がぼっ……ごばふ!!」
「ちょっと、大輝……」
「ああ、むせちゃったか。ほら、落ち着いて朋美……」
あくまで冷静に、大輝は朋美がむせて吐き出してしまったコーラを拭いている。
朋美は呼吸も苦しそうで、このまま続けたら死んでしまうんじゃないかと思った。
「おいロキ……食事に混ぜたりするんじゃ、ダメなのか?何か見てる方が辛くなってくるぞ、これ……」
「どうだろう……飲ませる様にしか言われてないからね。何かに混ぜて成分が中和されたりってことがないんだったら、その方がいいとは思うんだけど」
「大体、中身が血液なんじゃそのままあの量飲むって、ある意味でコーラよりきつくないか?」
「うーん……」
ぼそぼそとやっているが、普通の音量で会話してもきっと今の朋美には聞こえないんじゃないかと思う。
というか、今のまま大輝がこの拷問みたいな真似を続けたら、それこそ朋美の魔力は暴走するんじゃないか?
「ちょっと大輝、いい?」
「何だよ、これからって時に……」
「今のままやり続けたら、逆に朋美の精神不安定になりそうだけど、大丈夫なの?」
「……あっ。そうか、それ忘れてた」
何となくイラっときて大輝の頭をはたく。
仕方ないので私が朋美の拘束を解いて、自由にしてあげると朋美は息を切らしながら涙目になっていた。
「……朋美、山の手線って、東京の次なんだっけ」
「え?かんごヴぁぁあ……うう……」
「ぶはっ!!……睦月、古いネタやらしてんじゃねーよ……」
「ひどい……私もうお嫁にいけない……」
朋美がとうとう泣き出してしまった。
ゲラゲラ笑っていた面々がぴたりと静まって、一気に緊迫感が強まった。
「あ、えっと朋美……」
「何で私、今日こんな扱いなの?私、何かした?」
「あ、いや違うんだ、朋美……その……ほら!前に太ったかもしれないって言ってたろ?だから、ちょっとしたダイエットメニューの一環で……」
「あれは胸が大きくなったからだって、大輝言ってたじゃん……」
「そ、そうなんだけど……ほら、何て言うかこう……スリムだけどかつボインって、最高じゃん?」
何言ってんのこの子……。
こんなんで朋美が踊らされるわけが……。
「ほ、本当?大輝、そう思う?」
あった……だと……。
何でこの子大輝に対してこんなにチョロいの?
何か補正でもかかってるのかな。
「ああ、もちろんだぜ。だから、俺は……スリムでボインな朋美が見てみたい」
キリッて擬音が入りそうな大輝のスマイル。
そういうキャラじゃないはずなのに、朋美には効果抜群の様だ。
「だ、だったら……辛いけどもう少し頑張ってみる……」
えええ……。
あんなの続けたら人間不信になるか、最悪ヤンデレルートに入る予感しかしないんだけど。
「そうか、朋美ならそう言ってくれると思ってた。だけどコーラはきついよな、ごめんな」
そう言いながら大輝が私の部屋から神々の血を持ってくる。
「本当は、朋美にはこれを飲んでほしかったんだ」
え、いきなりネタばらしするの?
「それって、さっき愛美さんが買ってきたお酒じゃないの?未成年なんだから、ダメなんじゃ……」
「これな、実は酒じゃないんだよ。めっちゃ効果的な、ダイエット食品なんだ」
何その雑な設定……。
私も話合わせなくちゃいけなくない?
「え、だとすると睦月……お前朋美の為にこれ、私から買い取ったのか?」
「え?あ、そうそう。前に大輝から相談受けててね。で、ちょうどそれ愛美さんが手に入れてきたから、こりゃいいタイミングだ!って買い取らせてもらったの。ね、大輝?」
言いながら大輝を睨みつけると、大輝はさっと目を逸らす。
この野郎……自分で言いだしたくせして……あとでお仕置きだ、まったく……。
「そうなんだ……で、何でロキさんがきてるの?」
「あ、それはえっと……別件なんだ。あとで話すよ」
また雑な言い訳を……。
後でどうなっても知らないからね……。
「これ……一気に飲まないとダメなの?」
「ああ、そうなんだ……だからこそ、一気飲みの練習をだな……」
「そっかぁ……」
「だ、だけど朋美、美味しいかどうかもわからないわけだから……無理しなくてもいいんだぞ?」
「だけど、大輝はスリムでボ……胸の大きい私が見たいのよね?」
ボインと言いかけて何故やめたのか。
別に恥じらいワードでもないだろうに。
「ま、まぁそうなんだけどな……」
自分で言っといて、マジで信じられちゃってどうしようってなってる。
何で辻褄合わない様な嘘つくかな……しかも、元々嘘へたくそなくせに。
「一気飲みとかほとんどやったことないけど……私、やってみる。だからちゃんと、見てて?」
うわ、本当にやるのか……。
大体、本来飲むものでもないだろ、あれ……。
「だってさ、大輝。ちゃんと見ててあげるんだよ?」
「ああ、わかってるよ……」
だが、私はそこで一つ気づいたことがあった。
タコ坊主に、魔力を無効化しちゃって大丈夫かどうか、確認を取ってない。
「あ、朋美ちょっとだけ待って?」
「え?何でよ……今覚悟決めたところなのに……」
「ちょっと確認したいことがあって。ロキも一緒にきてくれる?」
「僕かい?別に構わないけど……」
ロキを廊下に連れ出して、朋美の父親に会いに行くことを伝えると、なるほどと頷いた。
何だかんだ口八丁なこいつを連れて行けば、反対されたとしても何とかなるだろう。
「何だ、こんな時間に……何かあったのか?」
酒でも飲んでいるのか、赤ら顔でタコ坊主が出てくる。
ほとんど毎日見てる顔だが、相変わらずのタコ坊主っぷりで何となく安心した。
「一個確認したい。あんたは今、桜井家を守ることに人生を賭けてる。間違いないな?」
「はぁ?何だよいきなり。当たり前だろうが。今更壊そうなんてやつがいれば、殺す気でやったるわ」
「物騒だな……何でそんなこと聞いたかって言うと、朋美の魔力についての話が絡むんだけど、ここで大丈夫か?」
「!!」
「ちょっと、場所変えようか」
私たちが移動した先は、朋美の家の近所にある公園だった。
タコ坊主もちゃんと上着を着て出てきて、寒さ対策はばっちりだ。
「あの魔力、最初はあんたを殺す……というか崩壊させる?為に入れたんだよね?」
「ああ……けど、今はそれを抑え込むだけでいっぱいいっぱいだ。それがどうした?」
「うん、抑え込んでる理由は、桜井家を守りたいからってことでいい?」
「そうだよ。一時期は、確かに研究を究めたなんて思って、生きる目標を見失っちまったからな。自棄になってた部分は否めねぇ。けど、今はそのことを後悔してるよ」
「なるほど、それなら話は早い。ただ、一個聞いておきたいんだけど……」
「質問が増えてねぇか?」
「まぁまぁ……魔力は、あんたに返したりってことができないんだよね?」
「できるなら、とっくにやってら。できねぇから抑え込んでる。消せるもんなら消しちまいてぇけどよ……神々の血なんて、手に入る気がしねぇし」
「それが、手に入ったんだ。だから、今から朋美に飲ませる。ちょっと量が多いから今色々模索してたけど、決心がついた」
そう言うと、タコ坊主は驚愕して私とロキを見る。
「そういやおめぇ……どっかで見たと思ったら……悪神ロキか。だとすると、入手ルートはおめぇだな?」
「まぁね。もちろんルートの詳細は教えるわけにいかないけど」
「俺の娘の為に持ってきたってのか?理由は何だ?」
「特にそんなものはないよ。けど、僕としてはあのハーレムが万全な状態で、それぞれが元気にしてるのを見るのが楽しみなもんでね」
本音なのか嘘なのか、本当にわかりにくいなこいつ……。
少なくとも嘘には聞こえないから困るんだよな。
「それには朋美だって、万全な状態でいてもらわないといけないから。だからこうして、僕も手を貸す運びとなったわけだ」
「……信用していいんだろうな」
「まぁ、そう言いたくなるのもわからなくはないけどね。信用してもらわないと前には進まない。そうだろ?」
あくまでロキは自分のペースを崩さない。
タコ坊主の言い分もわかるけど、ロキの言う通りでもある。
「これは別に答えたくなかったら答えなくていいんだけど……私が知りたいってだけだから。朋美には、ちゃんとあんたの遺伝子が入ってるんだよね?」
「ああ、俺と……一応法律上の嫁の遺伝子を入れてあるよ。あいつも、他の女の死体から俺が作ったんだけどな」
「なるほど、わかった。何が何でも魔力は消してみせる」
「朋美は、俺と俺の恋人だった女の遺伝子を使った、文字通りの結晶なんだ。本当に、頼むぜ……!」
そう言ってタコ坊主が深々と頭を下げるのを見て、私もロキも多少の驚きを隠せなかった。
私はロキが驚いたことに更に驚いたけどな。
「じゃあ、戻ろう。早い方がいいだろうし」
「そうだな、んじゃ……また朋美を連れて戻るから」
「ああ、よろしく頼む」
ワープでマンションに戻ると、何やら様子がおかしい。
何があったというのだろうか。
部屋がもぬけの殻で、家具なんかはそのままだけど……。
「スルーズ、これ」
ロキが指さした先にあったのは、神々の血が入っていた瓶だ。
中身は空になっていて、床に打痕が……ということは。
朋美は結局これを飲んだのか。
飲んで、この瓶を取り落とすほどの事態に陥った。
と考えるのが自然だろう。
「どういう状況だろうか」
「もしかして、何らかの要因で失敗した、って考えた方がいいかもしれない。みんなの姿も見当たらないってなると……」
私はすぐに朋美と大輝の気配を探る。
世界中を隈なく探ってみても、二人の気配はなかった。
そうなると、行先は明白だ。
「神界か……仕方ない、ロキ行くぞ」
「了解した。厄介なことになってそうだね……」
私たちは神界にワープすることになった。
私たちがいない間に勝手に飲んでるなんて、危険だと思わなかったのか、大輝は……。
「ど、どうしたのよいきなり……ていうかロキさんが何でまだいるの?」
「将来のことを見据えて、一気飲みとか覚える必要があるんじゃないかって。あとロキはいないものと考えてもらって構わないから」
「は?」
あの後大輝とロキと一緒に戻ったマンション。
朋美にあの量の神々の血を一気に飲ませる方策を、私たちは一生懸命考えた。
それはもう、今までにないくらい必死に。
だけど、大輝もロキもこういうときに限って大した意見を出してはこなくて、私はまず朋美の体作りから始めるべきだと考えた。
何故なら、一般的なワインボトル一本当たりの容量は七五〇ミリリットル。
中身が酒ではないとは言っても、あの量を一気に飲ませるとなれば、たとえジュースであってもそこまでの量飲まない朋美には絶対きつい。
私や大輝、ロキの様に神力でどうにでもなるわけではないし、訓練が必要だ。
しかも今回は神力に頼れないときている。
「えっと……三人で何を話し合ってきたの?」
「いや、社会人になれば忘年会とか参加することもあるじゃない?そしたら一気飲みとかきっと……」
「今の世の中でそれやらせたら、やらせた方が犯罪になるの、知らないの?」
「知ってるけど……ほら、ブラックな会社とか間違って入っちゃったりしたら……」
「何で私がブラック会社入ることが前提なのよ……」
ううむ、埒が明かない。
こうなったら強硬手段に出るしかないのだろうか。
「スルーズ、ちょっとこっちへ」
ロキに手招きされて、仕方なく私は廊下へ。
というか私を何度も呼び出すとか、極刑ものの罪悪なんだけど、ロキ限定で。
朋美の相手は今、大輝がしてくれているはずだ。
「朋美に気取られたらダメだって言ったじゃないか……」
「そうは言うけど……何か口実でもつけなきゃ、あんなの飲ませられないでしょ……」
「だからって、まだ高校生なのにいきなり忘年会ってのはちょっと……」
「うるさいなぁ……だったらあんた何か考えあんの?」
「いや、さすがにないんだけど……」
「代案出さないくせに、文句だけ言いたいとかナメてんの?いいから黙って見てろよ。必ず成功させてみせるから」
何か言いたそうなロキを放置して、私はリビングに戻る。
とにかく朋美には、何を置いても呑んでもらわなければならない。
ということはだ。
手段を選んでいる場合ではなかったのだ。
「じゃ、話を戻すんだけどね、朋美」
「一体どこまで戻すつもりなの?悪い予感しかしないんだけど……」
「一気飲みはもちろんなんだけど、一発芸的なものも……」
「だから何で私なのよ……絶対嫌なんだけど」
「絶対嫌って……そこまで拒否らなくてもいいじゃない……」
「朋美、騙されるなよ?こいつが傷つくなんてこと、そうそうあるわけないんだから」
「大輝?それはどういう意味かな……?」
目で威嚇して、余計なことを言うなと伝える。
「……睦月、ちょっとこっちきてくれ」
私の目に半分怯えながらも、大輝が私を廊下に連れ出す。
大輝に呼び出されるなら、たとえアラスカまでだって行っちゃうんだけどね。
ロキはあとでぶっ飛ばす。
「睦月、ここは俺に任せてくれ。妙案があるんだ」
おお、男らしい。
かつてこんな男らしい大輝を、私は……何度か見てるけど今日はやや必死さが違う気がする。
なので、私はとりあえず大輝に任せることにした。
「朋美、話があるんだ。とても、大事な」
「え?今度は大輝なの?ねぇ、何か隠してる?ロキさんがきてるってことは、神界とかに関連することなんでしょ?」
「えっと……まぁ、そのロキはとりあえず置いといてだな……お前に、頼みがあるんだ」
大輝がいつになく真剣な顔をしている。
というか朋美が少し気づき始めてる様に見えるのは、気のせいだろうか。
だけど、朋美の大輝を見る目も、何となく真剣に見える。
効いてるのだろうか、これは。
「頼む!!睦月の言う通り、一気飲みを覚えてくれ!!」
何とその場で土下座を……ええ……。
そんなんで、朋美がやってくれるわけがないと思うんだけど……あまりにも直球すぎるというか。
「な、何よ大輝まで……やめてよ、土下座なんて……」
「頼む、この通りだ!!」
地に額をこすりつけての、お手本の様な見事な土下座。
あのロキですら、大輝の土下座を黙って見守っている。
「もう、本当困ったやつ……でも大輝が、そこまで言うなら……」
は?
何であれで引き受けようと思った?
大輝に弱すぎませんかね、朋美さん。
ふと大輝を見ると、こっそり私に向かってガッツポーズなどしている。
何となく釈然としない思いはあるものの、これでとりあえず第一段階は上手く行ったと言える。
そして三十分後。
「がぼ……ぼぼ……」
朋美は両手足を椅子に縛り付けられて、何処から持ってきたのか、開口器によって強制的に口をこじ開けられている。
朋美も、何とか抵抗しようと足掻いている様だが思いのほか縛っているロープがきついらしく、椅子がガタガタ揺れる程度で手足が自由になることはなかった。
「あの、これ……大丈夫なの?あとでタコ坊主に知られたら殺されるんじゃない?大輝が」
「え、やっぱ俺なの?まぁ、そうなるんだろうな、ちくしょう」
「それで、どうするんだい?」
「いきなり本番ってのもあれだし……やっぱ飲むのに慣れてもらうことから始めようか」
そう言って大輝が持ってきたのは未開封のパーティ用コーラ。
それを見た朋美が、これから自分がどんな目に遭うのか理解した様で更にガタガタと抵抗し始める。
「ほら、朋美……暴れるともっと危ないぞ?じっとしててくれ」
「うーーーー!!!うーーーーー!!!」
「じゃ、心苦しいけど……行きますか」
案外さらりと言ってのけ、桜子や愛美さんはちょっと引いた顔で大輝を見ている。
そんなことを言ってる私も、正直今の大輝には恐怖を感じなくもない。
ロキは普段のニヤケ面が少し青ざめて見えた。
「がぼぼぼぼ!!!」
「ほら、少しずつ飲み込めよ?」
「がぼっ……ごばふ!!」
「ちょっと、大輝……」
「ああ、むせちゃったか。ほら、落ち着いて朋美……」
あくまで冷静に、大輝は朋美がむせて吐き出してしまったコーラを拭いている。
朋美は呼吸も苦しそうで、このまま続けたら死んでしまうんじゃないかと思った。
「おいロキ……食事に混ぜたりするんじゃ、ダメなのか?何か見てる方が辛くなってくるぞ、これ……」
「どうだろう……飲ませる様にしか言われてないからね。何かに混ぜて成分が中和されたりってことがないんだったら、その方がいいとは思うんだけど」
「大体、中身が血液なんじゃそのままあの量飲むって、ある意味でコーラよりきつくないか?」
「うーん……」
ぼそぼそとやっているが、普通の音量で会話してもきっと今の朋美には聞こえないんじゃないかと思う。
というか、今のまま大輝がこの拷問みたいな真似を続けたら、それこそ朋美の魔力は暴走するんじゃないか?
「ちょっと大輝、いい?」
「何だよ、これからって時に……」
「今のままやり続けたら、逆に朋美の精神不安定になりそうだけど、大丈夫なの?」
「……あっ。そうか、それ忘れてた」
何となくイラっときて大輝の頭をはたく。
仕方ないので私が朋美の拘束を解いて、自由にしてあげると朋美は息を切らしながら涙目になっていた。
「……朋美、山の手線って、東京の次なんだっけ」
「え?かんごヴぁぁあ……うう……」
「ぶはっ!!……睦月、古いネタやらしてんじゃねーよ……」
「ひどい……私もうお嫁にいけない……」
朋美がとうとう泣き出してしまった。
ゲラゲラ笑っていた面々がぴたりと静まって、一気に緊迫感が強まった。
「あ、えっと朋美……」
「何で私、今日こんな扱いなの?私、何かした?」
「あ、いや違うんだ、朋美……その……ほら!前に太ったかもしれないって言ってたろ?だから、ちょっとしたダイエットメニューの一環で……」
「あれは胸が大きくなったからだって、大輝言ってたじゃん……」
「そ、そうなんだけど……ほら、何て言うかこう……スリムだけどかつボインって、最高じゃん?」
何言ってんのこの子……。
こんなんで朋美が踊らされるわけが……。
「ほ、本当?大輝、そう思う?」
あった……だと……。
何でこの子大輝に対してこんなにチョロいの?
何か補正でもかかってるのかな。
「ああ、もちろんだぜ。だから、俺は……スリムでボインな朋美が見てみたい」
キリッて擬音が入りそうな大輝のスマイル。
そういうキャラじゃないはずなのに、朋美には効果抜群の様だ。
「だ、だったら……辛いけどもう少し頑張ってみる……」
えええ……。
あんなの続けたら人間不信になるか、最悪ヤンデレルートに入る予感しかしないんだけど。
「そうか、朋美ならそう言ってくれると思ってた。だけどコーラはきついよな、ごめんな」
そう言いながら大輝が私の部屋から神々の血を持ってくる。
「本当は、朋美にはこれを飲んでほしかったんだ」
え、いきなりネタばらしするの?
「それって、さっき愛美さんが買ってきたお酒じゃないの?未成年なんだから、ダメなんじゃ……」
「これな、実は酒じゃないんだよ。めっちゃ効果的な、ダイエット食品なんだ」
何その雑な設定……。
私も話合わせなくちゃいけなくない?
「え、だとすると睦月……お前朋美の為にこれ、私から買い取ったのか?」
「え?あ、そうそう。前に大輝から相談受けててね。で、ちょうどそれ愛美さんが手に入れてきたから、こりゃいいタイミングだ!って買い取らせてもらったの。ね、大輝?」
言いながら大輝を睨みつけると、大輝はさっと目を逸らす。
この野郎……自分で言いだしたくせして……あとでお仕置きだ、まったく……。
「そうなんだ……で、何でロキさんがきてるの?」
「あ、それはえっと……別件なんだ。あとで話すよ」
また雑な言い訳を……。
後でどうなっても知らないからね……。
「これ……一気に飲まないとダメなの?」
「ああ、そうなんだ……だからこそ、一気飲みの練習をだな……」
「そっかぁ……」
「だ、だけど朋美、美味しいかどうかもわからないわけだから……無理しなくてもいいんだぞ?」
「だけど、大輝はスリムでボ……胸の大きい私が見たいのよね?」
ボインと言いかけて何故やめたのか。
別に恥じらいワードでもないだろうに。
「ま、まぁそうなんだけどな……」
自分で言っといて、マジで信じられちゃってどうしようってなってる。
何で辻褄合わない様な嘘つくかな……しかも、元々嘘へたくそなくせに。
「一気飲みとかほとんどやったことないけど……私、やってみる。だからちゃんと、見てて?」
うわ、本当にやるのか……。
大体、本来飲むものでもないだろ、あれ……。
「だってさ、大輝。ちゃんと見ててあげるんだよ?」
「ああ、わかってるよ……」
だが、私はそこで一つ気づいたことがあった。
タコ坊主に、魔力を無効化しちゃって大丈夫かどうか、確認を取ってない。
「あ、朋美ちょっとだけ待って?」
「え?何でよ……今覚悟決めたところなのに……」
「ちょっと確認したいことがあって。ロキも一緒にきてくれる?」
「僕かい?別に構わないけど……」
ロキを廊下に連れ出して、朋美の父親に会いに行くことを伝えると、なるほどと頷いた。
何だかんだ口八丁なこいつを連れて行けば、反対されたとしても何とかなるだろう。
「何だ、こんな時間に……何かあったのか?」
酒でも飲んでいるのか、赤ら顔でタコ坊主が出てくる。
ほとんど毎日見てる顔だが、相変わらずのタコ坊主っぷりで何となく安心した。
「一個確認したい。あんたは今、桜井家を守ることに人生を賭けてる。間違いないな?」
「はぁ?何だよいきなり。当たり前だろうが。今更壊そうなんてやつがいれば、殺す気でやったるわ」
「物騒だな……何でそんなこと聞いたかって言うと、朋美の魔力についての話が絡むんだけど、ここで大丈夫か?」
「!!」
「ちょっと、場所変えようか」
私たちが移動した先は、朋美の家の近所にある公園だった。
タコ坊主もちゃんと上着を着て出てきて、寒さ対策はばっちりだ。
「あの魔力、最初はあんたを殺す……というか崩壊させる?為に入れたんだよね?」
「ああ……けど、今はそれを抑え込むだけでいっぱいいっぱいだ。それがどうした?」
「うん、抑え込んでる理由は、桜井家を守りたいからってことでいい?」
「そうだよ。一時期は、確かに研究を究めたなんて思って、生きる目標を見失っちまったからな。自棄になってた部分は否めねぇ。けど、今はそのことを後悔してるよ」
「なるほど、それなら話は早い。ただ、一個聞いておきたいんだけど……」
「質問が増えてねぇか?」
「まぁまぁ……魔力は、あんたに返したりってことができないんだよね?」
「できるなら、とっくにやってら。できねぇから抑え込んでる。消せるもんなら消しちまいてぇけどよ……神々の血なんて、手に入る気がしねぇし」
「それが、手に入ったんだ。だから、今から朋美に飲ませる。ちょっと量が多いから今色々模索してたけど、決心がついた」
そう言うと、タコ坊主は驚愕して私とロキを見る。
「そういやおめぇ……どっかで見たと思ったら……悪神ロキか。だとすると、入手ルートはおめぇだな?」
「まぁね。もちろんルートの詳細は教えるわけにいかないけど」
「俺の娘の為に持ってきたってのか?理由は何だ?」
「特にそんなものはないよ。けど、僕としてはあのハーレムが万全な状態で、それぞれが元気にしてるのを見るのが楽しみなもんでね」
本音なのか嘘なのか、本当にわかりにくいなこいつ……。
少なくとも嘘には聞こえないから困るんだよな。
「それには朋美だって、万全な状態でいてもらわないといけないから。だからこうして、僕も手を貸す運びとなったわけだ」
「……信用していいんだろうな」
「まぁ、そう言いたくなるのもわからなくはないけどね。信用してもらわないと前には進まない。そうだろ?」
あくまでロキは自分のペースを崩さない。
タコ坊主の言い分もわかるけど、ロキの言う通りでもある。
「これは別に答えたくなかったら答えなくていいんだけど……私が知りたいってだけだから。朋美には、ちゃんとあんたの遺伝子が入ってるんだよね?」
「ああ、俺と……一応法律上の嫁の遺伝子を入れてあるよ。あいつも、他の女の死体から俺が作ったんだけどな」
「なるほど、わかった。何が何でも魔力は消してみせる」
「朋美は、俺と俺の恋人だった女の遺伝子を使った、文字通りの結晶なんだ。本当に、頼むぜ……!」
そう言ってタコ坊主が深々と頭を下げるのを見て、私もロキも多少の驚きを隠せなかった。
私はロキが驚いたことに更に驚いたけどな。
「じゃあ、戻ろう。早い方がいいだろうし」
「そうだな、んじゃ……また朋美を連れて戻るから」
「ああ、よろしく頼む」
ワープでマンションに戻ると、何やら様子がおかしい。
何があったというのだろうか。
部屋がもぬけの殻で、家具なんかはそのままだけど……。
「スルーズ、これ」
ロキが指さした先にあったのは、神々の血が入っていた瓶だ。
中身は空になっていて、床に打痕が……ということは。
朋美は結局これを飲んだのか。
飲んで、この瓶を取り落とすほどの事態に陥った。
と考えるのが自然だろう。
「どういう状況だろうか」
「もしかして、何らかの要因で失敗した、って考えた方がいいかもしれない。みんなの姿も見当たらないってなると……」
私はすぐに朋美と大輝の気配を探る。
世界中を隈なく探ってみても、二人の気配はなかった。
そうなると、行先は明白だ。
「神界か……仕方ない、ロキ行くぞ」
「了解した。厄介なことになってそうだね……」
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