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「朱雀兄さん、」
翡翠が朱雀の陰茎を掴み見上げれば、朱雀は「ふんっ、」と翡翠を嘲笑いながらも、期待のような感情も浮かべているように見える。
「…兄さん、」
「あんさんが藤嶋にどう愛されとんのか…」
…寧ろ藤嶋になど愛されていない。それをわかっているだろう、この男も。
「…わては藤嶋になど愛されていまへんよ、朱雀兄さん」
「…あ?」
自棄も延長戦だった。
翡翠が朱雀の陰茎の雁首までをはむ、と抵抗もなく咥え、薄い唇、幼い舌先で少し弄び始めたのに朱雀は意外だったのかもしれない。
思わず、と言うように「はぁっ、」と朱雀の喉から声が滑る。
「…あんさん、とんでもないなぁ、ホンマに」
この少年がこの店にやって来たのは14と遅く、早2年となるがいままでずっと裏方で仕事をしていたはずだ。
拙いような、慣れているような、翡翠の微妙な焦れったさにふと朱雀は疑問に思った。
「あんさん、藤嶋に抱かれたことないんか」
その一言に翡翠はピタッと止まる。
翡翠の純粋そうな上目遣いに朱雀は察した。この少年、客も何もない。何かを相手に与えることに全く慣れていないのに、手管を知っている。
翡翠がまた答えずに陰茎を食み、咥え、けれどもゆっくりと舌を絡ませるのに、あのしつこい変態くらいが丁度よかったのだと「あぁ、そうかいな…」と、朱雀の身体は芯からもどかしくなる。
翡翠も同じ心中で、どうして朱雀はそんなことを自分に聞いてくるのか。
自分をここまで追い詰めてくる朱雀を考えると、腹は立つが何故だか憎めない、と情けなくてやり場がなくなる。
そもそも全てが後ろめたくて仕方がない。
ふいに朱雀が翡翠の頭を抱えるように優しく抱擁してきたのに、驚いた。
朱雀が髪を撫で「もうええわっ、」と、しかし膨れる。
口一杯なのにどうしたものかと翡翠が思えば「悪かったな」と言うのだから朱雀の顔を見てやるしかない。
何故か、朱雀は泣きそうなように見える。それは快楽とは少し違うもの…のように見えた。
「…すま、へん。お気に召さなかったやろか、兄さん」
「あぁ、最低」
「あの、これは」
言う翡翠を抱き締める朱雀がふんわり優しい。ただ、やはりどこか生臭かった。
「えぇわ、暫くしたらなんとか…」
「…出してしまってもよろしおす…」
「そないなことをすぐに言うからいけないんやで、全くどないしてくれんねん」
「…はぁ、」
しかし自分が先程からかった少年の陰茎の先が少し当たり、朱雀は思い出した。
自然と朱雀がそれに触れてくるのだから、一瞬油断していた身体がぴくっと驚いてしまった。
「あの、」
「いびり抜いてやろうと思ったんやけど、萎えたわ」
「うぅ…、」
「我慢せんでええで。それとも、中に入れてやらなあかんか?」
「に、さんは?」
「わしか?慣れとんねん」
それから、朱雀は己の陰茎と翡翠の陰茎を一緒にし何故だかもどかしいほどにゆっくり、しごく、その手管が却って痛みを心地よく感じさせるのだから翡翠にはどうしようもない。
暫く静かにそうしているが、翡翠の耳元では、苦しそうな朱雀の息が熱くなってゆく。
はぁ、はぁの合間にふと、「なぁ…、」と、朱雀の女のように切ない声が掛かった。
「中に、入れて…えぇか?これ」
顔を漸く見合わせる。
朱雀の頬は上気し、逆上せそうに朱が差していた。
これが艶と言うものか、翡翠は初めて知る。それが男にもあるだなんて予想もしないのだから、よもやよくわからなくなる。
翡翠が目を伏せたのを了承としたのか、朱雀は翡翠の頭をやわく抱えたままに押し倒す。
翡翠が少し力を抜いていようと思ったとき、「これは初めてか?」と朱雀が跨がってきて翡翠の陰茎を握ったのだから、わけがわからない。
にやっと笑った朱雀の色に息を呑む。
「堪忍してな」と言いながら朱雀は自分の穴へ翡翠の陰茎を誘い一気に腰を下ろすのだから息を、歯で押し止めるしかない。
溶かされそう、一気に窮屈で息を吸うのを忘れてしまう。
自分を押し潰すような感触に翡翠は息を吐く間もない。
熱く、まだ朱雀の中に薬が残っているのか、痛みに似たじんじんとする衝撃と、ドサッと覆い被さり耳元で、「愛してあげるから、」と優しく吐く朱雀が、眩暈のように視界が狭まり怖くなった。
「に、さん、」
頭を抱えながらも腰をくねくねうねらせ、翡翠の腹で陰茎をしごいているよう。
「ね、に、さん、にぃさん、」
呼び掛けるそれが朱雀に聞こえるか、微かに「あっ、うっ、」と動きに合わせて聞こえてくる。
人の中身がこれほど熱いと初めて知った。焼き切れそうで、首に引っ掛かる中の突起。窮屈でじんじんと快感が一気に押し上がる。
自分も気付けば朱雀の髪を不規則に撫でているし、生暖かい首筋を食んでいる。
ぐちゃぐちゃにそれで掻き回すように朱雀の腰がうねっている。
奥の、熱い部分に待ち構えるもっと、絞るように狭い穴に入ったときに、「あぁっ、」と朱雀が身をよじるほどに切ない声をあげた。
自然と、身体がその狭まれた場所へまた向かう。
先が温く包まれた瞬間「あっ、」と、朱雀が腹で射精をした。
それがぎゅっと狭くなり、ゆとりがなくなって「にぃさん、」と力なく言うのだけど抜けない。焦るうちに耳元の髪を剥いだ朱雀が「我慢、ええよ、」と言い少年の耳を食んだ。
ぐちゃり、と言った瞬間に「うぅっ、」と、ついに熱さに溶かされたような気がした。
翡翠がはぁ、はぁと息を吸い込み整えている途中で「ふぅ、」と息を吐きながら朱雀は退き、腹を汚した精液を舐め取るのだから「ダメやて…、」とその朱雀の顔を退かそうとする。
しかし全てを舐めれば満足そうに「綺麗になった」と朱雀は笑った。
無償に悲しくなる。
「…にいさん、」
何故だか泣きそうな翡翠を見た朱雀は、あやすように翡翠の首筋に触れる。
切ない表情で「悪かったな」と言った朱雀の手を取り頬を擦り付け、求めたかった。
「あんさん、愛されたいん?」
居たたまれなくて、朱雀にそう口走ってしまっていた。
求めるような少年の方がそうほざくのだから、朱雀にも答えようがない。
翡翠が朱雀の陰茎を掴み見上げれば、朱雀は「ふんっ、」と翡翠を嘲笑いながらも、期待のような感情も浮かべているように見える。
「…兄さん、」
「あんさんが藤嶋にどう愛されとんのか…」
…寧ろ藤嶋になど愛されていない。それをわかっているだろう、この男も。
「…わては藤嶋になど愛されていまへんよ、朱雀兄さん」
「…あ?」
自棄も延長戦だった。
翡翠が朱雀の陰茎の雁首までをはむ、と抵抗もなく咥え、薄い唇、幼い舌先で少し弄び始めたのに朱雀は意外だったのかもしれない。
思わず、と言うように「はぁっ、」と朱雀の喉から声が滑る。
「…あんさん、とんでもないなぁ、ホンマに」
この少年がこの店にやって来たのは14と遅く、早2年となるがいままでずっと裏方で仕事をしていたはずだ。
拙いような、慣れているような、翡翠の微妙な焦れったさにふと朱雀は疑問に思った。
「あんさん、藤嶋に抱かれたことないんか」
その一言に翡翠はピタッと止まる。
翡翠の純粋そうな上目遣いに朱雀は察した。この少年、客も何もない。何かを相手に与えることに全く慣れていないのに、手管を知っている。
翡翠がまた答えずに陰茎を食み、咥え、けれどもゆっくりと舌を絡ませるのに、あのしつこい変態くらいが丁度よかったのだと「あぁ、そうかいな…」と、朱雀の身体は芯からもどかしくなる。
翡翠も同じ心中で、どうして朱雀はそんなことを自分に聞いてくるのか。
自分をここまで追い詰めてくる朱雀を考えると、腹は立つが何故だか憎めない、と情けなくてやり場がなくなる。
そもそも全てが後ろめたくて仕方がない。
ふいに朱雀が翡翠の頭を抱えるように優しく抱擁してきたのに、驚いた。
朱雀が髪を撫で「もうええわっ、」と、しかし膨れる。
口一杯なのにどうしたものかと翡翠が思えば「悪かったな」と言うのだから朱雀の顔を見てやるしかない。
何故か、朱雀は泣きそうなように見える。それは快楽とは少し違うもの…のように見えた。
「…すま、へん。お気に召さなかったやろか、兄さん」
「あぁ、最低」
「あの、これは」
言う翡翠を抱き締める朱雀がふんわり優しい。ただ、やはりどこか生臭かった。
「えぇわ、暫くしたらなんとか…」
「…出してしまってもよろしおす…」
「そないなことをすぐに言うからいけないんやで、全くどないしてくれんねん」
「…はぁ、」
しかし自分が先程からかった少年の陰茎の先が少し当たり、朱雀は思い出した。
自然と朱雀がそれに触れてくるのだから、一瞬油断していた身体がぴくっと驚いてしまった。
「あの、」
「いびり抜いてやろうと思ったんやけど、萎えたわ」
「うぅ…、」
「我慢せんでええで。それとも、中に入れてやらなあかんか?」
「に、さんは?」
「わしか?慣れとんねん」
それから、朱雀は己の陰茎と翡翠の陰茎を一緒にし何故だかもどかしいほどにゆっくり、しごく、その手管が却って痛みを心地よく感じさせるのだから翡翠にはどうしようもない。
暫く静かにそうしているが、翡翠の耳元では、苦しそうな朱雀の息が熱くなってゆく。
はぁ、はぁの合間にふと、「なぁ…、」と、朱雀の女のように切ない声が掛かった。
「中に、入れて…えぇか?これ」
顔を漸く見合わせる。
朱雀の頬は上気し、逆上せそうに朱が差していた。
これが艶と言うものか、翡翠は初めて知る。それが男にもあるだなんて予想もしないのだから、よもやよくわからなくなる。
翡翠が目を伏せたのを了承としたのか、朱雀は翡翠の頭をやわく抱えたままに押し倒す。
翡翠が少し力を抜いていようと思ったとき、「これは初めてか?」と朱雀が跨がってきて翡翠の陰茎を握ったのだから、わけがわからない。
にやっと笑った朱雀の色に息を呑む。
「堪忍してな」と言いながら朱雀は自分の穴へ翡翠の陰茎を誘い一気に腰を下ろすのだから息を、歯で押し止めるしかない。
溶かされそう、一気に窮屈で息を吸うのを忘れてしまう。
自分を押し潰すような感触に翡翠は息を吐く間もない。
熱く、まだ朱雀の中に薬が残っているのか、痛みに似たじんじんとする衝撃と、ドサッと覆い被さり耳元で、「愛してあげるから、」と優しく吐く朱雀が、眩暈のように視界が狭まり怖くなった。
「に、さん、」
頭を抱えながらも腰をくねくねうねらせ、翡翠の腹で陰茎をしごいているよう。
「ね、に、さん、にぃさん、」
呼び掛けるそれが朱雀に聞こえるか、微かに「あっ、うっ、」と動きに合わせて聞こえてくる。
人の中身がこれほど熱いと初めて知った。焼き切れそうで、首に引っ掛かる中の突起。窮屈でじんじんと快感が一気に押し上がる。
自分も気付けば朱雀の髪を不規則に撫でているし、生暖かい首筋を食んでいる。
ぐちゃぐちゃにそれで掻き回すように朱雀の腰がうねっている。
奥の、熱い部分に待ち構えるもっと、絞るように狭い穴に入ったときに、「あぁっ、」と朱雀が身をよじるほどに切ない声をあげた。
自然と、身体がその狭まれた場所へまた向かう。
先が温く包まれた瞬間「あっ、」と、朱雀が腹で射精をした。
それがぎゅっと狭くなり、ゆとりがなくなって「にぃさん、」と力なく言うのだけど抜けない。焦るうちに耳元の髪を剥いだ朱雀が「我慢、ええよ、」と言い少年の耳を食んだ。
ぐちゃり、と言った瞬間に「うぅっ、」と、ついに熱さに溶かされたような気がした。
翡翠がはぁ、はぁと息を吸い込み整えている途中で「ふぅ、」と息を吐きながら朱雀は退き、腹を汚した精液を舐め取るのだから「ダメやて…、」とその朱雀の顔を退かそうとする。
しかし全てを舐めれば満足そうに「綺麗になった」と朱雀は笑った。
無償に悲しくなる。
「…にいさん、」
何故だか泣きそうな翡翠を見た朱雀は、あやすように翡翠の首筋に触れる。
切ない表情で「悪かったな」と言った朱雀の手を取り頬を擦り付け、求めたかった。
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