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酒場の閑居と情緒
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依田は横にあった文机に手を伸ばし、引き出しからぺいっと、音が少ししかしない小銭入れを出して投げるように床へ放った。
「有り金で見繕ってください。3千もありゃぁいいでしょう」
「ちょっ、」
「兄さん、」
「雀三、頼んだよ」
明らかなる依田の拒否。
ジャクソン君は小銭入れを見つめ、「…取り敢えず師匠に伝えてきますから」と、怒ったような低い声で言い、出て行ってしまった。
その背を見つめる依田は少し切なそうな、やはり何かを思いやる表情ではあり、声の出る溜め息で小銭入れを拾った。
「いいのか」
「いいもなにも、師匠らは葬式くらい出るでしょ。喪主だって誰かやる。鵜助もいるし」
「だからだよ。お前本気で…」
「あの家には端から帰る気はない。敷居を跨がせてすらもらえない。それほど父は厳格だ」
「…まぁお前の気持ちなんてわからないが、もう、いいんじゃないか?」
「話しても無駄です兄さん。それに明日から別に支障はないでしょ」
「あぁそう。
そのわりに寂しそうじゃん?気のせいかもしれないけど。まぁ、俺もどうせお呼びが掛かる。行くわ。
あ、今更だけどお嬢さん、こんにちは。君、面倒事になる前にさっさと帰んな。まぁ上手いこと、許嫁とでも言っとくけど…」
そう諭すように、だがあまり良い顔はせず言われ、穂咲兄さんは稽古場を去って行った。
ふと、依田と目が合う。
ふう、と一息吐いて、立て掛けた三味線に依田は手を伸ばした。
「父は、」
語りながら、眼鏡拭きみたいな布で三味線を拭く依田は確かに、寂しそうだ。
ふと横を見て、もう一本立て掛けてあった、少しそれとは新しい三味線に、「あぁ…」とぼやく。
「雀三、置いてっちゃったなぁ…。まったく…」
仕方なし、とばかりに今自分の拭いていた三味線を横に退け、ジャクソンくんの三味線を拭いている姿がなんだか、現実味がない。
「…あのぅ、依田?」
「ん、あぁ。
そう、俺の父は…まぁ所謂国宝ですよ」
糸巻きを容赦なくひっこ抜いて頭にカバー?みたいなのを掛け、「あぁ、人間、国宝ね」とか言いながら棹を2分割にし、話ながら難なく解体されてしまったジャクソンくんのお三味線、丁寧に各部位には布が巻かれ、文机の下にあったケースを引っ張り出し、それにしまう依田。
初見はこれ、ビビった。
だってまるでバラバラ死体を見た気分だもの。
そしてどうして三味線、頭だけ帽子を被るのかも謎。
依田は横に退かした自分の三味線にも手を掛ける。
「に、人間…国宝」
「そ。つまりはぁ、65、過ぎたジジイ」
「はぁ…」
「つか、引退した。90?」
「きゅ、90ぅ!?」
歳が大分いっていらっしゃる。
「だって50くらいの時のガキだもん、俺」
「まぁ…お元気で…?」
「弟なんて俺と5つしか変わらないよ」
「まぁ…って、弟!?」
「そ。
母親が流石に女を引退したので腹違いですが」
「ははぁ~…」
それはそれは…。
「弟の芸名は高山鵜助。父親の2番弟子」
「ほ?つまり?」
「父親は人形遣いなのです」
「は、」
なるほど…って。
「それって」
「はい。それなんでこんなことになっています」
へ、
「えぇぇぇ」
「俺、絶賛反抗期中なんですよ、今」
それは…。
「やべぇな」
拗らせていますな。
「やべぇも何も、まぁ、なんとも」
「やべぇなおい」
「だって追い出したのはあれだし」
「いや待ってなんでそんな」
「いや三味線やりたかったから?
やりたいって言ったら門ぴしゃり。家をなくし候みたいな」
「やべぇなおい」
「だよね。
しかもさぁ、最後にあれが言ったのが「三味線かよ」て、はぁ?みたいな?俺流石に家の門に『死ね』って書いたよね、ちっちゃく」
「こんまいなぁ、マジか」
「当たり前じゃん国宝の家とか犯罪じゃね?みたいなの過るじゃん。
まぁ別に普通のちょっとヤバそうな家だけどね今考えたら」
なんてひねくれたガキ。
いやガキだったのか?
「えいくつから拗らしてんの?」
「拗らせてるって。拘ってるって言って頂戴よ。追い出されたのは14歳だよ」
「丁度やん」
「でも師匠拾ってくれたもん。人形の練習帰りにこっそり教わってたからあっさり入門ってか住み込み。追い出された日に速攻で電話して師匠ん家即住めた」
「うわぁ、なんか釈然としない」
「え?も少し悲壮感出す?
雨降っててぇ、濡れ鼠になって泣きながら師匠の家に行って奥さんの暖かいご飯を吐いた」
「吐いたんかーい」
「奥さん料理下手なんだ。師匠も言ってた。まぁ…味覚ないらしいから仕方ないけどね。
俺それから料理番。奥さんと」
「なるほど…」
だからか。
だから無駄に料理長いのか。奥さんに教えたりとか、してたんだろうな。
「最初はね、怒られたよー。長いとか、水に手ぇつけんな!とか」
「理不尽…」
「いやそんなもんよ。
おかげで師匠、今まで弟子取らなかったのに取るようになったらしいから」
「あっ、」
察し。
なるほどな。
「…意外と厳しいんだねゴッド…ジャクソン師匠」
色々間違えた。名前なんだっけ。
漸く依田は笑ってくれた。
「かっこいいな師匠。そうそう。だから雀三や奥さんに伝承するの、俺でいい、別にさ。俺も師匠も案外格式ばってないから。
まぁ…雀三にはまだ、いま住み込みだけど、わからないかもな」
「いや、」
多分。
「わかってなかったら金受け取ってる」
「…うーん?」
わかってないのはお前だ依田。
「ただ気に入らないのは、ダメだな、三味線は置いてっちゃ。
肌身離さず、それは当たり前だよ」
「そゆもん?」
「そう。ましてや俺が片付けるなんてなんだ、俺はあいつの女と寝たのか」
「なるほどー」
思わずにやけてしまった。
ジャクソン、お前なかなか策士や。
「先輩への鉄槌っすよ、依田さん」
「はぁ?なに亀ちゃん気持ち悪い」
「はいはい。帰るんでしょ。さっさと帰ろ。バイなお前には一生わかんないよ」
「え?なに?マジで気持ち悪い」
とか愚痴愚痴言ってるので「うるさい」と制して立ち上がる。ベースギターを手にして襖を開けたとき、こっそり去って行く、丁度ジャクソンくんくらいの背のヤツを見かけた。
予想よりお前、愛されてるぞ依田。
それから後ろで、「楽屋寄るから」と言う依田に、「はいはい」と返事をして先に外へ出た。
まだ明るい。昼時か。しかしどうにも、楽屋は慌ただしいように見えた。
「有り金で見繕ってください。3千もありゃぁいいでしょう」
「ちょっ、」
「兄さん、」
「雀三、頼んだよ」
明らかなる依田の拒否。
ジャクソン君は小銭入れを見つめ、「…取り敢えず師匠に伝えてきますから」と、怒ったような低い声で言い、出て行ってしまった。
その背を見つめる依田は少し切なそうな、やはり何かを思いやる表情ではあり、声の出る溜め息で小銭入れを拾った。
「いいのか」
「いいもなにも、師匠らは葬式くらい出るでしょ。喪主だって誰かやる。鵜助もいるし」
「だからだよ。お前本気で…」
「あの家には端から帰る気はない。敷居を跨がせてすらもらえない。それほど父は厳格だ」
「…まぁお前の気持ちなんてわからないが、もう、いいんじゃないか?」
「話しても無駄です兄さん。それに明日から別に支障はないでしょ」
「あぁそう。
そのわりに寂しそうじゃん?気のせいかもしれないけど。まぁ、俺もどうせお呼びが掛かる。行くわ。
あ、今更だけどお嬢さん、こんにちは。君、面倒事になる前にさっさと帰んな。まぁ上手いこと、許嫁とでも言っとくけど…」
そう諭すように、だがあまり良い顔はせず言われ、穂咲兄さんは稽古場を去って行った。
ふと、依田と目が合う。
ふう、と一息吐いて、立て掛けた三味線に依田は手を伸ばした。
「父は、」
語りながら、眼鏡拭きみたいな布で三味線を拭く依田は確かに、寂しそうだ。
ふと横を見て、もう一本立て掛けてあった、少しそれとは新しい三味線に、「あぁ…」とぼやく。
「雀三、置いてっちゃったなぁ…。まったく…」
仕方なし、とばかりに今自分の拭いていた三味線を横に退け、ジャクソンくんの三味線を拭いている姿がなんだか、現実味がない。
「…あのぅ、依田?」
「ん、あぁ。
そう、俺の父は…まぁ所謂国宝ですよ」
糸巻きを容赦なくひっこ抜いて頭にカバー?みたいなのを掛け、「あぁ、人間、国宝ね」とか言いながら棹を2分割にし、話ながら難なく解体されてしまったジャクソンくんのお三味線、丁寧に各部位には布が巻かれ、文机の下にあったケースを引っ張り出し、それにしまう依田。
初見はこれ、ビビった。
だってまるでバラバラ死体を見た気分だもの。
そしてどうして三味線、頭だけ帽子を被るのかも謎。
依田は横に退かした自分の三味線にも手を掛ける。
「に、人間…国宝」
「そ。つまりはぁ、65、過ぎたジジイ」
「はぁ…」
「つか、引退した。90?」
「きゅ、90ぅ!?」
歳が大分いっていらっしゃる。
「だって50くらいの時のガキだもん、俺」
「まぁ…お元気で…?」
「弟なんて俺と5つしか変わらないよ」
「まぁ…って、弟!?」
「そ。
母親が流石に女を引退したので腹違いですが」
「ははぁ~…」
それはそれは…。
「弟の芸名は高山鵜助。父親の2番弟子」
「ほ?つまり?」
「父親は人形遣いなのです」
「は、」
なるほど…って。
「それって」
「はい。それなんでこんなことになっています」
へ、
「えぇぇぇ」
「俺、絶賛反抗期中なんですよ、今」
それは…。
「やべぇな」
拗らせていますな。
「やべぇも何も、まぁ、なんとも」
「やべぇなおい」
「だって追い出したのはあれだし」
「いや待ってなんでそんな」
「いや三味線やりたかったから?
やりたいって言ったら門ぴしゃり。家をなくし候みたいな」
「やべぇなおい」
「だよね。
しかもさぁ、最後にあれが言ったのが「三味線かよ」て、はぁ?みたいな?俺流石に家の門に『死ね』って書いたよね、ちっちゃく」
「こんまいなぁ、マジか」
「当たり前じゃん国宝の家とか犯罪じゃね?みたいなの過るじゃん。
まぁ別に普通のちょっとヤバそうな家だけどね今考えたら」
なんてひねくれたガキ。
いやガキだったのか?
「えいくつから拗らしてんの?」
「拗らせてるって。拘ってるって言って頂戴よ。追い出されたのは14歳だよ」
「丁度やん」
「でも師匠拾ってくれたもん。人形の練習帰りにこっそり教わってたからあっさり入門ってか住み込み。追い出された日に速攻で電話して師匠ん家即住めた」
「うわぁ、なんか釈然としない」
「え?も少し悲壮感出す?
雨降っててぇ、濡れ鼠になって泣きながら師匠の家に行って奥さんの暖かいご飯を吐いた」
「吐いたんかーい」
「奥さん料理下手なんだ。師匠も言ってた。まぁ…味覚ないらしいから仕方ないけどね。
俺それから料理番。奥さんと」
「なるほど…」
だからか。
だから無駄に料理長いのか。奥さんに教えたりとか、してたんだろうな。
「最初はね、怒られたよー。長いとか、水に手ぇつけんな!とか」
「理不尽…」
「いやそんなもんよ。
おかげで師匠、今まで弟子取らなかったのに取るようになったらしいから」
「あっ、」
察し。
なるほどな。
「…意外と厳しいんだねゴッド…ジャクソン師匠」
色々間違えた。名前なんだっけ。
漸く依田は笑ってくれた。
「かっこいいな師匠。そうそう。だから雀三や奥さんに伝承するの、俺でいい、別にさ。俺も師匠も案外格式ばってないから。
まぁ…雀三にはまだ、いま住み込みだけど、わからないかもな」
「いや、」
多分。
「わかってなかったら金受け取ってる」
「…うーん?」
わかってないのはお前だ依田。
「ただ気に入らないのは、ダメだな、三味線は置いてっちゃ。
肌身離さず、それは当たり前だよ」
「そゆもん?」
「そう。ましてや俺が片付けるなんてなんだ、俺はあいつの女と寝たのか」
「なるほどー」
思わずにやけてしまった。
ジャクソン、お前なかなか策士や。
「先輩への鉄槌っすよ、依田さん」
「はぁ?なに亀ちゃん気持ち悪い」
「はいはい。帰るんでしょ。さっさと帰ろ。バイなお前には一生わかんないよ」
「え?なに?マジで気持ち悪い」
とか愚痴愚痴言ってるので「うるさい」と制して立ち上がる。ベースギターを手にして襖を開けたとき、こっそり去って行く、丁度ジャクソンくんくらいの背のヤツを見かけた。
予想よりお前、愛されてるぞ依田。
それから後ろで、「楽屋寄るから」と言う依田に、「はいはい」と返事をして先に外へ出た。
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