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D.N.A(die noise amazing)
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読み終えて、少し脱力してしまったのも事実だった。
感じた共鳴感。遥かにこいつの方が重かったがなるほど。そういうことなのか。
こいつと出会って色々振り返ればわからなくもなかった。言動が当てはまる。多分これはすべて、メディアでない事実だ。
「母親はいつも俺に言ってた。「大丈夫、大丈夫だから」って。守ってくれてたけどいつもは、出るなって、そーゆーとき対応するな、連れて行かれるからって言われてたのにその時だけは、「ありのままを話なさい」って言ったんだ。だから俺大丈夫って、それしか出てこなくて。
でもそれでよかった。だって母さんといれたから。だって、振り返ったって、養護施設も診療所もろくなもんじゃなかった。
暴力や蔑みだってあるし、じゃぁなくなったら気が狂うほど何もない同情ばかりの医療、大人なんて、他人なんてろくでもねぇ。だから嫌い。でもたまに、こうやって見捨てたくない瞬間だって、あって、」
「真樹、」
「でもねぇ、これって思うんだ。みんな悪くなくて、むしろ優しかった。俺が優しくなれなかったの誰にも。出て行けばよかった、「大丈夫じゃないよ」って言えばよかった、借金取りにだっていっそ「お金はありません」って言ってみるべきだった。クソ野郎には言えたのに。「やめてよ」って言えたのに。どんだけ殴られたって、だって母さんを殴るから。俺が殴られたって構わなかったんだよ。
けど間違ってたって、学校から帰って来て横たわった母さん見て泣けもしない自分を、どう…どうしてもなにも出てこなかったんだ。
あいつ何て言ったと思う?「ビニールシート」って酒飲みながらよ?でも俺「はい」って、なんで、どうして?」
「真樹ぃ!」
思わず怒鳴ってしまった。
だってもう。
「嫌だ、ごめん見たくないんだ…!」
「スバルくん…?」
これはわかる。
眼鏡外して裾で涙を拭いた。そしたら止まらなくなった。ダメだ。死にそう。しゃくりあげちゃう。
もう想像しただけで、幼い真樹を、いま目の前で子供のように、だけど子供じゃない真樹を見て、俺の頭がパンクしそう。
辛いとか苦しいとか、後から大人になって着いて来た。この遅れた虚無感を俺は知っている。形は違えど、それは。
「ちょっと、なんで?」
しかし真樹は予想に反する。
そんな拒絶を見せた俺にすら、心配そうに寄り添ってくるから。
無理矢理顔をあげて渾身の拒絶をしてやろうかとセリフを考えた。「そのビニールはどうした」と。
しかしそんな俺のブス顔を見た瞬間真樹は「ふっ、ブス顔」と、笑った。
そして涙が流れる。それから自分もわりと顔を崩して萌え袖で顔を隠し、肩を震わせやがるので困ったもんだ。
たまに見せる隠れてないとこ、うわぁ、わりかしお前もブス顔じゃねぇか。
「お前も今、わりかし、ブス顔だぁ、」
「うん、うん、」
あ、でも目元擦るのは可愛いのね。顔くしゃっとしちゃうのがブス顔なのね。
「ふっ、ははは!
あーごめん!忘れ去られてるなかホントにごめん、でもちょっと、なんか…ほっとしちゃって、ついでブス顔論議で笑っちゃったよ!ごめん続けてて!僕もう少し酒買ってくる、うん、」
あぁサイトウ氏。
すんません毎度毎度。一応社長さんなのに。
ご丁寧にカップラーメンを片付けてくれて、そのままガタン、と扉が閉まる音がした。
「スバルくん」
「なんだし」
「その…なんてゆーかぁ。
色々ごめんなさいみたいな?」
「えっ、今更?」
「うん。今思ったから今言います」
「あぁそうですか。まぁいいですよ」
「そのー、怒らせたかなぁ、みたいなね」
「はぁ?」
何言ってんだ。
このクソガキあまちゃん野郎。
しかしまぁ。
ちょっと気まずそうなのも面白いので敢えて、イライラしたようにタバコを出して火をつけると、あまちゃんも気まずそうに、しかし慌ててラキストを寝室からわざわざ持ってきて見せてきた。
「あまちゃん」
「あい」
「寝室で次寝タバコしたら殺すよ」
「すみませんでした」
不機嫌を装ってみたが。
やっぱりちょっと困った顔したあまちゃん見て笑ってしまった。
「あんだよ」
「いや、なんでもない。吸っていいよ」
「意地悪だね」
「そうだね」
漸くジッポで火をつける。
少しさっきより距離をおいて座ってんのはやっぱり気を遣ってんのかな。
長い指に挟まれたラッキーストライク。くしゃくしゃのソフトパック。だから声、がすがすなんだろうな、こいつ。
「あまちゃん」
「ん?」
「モカオレンジ?似合ってるね」
「ありがと。どうしたの急に」
「いや、幼さが少し消えたかなって」
「あぁそう。明日スタ練ってか新曲持ってくからみんなに聞いてみる」
「あマジ?新曲聴きたい」
「ダメダメ。出来てからだよ」
「ケチだね」
「俺曲にはうるさいの。あ、スバルくんの夢の話書きたいから聞かせて、ねぇ」
「んー、まぁいいけど実話だよ」
「あいいじゃん。散々俺のいじり倒したんだし」
「卑猥な表現やめてくれる?」
「そーゆーのも見たで」
「うるせぇぶっ殺す新柴ぁ!」
「怖いよだからぁ、」
まぁいっか。
こいつの過去からしたら。
ホントにちっぽけな、話だしな。
感じた共鳴感。遥かにこいつの方が重かったがなるほど。そういうことなのか。
こいつと出会って色々振り返ればわからなくもなかった。言動が当てはまる。多分これはすべて、メディアでない事実だ。
「母親はいつも俺に言ってた。「大丈夫、大丈夫だから」って。守ってくれてたけどいつもは、出るなって、そーゆーとき対応するな、連れて行かれるからって言われてたのにその時だけは、「ありのままを話なさい」って言ったんだ。だから俺大丈夫って、それしか出てこなくて。
でもそれでよかった。だって母さんといれたから。だって、振り返ったって、養護施設も診療所もろくなもんじゃなかった。
暴力や蔑みだってあるし、じゃぁなくなったら気が狂うほど何もない同情ばかりの医療、大人なんて、他人なんてろくでもねぇ。だから嫌い。でもたまに、こうやって見捨てたくない瞬間だって、あって、」
「真樹、」
「でもねぇ、これって思うんだ。みんな悪くなくて、むしろ優しかった。俺が優しくなれなかったの誰にも。出て行けばよかった、「大丈夫じゃないよ」って言えばよかった、借金取りにだっていっそ「お金はありません」って言ってみるべきだった。クソ野郎には言えたのに。「やめてよ」って言えたのに。どんだけ殴られたって、だって母さんを殴るから。俺が殴られたって構わなかったんだよ。
けど間違ってたって、学校から帰って来て横たわった母さん見て泣けもしない自分を、どう…どうしてもなにも出てこなかったんだ。
あいつ何て言ったと思う?「ビニールシート」って酒飲みながらよ?でも俺「はい」って、なんで、どうして?」
「真樹ぃ!」
思わず怒鳴ってしまった。
だってもう。
「嫌だ、ごめん見たくないんだ…!」
「スバルくん…?」
これはわかる。
眼鏡外して裾で涙を拭いた。そしたら止まらなくなった。ダメだ。死にそう。しゃくりあげちゃう。
もう想像しただけで、幼い真樹を、いま目の前で子供のように、だけど子供じゃない真樹を見て、俺の頭がパンクしそう。
辛いとか苦しいとか、後から大人になって着いて来た。この遅れた虚無感を俺は知っている。形は違えど、それは。
「ちょっと、なんで?」
しかし真樹は予想に反する。
そんな拒絶を見せた俺にすら、心配そうに寄り添ってくるから。
無理矢理顔をあげて渾身の拒絶をしてやろうかとセリフを考えた。「そのビニールはどうした」と。
しかしそんな俺のブス顔を見た瞬間真樹は「ふっ、ブス顔」と、笑った。
そして涙が流れる。それから自分もわりと顔を崩して萌え袖で顔を隠し、肩を震わせやがるので困ったもんだ。
たまに見せる隠れてないとこ、うわぁ、わりかしお前もブス顔じゃねぇか。
「お前も今、わりかし、ブス顔だぁ、」
「うん、うん、」
あ、でも目元擦るのは可愛いのね。顔くしゃっとしちゃうのがブス顔なのね。
「ふっ、ははは!
あーごめん!忘れ去られてるなかホントにごめん、でもちょっと、なんか…ほっとしちゃって、ついでブス顔論議で笑っちゃったよ!ごめん続けてて!僕もう少し酒買ってくる、うん、」
あぁサイトウ氏。
すんません毎度毎度。一応社長さんなのに。
ご丁寧にカップラーメンを片付けてくれて、そのままガタン、と扉が閉まる音がした。
「スバルくん」
「なんだし」
「その…なんてゆーかぁ。
色々ごめんなさいみたいな?」
「えっ、今更?」
「うん。今思ったから今言います」
「あぁそうですか。まぁいいですよ」
「そのー、怒らせたかなぁ、みたいなね」
「はぁ?」
何言ってんだ。
このクソガキあまちゃん野郎。
しかしまぁ。
ちょっと気まずそうなのも面白いので敢えて、イライラしたようにタバコを出して火をつけると、あまちゃんも気まずそうに、しかし慌ててラキストを寝室からわざわざ持ってきて見せてきた。
「あまちゃん」
「あい」
「寝室で次寝タバコしたら殺すよ」
「すみませんでした」
不機嫌を装ってみたが。
やっぱりちょっと困った顔したあまちゃん見て笑ってしまった。
「あんだよ」
「いや、なんでもない。吸っていいよ」
「意地悪だね」
「そうだね」
漸くジッポで火をつける。
少しさっきより距離をおいて座ってんのはやっぱり気を遣ってんのかな。
長い指に挟まれたラッキーストライク。くしゃくしゃのソフトパック。だから声、がすがすなんだろうな、こいつ。
「あまちゃん」
「ん?」
「モカオレンジ?似合ってるね」
「ありがと。どうしたの急に」
「いや、幼さが少し消えたかなって」
「あぁそう。明日スタ練ってか新曲持ってくからみんなに聞いてみる」
「あマジ?新曲聴きたい」
「ダメダメ。出来てからだよ」
「ケチだね」
「俺曲にはうるさいの。あ、スバルくんの夢の話書きたいから聞かせて、ねぇ」
「んー、まぁいいけど実話だよ」
「あいいじゃん。散々俺のいじり倒したんだし」
「卑猥な表現やめてくれる?」
「そーゆーのも見たで」
「うるせぇぶっ殺す新柴ぁ!」
「怖いよだからぁ、」
まぁいっか。
こいつの過去からしたら。
ホントにちっぽけな、話だしな。
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