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第三話
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お母さんはそれから居間へ引っ込んでしまった。だが、「あら、おじいちゃんどうしたの?」居間の台所あたりからお母さんの声が聞こえる。
「…仕方ねーなぁ」
真里は渋々何段か上った階段を降り、二人で居間を覗いてみた。
「おー、今作ってるからなー」
何も知らないフレッドさんとお母さん。
「どーゆーこと?」
やっぱり、あの説明じゃダメだよなぁ。
「俺は外してようか。フレッドさん手伝って来るわ」
「そんな、悪いわ!」と言うお母さんの顔も見ず、俺は後ろ手を振って台所へ入った。
なんとなく、常識的に考えても、この家を見た時も、真里の言い分では突破出来ないだろうとは思っていた。本当は今日、俺はここへ来るべきではなかったんだろう。
「フレッドさん、何かやることありますか?」
「お?どうした?」
「んー、ちょっと…」
そこからはフレッドさんと仲良く二人でカレーを作った。
しかし、大体こーゆー人はこだわりとかあるから下手に手を出さない方がいいと思い、俺はほとんど手伝わず、フレッドさんの話し相手になっていた。
おかげでカレーについての知識がメチャクチャ増えた。
途中、真里とお母さんの会話がキッチンまで聞こえ、俺の話が出てきてフレッドさんは漸く俺に関心を持ってくれたらしく、少しだけ手伝わせてくれた。
「あんちゃん板前さんなんか」
「いやー、まぁ」
それ、嘘だけどな。
「大変だなぁ」
絶対バレそうな嘘だなこれ。うーん、誤魔化しとこうかな。まぁ嘘ってほどでもないか?
「板前ってのはちょっと違うんですけどね。真里はなりたいみたいだけど。俺はちょっと分野が違うかな?料理人?まぁ、前に少しだけ勉強したくらいです」
最早これは事実を言うしかない。
「やっぱり慣れてるなぁ。板前さんは違うなぁ」
出た、老人特有、話を聞いてない。
「そんなでもないですよ、ちょっとかじったくらいですから。フレッドさんの方が上手でしょ」
「俺なんてテキトーだよぅ。俺にも教えてよ!」
と言いながらフレッドさんは鍋の火を止め、ご飯を皿の真ん中に盛り付けた。
それを4つ並べて盛り付けるのを俺は見ていた。ご飯のまわりにカレーをかけ、渡されたので4つ、腕と手の平に乗せると、感心してくれた。
これは飲食店ホールの技術だ。
居間に入ると、先程よりは空気が柔らかく感じた。後ろからフレッドさんがスプーンを持ってきてくれる。
「フレッドさん特製カレー」
「あんちゃんも手伝ってくれたよ」
「いえいえ、俺はそんなに」
一応お母さんの方に出すとき、「台所お借りしました」と挨拶を忘れない。
「いいえぇ、なんか、すみませんね、お構い出来なくて…」
「こっちが勝手に来ちゃったんで。気にしないでください」
フレッドさんと俺も席についてみんなでカレーを食べた。
結構うまかった。レシピはフレッドさんが考えたらしい。感想を述べれば喜んでいた。
「そのために全国まわってんだ」
にこにこそう言うフレッドさんの顔は誇らしそうだった。
「俺も料理好きだよ」
真里が、ふと言った。
「だからやりたいんだよ。この人んとこ行っていい?」
真里はお母さんのことを見て訴える。
「…それは今日なの?急すぎないかって言ってるの」
「だから、思い立ったら即行動なんだって。昔からそうだろ?」
「このあんちゃん確かになんかうまかったぞ!いいんじゃないか?男には決断も大切だ!俺は賛成!」
そしてまさかの救世主。
「大体、良い人じゃないか。そりゃぁ、真里がいなくて寂しくなるけどな!」
「大学はどうするの」
「大学とか行きながら学ぶにはこれが一番いいと思ったの!身を置いちゃうってのが!」
お母さんは黙って考えた。
すげぇな真里の嘘吐きぶり。なんか俺、心痛くなってきたぞ。
「大体俺もガキじゃねぇし。もう22だよ?いつまでも甘えてらんねーわ」
「…仕方ねーなぁ」
真里は渋々何段か上った階段を降り、二人で居間を覗いてみた。
「おー、今作ってるからなー」
何も知らないフレッドさんとお母さん。
「どーゆーこと?」
やっぱり、あの説明じゃダメだよなぁ。
「俺は外してようか。フレッドさん手伝って来るわ」
「そんな、悪いわ!」と言うお母さんの顔も見ず、俺は後ろ手を振って台所へ入った。
なんとなく、常識的に考えても、この家を見た時も、真里の言い分では突破出来ないだろうとは思っていた。本当は今日、俺はここへ来るべきではなかったんだろう。
「フレッドさん、何かやることありますか?」
「お?どうした?」
「んー、ちょっと…」
そこからはフレッドさんと仲良く二人でカレーを作った。
しかし、大体こーゆー人はこだわりとかあるから下手に手を出さない方がいいと思い、俺はほとんど手伝わず、フレッドさんの話し相手になっていた。
おかげでカレーについての知識がメチャクチャ増えた。
途中、真里とお母さんの会話がキッチンまで聞こえ、俺の話が出てきてフレッドさんは漸く俺に関心を持ってくれたらしく、少しだけ手伝わせてくれた。
「あんちゃん板前さんなんか」
「いやー、まぁ」
それ、嘘だけどな。
「大変だなぁ」
絶対バレそうな嘘だなこれ。うーん、誤魔化しとこうかな。まぁ嘘ってほどでもないか?
「板前ってのはちょっと違うんですけどね。真里はなりたいみたいだけど。俺はちょっと分野が違うかな?料理人?まぁ、前に少しだけ勉強したくらいです」
最早これは事実を言うしかない。
「やっぱり慣れてるなぁ。板前さんは違うなぁ」
出た、老人特有、話を聞いてない。
「そんなでもないですよ、ちょっとかじったくらいですから。フレッドさんの方が上手でしょ」
「俺なんてテキトーだよぅ。俺にも教えてよ!」
と言いながらフレッドさんは鍋の火を止め、ご飯を皿の真ん中に盛り付けた。
それを4つ並べて盛り付けるのを俺は見ていた。ご飯のまわりにカレーをかけ、渡されたので4つ、腕と手の平に乗せると、感心してくれた。
これは飲食店ホールの技術だ。
居間に入ると、先程よりは空気が柔らかく感じた。後ろからフレッドさんがスプーンを持ってきてくれる。
「フレッドさん特製カレー」
「あんちゃんも手伝ってくれたよ」
「いえいえ、俺はそんなに」
一応お母さんの方に出すとき、「台所お借りしました」と挨拶を忘れない。
「いいえぇ、なんか、すみませんね、お構い出来なくて…」
「こっちが勝手に来ちゃったんで。気にしないでください」
フレッドさんと俺も席についてみんなでカレーを食べた。
結構うまかった。レシピはフレッドさんが考えたらしい。感想を述べれば喜んでいた。
「そのために全国まわってんだ」
にこにこそう言うフレッドさんの顔は誇らしそうだった。
「俺も料理好きだよ」
真里が、ふと言った。
「だからやりたいんだよ。この人んとこ行っていい?」
真里はお母さんのことを見て訴える。
「…それは今日なの?急すぎないかって言ってるの」
「だから、思い立ったら即行動なんだって。昔からそうだろ?」
「このあんちゃん確かになんかうまかったぞ!いいんじゃないか?男には決断も大切だ!俺は賛成!」
そしてまさかの救世主。
「大体、良い人じゃないか。そりゃぁ、真里がいなくて寂しくなるけどな!」
「大学はどうするの」
「大学とか行きながら学ぶにはこれが一番いいと思ったの!身を置いちゃうってのが!」
お母さんは黙って考えた。
すげぇな真里の嘘吐きぶり。なんか俺、心痛くなってきたぞ。
「大体俺もガキじゃねぇし。もう22だよ?いつまでも甘えてらんねーわ」
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