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D.N.A(die noise amazing)
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サイトウ氏はどうやら読み終えたらしく、わりとそれはソファにぞんざいに置かれていた。
しかし特に何も言ってこず、「あ、いいお母さん出来たねあまちゃん」と、卵粥を啜ってきんぴらをつまみながら微笑んだ。
「うん」
「と言うよりおばぁちゃんの味だね」
「あー、伝授は確かにばあちゃんかもしれないっすね」
「俺も作れるかね」
「マジ?じゃぁ熱の時呼ぶよあまちゃん」
「えー。つか…」
黙り込んだ。
そんなあまちゃんを見てサイトウ氏は微笑む。
「いーじゃん判子押すくらいの仲なんだから。あと誕生日と…娘の誕生日かな」
「多くない?え?マジ?」
「マジだよ。てか知ってるでしょUVのみんな僕の誕生日でライブやってんじゃん。あれでんにじ毎年来てくれてんでしょ。今年先輩のね、なんと!ガムシロ来るってさ」
「え、えぇぇぇぇ!てかかっさん生きてんの!」
「はははー、勝島くんも言ってた。『あまちゃん生きてんのね』って」
「えっ、ちょっとちょっと、マジ?」
「マジだよ。緊張で硬直しないでね」
「あー、失神しちゃうかもぅ…てか…うん…」
ラーメンそろそろOKだ。蓋を開けてかやくを入れまくる。
「あまちゃん、ビビりすぎだってマジ。
身構えて読んだらなんだよ。まぁショッキングだしこれ送りつけてきたあいつのとこにはもー多分ウチからだーれも出ていかないねぇ。
つまりそゆこと。ウチから出しませーん。そして君は優秀なことにあそこにはメンバーはいないことになっていますので」
「えぇ、あぁはい。あの…サイトウ氏?」
「なんでしょ」
「ラーメン延びるぜ。
あのー…。キレてませんか、若干なりと」
「あ、流石付き合い長いだけありますねぇ。しかし甘いよあまちゃん、だから君はいつまで経ってもあまちゃんなんです。
若干じゃない、結構かなり相当、人造人間アニメで言うとこのシンクロ率400%くらいでキレてるよ」
「…それ人じゃねぇし!怖いんですけどぉ、スバルくん…パス」
「は?」
「スバルくん、君は心が広い。
だからこそ分岐点だ。これ、この子、はっきり言っちゃって厄介だ。
どうしようと勝手だし君らがどんなもんか僕は知らない。しかし、中途半端なら多分、この事案は無理だ。止めとくべきだ。
だけど…逆に中途半端だからこそという可能性もある。わからない。正直繊細な事案で、ただ結果胸クソ悪い話だよ。
だが僕はこれを彼の過去として事実として持ち帰り、彼を、こういった形で脅かすことがないように約束しよう…ふぅ、取り敢えずラーメン食べるわ腹減った」
漸くパッケージを開けてかやくを入れまくり食べ始めるサイトウ氏。あまちゃんは硬直してそれを見ていた。
「…真樹ちゃん」
「…はい」
「君が決めたらいいよ」
「え…?」
「…君は踏み込むと何も出来なくなる。それは君が言ったことだ。俺は君の、あまちゃんを尊敬する。しかし真樹も知っている。
まぁ気になるが、俺は結局何が正解かわからんし何が来てどう受け止めるか自分でもわからん。悪いが今はしゃちょーもぶち殺したくて仕方ないからね。そーゆー人種は死んでいいと思うからねマジで。
しかし別にしないのはそうだな、友人だからかな。君の帰る家は土曜までここだ。借宿として、そんでここに今いる。サナトリウムとも少し違う、スタジオともステージとも違う」
「スバルくん」
「そんくらいの軽い気持ちで居てくれていい。そう思うことにしました。サイトウ氏もきっと、そうなんでしょ?」
「…君やっぱ心が広いねぇ。あまちゃんには必要かもね」
あまちゃんは考えるように、黙り込んだ。
そして、サイトウ氏に、恐る恐る手を伸ばす。多分書類を取れと言うことだろう。
了承してサイトウ氏はふいっと、気のないように書類をあまちゃんに渡した。それが、あまちゃんの手から俺に渡る。
実に無言の10秒。この間にラーメン全部出ちまったんじゃねぇかと言うくらい冷や汗をかいた。
怖い。なんか怖い。
しかし俺も大人だスマートに行こう。冷や汗かきながら残りのラーメンを食いつくし、目を通す。
『エレクトリック・レインボー 天崎真樹の家庭環境についての調査報告書』
なるほどしゃちょーは、どうやら調査会社を使ったわけか。
読んでいけばなるほど、痛烈だった。
とても、こんな可愛らしい容姿からは想像出来ないようなもんだ。
父親が飲んだくれのDV野郎、母親とほとんど二人で過ごしたあまちゃん。
暴力に耐えかね、母親が養護施設にも何度か相談しようにも真樹本人が「大丈夫です」の一点張りで強制施行出来ずに話が流れてしまう。
母親はどうやら温厚な女性で、無職の父親とパート、父親の両親が遺した遺産でなんとかやりくりするも、そのうち父親の悪癖はエスカレート。最終的に薬物依存にまで陥り、借金に追われるようになり…。
「えっ」
母親はいつの間にか所在不明。
漸く真樹本人を擁護せざる逐えなくなり、真樹が15歳の頃、父親は薬物取締法違反及び母親殺人疑いで逮捕。
真樹にも事情聴取が及ぶもパニック障害と判定され無効となる。
しばらくは心療内科に入院、16歳の頃に復帰をするもそれから入退院を繰り返し、通信制の高校に入学、後に二年時に普通科に編入する。
要約すればそんな内容がA4紙3枚に連ねてあった。
しかし特に何も言ってこず、「あ、いいお母さん出来たねあまちゃん」と、卵粥を啜ってきんぴらをつまみながら微笑んだ。
「うん」
「と言うよりおばぁちゃんの味だね」
「あー、伝授は確かにばあちゃんかもしれないっすね」
「俺も作れるかね」
「マジ?じゃぁ熱の時呼ぶよあまちゃん」
「えー。つか…」
黙り込んだ。
そんなあまちゃんを見てサイトウ氏は微笑む。
「いーじゃん判子押すくらいの仲なんだから。あと誕生日と…娘の誕生日かな」
「多くない?え?マジ?」
「マジだよ。てか知ってるでしょUVのみんな僕の誕生日でライブやってんじゃん。あれでんにじ毎年来てくれてんでしょ。今年先輩のね、なんと!ガムシロ来るってさ」
「え、えぇぇぇぇ!てかかっさん生きてんの!」
「はははー、勝島くんも言ってた。『あまちゃん生きてんのね』って」
「えっ、ちょっとちょっと、マジ?」
「マジだよ。緊張で硬直しないでね」
「あー、失神しちゃうかもぅ…てか…うん…」
ラーメンそろそろOKだ。蓋を開けてかやくを入れまくる。
「あまちゃん、ビビりすぎだってマジ。
身構えて読んだらなんだよ。まぁショッキングだしこれ送りつけてきたあいつのとこにはもー多分ウチからだーれも出ていかないねぇ。
つまりそゆこと。ウチから出しませーん。そして君は優秀なことにあそこにはメンバーはいないことになっていますので」
「えぇ、あぁはい。あの…サイトウ氏?」
「なんでしょ」
「ラーメン延びるぜ。
あのー…。キレてませんか、若干なりと」
「あ、流石付き合い長いだけありますねぇ。しかし甘いよあまちゃん、だから君はいつまで経ってもあまちゃんなんです。
若干じゃない、結構かなり相当、人造人間アニメで言うとこのシンクロ率400%くらいでキレてるよ」
「…それ人じゃねぇし!怖いんですけどぉ、スバルくん…パス」
「は?」
「スバルくん、君は心が広い。
だからこそ分岐点だ。これ、この子、はっきり言っちゃって厄介だ。
どうしようと勝手だし君らがどんなもんか僕は知らない。しかし、中途半端なら多分、この事案は無理だ。止めとくべきだ。
だけど…逆に中途半端だからこそという可能性もある。わからない。正直繊細な事案で、ただ結果胸クソ悪い話だよ。
だが僕はこれを彼の過去として事実として持ち帰り、彼を、こういった形で脅かすことがないように約束しよう…ふぅ、取り敢えずラーメン食べるわ腹減った」
漸くパッケージを開けてかやくを入れまくり食べ始めるサイトウ氏。あまちゃんは硬直してそれを見ていた。
「…真樹ちゃん」
「…はい」
「君が決めたらいいよ」
「え…?」
「…君は踏み込むと何も出来なくなる。それは君が言ったことだ。俺は君の、あまちゃんを尊敬する。しかし真樹も知っている。
まぁ気になるが、俺は結局何が正解かわからんし何が来てどう受け止めるか自分でもわからん。悪いが今はしゃちょーもぶち殺したくて仕方ないからね。そーゆー人種は死んでいいと思うからねマジで。
しかし別にしないのはそうだな、友人だからかな。君の帰る家は土曜までここだ。借宿として、そんでここに今いる。サナトリウムとも少し違う、スタジオともステージとも違う」
「スバルくん」
「そんくらいの軽い気持ちで居てくれていい。そう思うことにしました。サイトウ氏もきっと、そうなんでしょ?」
「…君やっぱ心が広いねぇ。あまちゃんには必要かもね」
あまちゃんは考えるように、黙り込んだ。
そして、サイトウ氏に、恐る恐る手を伸ばす。多分書類を取れと言うことだろう。
了承してサイトウ氏はふいっと、気のないように書類をあまちゃんに渡した。それが、あまちゃんの手から俺に渡る。
実に無言の10秒。この間にラーメン全部出ちまったんじゃねぇかと言うくらい冷や汗をかいた。
怖い。なんか怖い。
しかし俺も大人だスマートに行こう。冷や汗かきながら残りのラーメンを食いつくし、目を通す。
『エレクトリック・レインボー 天崎真樹の家庭環境についての調査報告書』
なるほどしゃちょーは、どうやら調査会社を使ったわけか。
読んでいけばなるほど、痛烈だった。
とても、こんな可愛らしい容姿からは想像出来ないようなもんだ。
父親が飲んだくれのDV野郎、母親とほとんど二人で過ごしたあまちゃん。
暴力に耐えかね、母親が養護施設にも何度か相談しようにも真樹本人が「大丈夫です」の一点張りで強制施行出来ずに話が流れてしまう。
母親はどうやら温厚な女性で、無職の父親とパート、父親の両親が遺した遺産でなんとかやりくりするも、そのうち父親の悪癖はエスカレート。最終的に薬物依存にまで陥り、借金に追われるようになり…。
「えっ」
母親はいつの間にか所在不明。
漸く真樹本人を擁護せざる逐えなくなり、真樹が15歳の頃、父親は薬物取締法違反及び母親殺人疑いで逮捕。
真樹にも事情聴取が及ぶもパニック障害と判定され無効となる。
しばらくは心療内科に入院、16歳の頃に復帰をするもそれから入退院を繰り返し、通信制の高校に入学、後に二年時に普通科に編入する。
要約すればそんな内容がA4紙3枚に連ねてあった。
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