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in DIVE CITY Tokyo
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少しして、太一が帰ってきた。
「トイレなんか空き始めたからぼちぼちか?」
「まぁ、そうだな」
15分前くらいだな。
今頃あまちゃんゲロ吐いてんのかな。
スタッフがぼちぼち機材チェックを始めていた。ドラム叩いたり、マイクテストしたり、栗村氏のベース弾いたり、あまちゃんとげんちゃんのギター弾いたり。
恐らくそろそろだ。
客席に流れるBGMは多分あまちゃんの声だが、一度も聞いたことがないやつだ。
新曲かな。だとしたらなかなかいいかも、しっとりも、激しいのもある。
「これ新曲じゃないっすか」
「ん?」
「あそうなん?」
やっぱ、聴いてたんだ。
雑踏の中で。
「だったら、いいっすね今回」
「んーかもね」
「あー昴、音楽モード入っとるな?」
そうかも。
「昔から昴は音楽聴くと、まわりはどーでもよかなるんよ」
「へぇ、変態っすね最早」
「ははっ、そうかもなぁ。けどそんなええのかぁ…意外や。こいつの頭はクラクションかと思っとったばい」
「ほぉ?」
そりゃぁ。
「クラクションばい」
心を鳴らしたのは。
ふと、客席照明が消えた。
静かになる観衆、どこかから聞こえる「ふぅ!」そして点く、ステージの簡素なライト。
手を合わせてげんちゃんが先頭で登場して客席は拍手と「ひゅー!」続いてあまちゃんが手を合わせてちらっと客席を見て軽く頭を下げる。挙動不審気味に。
それから仏頂面のふみとくんと、少し手を振る国木田の手に光る結婚指輪。
各々が持ち場について、一息吐くと、あまちゃんが手元を見てちゃらーん。
それからスティックが二回鳴らされ、堰を切ったように演奏がスタートした。
げんちゃんのハイスピードなコード、それを支えるメロディギター。バランスが取れた、しかし主張するげんちゃんに合わせるようにあまちゃんに寄るルートなベース。
なるほど、この曲のライブアレンジ、こうなったのか。
「えやくるぁ一歩ん出たくなぁい
空気吸ったら返せなぁい
小銭ん微妙に足りねぇし、明日家賃は払わなぁい
だからもう、そう、妄想もっそうさぁ」
おぉぉ!
ライブアレンジ、凄まじいぜ!
GenG、いままでで一番冴えてるギターだわ。そのあまちゃんの息遣いでの鋭い一音、なかなか高テク。
からのちゃかちゃかやべぇ。下すぎ。弦下。
また低めの地声もいいねあまちゃん。
「Let's try in、あぅ、さーぃ
I' train musicぅ?」
すげぇ盛り上がり。皆一曲目にして「へーい!」とかやってる一体感。
「意味、ないけどぉぉ
I hate musicぅ?
あい!
死にた、なっても死ねねぇし 金ねぇし、いぇぁ!」
いぇあ!
ちょいそのガン飛ばし方好きだわ、喧嘩売りに来たの?ファンに。けど楽しそうに凄い高速手コキぶりでげんちゃんと向かい合って笑い合ってギター弾いてんの堪らないね。いいね!
---
ごめんなさい
僕の言いたいこと それだけなんです
だからさぁ
俺に安心 返してくれない?
---
好きな歌もあった。なんだかんだこれ、俺思い出の歌かも。3日の健忘とか唄われたけど。電車で聴いて悶々と考えたやつ。
「ごめんなさぁい?」なんてすげぇ調子こいてるけど泣けるほど君らしくてさ。
ーーー
「静脈に流れ込んだ 今日も
空をなくした後悔はいつか
いままで ギブソン 捨てなかったから
生理現象 呼吸器管かな」
ーーー
これだってさぁ、
はぁぁ、もう捨てなくてよかった。
フェンダーは売りに行かなかったねあまちゃん。もう、なんなのよ3曲目にしてまたジントニ空だよ。歌詞変えやがって。
曲が終わってふと息を吐くと。
やっぱりジーマを飲むあまちゃんのその音が生々しく。
ふと弾き始めたコミカルでポップな曲。
多分、新曲だ。
ーーー
I say teina found matter
愛せてない ホント また?
I know see so founder
愛の真相 本当は?
ーーー
地声、高いショタバージョン。
なるほど、なんか、げんちゃんコーラスで漸く英語が浸透した。これ病院で書いてたやつやん。
しかしなんか。
らしいなぁ、あまちゃん。
それから変調のように曲が変わる。
最初の入り出しの、淡々とした、しかしキレのあるリフはあまちゃんだった。これはきっとあまちゃん優勢の曲だ。
てか。
うめぇな普通に。縺れそうだがイケてるぞ。
「案外うめぇな」
やはりサブカルクソ女子も感嘆。
カットやら何やら、只今5曲目にして思うわけです。
そしてベース、ドラムが今回はキている。げんちゃんはどうやらいつもの天崎ポジションにいったらしい。
しかしライブ特有、バンドが走るパターンだろうか、アップテンポだ。
「視界がボヤける、そんな現象
夢がないったら夢がないぃ
気管が怠ける、そんな情景
意味がないったら意味がないぃ
未完時間遺憾
志願祈願胃癌」
あっこれ。
俺がこの前の朝唄ってたやつやんか!あいつめ!これか、昴くんの歌って!失敬な!でもまぁ、
「ぷはっ、」
チカチカするライト。ウケる北谷。
わかるぞ。確かに笑える。
「トイレなんか空き始めたからぼちぼちか?」
「まぁ、そうだな」
15分前くらいだな。
今頃あまちゃんゲロ吐いてんのかな。
スタッフがぼちぼち機材チェックを始めていた。ドラム叩いたり、マイクテストしたり、栗村氏のベース弾いたり、あまちゃんとげんちゃんのギター弾いたり。
恐らくそろそろだ。
客席に流れるBGMは多分あまちゃんの声だが、一度も聞いたことがないやつだ。
新曲かな。だとしたらなかなかいいかも、しっとりも、激しいのもある。
「これ新曲じゃないっすか」
「ん?」
「あそうなん?」
やっぱ、聴いてたんだ。
雑踏の中で。
「だったら、いいっすね今回」
「んーかもね」
「あー昴、音楽モード入っとるな?」
そうかも。
「昔から昴は音楽聴くと、まわりはどーでもよかなるんよ」
「へぇ、変態っすね最早」
「ははっ、そうかもなぁ。けどそんなええのかぁ…意外や。こいつの頭はクラクションかと思っとったばい」
「ほぉ?」
そりゃぁ。
「クラクションばい」
心を鳴らしたのは。
ふと、客席照明が消えた。
静かになる観衆、どこかから聞こえる「ふぅ!」そして点く、ステージの簡素なライト。
手を合わせてげんちゃんが先頭で登場して客席は拍手と「ひゅー!」続いてあまちゃんが手を合わせてちらっと客席を見て軽く頭を下げる。挙動不審気味に。
それから仏頂面のふみとくんと、少し手を振る国木田の手に光る結婚指輪。
各々が持ち場について、一息吐くと、あまちゃんが手元を見てちゃらーん。
それからスティックが二回鳴らされ、堰を切ったように演奏がスタートした。
げんちゃんのハイスピードなコード、それを支えるメロディギター。バランスが取れた、しかし主張するげんちゃんに合わせるようにあまちゃんに寄るルートなベース。
なるほど、この曲のライブアレンジ、こうなったのか。
「えやくるぁ一歩ん出たくなぁい
空気吸ったら返せなぁい
小銭ん微妙に足りねぇし、明日家賃は払わなぁい
だからもう、そう、妄想もっそうさぁ」
おぉぉ!
ライブアレンジ、凄まじいぜ!
GenG、いままでで一番冴えてるギターだわ。そのあまちゃんの息遣いでの鋭い一音、なかなか高テク。
からのちゃかちゃかやべぇ。下すぎ。弦下。
また低めの地声もいいねあまちゃん。
「Let's try in、あぅ、さーぃ
I' train musicぅ?」
すげぇ盛り上がり。皆一曲目にして「へーい!」とかやってる一体感。
「意味、ないけどぉぉ
I hate musicぅ?
あい!
死にた、なっても死ねねぇし 金ねぇし、いぇぁ!」
いぇあ!
ちょいそのガン飛ばし方好きだわ、喧嘩売りに来たの?ファンに。けど楽しそうに凄い高速手コキぶりでげんちゃんと向かい合って笑い合ってギター弾いてんの堪らないね。いいね!
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ごめんなさい
僕の言いたいこと それだけなんです
だからさぁ
俺に安心 返してくれない?
---
好きな歌もあった。なんだかんだこれ、俺思い出の歌かも。3日の健忘とか唄われたけど。電車で聴いて悶々と考えたやつ。
「ごめんなさぁい?」なんてすげぇ調子こいてるけど泣けるほど君らしくてさ。
ーーー
「静脈に流れ込んだ 今日も
空をなくした後悔はいつか
いままで ギブソン 捨てなかったから
生理現象 呼吸器管かな」
ーーー
これだってさぁ、
はぁぁ、もう捨てなくてよかった。
フェンダーは売りに行かなかったねあまちゃん。もう、なんなのよ3曲目にしてまたジントニ空だよ。歌詞変えやがって。
曲が終わってふと息を吐くと。
やっぱりジーマを飲むあまちゃんのその音が生々しく。
ふと弾き始めたコミカルでポップな曲。
多分、新曲だ。
ーーー
I say teina found matter
愛せてない ホント また?
I know see so founder
愛の真相 本当は?
ーーー
地声、高いショタバージョン。
なるほど、なんか、げんちゃんコーラスで漸く英語が浸透した。これ病院で書いてたやつやん。
しかしなんか。
らしいなぁ、あまちゃん。
それから変調のように曲が変わる。
最初の入り出しの、淡々とした、しかしキレのあるリフはあまちゃんだった。これはきっとあまちゃん優勢の曲だ。
てか。
うめぇな普通に。縺れそうだがイケてるぞ。
「案外うめぇな」
やはりサブカルクソ女子も感嘆。
カットやら何やら、只今5曲目にして思うわけです。
そしてベース、ドラムが今回はキている。げんちゃんはどうやらいつもの天崎ポジションにいったらしい。
しかしライブ特有、バンドが走るパターンだろうか、アップテンポだ。
「視界がボヤける、そんな現象
夢がないったら夢がないぃ
気管が怠ける、そんな情景
意味がないったら意味がないぃ
未完時間遺憾
志願祈願胃癌」
あっこれ。
俺がこの前の朝唄ってたやつやんか!あいつめ!これか、昴くんの歌って!失敬な!でもまぁ、
「ぷはっ、」
チカチカするライト。ウケる北谷。
わかるぞ。確かに笑える。
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