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ホワイトチョコレート
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最近何やら夜中にごそごそうるさい。
主にキッチンあたりなのだが、一体何なんだろう。
不眠症が加速しそうだ。身の危険を感じて。
最初はガチで泥棒なんじゃねぇかと思った。寝たふりしなきゃとか、だけどそれだと刺されたとき一発で全員終わるとか、むしろ楽に死ねるかな?だが二人はどうする、ベランダから逃がすのか、とか考えた。
だがそれが毎日続く。三日目くらいで真里か?小夜か?と思い始める。
こっそり扉を開けてみたら小夜が何やらテキストのようなものを片手にボウルを険しい顔で眺めていた。
なんだあれは。
ふと時間を見ようと思ったらちょうど成人の日の午前3時。
声を掛けようかと思ったがあまりにも真剣なので寝たふりをした。そしてふと頭によぎったのが、日にちだった。
1月11日。なんだ?本気で成人の日以外、何事もない。小夜も別に成人じゃないしなんだろ…。
ボウルってそんな使わないよな…てか、あんなもん置いてあったっけとかまた頭がぐるぐるして眠れなくなった。
最近は小夜が学校に行く前に朝飯を作っている。おっさんとかにもなんか色々聞いてるせいかレパートリーも増えた。
俺も昔はああやってキッチンの前で料理開発したしな。それかな。
寝たふり(主に考え事)をしながらどうも甘ったるい臭いがしてきたことに気が付いた。
どれくらい甘ったるいかって、真里が寝言で「光也しゃん…」とか言うレベルだ。内心ビックリした。
ふと真里を見ればすっげー寝心地良さそうに寝てる。仕方なく頭をぽんぽんとしてまた考える。
朝飯なんだろ、ホットケーキかな。
だがその内焦げ臭さが充満して。慌ててキッチンを覗くとオーブンを開けて「うわぁっ」としかめっ面で呟いている小夜がいて。
後処理をして部屋に帰っていく小夜を見てまたまた疑問が募って。
その日の朝飯はサラダと焼き魚で。
いつも通り学校の前まで車で送っていくと、「行ってきます!」と、あまり寝てないとは思えない元気さで登校していった。
「どうしたの?」
登校する小夜の背中を見ていると、ふと真里に言われた。
「え?」
「いや、怪訝そうに見てるから」
「うーん」
小夜は楽しそうに友達と話したりして校舎に向かっていた。
試しに真里にここ最近の話をしてみる。
「それって」
そして真里に言われる。
「バレンタインじゃない?」
「へ?」
言われてみれば。バレンタインは後一ヶ月後くらいだ。
「え、それってそーゆーことかな」
「そーゆーことって?」
「いや、男とかさ…」
「ま、そーゆーことじゃない?」
そこで俺はフリーズ。頭だけはぐるぐると動いて。
「え、彼氏かな」
「急だなぁ。好きな男かもしんないじゃん」
「あ、そっか…」
「なんか複雑な表情だね。
光也さん、小夜だってね、思春期なんだよ?」
「うん、そうだなぁ…」
なんか真里が言ってるけどあんま頭に入ってこない。小夜に変な虫がついたんじゃないかとか考える。そう言えば最近あいつ、よくケータイ弄ってるし。
「光也さーん、まーた考え込んでる」
「そりゃぁ…」
どんな虫がついたんだ。蚊程度ならぶち殺せばいいがゴキブリならスリッパだぞ。マジ気になる。
「気にしなくてもいいじゃんそんなに」
「うーん…」
「聞いてみたらいいじゃん」
「いや、そこまでの度胸はない…」
なんかモヤモヤする。
「お前気になんねぇの?」
「いやぁ、どっちかって言うと嬉しいというか…大人になったなって」
仕事中はなんとか忘れられたつもりだったが、お客さんから「ぼーっとしてるね」なんて言われてしまって。
「どしたの光也」
「なんかね、小夜がバレンタイン疑惑なんだってよ」
「ええっ!それどっち系!?」
なんだ、どっち系って。
「はぁ~…思い出しちまったじゃねぇかよ真里~」
もやもや、加速。カウンターに突っ伏す。少し額がテーブルにぶつかって痛い。
「あれ?わりと重症だな」
「だからさ、何がダメなの?」
「う~…。
だってお前考えろ、想像しろ?小夜のことだ、なんかさ、高校生くらいのバカ男子が相手だったらお前…」
「まぁもう清純派じゃないね」
「うるせぇそこじゃねーよ、いやそこもそうなんだけど!」
「はい、ラフロイグ」
おっさんに渡されたラフロイグを一気飲み。うわぁ、やっぱり薬の味がするが堪らないな。
「うまい…」
「みっちゃん心配しすぎよ?」
からかっておっさんが非常に気色悪い声色で言ってくる。一回これぶっ掛けてやろうかな。
「あーもやもやする…」
「お前ホントなんなのそのふにゃちんみたいなメンタル」
「わかってるよ…」
「実際ふにゃちんですよ?」
「え、待って、ええっ!お前らえ?」
「おっさんいい加減その騙されやすさ直せよ。人を疑えよ俺みたいに!」
「あ、あぁ…上手いな光也」
「いや柏原さん…そうじゃないよこの人を説得してくれよ面倒だから」
今のは全面的にお前が悪い気がするぞ真里。
「え、何?光也まさか小夜ちゃんのこと」
「違ぇよなんなのその発想。あんたはウチの姉貴かよ」
「あー、遥子ちゃん言いそうだね。
え、じゃぁ何がダメなの?」
「わかんない。わかんないからもやもやするんだよ」
「お前ねぇ…。大人じゃないなぁ。子離れしろよ」
「わかってるよ…。けどさ、なんか変なのに捕まってねぇかなとか色々ね、考えるじゃん」
「それはそれで大人への一歩だろ。お前自分の初恋どうだったよ?初カノどうだったよ?
大体小夜ちゃんだよ?変な男捕まえるか?ちょっと間違わない限りないでしょ」
「柏原さん、それ今この人に言っちゃダメだよ」
「そうだよな!小夜だぞ!?なんかあいつどっちかだよな!?
あー、今の子まともかな…大丈夫かな…」
「ありゃ」
「あー、ほらやっちゃったよ」
「いや、待て光也。そもそも友チョコとかじゃねぇの?」
「えっ」
おっさんからの似合わない一言に少しびびる。
「友チョコ?」
「そう、友チョコだよ友チョコ!女の子だし!」
「あー…なるほど…。その中の本命があったりたまにするよね」
「えっ」
「あー、真里、それ今の光也に言っちゃ」
「マジかよ、女怖ぇな!え?なに?あんた友達やねん、これ貰っときぃなとか言って内心あんた好きやねんな!みたいな?」
「うわっ光也さすがにキモい」
「いや、わりと可愛い…」
「真里、お前ときめいてんじゃねぇよ!」
このもやもやは多分取れそうにない。少なくとも、相談する相手を間違えた。
主にキッチンあたりなのだが、一体何なんだろう。
不眠症が加速しそうだ。身の危険を感じて。
最初はガチで泥棒なんじゃねぇかと思った。寝たふりしなきゃとか、だけどそれだと刺されたとき一発で全員終わるとか、むしろ楽に死ねるかな?だが二人はどうする、ベランダから逃がすのか、とか考えた。
だがそれが毎日続く。三日目くらいで真里か?小夜か?と思い始める。
こっそり扉を開けてみたら小夜が何やらテキストのようなものを片手にボウルを険しい顔で眺めていた。
なんだあれは。
ふと時間を見ようと思ったらちょうど成人の日の午前3時。
声を掛けようかと思ったがあまりにも真剣なので寝たふりをした。そしてふと頭によぎったのが、日にちだった。
1月11日。なんだ?本気で成人の日以外、何事もない。小夜も別に成人じゃないしなんだろ…。
ボウルってそんな使わないよな…てか、あんなもん置いてあったっけとかまた頭がぐるぐるして眠れなくなった。
最近は小夜が学校に行く前に朝飯を作っている。おっさんとかにもなんか色々聞いてるせいかレパートリーも増えた。
俺も昔はああやってキッチンの前で料理開発したしな。それかな。
寝たふり(主に考え事)をしながらどうも甘ったるい臭いがしてきたことに気が付いた。
どれくらい甘ったるいかって、真里が寝言で「光也しゃん…」とか言うレベルだ。内心ビックリした。
ふと真里を見ればすっげー寝心地良さそうに寝てる。仕方なく頭をぽんぽんとしてまた考える。
朝飯なんだろ、ホットケーキかな。
だがその内焦げ臭さが充満して。慌ててキッチンを覗くとオーブンを開けて「うわぁっ」としかめっ面で呟いている小夜がいて。
後処理をして部屋に帰っていく小夜を見てまたまた疑問が募って。
その日の朝飯はサラダと焼き魚で。
いつも通り学校の前まで車で送っていくと、「行ってきます!」と、あまり寝てないとは思えない元気さで登校していった。
「どうしたの?」
登校する小夜の背中を見ていると、ふと真里に言われた。
「え?」
「いや、怪訝そうに見てるから」
「うーん」
小夜は楽しそうに友達と話したりして校舎に向かっていた。
試しに真里にここ最近の話をしてみる。
「それって」
そして真里に言われる。
「バレンタインじゃない?」
「へ?」
言われてみれば。バレンタインは後一ヶ月後くらいだ。
「え、それってそーゆーことかな」
「そーゆーことって?」
「いや、男とかさ…」
「ま、そーゆーことじゃない?」
そこで俺はフリーズ。頭だけはぐるぐると動いて。
「え、彼氏かな」
「急だなぁ。好きな男かもしんないじゃん」
「あ、そっか…」
「なんか複雑な表情だね。
光也さん、小夜だってね、思春期なんだよ?」
「うん、そうだなぁ…」
なんか真里が言ってるけどあんま頭に入ってこない。小夜に変な虫がついたんじゃないかとか考える。そう言えば最近あいつ、よくケータイ弄ってるし。
「光也さーん、まーた考え込んでる」
「そりゃぁ…」
どんな虫がついたんだ。蚊程度ならぶち殺せばいいがゴキブリならスリッパだぞ。マジ気になる。
「気にしなくてもいいじゃんそんなに」
「うーん…」
「聞いてみたらいいじゃん」
「いや、そこまでの度胸はない…」
なんかモヤモヤする。
「お前気になんねぇの?」
「いやぁ、どっちかって言うと嬉しいというか…大人になったなって」
仕事中はなんとか忘れられたつもりだったが、お客さんから「ぼーっとしてるね」なんて言われてしまって。
「どしたの光也」
「なんかね、小夜がバレンタイン疑惑なんだってよ」
「ええっ!それどっち系!?」
なんだ、どっち系って。
「はぁ~…思い出しちまったじゃねぇかよ真里~」
もやもや、加速。カウンターに突っ伏す。少し額がテーブルにぶつかって痛い。
「あれ?わりと重症だな」
「だからさ、何がダメなの?」
「う~…。
だってお前考えろ、想像しろ?小夜のことだ、なんかさ、高校生くらいのバカ男子が相手だったらお前…」
「まぁもう清純派じゃないね」
「うるせぇそこじゃねーよ、いやそこもそうなんだけど!」
「はい、ラフロイグ」
おっさんに渡されたラフロイグを一気飲み。うわぁ、やっぱり薬の味がするが堪らないな。
「うまい…」
「みっちゃん心配しすぎよ?」
からかっておっさんが非常に気色悪い声色で言ってくる。一回これぶっ掛けてやろうかな。
「あーもやもやする…」
「お前ホントなんなのそのふにゃちんみたいなメンタル」
「わかってるよ…」
「実際ふにゃちんですよ?」
「え、待って、ええっ!お前らえ?」
「おっさんいい加減その騙されやすさ直せよ。人を疑えよ俺みたいに!」
「あ、あぁ…上手いな光也」
「いや柏原さん…そうじゃないよこの人を説得してくれよ面倒だから」
今のは全面的にお前が悪い気がするぞ真里。
「え、何?光也まさか小夜ちゃんのこと」
「違ぇよなんなのその発想。あんたはウチの姉貴かよ」
「あー、遥子ちゃん言いそうだね。
え、じゃぁ何がダメなの?」
「わかんない。わかんないからもやもやするんだよ」
「お前ねぇ…。大人じゃないなぁ。子離れしろよ」
「わかってるよ…。けどさ、なんか変なのに捕まってねぇかなとか色々ね、考えるじゃん」
「それはそれで大人への一歩だろ。お前自分の初恋どうだったよ?初カノどうだったよ?
大体小夜ちゃんだよ?変な男捕まえるか?ちょっと間違わない限りないでしょ」
「柏原さん、それ今この人に言っちゃダメだよ」
「そうだよな!小夜だぞ!?なんかあいつどっちかだよな!?
あー、今の子まともかな…大丈夫かな…」
「ありゃ」
「あー、ほらやっちゃったよ」
「いや、待て光也。そもそも友チョコとかじゃねぇの?」
「えっ」
おっさんからの似合わない一言に少しびびる。
「友チョコ?」
「そう、友チョコだよ友チョコ!女の子だし!」
「あー…なるほど…。その中の本命があったりたまにするよね」
「えっ」
「あー、真里、それ今の光也に言っちゃ」
「マジかよ、女怖ぇな!え?なに?あんた友達やねん、これ貰っときぃなとか言って内心あんた好きやねんな!みたいな?」
「うわっ光也さすがにキモい」
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