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「…そうなんですか!?」
「うん」
「いや…だって…モテますよね社長」
「うん、まぁ。金あるからな」
「いやぁわかんないなぁ…」
「あーでも決め手はね?おはようとおやすみはりっちゃんが良いなぁ、とかね…」
…トバしてたの冷めてきたけど…。
「…例えばですけど。俺、若いのは今のうちだけですよ当たり前に」
布石をこちらも置かねば…と、自分は案外明るくないやつだなと思う。いや、性格悪いのが移ったのかもしれない。
「…はは!それを言ったら俺なんてどーすんのよ!」
「あ、まぁ…」
「いやあ好きってそれだけじゃないでしょ。理由なんてよくわからないけどりっちゃんの真面目なところも、良くも悪くも細かいところも、繊細なところも、顔もかなり好きだよ」
…挽回を図っているな。
でも冷静になってもそれほど言葉攻めを受けてしまうとガンガンと照れてしまう。
「きゅ、急にはズルくないですか!?」
「そーだよ?肝がなくちゃ社長なんてやれませんから」
「はは…なるほど…えっと」
「あ、俺のことは後で聞く。俺が聞きたいときに聞く。例えばエッチ中に」
「…えぇぇぇ~っ、」
ズルーい!
と叩きそうになったがそうだ、運転中かと思えば「ははは、俺はエッチ中も言う」と確かに自己顕示が凄いな、と感心した。
最早毒殺の域の甘さ。
ぽけーっとしそうだなと思えば急に何もない、夜中に女性がひとりで歩いていたら、いや女性じゃなくても、危なそうなほど静かな場所に入った。
そしてすぐ、「ここここ、」と車が停まった場所はボロアパート、なんたら荘という、なんたらはもう読めない看板の前に着いた。
「…は?」
「ね?呼べないでしょ?」
壁も薄いよ?と言う社長を最早信じることが出来なくて「嘘だぁ」と正直に述べる。
「そう言うと思った。マジ。でも、角部屋なの、201」
「いや、不動産屋も止めるでしょ流石に」
「借りたときは確かに自宅にしてなかった、倉庫的なね。
でも離婚してなんか、どーでもよくなって、倉庫なら会社の物もあるし、あとは解約しちゃった」
「……え?」
「元々俺の実家がこんなんだからかもね」
「…いや、待って?
凄く離婚で揉めた、とか」
「何を揉めるの。子供も出てるんだよ?」
「え、じゃあ浮気とか…そんでもって隠し子がバレたとか」
「俺をなんだと思ってんの。ないない。妻と財産分与したときここ、残った、はいこれでどう?」
「あ、うん確かにここ、残りそう」
「ね?
で?どうする?俺はちなみに嫌だよ?こんなボロいところに恋人呼ぶとか貧乏大学生って感じで…あ、いや、そう考えると燃える気もする。どーする?あとはカーもありよ?でも」
情報過多っ。
「…いや、ちょっと俺わりと優柔不断なんで…正直情報処理も追い付いてないし…」
「じゃ、まず明日の着替え持ってくるわ。りっちゃん家ね」
そうさっさと決めて社長は車を降りてしまったけど。
怖っ。荒らされそうだけどこれ。
てゆうか…普通にこの車こんなとこに普段から停めるか?やっぱ嘘臭い…けど…。
コインパーキングに平気でこれを停めちゃうような人だからな。新宿も大分危ないわけだし…。
いや、全く読めないなとぐるぐる考えそうになったとき、社長は鞄一つで戻ってきて、「というわけでさ」とマイペースに。
「有給10日あげたからさ、引っ越し先決めといて」
「え?」
「りっちゃん家でもいいけど」
「ん?」
「引っ越そうよ、りっちゃん」
え?
「確か一回行った時、あの病院のときね。1LDKだったよね。あれってアレといた場所?一応確認するけど」
アレって。
まぁ、アレですけども。
「あぁ、いや…。別れて引っ越ししたてでしたね」
「そっか、まぁ引っ越そ?」
…おっ。
「え」
「あ、いや俺は大丈夫よりっちゃんを養いますから」
うわぁ。
すげぇ。
「…仕事辞めると鬱になっちゃうって」
社長はエンジンを掛け、聞こえなかったらしい、「え?何?」と聞き直してくる。
「鬱になるって!仕事辞めると!」
「そうなの?」
「え、いやわかんないですけど」
「勢いに流そうかと思ったけど、流石にダメか。畜生あの男め。じゃあいいよ、一緒にいたくなったらで」
「え?」
固まって考える。ちょっと、わからないんだけど……。
なるほど、経緯から考えてくれたのかもしれないな。
…別に未練があるわけじゃないけど、多分…でも、ちょっと焦らしてやりたいかもという意地悪心が燻り「そうですね」と言ってはみたが。
「…有給貰ってしまうと、やらねばならないような」
「じゃ!よろしくね」
まぁ。
結構腹が立つ。
「有給後に考えます」
「じゃ俺ん家10日はりっちゃん家にする」
あぁ、そう来るのね。なるほど。
「…ふふっ、」
笑えてしまった。
残念だ、これは負けだな。悔しい。腹が立って殺したくなる。
はは、なるほど、これはきっと。
いつも思っていた、愛し合うときもそう。いっそ今死んでも、よかったなだとか。それでも、次があるのが日常の幸せなのかもしれない。
いつか、死ぬ日まで。
「うん」
「いや…だって…モテますよね社長」
「うん、まぁ。金あるからな」
「いやぁわかんないなぁ…」
「あーでも決め手はね?おはようとおやすみはりっちゃんが良いなぁ、とかね…」
…トバしてたの冷めてきたけど…。
「…例えばですけど。俺、若いのは今のうちだけですよ当たり前に」
布石をこちらも置かねば…と、自分は案外明るくないやつだなと思う。いや、性格悪いのが移ったのかもしれない。
「…はは!それを言ったら俺なんてどーすんのよ!」
「あ、まぁ…」
「いやあ好きってそれだけじゃないでしょ。理由なんてよくわからないけどりっちゃんの真面目なところも、良くも悪くも細かいところも、繊細なところも、顔もかなり好きだよ」
…挽回を図っているな。
でも冷静になってもそれほど言葉攻めを受けてしまうとガンガンと照れてしまう。
「きゅ、急にはズルくないですか!?」
「そーだよ?肝がなくちゃ社長なんてやれませんから」
「はは…なるほど…えっと」
「あ、俺のことは後で聞く。俺が聞きたいときに聞く。例えばエッチ中に」
「…えぇぇぇ~っ、」
ズルーい!
と叩きそうになったがそうだ、運転中かと思えば「ははは、俺はエッチ中も言う」と確かに自己顕示が凄いな、と感心した。
最早毒殺の域の甘さ。
ぽけーっとしそうだなと思えば急に何もない、夜中に女性がひとりで歩いていたら、いや女性じゃなくても、危なそうなほど静かな場所に入った。
そしてすぐ、「ここここ、」と車が停まった場所はボロアパート、なんたら荘という、なんたらはもう読めない看板の前に着いた。
「…は?」
「ね?呼べないでしょ?」
壁も薄いよ?と言う社長を最早信じることが出来なくて「嘘だぁ」と正直に述べる。
「そう言うと思った。マジ。でも、角部屋なの、201」
「いや、不動産屋も止めるでしょ流石に」
「借りたときは確かに自宅にしてなかった、倉庫的なね。
でも離婚してなんか、どーでもよくなって、倉庫なら会社の物もあるし、あとは解約しちゃった」
「……え?」
「元々俺の実家がこんなんだからかもね」
「…いや、待って?
凄く離婚で揉めた、とか」
「何を揉めるの。子供も出てるんだよ?」
「え、じゃあ浮気とか…そんでもって隠し子がバレたとか」
「俺をなんだと思ってんの。ないない。妻と財産分与したときここ、残った、はいこれでどう?」
「あ、うん確かにここ、残りそう」
「ね?
で?どうする?俺はちなみに嫌だよ?こんなボロいところに恋人呼ぶとか貧乏大学生って感じで…あ、いや、そう考えると燃える気もする。どーする?あとはカーもありよ?でも」
情報過多っ。
「…いや、ちょっと俺わりと優柔不断なんで…正直情報処理も追い付いてないし…」
「じゃ、まず明日の着替え持ってくるわ。りっちゃん家ね」
そうさっさと決めて社長は車を降りてしまったけど。
怖っ。荒らされそうだけどこれ。
てゆうか…普通にこの車こんなとこに普段から停めるか?やっぱ嘘臭い…けど…。
コインパーキングに平気でこれを停めちゃうような人だからな。新宿も大分危ないわけだし…。
いや、全く読めないなとぐるぐる考えそうになったとき、社長は鞄一つで戻ってきて、「というわけでさ」とマイペースに。
「有給10日あげたからさ、引っ越し先決めといて」
「え?」
「りっちゃん家でもいいけど」
「ん?」
「引っ越そうよ、りっちゃん」
え?
「確か一回行った時、あの病院のときね。1LDKだったよね。あれってアレといた場所?一応確認するけど」
アレって。
まぁ、アレですけども。
「あぁ、いや…。別れて引っ越ししたてでしたね」
「そっか、まぁ引っ越そ?」
…おっ。
「え」
「あ、いや俺は大丈夫よりっちゃんを養いますから」
うわぁ。
すげぇ。
「…仕事辞めると鬱になっちゃうって」
社長はエンジンを掛け、聞こえなかったらしい、「え?何?」と聞き直してくる。
「鬱になるって!仕事辞めると!」
「そうなの?」
「え、いやわかんないですけど」
「勢いに流そうかと思ったけど、流石にダメか。畜生あの男め。じゃあいいよ、一緒にいたくなったらで」
「え?」
固まって考える。ちょっと、わからないんだけど……。
なるほど、経緯から考えてくれたのかもしれないな。
…別に未練があるわけじゃないけど、多分…でも、ちょっと焦らしてやりたいかもという意地悪心が燻り「そうですね」と言ってはみたが。
「…有給貰ってしまうと、やらねばならないような」
「じゃ!よろしくね」
まぁ。
結構腹が立つ。
「有給後に考えます」
「じゃ俺ん家10日はりっちゃん家にする」
あぁ、そう来るのね。なるほど。
「…ふふっ、」
笑えてしまった。
残念だ、これは負けだな。悔しい。腹が立って殺したくなる。
はは、なるほど、これはきっと。
いつも思っていた、愛し合うときもそう。いっそ今死んでも、よかったなだとか。それでも、次があるのが日常の幸せなのかもしれない。
いつか、死ぬ日まで。
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