読書感想文

二色燕𠀋

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青空シリーズ

中原中也「校長」

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 書き途中感はあれど。
 以前、中原中也詩集を紹介したと思いますが彼は詩人であります。が、しかし。このシリーズで出てきたんだ「種田山頭火」のような、「詩人の文章」でもない短編でした。

 中原中也って、以前取り上げた「サーカス」のように、「ゆやーん」とか、なにその擬音!みたいな独特さがね、詩でもあったと思いますがそれが一切この短編にはない。

 が、「やはりパッと捉えるのが上手い、感性が凄い、」と思うのはこの小説の人物紹介でした。

校長…彼の癇高い声が而も鼻に掛かり、恰度山羊のそれのやうになる

教頭…此の顔は分厚な将棋の駒を想はせた。

候補者…彼は握太の黄色いステッキを提げ、額が禿げ上つてゐて出ッ腹の太つた男であつた


 ↑引き抜いたところでご察しの通りもっと説明は長いのですが、「将棋の駒」だとか「山羊のような声」なんて、独特ですよね。

 この話はねぇ、とても明快で分かりやすく、なんというか「大衆文学」よりも「ライト文芸」感を感じます。
 書き途中感があるので内容は…といえば終わらないのですが、京都で一番良いと言われている中学に、ちんちくりんな校長が赴任する。その学校のようす、といったもの。

 ちんちくりん校長にはあんまり好きじゃない教頭がいて、この教頭はいかにもな体育会系。
 校長も如何にもな、鼻に掛けた感じの男になっていくと、そんな話です。

 人物や事象がとてもライト。つまりわかりやすい。校長の姿、教頭の姿、が結構細かくかかれています。

 中也の詩を読むと確かに独特な間合いや流れかと思うのですが、あれを想像すると分かりやすいかなぁ。あまり規則性もない感じの。

 家では微妙だけど校長は学校じゃにやにやしてんね、うわぁ露骨な体育会系きたー、とか、そんなところで、何が言いたいか掴める前に終わってしまったかなぁ。
 事象はとてもわかりやすい、そんな小説でした。
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