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Hydrangea
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ご飯を食べ終え、三人でみっちゃんの家に行くことになった。
車の前で、どっちが運転するかでちょっと会議。
「いや光也さん、止めとこうって」
「ダメだよお前飲んでるもん」
「あんただって飲んでるじゃん!」
「お前ほどじゃないしこれだったらアルコールチェックされてもいけるから」
「てか経験あんのかよ」
「なんかよく捕まるんだよな」
「でしょうね。酔ってなくてもあんたヘタクソだもん。
多分俺が運転した方が捕まらないよ?これガチで」
「ヤダよそれで捕まったら。小夜もいるし俺らどう考えても刑務所だよ」
「えー」
「電車乗ってくのはだめ?」
「あ、それいい、そうしよう」
「料金は?」
「いいよいいよ。明日テキトーに朝取りに来るよ」
と、決まりかけたときだった。
「あのう」
か細い女の人の声がして三人で振り向いた。
灰色のスーツに、胸元が開いたヒラヒラのシャツを来た、だけどなんだか地味な黒縁メガネの背が低い女の人が私の真後ろに立っていた。ちょっとびっくりして半歩ほど引き下がってしまうと、然り気無くみっちゃんが私の肩に手を置いてくれた。
「はい?」
答えたのはマリちゃんだった。
「あの…バーの、方ですよね?」
「あー、ごめんなさいね、今日はちょっと閉めちゃって」
そう愛想よく答えながらもマリちゃんは、明らかに警戒心が見てとれるような鋭い目付きで女の人を見ていた。
この感じ、初めて会った時のマリちゃんみたいだ。
「あの…!」
今度はみっちゃんのことを見て、その人は私の肩に置かれた手を凝視していた。そして、一瞬私を睨んでみっちゃんの顔をもう一度見る。
「何度かお店に行ったことあるんです。今日寄ったらやってなくて」
「ありがとうございます。明後日やってるんでぜひ」
「いらっしゃいますか?」
「俺ですか?えぇ、まぁ…」
「じゃぁ明後日行きます。そちらの方は、お店の?」
「ええ。妹です。では、ちょっと急いでるんで」
「妹さん…。
あ、すみませんでした!では、また明後日」
みっちゃんはマリちゃんと目を合わせ、車に乗り込んだ。私も促され、助手席に座る。マリちゃんはお金を払いに行ってしまった。
あの女の人がお金を払うマリちゃんに何かを渡してから去っていくのが見えた。
「なんか…怖かったね」
「てか、変なやつ。なんのつもりかな」
マリちゃんは一瞬運転席を覗いてから後部座席に乗る。
「お兄さんずいぶんおモテになりますなぁ」
と言って、手から紙をちらっと見せてきた。
「アドレスだってよ」
「うわっ、何それ」
「やだ…気持ち悪い…」
お客さんに申し訳ないけど思わず言ってしまった。
「いや熱い情熱じゃね?店からここってちょっと歩くのに、場所特定してこれ持ってきてんだぜ?よほどの思い入れがあるんだよ。すげーじゃん」
「嫌味だろそれ。お前警戒心ハンパなかったし」
「それ私も思った」
「あ、バレた?
いやー、女って怖いね。見た?あの女めっさ小夜のこと睨んでたぜ。だから嘘吐いたんでしょ」
「怖かった」
「そうだよ」
そう言ってみっちゃんはハンドルを掴み発進させた。段差に躓くように一瞬車体が揺れる。
「あぶねっ」
「ん?」
凄くゆっくり大きく右に曲がって車道に出た。
運転したことないけどわかる。みっちゃんホントにヘタクソだ。間一髪で線路を支える橋みたいなコンクリートにぶつからずにすむ。
「小夜、明後日入る?」
いや、いまそれどころじゃないんだけど…。
「暇だし…入ろうかな…夜は…」
「光也さん、多分ね、今小夜の精神状態それどころじゃないと思うよ」
「え?」
と言ってこっちを見てくる。
「みっちゃん大丈夫だから前見てていいよ!」
「あそう?」
不思議そうな顔をしてまた前を向いた。みっちゃんにはどうやら、自覚がないらしい。
「…マリちゃんが言ってたのよくわかった」
「…だろ?」
「あ、」
「え、何?」
急ブレーキがかかって前のめりになる。危うく頭をぶつけそうになった。
「あっぶねぇなおばあちゃん」
確かに見るとおばあちゃんが横断歩道を渡っている。しかも赤信号。
「うわぁ怖いよおばあちゃん、走って…」
「これクラクション鳴らしていい?」
「ダメだよびっくりしてポックリ逝っちゃうから」
二人ともひどい。けどちょっと分かってしまう自分もひどい。
おばあちゃんが自分達の前を渡り終えたところでようやく発進しようと思いきや、今度はこっちが赤になってしまった。
「なんかよかったな逆に」
「後ろの車も見えたみたいで特に鳴らしてこなかったしな」
「渡りきるかな」
「流石に大丈夫でしょ?てかわざとじゃね?いつも渡りきれないからとかさ」
「だとしたら、青になってから渡ってて赤になっちゃった方が危なくないのにな。てか暗いときはお家で寝てろや」
おばあちゃんはちょうどで渡りきったようだ。そのままこっちも発進。
そのちょっとあとになんか車にちょっとした衝撃。
「あっ」
「擦ったな」
「…あそこそう言えばあったね…」
「もう慣れたわ。買い換えるときマジ7割くらい出してよね、光也さん」
これホントに生きて帰れるかな…。
「小夜いつから学校?」
「話反らしたな」
「うーん、多分夏休み開けかなぁ。まだ夏休み入ってないけどね」
「その分の授業は?」
「多分夏休みで課題出されるか、先生が授業やってくれるか…って感じみたい」
「へぇー、まぁ4月からって考えてもまだ取り返しつくか。
田舎へ越した時は大丈夫だった?」
「まぁ、いっぱい勉強した」
「そっか」
「彼氏出来た?」
ふとマリちゃんが聞いてきた。
「出来ないよー。一回だけいたけどすぐ別れちゃった」
「ありゃ、だってよ光也さん」
「何それ何それ。今俺動揺隠せてないよねこれ」
「ズバリ聞こう。どこまでいった?」
「えっ?」
みっちゃんが赤信号でタバコに火をつけた。ライターの火が震えてる。
「ホントにすぐ別れたんだよ?中学からの友達で…」
「で?で?」
「高校の入学式でなんか友達とか連れて告白されて…。なんか友人関係とか壊したくないなと思ってOKしちゃった」
「あー、そーゆーパターンね」
「若い子あるあるだ」
「でも一週間くらいでなんか…あっちがちょっと過剰過ぎて別れちゃった」
「一週間…」
「そのくらいの歳は許してやってくれ、もはや生理現象だよ。な?」
「まぁ確かに」
「大人しそうに見える子もハンパないからね。小夜覚えとけよ~。だから男選びは大切だぞ。
でも悪いわけじゃなくてあれはね、最早しょうがない。自分でコントロール出来ないから。小夜みたいな美人マジ気を付けないとすぐ食われるぜ」
「確かにその子も凄かった。嫌いになったもん、友達だったのに」
「え?凄かったって?
一週間って言ってたよな?意外とヤバかったりして」
「真里、自粛」
「とか言いつつめっちゃタバコ震えてますけどお兄さん」
確かに凄く手が震えてる。バツが悪そうに灰皿に灰を捨てようとするも失敗。ウェットティッシュで拭っていた。
「何か恥ずかしいからやめる」
「小夜、多分それ一番気になる焦らしかた」
「えー。うーん。
触られたり?チューされたり?」
みっちゃんが隣で咳き込んだ。その反動で間違ってクラクションを鳴らしてしまっていた。
「ちょっと光也さん大丈夫!?メンタル弱すぎだろ!一回止める?」
「大丈夫っ」
とか言いつつずっと咳き込んでるけど!
ちょっとしたら治まったようで軌道修正。車通りの少ない道でよかった。
「あー…気管に入ったよ、苦しかったわ。
…取り敢えず次誰かと付き合うときはそいつを俺のとこに然り気無く連れてこい」
「はーい」
「いや、それはそれであんた耐えられんの?」
「それまでに鋼のメンタルにする」
「だって想像しなきゃならないよ?こいつと小夜がチューか…とかこいつと小夜がセッ」
「それ以上言ったら事故起こしてやる」
「待てよ、小夜乗ってる!」
なんか連れていきにくいな…。しばらく出来る予定はないけど。
車の前で、どっちが運転するかでちょっと会議。
「いや光也さん、止めとこうって」
「ダメだよお前飲んでるもん」
「あんただって飲んでるじゃん!」
「お前ほどじゃないしこれだったらアルコールチェックされてもいけるから」
「てか経験あんのかよ」
「なんかよく捕まるんだよな」
「でしょうね。酔ってなくてもあんたヘタクソだもん。
多分俺が運転した方が捕まらないよ?これガチで」
「ヤダよそれで捕まったら。小夜もいるし俺らどう考えても刑務所だよ」
「えー」
「電車乗ってくのはだめ?」
「あ、それいい、そうしよう」
「料金は?」
「いいよいいよ。明日テキトーに朝取りに来るよ」
と、決まりかけたときだった。
「あのう」
か細い女の人の声がして三人で振り向いた。
灰色のスーツに、胸元が開いたヒラヒラのシャツを来た、だけどなんだか地味な黒縁メガネの背が低い女の人が私の真後ろに立っていた。ちょっとびっくりして半歩ほど引き下がってしまうと、然り気無くみっちゃんが私の肩に手を置いてくれた。
「はい?」
答えたのはマリちゃんだった。
「あの…バーの、方ですよね?」
「あー、ごめんなさいね、今日はちょっと閉めちゃって」
そう愛想よく答えながらもマリちゃんは、明らかに警戒心が見てとれるような鋭い目付きで女の人を見ていた。
この感じ、初めて会った時のマリちゃんみたいだ。
「あの…!」
今度はみっちゃんのことを見て、その人は私の肩に置かれた手を凝視していた。そして、一瞬私を睨んでみっちゃんの顔をもう一度見る。
「何度かお店に行ったことあるんです。今日寄ったらやってなくて」
「ありがとうございます。明後日やってるんでぜひ」
「いらっしゃいますか?」
「俺ですか?えぇ、まぁ…」
「じゃぁ明後日行きます。そちらの方は、お店の?」
「ええ。妹です。では、ちょっと急いでるんで」
「妹さん…。
あ、すみませんでした!では、また明後日」
みっちゃんはマリちゃんと目を合わせ、車に乗り込んだ。私も促され、助手席に座る。マリちゃんはお金を払いに行ってしまった。
あの女の人がお金を払うマリちゃんに何かを渡してから去っていくのが見えた。
「なんか…怖かったね」
「てか、変なやつ。なんのつもりかな」
マリちゃんは一瞬運転席を覗いてから後部座席に乗る。
「お兄さんずいぶんおモテになりますなぁ」
と言って、手から紙をちらっと見せてきた。
「アドレスだってよ」
「うわっ、何それ」
「やだ…気持ち悪い…」
お客さんに申し訳ないけど思わず言ってしまった。
「いや熱い情熱じゃね?店からここってちょっと歩くのに、場所特定してこれ持ってきてんだぜ?よほどの思い入れがあるんだよ。すげーじゃん」
「嫌味だろそれ。お前警戒心ハンパなかったし」
「それ私も思った」
「あ、バレた?
いやー、女って怖いね。見た?あの女めっさ小夜のこと睨んでたぜ。だから嘘吐いたんでしょ」
「怖かった」
「そうだよ」
そう言ってみっちゃんはハンドルを掴み発進させた。段差に躓くように一瞬車体が揺れる。
「あぶねっ」
「ん?」
凄くゆっくり大きく右に曲がって車道に出た。
運転したことないけどわかる。みっちゃんホントにヘタクソだ。間一髪で線路を支える橋みたいなコンクリートにぶつからずにすむ。
「小夜、明後日入る?」
いや、いまそれどころじゃないんだけど…。
「暇だし…入ろうかな…夜は…」
「光也さん、多分ね、今小夜の精神状態それどころじゃないと思うよ」
「え?」
と言ってこっちを見てくる。
「みっちゃん大丈夫だから前見てていいよ!」
「あそう?」
不思議そうな顔をしてまた前を向いた。みっちゃんにはどうやら、自覚がないらしい。
「…マリちゃんが言ってたのよくわかった」
「…だろ?」
「あ、」
「え、何?」
急ブレーキがかかって前のめりになる。危うく頭をぶつけそうになった。
「あっぶねぇなおばあちゃん」
確かに見るとおばあちゃんが横断歩道を渡っている。しかも赤信号。
「うわぁ怖いよおばあちゃん、走って…」
「これクラクション鳴らしていい?」
「ダメだよびっくりしてポックリ逝っちゃうから」
二人ともひどい。けどちょっと分かってしまう自分もひどい。
おばあちゃんが自分達の前を渡り終えたところでようやく発進しようと思いきや、今度はこっちが赤になってしまった。
「なんかよかったな逆に」
「後ろの車も見えたみたいで特に鳴らしてこなかったしな」
「渡りきるかな」
「流石に大丈夫でしょ?てかわざとじゃね?いつも渡りきれないからとかさ」
「だとしたら、青になってから渡ってて赤になっちゃった方が危なくないのにな。てか暗いときはお家で寝てろや」
おばあちゃんはちょうどで渡りきったようだ。そのままこっちも発進。
そのちょっとあとになんか車にちょっとした衝撃。
「あっ」
「擦ったな」
「…あそこそう言えばあったね…」
「もう慣れたわ。買い換えるときマジ7割くらい出してよね、光也さん」
これホントに生きて帰れるかな…。
「小夜いつから学校?」
「話反らしたな」
「うーん、多分夏休み開けかなぁ。まだ夏休み入ってないけどね」
「その分の授業は?」
「多分夏休みで課題出されるか、先生が授業やってくれるか…って感じみたい」
「へぇー、まぁ4月からって考えてもまだ取り返しつくか。
田舎へ越した時は大丈夫だった?」
「まぁ、いっぱい勉強した」
「そっか」
「彼氏出来た?」
ふとマリちゃんが聞いてきた。
「出来ないよー。一回だけいたけどすぐ別れちゃった」
「ありゃ、だってよ光也さん」
「何それ何それ。今俺動揺隠せてないよねこれ」
「ズバリ聞こう。どこまでいった?」
「えっ?」
みっちゃんが赤信号でタバコに火をつけた。ライターの火が震えてる。
「ホントにすぐ別れたんだよ?中学からの友達で…」
「で?で?」
「高校の入学式でなんか友達とか連れて告白されて…。なんか友人関係とか壊したくないなと思ってOKしちゃった」
「あー、そーゆーパターンね」
「若い子あるあるだ」
「でも一週間くらいでなんか…あっちがちょっと過剰過ぎて別れちゃった」
「一週間…」
「そのくらいの歳は許してやってくれ、もはや生理現象だよ。な?」
「まぁ確かに」
「大人しそうに見える子もハンパないからね。小夜覚えとけよ~。だから男選びは大切だぞ。
でも悪いわけじゃなくてあれはね、最早しょうがない。自分でコントロール出来ないから。小夜みたいな美人マジ気を付けないとすぐ食われるぜ」
「確かにその子も凄かった。嫌いになったもん、友達だったのに」
「え?凄かったって?
一週間って言ってたよな?意外とヤバかったりして」
「真里、自粛」
「とか言いつつめっちゃタバコ震えてますけどお兄さん」
確かに凄く手が震えてる。バツが悪そうに灰皿に灰を捨てようとするも失敗。ウェットティッシュで拭っていた。
「何か恥ずかしいからやめる」
「小夜、多分それ一番気になる焦らしかた」
「えー。うーん。
触られたり?チューされたり?」
みっちゃんが隣で咳き込んだ。その反動で間違ってクラクションを鳴らしてしまっていた。
「ちょっと光也さん大丈夫!?メンタル弱すぎだろ!一回止める?」
「大丈夫っ」
とか言いつつずっと咳き込んでるけど!
ちょっとしたら治まったようで軌道修正。車通りの少ない道でよかった。
「あー…気管に入ったよ、苦しかったわ。
…取り敢えず次誰かと付き合うときはそいつを俺のとこに然り気無く連れてこい」
「はーい」
「いや、それはそれであんた耐えられんの?」
「それまでに鋼のメンタルにする」
「だって想像しなきゃならないよ?こいつと小夜がチューか…とかこいつと小夜がセッ」
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