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D.N.A(die noise amazing)
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しかし、それからあまちゃんは一人で時間を掛けてぶん投げた記事を読んでいた。
時に「うっ、」と苦しそうに、しかし耐えながら、時にトイレに向かい嗚咽が聞こえて。
サイトウ氏は帰って来ても淡々と、ただ座って考えるようにタバコを消費していた。
声は掛けない。彼は静かに待っていた。
俺は読めなかった。たったA4紙3枚を。あまちゃんも今回は渡して来なかった。
実に、1時間半の時間を掛け、読み終えた頃にはあまちゃんはぐったりとしていた。
「あまちゃん、」
読み終えた頃に呼んでみたけど、しかしなんて声を掛ければいいかわからない。
「…サイトウさん、
こ、これは、あの人が?」
「きっと…」
「そっか…。
調べたんだね。けど、調べられることなんだ、こんなことって…。
バカみたいだ。うん。でも、これは、事実。ナトリや…ふみとも知っている」
「そっか…僕は、」
「サイトウさんには少し重いかもしれないけど、嫌ならこの…書類の判子はやめていい。後で問題なるの嫌だから読むべきかも…知れないよ?」
「どうしてそんな言い方をするの、あまちゃん」
「傷付きたくないから」
「あまちゃん、」
「読んでください。スバルくんも、読んでください」
なんだ。
「…取り敢えずサイトウさん読んでてください。てか飯どうしようか」
「カップラーメン買ってきましたよ」
「じゃぁ用意します。てか足ります?きんぴらでよければ余ってますけど食べますか?」
「…じゃぁ」
「真樹は?食べられそうかい?」
「…まだ」
「卵粥は?」
「食べる」
「はいよ」
仕方ないなぁ。
立ち上がると、またあの袖ちょんちょん。なんなんだろうこれ。目を合わせると、「ねぇ」と言われた。
「どうしたの」
「どうでもいいんだけど着替えないの?スバルくん」
「あっ」
忘れていた。
そうだ俺スーツのままだ。
「着替えてくる」
「じゃ卵粥作る」
「えっ」
「わかんないけど」
「うーんわかった、あまちゃん卵割っといて、あときんぴら出してあげて」
「はーい」
大丈夫かしらウチの子。
でも硬直は溶けたらしい。よかった。
しかしまぁ。
着替えながら蘇ってしまう。くそぅ、やっぱ器小さいなぁ俺。なんなんだしゃちょー八つ裂きにしたい。こんなんで、まずこんな人の不快さであいつは今どんな思いなの?楽しいの?ホントうぜぇ。
こっちがなぁ、てか真樹がなぁ、てめぇのせいで2回ゲロ吐いて大号泣だっつーの見せてやりたいわ。クソ野郎。
けどだからあれなのね、見せびらかしてやったのねあの傷を。ちょっと清々するわしかしそれを送りつけてくるとかしかも騎乗位うわぁ、もうだめ、はい、やめた。考えたらホントにトチ狂って色んなもんぶん投げそうダメ。はい卵粥卵粥。
リビングに行ったらあまちゃんは茶碗のなかを眺めて硬直してた。
何、どうしたの一体。
「どうしたの」
「殻入った、あと双子」
「あら」
見てみたら。
入ったって量じゃないくらい入ってた。どうやって割ったの。たくさん入ってますねぇ、そして双子。
思わず真樹の顔を見て「レアだねえ…」としか言いようがなかった。レアだねえ。レア級に不器用だねぇ、そして今時あんま見ないよ双子。レア級の引き運だねぇ。
取り敢えずスゴい努力で殻を全て取り除いてから、タッパーで冷蔵庫にしまっておいたご飯を出して、水と出汁とか色々を煮詰めてから、なんか玉ねぎとかネギとかテキトーにみじん切りにして少し煮込んだ。
それを興味深そうに覗いているあまちゃんは「うわぁ…」と楽しそうだった。
「器用だねスバルくん」
「そうか?テキトーにぶち込んでるよわりと」
「でもなんかきれーに出来あっ!泡が!」
「大丈夫でーすはいご飯ー」
「おー!すげぇ、なんで?どうして?」
子供なの?この子は。
「ふっ、なに?楽しそうだね」
あっ。
忘れてたサイトウ氏のカップラーメン。
「あっ、すんません忘れてまし」
「スバルくん泡!」
「はい、はい、卵!」
「はい!」
卵入れて「茶碗!」と言えば、「はい!」とか言ってあまちゃんが出してくれて、取り敢えず終了。
意外と余った。最近二人分作っていたせいか。
「あ、あのー、サイトウさん。
もしよかったら食います?若干余ったんですけども」
「あホントに?じゃぁ食べる」
「カップラーメン後出しで申し訳ないんですけど」
「ありがとうー。君って優しいね。あ、僕豚骨!君好きなの食べてね」
「ありがとうございますー。
はい真樹ちゃん、サイトウさんにも持ってってあげて」
「はーい。
サイトウさんお箸割りばし?」
「あなんでもいいよー」
一択かよ。
多分洗い物担当になったからかな。えげつねえな。
ポットのお湯を確認して少し足し、沸騰を待ってからサイトウ氏が買ってきたであろう、シンクの取っ手に掛けられていたコンビニ袋を発見。カップラーメンを探し出して見てみれば。
豚骨、豚骨醤油、豚骨塩しかなかった。
せめて普通の豚骨取っとくべきじゃないかこーゆー時って。
まぁいいや。
豚骨塩を頂いて蓋を開けて待つ。よりによってほとんどが後のせかやくパターンのめんどくせぇやつだったので、先入れのやつひとつだけ入れてリビングに持ってった。
三人揃ったところで待っていてくれたらしい。あまちゃんが手を合わせて「いただきます」と言ったので、サイトウ氏と顔を見合わせて「いただきます」をした。
時に「うっ、」と苦しそうに、しかし耐えながら、時にトイレに向かい嗚咽が聞こえて。
サイトウ氏は帰って来ても淡々と、ただ座って考えるようにタバコを消費していた。
声は掛けない。彼は静かに待っていた。
俺は読めなかった。たったA4紙3枚を。あまちゃんも今回は渡して来なかった。
実に、1時間半の時間を掛け、読み終えた頃にはあまちゃんはぐったりとしていた。
「あまちゃん、」
読み終えた頃に呼んでみたけど、しかしなんて声を掛ければいいかわからない。
「…サイトウさん、
こ、これは、あの人が?」
「きっと…」
「そっか…。
調べたんだね。けど、調べられることなんだ、こんなことって…。
バカみたいだ。うん。でも、これは、事実。ナトリや…ふみとも知っている」
「そっか…僕は、」
「サイトウさんには少し重いかもしれないけど、嫌ならこの…書類の判子はやめていい。後で問題なるの嫌だから読むべきかも…知れないよ?」
「どうしてそんな言い方をするの、あまちゃん」
「傷付きたくないから」
「あまちゃん、」
「読んでください。スバルくんも、読んでください」
なんだ。
「…取り敢えずサイトウさん読んでてください。てか飯どうしようか」
「カップラーメン買ってきましたよ」
「じゃぁ用意します。てか足ります?きんぴらでよければ余ってますけど食べますか?」
「…じゃぁ」
「真樹は?食べられそうかい?」
「…まだ」
「卵粥は?」
「食べる」
「はいよ」
仕方ないなぁ。
立ち上がると、またあの袖ちょんちょん。なんなんだろうこれ。目を合わせると、「ねぇ」と言われた。
「どうしたの」
「どうでもいいんだけど着替えないの?スバルくん」
「あっ」
忘れていた。
そうだ俺スーツのままだ。
「着替えてくる」
「じゃ卵粥作る」
「えっ」
「わかんないけど」
「うーんわかった、あまちゃん卵割っといて、あときんぴら出してあげて」
「はーい」
大丈夫かしらウチの子。
でも硬直は溶けたらしい。よかった。
しかしまぁ。
着替えながら蘇ってしまう。くそぅ、やっぱ器小さいなぁ俺。なんなんだしゃちょー八つ裂きにしたい。こんなんで、まずこんな人の不快さであいつは今どんな思いなの?楽しいの?ホントうぜぇ。
こっちがなぁ、てか真樹がなぁ、てめぇのせいで2回ゲロ吐いて大号泣だっつーの見せてやりたいわ。クソ野郎。
けどだからあれなのね、見せびらかしてやったのねあの傷を。ちょっと清々するわしかしそれを送りつけてくるとかしかも騎乗位うわぁ、もうだめ、はい、やめた。考えたらホントにトチ狂って色んなもんぶん投げそうダメ。はい卵粥卵粥。
リビングに行ったらあまちゃんは茶碗のなかを眺めて硬直してた。
何、どうしたの一体。
「どうしたの」
「殻入った、あと双子」
「あら」
見てみたら。
入ったって量じゃないくらい入ってた。どうやって割ったの。たくさん入ってますねぇ、そして双子。
思わず真樹の顔を見て「レアだねえ…」としか言いようがなかった。レアだねえ。レア級に不器用だねぇ、そして今時あんま見ないよ双子。レア級の引き運だねぇ。
取り敢えずスゴい努力で殻を全て取り除いてから、タッパーで冷蔵庫にしまっておいたご飯を出して、水と出汁とか色々を煮詰めてから、なんか玉ねぎとかネギとかテキトーにみじん切りにして少し煮込んだ。
それを興味深そうに覗いているあまちゃんは「うわぁ…」と楽しそうだった。
「器用だねスバルくん」
「そうか?テキトーにぶち込んでるよわりと」
「でもなんかきれーに出来あっ!泡が!」
「大丈夫でーすはいご飯ー」
「おー!すげぇ、なんで?どうして?」
子供なの?この子は。
「ふっ、なに?楽しそうだね」
あっ。
忘れてたサイトウ氏のカップラーメン。
「あっ、すんません忘れてまし」
「スバルくん泡!」
「はい、はい、卵!」
「はい!」
卵入れて「茶碗!」と言えば、「はい!」とか言ってあまちゃんが出してくれて、取り敢えず終了。
意外と余った。最近二人分作っていたせいか。
「あ、あのー、サイトウさん。
もしよかったら食います?若干余ったんですけども」
「あホントに?じゃぁ食べる」
「カップラーメン後出しで申し訳ないんですけど」
「ありがとうー。君って優しいね。あ、僕豚骨!君好きなの食べてね」
「ありがとうございますー。
はい真樹ちゃん、サイトウさんにも持ってってあげて」
「はーい。
サイトウさんお箸割りばし?」
「あなんでもいいよー」
一択かよ。
多分洗い物担当になったからかな。えげつねえな。
ポットのお湯を確認して少し足し、沸騰を待ってからサイトウ氏が買ってきたであろう、シンクの取っ手に掛けられていたコンビニ袋を発見。カップラーメンを探し出して見てみれば。
豚骨、豚骨醤油、豚骨塩しかなかった。
せめて普通の豚骨取っとくべきじゃないかこーゆー時って。
まぁいいや。
豚骨塩を頂いて蓋を開けて待つ。よりによってほとんどが後のせかやくパターンのめんどくせぇやつだったので、先入れのやつひとつだけ入れてリビングに持ってった。
三人揃ったところで待っていてくれたらしい。あまちゃんが手を合わせて「いただきます」と言ったので、サイトウ氏と顔を見合わせて「いただきます」をした。
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