345 / 376
The 33rd episode
2
しおりを挟む
「なんつーか、お宅の部署って相当密接っすよね」
辻井があの意味わからん細ぇタバコを咥えながら言う。俺のパンドラは本日は次元。
「まぁマトリから見たらそうだよなぁ」
と政宗が染々言う。流星がタバコを出して「うわっ、てめぇ潤…」と咥えたのはどう見ても俺のキャスターだった。
「あーあ外れだね流星」と和やかに言った祥ちゃんは笑顔ながら、やはり左手でもだついていたので、俺がライターで火をつけてやる。
「ありがと潤。俺も潤のやつだったよ」
慣れた政宗はぼんやりと「本気で妻感しかねぇな」と苦言。流星は不機嫌そうに眉間をしかめる。
で、一人慣れない辻井が俺たち全体を眺めるのはわかるが、祥ちゃんが「ん?」と辻井を見て少し鼻を利かせたのは見て取れた。怖い、犬以上の嗅覚。
不機嫌そうに「なんすか」と返す辻井と、俺を見つめる祥ちゃんに、正直他二人助けてくれよと視線をやるも政宗はそっぽ向く、童貞ワーカホリック流星は「で、」と全く違う雰囲気。
免職なのに何でこんな気まずいんだよ、マジで。免職だから?
「んーとどーよホテルと大使館」
「あー、鑑識面でも大方方がつきそうだぞどっちも。會澤組と鮫島もお前ら上がってくんならなんとなく繋がりそうだが、潤はどーよ?」
「政宗鑑識は正しいかもな。
こっちはうーん…なんせホテルも大使館も大体は警視庁に持っていかれたからな。
江島が逃げおおせたあたりと大学の谷栄一郎の獄中死が納得いかないかな。まだ江島は検察官だった白澤の所業だとわかるが。
この辺流星に営業頼みたいかな」
流星が少し俯きながらも自分のタバコを探しあて、二本目にして火をつける。そんなに俺のタバコは森林浴か。しかし祥ちゃんもタイミングが被っていた。
二度目は最早ライター擦るのがめんどくさいなと思えば、祥ちゃんからシガー直接が来たので火種はOK。あとは俺が色んな視線から耐えるだけだ。
「やっぱそうだよな~…、これはしかし俺が行けたものかなぁ~…、」
「え、てかトクホンアットホーム過ぎて俺ついていけないんすけど」
「マトリはな。だが俺も変態三人を前にしても無なくらいは慣れたぞ辻井」
「俺的に星川さんとこの人どうしたの的な」
「辻井、」
「え、はぁなんですか部長さん」
タバコで辻井を指すくらいに流星は末期だぞ辻井、私語厳禁だぜ(俺のメンタル的にも)。
「で、會澤組関連からも、俺は帝都の谷栄一郎獄中死に関し営業に出ようと思うが大学方面でのマトリ資料が欲しい」
「ん?」
「あー、うん、俺らが帝都に目をつけた要因なんだよ、それ。マトリが帝都に目をつけた要因って、マトリなんだから麻薬だよな。ちなみに営業って多分、直接赴いて情報かっぱらってくるやつな」
「うーん、まぁ、はい。荒川さん凄いっすねマジで」
「なんだお前も平成か、その返事じゃわからんわおっさんには」
いや言うてお前以外全員平成なんだよ政宗。
「なんなら俺がモグリやるかい流星。警視庁でしょ?俺管轄じゃないからその資料俺も欲しい」
「バカ言え、お前も一般市民だし片手目立つだろ」
「いや、この人って国政の」
「ほら流星、このクソ前髪マジでなんもしらんのだって」
「えー、そんな言い方します?独自のほら、ホスト跡地と會澤の資料持ってきたでしょ俺」
「ヘマしたやつが言うなし」
「いやそれお前も言えなくねぇか潤。
まーいーわ経理誰かなんとかして。俺やっぱ営業行くわ」
「うわっ、フクブに投げた」
「…もう慣れたよ正直。はいはい。
潤、お前もうなんかその間こいつのとこ補助ってマジ」
「うっわ~フクブは一般市民に投げた~っ」
「ホントに君らグレーってかもう警察じゃないね。流石高田傘下だよ、俺もう使えなすぎていらなくないかな。俺の国勢調査の意味」
「ゲロ甘だったよな。お前俺のこと嫌いなクセによく首飛ばさなかったよな」
少し祥ちゃんと流星は、含みある感じで見つめ合っては「まぁね」と祥ちゃんが笑った。
それに流星は「まぁいいや行くか」とタバコを消した。
政宗も流星のあとをついて火を消す間、仕方なしとこっちも火を消すが
「まぁ悪かねぇが良くはねぇってことで」
と政宗も祥ちゃんには冷たく言った。
火を消しながら「嫌われてるなぁ、俺」と軽く言う祥ちゃんは苦笑いだった。
「なんかあんたら、仲良いんだか悪いんだか、微妙っすね」
「まぁね。そんだけまぁ、仕方ないけどね」
「潤ちゃんはその点中立だよなぁ。ま、俺らも行こうか」
と言いつつ辻井が先に行くのよりも少し遅れてから「ねぇ潤」と、祥ちゃんは俺の右肩を引いた。
多分、右、わざとだ。
右耳を貸せば小さな声で「長官暗殺と谷の獄中死、言わなくていいの?」と聞いてきた。
…谷の、獄中死?
辻井があの意味わからん細ぇタバコを咥えながら言う。俺のパンドラは本日は次元。
「まぁマトリから見たらそうだよなぁ」
と政宗が染々言う。流星がタバコを出して「うわっ、てめぇ潤…」と咥えたのはどう見ても俺のキャスターだった。
「あーあ外れだね流星」と和やかに言った祥ちゃんは笑顔ながら、やはり左手でもだついていたので、俺がライターで火をつけてやる。
「ありがと潤。俺も潤のやつだったよ」
慣れた政宗はぼんやりと「本気で妻感しかねぇな」と苦言。流星は不機嫌そうに眉間をしかめる。
で、一人慣れない辻井が俺たち全体を眺めるのはわかるが、祥ちゃんが「ん?」と辻井を見て少し鼻を利かせたのは見て取れた。怖い、犬以上の嗅覚。
不機嫌そうに「なんすか」と返す辻井と、俺を見つめる祥ちゃんに、正直他二人助けてくれよと視線をやるも政宗はそっぽ向く、童貞ワーカホリック流星は「で、」と全く違う雰囲気。
免職なのに何でこんな気まずいんだよ、マジで。免職だから?
「んーとどーよホテルと大使館」
「あー、鑑識面でも大方方がつきそうだぞどっちも。會澤組と鮫島もお前ら上がってくんならなんとなく繋がりそうだが、潤はどーよ?」
「政宗鑑識は正しいかもな。
こっちはうーん…なんせホテルも大使館も大体は警視庁に持っていかれたからな。
江島が逃げおおせたあたりと大学の谷栄一郎の獄中死が納得いかないかな。まだ江島は検察官だった白澤の所業だとわかるが。
この辺流星に営業頼みたいかな」
流星が少し俯きながらも自分のタバコを探しあて、二本目にして火をつける。そんなに俺のタバコは森林浴か。しかし祥ちゃんもタイミングが被っていた。
二度目は最早ライター擦るのがめんどくさいなと思えば、祥ちゃんからシガー直接が来たので火種はOK。あとは俺が色んな視線から耐えるだけだ。
「やっぱそうだよな~…、これはしかし俺が行けたものかなぁ~…、」
「え、てかトクホンアットホーム過ぎて俺ついていけないんすけど」
「マトリはな。だが俺も変態三人を前にしても無なくらいは慣れたぞ辻井」
「俺的に星川さんとこの人どうしたの的な」
「辻井、」
「え、はぁなんですか部長さん」
タバコで辻井を指すくらいに流星は末期だぞ辻井、私語厳禁だぜ(俺のメンタル的にも)。
「で、會澤組関連からも、俺は帝都の谷栄一郎獄中死に関し営業に出ようと思うが大学方面でのマトリ資料が欲しい」
「ん?」
「あー、うん、俺らが帝都に目をつけた要因なんだよ、それ。マトリが帝都に目をつけた要因って、マトリなんだから麻薬だよな。ちなみに営業って多分、直接赴いて情報かっぱらってくるやつな」
「うーん、まぁ、はい。荒川さん凄いっすねマジで」
「なんだお前も平成か、その返事じゃわからんわおっさんには」
いや言うてお前以外全員平成なんだよ政宗。
「なんなら俺がモグリやるかい流星。警視庁でしょ?俺管轄じゃないからその資料俺も欲しい」
「バカ言え、お前も一般市民だし片手目立つだろ」
「いや、この人って国政の」
「ほら流星、このクソ前髪マジでなんもしらんのだって」
「えー、そんな言い方します?独自のほら、ホスト跡地と會澤の資料持ってきたでしょ俺」
「ヘマしたやつが言うなし」
「いやそれお前も言えなくねぇか潤。
まーいーわ経理誰かなんとかして。俺やっぱ営業行くわ」
「うわっ、フクブに投げた」
「…もう慣れたよ正直。はいはい。
潤、お前もうなんかその間こいつのとこ補助ってマジ」
「うっわ~フクブは一般市民に投げた~っ」
「ホントに君らグレーってかもう警察じゃないね。流石高田傘下だよ、俺もう使えなすぎていらなくないかな。俺の国勢調査の意味」
「ゲロ甘だったよな。お前俺のこと嫌いなクセによく首飛ばさなかったよな」
少し祥ちゃんと流星は、含みある感じで見つめ合っては「まぁね」と祥ちゃんが笑った。
それに流星は「まぁいいや行くか」とタバコを消した。
政宗も流星のあとをついて火を消す間、仕方なしとこっちも火を消すが
「まぁ悪かねぇが良くはねぇってことで」
と政宗も祥ちゃんには冷たく言った。
火を消しながら「嫌われてるなぁ、俺」と軽く言う祥ちゃんは苦笑いだった。
「なんかあんたら、仲良いんだか悪いんだか、微妙っすね」
「まぁね。そんだけまぁ、仕方ないけどね」
「潤ちゃんはその点中立だよなぁ。ま、俺らも行こうか」
と言いつつ辻井が先に行くのよりも少し遅れてから「ねぇ潤」と、祥ちゃんは俺の右肩を引いた。
多分、右、わざとだ。
右耳を貸せば小さな声で「長官暗殺と谷の獄中死、言わなくていいの?」と聞いてきた。
…谷の、獄中死?
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【12月末日公開終了】これは裏切りですか?
たぬきち25番
恋愛
転生してすぐに婚約破棄をされたアリシアは、嫁ぎ先を失い、実家に戻ることになった。
だが、実家戻ると『婚約破棄をされた娘』と噂され、家族の迷惑になっているので出て行く必要がある。
そんな時、母から住み込みの仕事を紹介されたアリシアは……?
月城副社長うっかり結婚する 〜仮面夫婦は背中で泣く〜
白亜凛
恋愛
佐藤弥衣 25歳
yayoi
×
月城尊 29歳
takeru
母が亡くなり、失意の中現れた謎の御曹司
彼は、母が持っていた指輪を探しているという。
指輪を巡る秘密を探し、
私、弥衣は、愛のない結婚をしようと思います。
愛のかたち
凛子
恋愛
プライドが邪魔をして素直になれない夫(白藤翔)。しかし夫の気持ちはちゃんと妻(彩華)に伝わっていた。そんな夫婦に訪れた突然の別れ。
ある人物の粋な計らいによって再会を果たした二人は……
情けない男の不器用な愛。
27歳女子が婚活してみたけど何か質問ある?
藍沢咲良
恋愛
一色唯(Ishiki Yui )、最近ちょっと苛々しがちの27歳。
結婚適齢期だなんて言葉、誰が作った?彼氏がいなきゃ寂しい女確定なの?
もう、みんな、うるさい!
私は私。好きに生きさせてよね。
この世のしがらみというものは、20代後半女子であっても放っておいてはくれないものだ。
彼氏なんていなくても。結婚なんてしてなくても。楽しければいいじゃない。仕事が楽しくて趣味も充実してればそれで私の人生は満足だった。
私の人生に彩りをくれる、その人。
その人に、私はどうやら巡り合わないといけないらしい。
⭐︎素敵な表紙は仲良しの漫画家さんに描いて頂きました。著作権保護の為、無断転載はご遠慮ください。
⭐︎この作品はエブリスタでも投稿しています。
ゲーム未登場の性格最悪な悪役令嬢に転生したら推しの妻だったので、人生の恩人である推しには離婚して私以外と結婚してもらいます!
クナリ
ファンタジー
江藤樹里は、かつて画家になることを夢見ていた二十七歳の女性。
ある日気がつくと、彼女は大好きな乙女ゲームであるハイグランド・シンフォニーの世界へ転生していた。
しかし彼女が転生したのは、ヘビーユーザーであるはずの自分さえ知らない、ユーフィニアという女性。
ユーフィニアがどこの誰なのかが分からないまま戸惑う樹里の前に、ユーフィニアに仕えているメイドや、樹里がゲーム内で最も推しているキャラであり、どん底にいたときの自分の心を救ってくれたリルベオラスらが現れる。
そして樹里は、絶世の美貌を持ちながらもハイグラの世界では稀代の悪女とされているユーフィニアの実情を知っていく。
国政にまで影響をもたらすほどの悪名を持つユーフィニアを、最愛の恩人であるリルベオラスの妻でいさせるわけにはいかない。
樹里は、ゲーム未登場ながら圧倒的なアクの強さを持つユーフィニアをリルベオラスから引き離すべく、離婚を目指して動き始めた。
黄金の魔族姫
風和ふわ
恋愛
「エレナ・フィンスターニス! お前との婚約を今ここで破棄する! そして今から僕の婚約者はこの現聖女のレイナ・リュミエミルだ!」
「エレナ様、婚約者と神の寵愛をもらっちゃってごめんね? 譲ってくれて本当にありがとう!」
とある出来事をきっかけに聖女の恩恵を受けれなくなったエレナは「罪人の元聖女」として婚約者の王太子にも婚約破棄され、処刑された──はずだった!
──え!? どうして魔王が私を助けてくれるの!? しかも娘になれだって!?
これは、婚約破棄された元聖女が人外魔王(※実はとっても優しい)の娘になって、チートな治癒魔法を極めたり、地味で落ちこぼれと馬鹿にされていたはずの王太子(※実は超絶美形)と恋に落ちたりして、周りに愛されながら幸せになっていくお話です。
──え? 婚約破棄を取り消したい? もう一度やり直そう? もう想い人がいるので無理です!
※拙作「皆さん、紹介します。こちら私を溺愛するパパの“魔王”です!」のリメイク版。
※表紙は自作ではありません。
初恋
藍沢咲良
青春
高校3年生。
制服が着られる最後の年に、私達は出会った。
思った通りにはなかなかできない。
もどかしいことばかり。
それでも、愛おしい日々。
※素敵な表紙をポリン先生に描いて頂きました。ポリン先生の作品↓
https://www.comico.jp/articleList.nhn?titleNo=31039&f=a
※この作品は「小説家になろう」「エブリスタ」でも連載しています。
8/28公開分で完結となります。
最後まで御愛読頂けると嬉しいです。
※エブリスタにてスター特典「初恋〜それから〜」「同窓会」を公開しております。「初恋」の続編です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる