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青空シリーズ
森鴎外「杯」
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ワインではない。
森鴎外、どこか暗く、しかし色といえば朝日のような夕日のような、と、毎度読むと思うのですが、恐らくは日が照っているなかに「黒」をばら蒔く作家さんなんだろうなと感じます。
代表作(なのかな?)の、「舞姫」とか、私はなんとなくね、こう…耳鳴りがするときのような、右の蟀谷あたりがきゅーっと引っ張られて痛む「狂気」を感じるんですが、それとはまた違う印象です、このお話。
やはりフランス人は出てくるのですが。何故「第八の娘」とわざわざ記したのだろう、まずはそこに疑問を持ちました。
わかってくるのは「相の子」なんですが、次の瞬間の「第八の娘」という表現や…
そうか、うん、わかったぞ。
冒頭の「清冽な泉」だとか「青い美しい苔」だとかいう、とても透明感がある表現に加え、「熔巌の色をした杯」という言い方、との対比にも暗さを見るのかなぁ。
話には確かに、そう、人種やなんやらという含みはあるんだけども。彼女は凛としているように私は感じる。
互いの空気がねちっこい。この肌感覚もまたねぇ…なんというんだろうか。
はたまた陳腐な感想を言えば、鴎外に酒とはとても「らしい」と感じる。
多分ね、森鴎外さんって、簡潔で擦れているように振る舞いつつ内情かなりねちっこい人だと私は舞姫で思ってたんですがこれでもどこか感じる。
だが確かにどこか蓋をしながらも、西洋への憧れが一種差別的。それを優しいことだと微塵も思ってないだろう。
わざわざフランス語を出した最後あたりの文、
“MON. VERRE. N'EST. PAS. GRAND. MAIS. JE. BOIS. DANS. MON. VERRE”
沈んだ、しかも鋭い声であった。
「わたくしの杯は大きくはございません。それでもわたくしはわたくしの杯で戴いただきます」と云ったのである。
ここなんかね、そう感じます。気の強さのなかにもどこかしとやかさを感じるのはまんまと鴎外に落とされていそうだな、なんてね。
森鴎外、どこか暗く、しかし色といえば朝日のような夕日のような、と、毎度読むと思うのですが、恐らくは日が照っているなかに「黒」をばら蒔く作家さんなんだろうなと感じます。
代表作(なのかな?)の、「舞姫」とか、私はなんとなくね、こう…耳鳴りがするときのような、右の蟀谷あたりがきゅーっと引っ張られて痛む「狂気」を感じるんですが、それとはまた違う印象です、このお話。
やはりフランス人は出てくるのですが。何故「第八の娘」とわざわざ記したのだろう、まずはそこに疑問を持ちました。
わかってくるのは「相の子」なんですが、次の瞬間の「第八の娘」という表現や…
そうか、うん、わかったぞ。
冒頭の「清冽な泉」だとか「青い美しい苔」だとかいう、とても透明感がある表現に加え、「熔巌の色をした杯」という言い方、との対比にも暗さを見るのかなぁ。
話には確かに、そう、人種やなんやらという含みはあるんだけども。彼女は凛としているように私は感じる。
互いの空気がねちっこい。この肌感覚もまたねぇ…なんというんだろうか。
はたまた陳腐な感想を言えば、鴎外に酒とはとても「らしい」と感じる。
多分ね、森鴎外さんって、簡潔で擦れているように振る舞いつつ内情かなりねちっこい人だと私は舞姫で思ってたんですがこれでもどこか感じる。
だが確かにどこか蓋をしながらも、西洋への憧れが一種差別的。それを優しいことだと微塵も思ってないだろう。
わざわざフランス語を出した最後あたりの文、
“MON. VERRE. N'EST. PAS. GRAND. MAIS. JE. BOIS. DANS. MON. VERRE”
沈んだ、しかも鋭い声であった。
「わたくしの杯は大きくはございません。それでもわたくしはわたくしの杯で戴いただきます」と云ったのである。
ここなんかね、そう感じます。気の強さのなかにもどこかしとやかさを感じるのはまんまと鴎外に落とされていそうだな、なんてね。
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