あじさい

二色燕𠀋

文字の大きさ
47 / 86
第四話

3

しおりを挟む
「てめぇ外出るかこのクソ童貞野郎」
「真里、ちょっと落ち着け。おふざけだろーよ」

 料理長が宥める。ナイス。真里は料理長には頭が上がらない。

「おふざけなんかじゃないですよ」

 なのに大輔、空気を読まない。

「はっ?」

 そりゃは?ってなる。口出ししなかったけどキスされた本人、結構ガチを感じましたぜ。

「僕のお母さんに似てるんです」
「は、」
「はぁ!?」

 うわ、予想以上に大きな声が出た。自分でもびっくり。
 なんてクレイジーでコミュ障なガキなんだこいつ。

「僕と付き合っ」
「いや謎!ユーアークレイジー、オーケー?」

 大輔は黙りこくった。
 てかみんな見てるよー。マジかよー、勘弁してよー。

 こうなりゃ酒の力を借りましょう。取り敢えず向かいの料理長の前にあった日本酒二合をラッパ飲み。ごめんね料理長。アルコール殺菌完了。

「い…いえす、あいあむ。
 僕と付き合ってください」

 わかってねぇぇぇ!

「なんやお前アホか!そーゆーんは好きな女の子にとっときなはれ…うぅ、気持ち悪ぃ…ちょっ、吐いてくるわ…」

 そのままトイレへダッシュ。酒が一気に回りました。

 そのまま、胃が口から出ちゃったんじゃないかってくらいまで綺麗さっぱりリバース。後からついてきた真里が水を持ってきてくれたりなんだりで取り敢えず大輔はブッ飛ばされず捌かれずにすんだらしい。

 俺たちはそのまま帰宅。家についた頃には俺はピンピンしていた。

「いやービビった、本気で」
「最後あいつのどこだかわかんなかったけど間違ったフリして踏みつけてきたわ」
「怖っ!真里怖っ!」
「あたりめーだろあんね、どんだけ俺がいま頭に血昇ってると思ってんの?」
「あれわりと露骨だろー…」
「大丈夫酒入ってるし俺別にバレてもいいし。てか料理長知ってるし」
「え、そうなの?」
「うん。だいぶ前からね」
 
 俺それ知らなかったんだけど…。

 途中でコンビニに寄ってゼリーとか、胃に優しそうなものとドリンクを買って歩いた。家にまっすぐ帰ろうかと思ったが、
「あー、ちょっと公園寄って良い?」と真里に言われる。

「いいよ。まだ早いし」

 まだ20時くらいだ。帰り道の途中にある公園に立ち寄り、コンビニで買った緑茶を真里に渡す。

 真里がベンチに座ってペットボトルのお茶を額に当てている。頭冷やしてるつもりかな。
 俺は暇なので伸びをして立ち上がり、星を眺めた。

 今日は月が邪魔してあんまり星が見えねぇな。仕方ないなと月をじっと眺める。昔から月を眺めては、クレーターが見えるんじゃねぇかなって目を凝らしてみるんだけど、やっぱりよくわからない。

「そうだ、真里!」

 ちょっと叫んだのにわりと近くに立っていたようで、肩に手を置かれたなと思ったら後ろからきつめに抱き締められる。

 あーあ、ジェラシーかな。若いなぁまったく。

「あークソ、やっぱり思い出すな」
「はいはい。お前案外執念深いな」
「執念深いよ」
「ちょい、痛いから痛いから!折れる折れる」
「あー、ごめんごめん」

 腕をバシバシ叩いて逃れた。

「で、なに?」
「そうそう。小夜この公園に連れてきたことねぇんだよ。連れてきてやろうかな」
「うーん。まぁいいんじゃない」

 心ここにあらずだなぁ。まぁいいや。

「帰ったら飲もうかな」
「さっきめっちゃ吐いてたじゃん」
「あれはもったいなかったなー。事故さえなければなー」
「やめとけやめとけ。胃が死ぬよ」
「それもそうだな」

 そのまま二人で帰宅した。ドアを開け引き戸を開けると目の前にクマ2匹。

「おかえりなさい!」

 とか言って小夜がお出迎え。

「ただいまー!」

 ちょっと可愛かったからクマごと抱きしめた。

「俺もー」

 とか言って後ろから真里が俺&小夜を抱きしめるが、俺がそれを支えきれなくて「小夜、逃げろー」と逃がす。小夜は逃げたが俺はお陀仏。真里の下敷きになった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

お茶をしましょう、若菜さん。〜強面自衛官、スイーツと君の笑顔を守ります〜

ユーリ(佐伯瑠璃)
ライト文芸
陸上自衛隊衛生科所属の安達四季陸曹長は、見た目がどうもヤのつく人ににていて怖い。 「だって顔に大きな傷があるんだもん!」 体力徽章もレンジャー徽章も持った看護官は、鬼神のように荒野を走る。 実は怖いのは顔だけで、本当はとても優しくて怒鳴ったりイライラしたりしない自衛官。 寺の住職になった方が良いのでは?そう思うくらいに懐が大きく、上官からも部下からも慕われ頼りにされている。 スイーツ大好き、奥さん大好きな安達陸曹長の若かりし日々を振り返るお話です。 ※フィクションです。 ※カクヨム、小説家になろうにも公開しています。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

処理中です...