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The 24th episode
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「とにかくまぁ、わからん。暫く環ちゃん、俺に預けないか流星」
「なにっ、」
それは…。
潤も政宗を見て言う、「あんた絶対なんかするでしょ」と。
「は?」
「だってあんた、誘い込まれた胡散臭ぇFBIのババア(俺と流星の元カノ)を勢いで抱いちまうくらい溜まってんだろ?」
「おいそれ、」
「てんめぇ言いやがったな流星!」
「おもしれーから話したけどてめぇ潤!傷抉んなよバカ死ね!」
バカみたいな会話をしていれば、「あの~」と。
男の若い看護師が迷惑そうに覗いてきた。潤が笑顔で「あ、こいつ元気なんで、帰りま~す」と対応。
なんだ今日は。
全体的にこいつらの病人に対する道徳、おかしくないか?俺ぶっ倒れたんだよ?自分のせいだけど。
気まずそうに政宗が「ほら立てバカ野郎」と椅子から立ち上がり手を貸してくれた。
その話のあと、肩なんてすげぇ借りたくねぇけど仕方ない。
取り敢えずベッドから出て部署に戻ることにした。
「で、どーすんの環ちゃん」
「それな…」
「…俺から言うのもおかしいんだが俺マジで誓約書環ちゃんに書いてやるよ、なんもしないって!それでどうだお前ら」
「んーまぁ流石にあんたもそんなに道徳がない男だとは思っていないんでまぁいいですけど。環、人見知りだし」
「まぁねぇ…」
潤は潤で考え顔なクセに「でも美人だよな環ちゃん」とぼそりと言った。
「…なんなのお前、不安煽ってどーすんの!?」
「いやそんなつもりじゃねぇし。
…引っ越すったってあれか、お前、もしかして樹実さんと住んでたとこか」
ふいにそんなセンチメンタルじみた事を言ってくるが、
まぁそうか、こいつ案外そういうやつだよな。
「…まぁな。けど、まぁ一人には広すぎたから、正直日本に戻ってすぐは嫌だった」
俺が本音を言えば二人とも、感情は読み取れないが見つめてくる。
「案外、そういう意味での執着はない気がする。だから、それについては別に痛くねぇよ、心配してくれたようで悪いがな」
「…そう、」
薄い笑いだがどうにも潤は、少し哀愁が見えた。俯く潤を振り切るようにわりと真面目に政宗は、「じゃ、いいな環ちゃんはそれで」と聞いてきた。
「…ないと信じてますがなんかあったらあんた、マジで股関撃ちますから」
「ねぇよ。まず罪悪感しか沸かねぇから色々と」
「ですよねー」
そうか。
罪悪感か。
まぁ、普通そうだよな。
「臭いかもしれんが、まぁわりと、お前と環ちゃんに関しては、おっさん的には嬉しい話だし」
そうか。
てか。
「伊緒になんか言いました?」
「ん?」
「いや、最近伊緒がまぁ、告白したら如何でしょう、みたいな、めっちゃ言ってくるんで」
「は?バカなの童貞」
何故だ。
何故そこで童貞呼ばわりされたんだ、このクソ潤に。
「…いい加減にしたらいいのに流星」
「は?」
「ここまで鈍感だと未知の生物だわ。だからお前俺よりモテないんだよ」
むかっ。
「…そうだなぁクソ潤。てめえ前髪どーしたよ」
「あっ、」
「あーそうそう。進展は?」
「バカじゃないのお前ら。ねぇよんなもん!」
「あー嫌だ嫌だ」
「俺の後輩バカしかいねぇ…」
一人がくっと肩を落とす政宗。
先には部署が見え、もちろん向かいにあるマトリ部署も見えた。覗いたら前髪辻井と目が合った気がしたが、潤が露骨に顔を反らしたので「あぁ潤か」と納得。
終業はとっくに過ぎていた。ウチはみんな帰ったのか、部署に入れば伊緒だけがポツンとデスクに座ってキーボードを、所在なさげに叩いたり眺めたりしていた。
「…流星さん、」
部署に入って伊緒と目が合えば、一瞬は怒ったように、しかし俺たちを見れば溜め息を付き、表情を緩めてくれた。
「…心配掛けた、悪い。待ってたのか」
「…はい。皆は政宗さんが返しました」
互いにそれで無言になれば「はぁ、」と政宗がわざとらしく息を吐いて言う。
「まぁ、大切な話は帰ったら存分にするとして、帰る支度だ。したらタバコ吸って帰ろうか」
その一言に、なんとなく。
今日張り詰めていた物が少し緩んだ。
各々それからすぐに支度を終え、帰りにタバコを吸っては、雑談もなく帰ることにする。
潤が急に、「あれ」と言い出し、
「ケータイ忘れたから戻るわ。じゃ、また明日」
とまた厚労省に戻り、「なんだかな」と背中を見つめた政宗が溢した。
「あいつもあいつではっきりしねぇよな」
「…何がです?」
「…多分。
あいつ、山下のこと、知ってんだろ、なんか」
「…あぁ、」
伊緒まで頷いた。
…それって?
「つまり?」
「あいつ確か、警察庁立て籠りの時、流れ弾だかなんだか知らんが、一回入院したみたいなんだよな」
「…なんだって?」
初聞きだ。
いや、普段ならそんなこと大して意味がないが、
確か祥真は一度、警察庁立て籠りテロを起こしていると、日本に帰って来て知った。高田が揉み消したらしい。
ごく一部しか知らない日本のクーデターだ。
「いや、あれでかは知らんが、」
「政宗」
だとしても。
「…あんたも少々疲れてるんだよ。まぁ、帰って酒でも飲んでください」
正直、話が繋がらないし誰の得にもならない。
「なにっ、」
それは…。
潤も政宗を見て言う、「あんた絶対なんかするでしょ」と。
「は?」
「だってあんた、誘い込まれた胡散臭ぇFBIのババア(俺と流星の元カノ)を勢いで抱いちまうくらい溜まってんだろ?」
「おいそれ、」
「てんめぇ言いやがったな流星!」
「おもしれーから話したけどてめぇ潤!傷抉んなよバカ死ね!」
バカみたいな会話をしていれば、「あの~」と。
男の若い看護師が迷惑そうに覗いてきた。潤が笑顔で「あ、こいつ元気なんで、帰りま~す」と対応。
なんだ今日は。
全体的にこいつらの病人に対する道徳、おかしくないか?俺ぶっ倒れたんだよ?自分のせいだけど。
気まずそうに政宗が「ほら立てバカ野郎」と椅子から立ち上がり手を貸してくれた。
その話のあと、肩なんてすげぇ借りたくねぇけど仕方ない。
取り敢えずベッドから出て部署に戻ることにした。
「で、どーすんの環ちゃん」
「それな…」
「…俺から言うのもおかしいんだが俺マジで誓約書環ちゃんに書いてやるよ、なんもしないって!それでどうだお前ら」
「んーまぁ流石にあんたもそんなに道徳がない男だとは思っていないんでまぁいいですけど。環、人見知りだし」
「まぁねぇ…」
潤は潤で考え顔なクセに「でも美人だよな環ちゃん」とぼそりと言った。
「…なんなのお前、不安煽ってどーすんの!?」
「いやそんなつもりじゃねぇし。
…引っ越すったってあれか、お前、もしかして樹実さんと住んでたとこか」
ふいにそんなセンチメンタルじみた事を言ってくるが、
まぁそうか、こいつ案外そういうやつだよな。
「…まぁな。けど、まぁ一人には広すぎたから、正直日本に戻ってすぐは嫌だった」
俺が本音を言えば二人とも、感情は読み取れないが見つめてくる。
「案外、そういう意味での執着はない気がする。だから、それについては別に痛くねぇよ、心配してくれたようで悪いがな」
「…そう、」
薄い笑いだがどうにも潤は、少し哀愁が見えた。俯く潤を振り切るようにわりと真面目に政宗は、「じゃ、いいな環ちゃんはそれで」と聞いてきた。
「…ないと信じてますがなんかあったらあんた、マジで股関撃ちますから」
「ねぇよ。まず罪悪感しか沸かねぇから色々と」
「ですよねー」
そうか。
罪悪感か。
まぁ、普通そうだよな。
「臭いかもしれんが、まぁわりと、お前と環ちゃんに関しては、おっさん的には嬉しい話だし」
そうか。
てか。
「伊緒になんか言いました?」
「ん?」
「いや、最近伊緒がまぁ、告白したら如何でしょう、みたいな、めっちゃ言ってくるんで」
「は?バカなの童貞」
何故だ。
何故そこで童貞呼ばわりされたんだ、このクソ潤に。
「…いい加減にしたらいいのに流星」
「は?」
「ここまで鈍感だと未知の生物だわ。だからお前俺よりモテないんだよ」
むかっ。
「…そうだなぁクソ潤。てめえ前髪どーしたよ」
「あっ、」
「あーそうそう。進展は?」
「バカじゃないのお前ら。ねぇよんなもん!」
「あー嫌だ嫌だ」
「俺の後輩バカしかいねぇ…」
一人がくっと肩を落とす政宗。
先には部署が見え、もちろん向かいにあるマトリ部署も見えた。覗いたら前髪辻井と目が合った気がしたが、潤が露骨に顔を反らしたので「あぁ潤か」と納得。
終業はとっくに過ぎていた。ウチはみんな帰ったのか、部署に入れば伊緒だけがポツンとデスクに座ってキーボードを、所在なさげに叩いたり眺めたりしていた。
「…流星さん、」
部署に入って伊緒と目が合えば、一瞬は怒ったように、しかし俺たちを見れば溜め息を付き、表情を緩めてくれた。
「…心配掛けた、悪い。待ってたのか」
「…はい。皆は政宗さんが返しました」
互いにそれで無言になれば「はぁ、」と政宗がわざとらしく息を吐いて言う。
「まぁ、大切な話は帰ったら存分にするとして、帰る支度だ。したらタバコ吸って帰ろうか」
その一言に、なんとなく。
今日張り詰めていた物が少し緩んだ。
各々それからすぐに支度を終え、帰りにタバコを吸っては、雑談もなく帰ることにする。
潤が急に、「あれ」と言い出し、
「ケータイ忘れたから戻るわ。じゃ、また明日」
とまた厚労省に戻り、「なんだかな」と背中を見つめた政宗が溢した。
「あいつもあいつではっきりしねぇよな」
「…何がです?」
「…多分。
あいつ、山下のこと、知ってんだろ、なんか」
「…あぁ、」
伊緒まで頷いた。
…それって?
「つまり?」
「あいつ確か、警察庁立て籠りの時、流れ弾だかなんだか知らんが、一回入院したみたいなんだよな」
「…なんだって?」
初聞きだ。
いや、普段ならそんなこと大して意味がないが、
確か祥真は一度、警察庁立て籠りテロを起こしていると、日本に帰って来て知った。高田が揉み消したらしい。
ごく一部しか知らない日本のクーデターだ。
「いや、あれでかは知らんが、」
「政宗」
だとしても。
「…あんたも少々疲れてるんだよ。まぁ、帰って酒でも飲んでください」
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