Eccentric Late Show

二色燕𠀋

文字の大きさ
64 / 107
排他的経済本家

4

しおりを挟む
 結局思い付いたのは、

「いやぁ、ちょっとどなたですかね?あ、ワタクシこういうものです。何かございましたら本社に在庫確認のほどをお問い合わせください」

 と言って会社の名刺を配って即座に帰ってくる、しかまともなことが浮かばなかった。

 あとは大抵、昔の連絡繋がらない仲間を呼び寄せてバイクで襲撃する、覆面を被って酒瓶を振り回しながら入る、一つ一つチェーンソーで庭木を伐っていくくらいだった。
 どうなってるんだ俺の脳内。

 パンクを越えて犯罪者だ。俺にこんな一面があったのかと、なんならケータイにメモした時点で気付いた、ヤバイと。

 仕事でストレス貯まっていたのだろうか。それとも最近一緒に住んでるヤバイやつ(半ヒモクソバンド野郎)が可愛すぎて溜まっているのだろうか。俺ってなんだ、人としてこんなヤツだったか?

 多分そうだ。内なる自分、今爆発じゃね?大体ほら今日朝勃ちだったじゃん?思い出しただけで今すぐ乗ってる新幹線の下に寝転んで人身って身を滅ぼしたいわ、あぁ、可愛かったなぁって死ねよ俺。入れてくれたコーヒー濃かったなぁ、言わなかったけど。あの子なんであんなバカなんだろ。

 今朝の事情。

「あっ」
「どしたの真樹」
「…ねぇこれ多分間違っちゃったんだけどスバルくん、飲む?」
「ん?」

 確かにカップの底3ミリくらいは埋まってた。インスタント。

 しかし硬直しつつ小首を傾げてる真樹がえげつねぇなと思いました。朝勃ち股間を押さえてボクは渋々ベットから這い上がったのだった(小説調)。

「牛乳入れたら大丈夫かなぁ…?」
「…ありがとう真樹。スタ練の用意しておいで」

 俺がそう言えば真樹は少し切なそうに「ごめんねスバルくん」と言うのでした(小説調) 。

「スタ練まであと何分?」
「わかんない15?」
「だから急ぎなさいって、まず連絡!」

 凄く疑問で不可思議な顔をしていらっしゃった真樹様を残り15分で追い出した俺だった。

 あれ100%間に合ってない。あいつそういうとこホントダメあまちゃん。

 まぁ俺も悪いのですがね、今朝の件は。

 なんせ押し倒してぐんもーにんだったからね。あれどうしたんだろ俺マジで。サイトウ氏のせいで飲みすぎて覚えてないんだが。

 人のせいにしていない、絶対謝らない、誰にも。

 俺は間に合いそうだぜ、太一。なんだかんだこのくだらねぇ5時間潰したぜ。あまちゃん観たり音楽聴いたり無駄なこと考えてな。

 と思ってケータイをちらっとみた。

 何ぃぃ。

 着信が一件入っていた。
 それもそのはず。
 若干、俺、遅刻している。

 あれ?

 場所を確認しようにも新幹線だ。
 あれ、さっきの駅なんだっけ殺伐脳内で聞いてなかったよどうしよう。

『まもなく 博多はかた

 上の電工掲示板?みたいなやつに字が出てきた。

 あぁよかったぁタイムリー。

 すぐさまショートメールを太一に送った。実は電話番号しか知らないのだ。
 一言、『りょーかい』ときた。よかったぁ。多分怒ってないな。

 博多駅の改札を出て、その認識の甘さを知った。

 まず、オールバックじみた革ジャンを着たちょっと東京にいないヤツが即座に走るようにきては、いきなり膝ゲリをかましてきたから思わず避けられなかった。

 わりとガチめに鳩尾に喰らい、「おふっ、」となって火がついた。

「なんやぁぁぁごるぁぁぁ!てんめぇ、どこん誰やぁぁぁぁ!」

 言ってる側から首をホールド。これまた「あがっ、」となってしまい、最早恐怖に変わった。

 やべぇ、拐われるかも。

「ぎぃやぁぁ!助けてポリスメンんん!」
「待てぃ!俺ばい昴!」
「はぁ!?」

 詐欺?俺ばい詐欺なの?

「太一!」
「えっ」

 えぇぇ!
 顔が見えないぃぃ!
 そう思ったら離してくれた。見れば確かに、坊主じゃないけど面影あるような太一がいた。

「太一!」
「昴!」

 抱き合う男二人。博多新幹線改札前。一人オールバック革ジャン、一人クソ眼鏡。多分今の構図凄く端から見たらヤバイ。

「久しぶりぃ。変わらんけんなぁ、すぐわかったっちゃ、昴ぅ!」

 頭わしゃわしゃぐちゃぐちゃされる。眼鏡割れそう。俺犬扱いされてます。ムツゴ○ウ的なあれです。

「太一髪生えたなぁ…、わかんなかったよ怖いよ眼鏡っ、眼鏡ぇ!」
「あ、悪か悪か。
 あれ?にしゃぁ、眼鏡やったっけ?」

 太一、漸く離れて両肩がっつり掴み、俺の顔をマジマジと眺めて曇りない眼でそう言った。

「今更かいぃ!にしゃぁ、俺が昴やなかったらどげんする気やったったい!」

 久しぶりに露骨なる博多弁、使ってみた。太一はそれを聞いてにやっと、子供の頃の笑顔で笑った。

「どーもこーもねぇ。謝る」
「普通すぎるっ!
 まぁいい。てか遅れてごめん太一」
「ったく。まぁええ。
 さて、飯は?」
「あー、食ったよ。新幹線で」
「そっか。じゃぁ茶ぁ付き合え」
「あいよ。作戦会議かな?」

 それから俺たちは駅にあったマクドに入り、作戦会議を5分で行った。

 5分で終わった理由は単純だった。二人とも、リメインダー・オブ・敏郎、RTあーるてぃーサクセションだ。本家に行ってしょっぱな暴れよう。以上。だった。

 しかし主張は、太一は敏郎の息子、俺に継がせたいなら継がせればいい。財産くれなきゃぶっ壊す。

 元々二人とも溢れた者同士だ。ならば今更、ババアの面倒被り介護した俺たちがケツ拭いてやるからそれなりのもんを出せ、しかも血縁云々なら俺が強い?上等。
 そして太一はババアの愛息子の息子だっつーの、という話だ。

 だからこそ俺はこっそりちゃんと筋は通してやりたい。太一、お前ばかり泥は被るなと。

「格好、そいっぽいじゃろ?」

 じゃねぇよ。ちゃんとお前には、俺の金としてお前にやるから。

 捨て身に、ならないで欲しいと、全て終わったら、二人でちゃんと因縁を絶ち切ったら言ってやろうと思う。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

罪悪と愛情

暦海
恋愛
 地元の家電メーカー・天の香具山に勤務する20代後半の男性・古城真織は幼い頃に両親を亡くし、それ以降は父方の祖父母に預けられ日々を過ごしてきた。  だけど、祖父母は両親の残した遺産を目当てに真織を引き取ったに過ぎず、真織のことは最低限の衣食を与えるだけでそれ以外は基本的に放置。祖父母が自身を疎ましく思っていることを知っていた真織は、高校卒業と共に就職し祖父母の元を離れる。業務上などの必要なやり取り以外では基本的に人と関わらないので友人のような存在もいない真織だったが、どうしてかそんな彼に積極的に接する後輩が一人。その後輩とは、頗る優秀かつ息を呑むほどの美少女である降宮蒔乃で――

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

おじさん、女子高生になる

一宮 沙耶
大衆娯楽
だれからも振り向いてもらえないおじさん。 それが女子高生に向けて若返っていく。 そして政治闘争に巻き込まれていく。 その結末は?

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

処理中です...