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第1章 スズメの上京
第12話 清水屋の小饅頭
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板張りの床は、使用感はあるものの清潔に保たれている。全体的に木目調の店内は天井とカウンターの上に作られた飾り棚は白で、店の雰囲気を明るくしている。
入り口から見て右手から奥に向かってカウンターに椅子が6つ並んでいる。カウンターの中は決して広くないが壁に作られた棚にコーヒー豆やカップがきれいに並べられ、そのなかに割烹着に身を包み品よく微笑みかけてくる女性がいる。
「こちらが東風亭の女主人、悠木初枝さん」
幸太郎の紹介に合わせて挨拶をする所作には、物腰の柔らかさとどこか芯の強さを感じることのできる女性である。
「そしてこちらが娘さんの千春さん」
ちょうど店の片づけをしていたのだろう。彼女は白のブラウスに紺のスカートという私服姿にエプロンをし、手にはテーブル拭きを持っていた。
「彼女はここでお母さんの手伝いをしながら役者の勉強をしている」
母親よりは父親に似ているのだろうか。剛には彼女の中に母、初枝との共通点をそれほど見いだせなかったが、剛の妹も、母とはまるで容姿も性格も違っていたことを考えれば、珍しい事ではないのだろうと思った。
初枝が目じりの下がったやさしい細い目をしているのに対して、千春の目は黒く大きな瞳が印象的で、ずっと見ているとその中に吸い込まれてしまいそうな無垢な純真さがある。
髪は短く、シルエットだけでいえば男の子にみえないこともないが、彼女の放つ女性的なエネルギーは母親譲りであり、ボーイッシュであることで逆に強調されているのかもしれない。
小さな口の左側には笑うとえくぼができ、結果として少女らしい可愛らしさが印象に残る。
「役者の勉強だなんてお恥ずかしい。ただ好きでやっているだけですのよ」
「いやいや、千春さんのそれは大したものですよ。大女優になる素質は十分にあると言える」
幸太郎が自分のことのように初枝さんを褒めるのが、剛にはとても可愛らしく見えた。
「ほう、幸太郎は東京に来て、演劇を見る目も養っていたとは驚きだ。向こうにいたときにはシェイクスピアだのバイロンなどというものは、ただただ女々しいばかりだとか、そんなものを読んでも飯の種にはならないとか、散々なことを言われように思うが、記憶違いだったかな」
幸太郎は所在無さげに頭をかき、みんなはそれを見て笑った。
「剛さん、お部屋にご案内しますわ。荷物を置いたら当店自慢のコーヒーを御馳走させて下さいな。幸太郎さんもまだ、お時間あるのでしょう?」
幸太郎は、「時間はあるがご馳走になるわけにはいかない」と、律儀にコーヒーを注文しようとしたが、もう閉店しているので、商品のコーヒーは出せないと言われ、しぶしぶ納得をした。
「千春、お部屋にご案内差し上げて」
「はい、お母様。剛さん、どうぞ奥に」
剛は「お世話になります」と挨拶もそこそこに千春の案内で店の奥に案内された。
そこには段ボールや木箱、麻袋がきれいに積まれていて、勝手口と二階に上がる階段がある。薄暗いものの清潔感はしっかりと保たれている。
「少し急ですけど、お気をつけておあがりください。ここは靴のままで結構ですから」
階段を上がる。ところどころきしむところがある。それなりの年輪を感じる。剛は千春の後姿を見上げながら、このような可憐な女性とこれから日常的に顔を合わせることは、自分にとってどういうことになるのか――出会ってすぐにこれだけ笑いあえる関係と実家での陰鬱な暮らしとの間のギャップに心を曇らせていた。
階段を上りきると、そこには流しがあり、鍵がかかる敷戸に張り紙がしてある
『ここはトイレではありません』
「これ、はがそうかどうか、悩んだんですけど、たまに間違えてここまで来ちゃう客さんがいらっしゃりますよの」
「ああ、なるほど」
千春はエプロンのポケットからカギを取り出し、戸を開けた。
「こちらの鍵はお預けします。一応、私達も同じものを持っているのですけど、よろしいかしら」
千春は鍵を二つ手に持ち、そのうちの一つを剛に渡した。
「ええ、かまいません。むしろお持ちいただかないと、これを失くしたら大変だ」
剛は鍵を受け取り、草履を脱いで部屋に上がった。
がらんとした部屋の隅に布団が一組畳んで置いてある。6畳の部屋の真ん中に段ボールの箱が二つ置いてある。
「先に届いた荷物はこの二つでよろしかったかしら。お布団はこれを使ってください」
千春は更に部屋のふすまを開けると4畳のほどのスペースに通りに面したところは出窓になっている。
「こちらを書斎にお使いになるといいでしょう。この机も自由にお使いください。食事は下で済ませばいいかと思って。でも一応食器類は人揃え、こちらの茶箪笥にございますから、こちらも使ってください」
窓の外は向かい側には『なかた書店』と書かれた大きな看板が見える。通りを往来する人の流れを見るのは、ちょっとした人間観察になるかもしれないと剛は考えた。
「気にいりました。とても良い部屋です。何から何まで用意していただいて、恐縮です」
「良かったですわ。気にいって下さって。さぁ、荷物を置いて、下に降りましょう」
剛は荷物を置いて部屋をいったん出ようとしたが、あることを思い出して、部屋に引き返す。
「そうだ。ちょっと荷物をほどきますので、どうぞ先に降りて下さい。すぐに行きますから」
「あら、そう、じゃあ、そうしますね」
千春は剛を待とうかと少し躊躇した様子だったがすぐに下に降りて行った。
「例のもの、例のものっと……」
剛は持ってきた荷物をほどき『清水屋』と書いた包装紙に包まれた箱を取り出し、千春の後を追いかけた。
「幸太郎、こいつをみんなで頂こうか」
「まぁ、なんですの」
「清水屋の小饅頭と言って、これはなかなかのものですよ」
剛は幸太郎に見えるように箱を持ち上げた。
「あっ、それは……」
幸太郎は何か言おうとして、首を振り、そして大きくうなずく。
「私が知る限り、世界で一番旨い饅頭ですよ」
「あらあら、いいんですか。それ、幸太郎さんが楽しみにしていたお土産なんじゃありませんこと」
初枝が幸太郎の表情から思いを察する。
「心配には及びませんよ。ちゃんと幸太郎の分は別に容易してあります。ほら、この通り」
剛は後ろ手に隠し持っていた、もう一つの箱を得意げに抱え上げた。
「まぁ、よかったわね。幸太郎さん」
千春は笑顔を振りまき、初枝は東風亭自慢のコーヒーを二人に振舞った。
「剛よ、これはなかなかのものなのだぞ」
幸太郎はコーヒーの香りを愉しみなが、東風亭特製ブレンドコーヒーを味わい、そして大好物の小饅頭を口に頬張った。初枝と千春はその様子を見届けてから饅頭を口にする。
江戸時代、東海道五十三次の23番目の宿場町、島田宿にあった清水屋の小饅頭は東海道一上手いという評判だっとという話や、幸太郎が子供の頃に欲張り過ぎて、喉につかえて大変な騒ぎになったと剛が話せば、そのとき水を汲んでくれればいいものを、熱いお茶を私が剛が悪いと幸太郎が反論し、悠木親子はそれを聞いて良く笑い、そして美味しく小饅頭を食べたのであった。
剛はコーヒーの良し悪しは解らなかったが、お茶以外で食べる饅頭も悪くない。そして自分を東京に呼び寄せてくれた幸太郎、そして温かく迎い入れてくれた悠木親子に感謝をするのであった。
こうして羽佐間剛の東京暮らしは幕を上げた。
1931年4月19日のことである。
入り口から見て右手から奥に向かってカウンターに椅子が6つ並んでいる。カウンターの中は決して広くないが壁に作られた棚にコーヒー豆やカップがきれいに並べられ、そのなかに割烹着に身を包み品よく微笑みかけてくる女性がいる。
「こちらが東風亭の女主人、悠木初枝さん」
幸太郎の紹介に合わせて挨拶をする所作には、物腰の柔らかさとどこか芯の強さを感じることのできる女性である。
「そしてこちらが娘さんの千春さん」
ちょうど店の片づけをしていたのだろう。彼女は白のブラウスに紺のスカートという私服姿にエプロンをし、手にはテーブル拭きを持っていた。
「彼女はここでお母さんの手伝いをしながら役者の勉強をしている」
母親よりは父親に似ているのだろうか。剛には彼女の中に母、初枝との共通点をそれほど見いだせなかったが、剛の妹も、母とはまるで容姿も性格も違っていたことを考えれば、珍しい事ではないのだろうと思った。
初枝が目じりの下がったやさしい細い目をしているのに対して、千春の目は黒く大きな瞳が印象的で、ずっと見ているとその中に吸い込まれてしまいそうな無垢な純真さがある。
髪は短く、シルエットだけでいえば男の子にみえないこともないが、彼女の放つ女性的なエネルギーは母親譲りであり、ボーイッシュであることで逆に強調されているのかもしれない。
小さな口の左側には笑うとえくぼができ、結果として少女らしい可愛らしさが印象に残る。
「役者の勉強だなんてお恥ずかしい。ただ好きでやっているだけですのよ」
「いやいや、千春さんのそれは大したものですよ。大女優になる素質は十分にあると言える」
幸太郎が自分のことのように初枝さんを褒めるのが、剛にはとても可愛らしく見えた。
「ほう、幸太郎は東京に来て、演劇を見る目も養っていたとは驚きだ。向こうにいたときにはシェイクスピアだのバイロンなどというものは、ただただ女々しいばかりだとか、そんなものを読んでも飯の種にはならないとか、散々なことを言われように思うが、記憶違いだったかな」
幸太郎は所在無さげに頭をかき、みんなはそれを見て笑った。
「剛さん、お部屋にご案内しますわ。荷物を置いたら当店自慢のコーヒーを御馳走させて下さいな。幸太郎さんもまだ、お時間あるのでしょう?」
幸太郎は、「時間はあるがご馳走になるわけにはいかない」と、律儀にコーヒーを注文しようとしたが、もう閉店しているので、商品のコーヒーは出せないと言われ、しぶしぶ納得をした。
「千春、お部屋にご案内差し上げて」
「はい、お母様。剛さん、どうぞ奥に」
剛は「お世話になります」と挨拶もそこそこに千春の案内で店の奥に案内された。
そこには段ボールや木箱、麻袋がきれいに積まれていて、勝手口と二階に上がる階段がある。薄暗いものの清潔感はしっかりと保たれている。
「少し急ですけど、お気をつけておあがりください。ここは靴のままで結構ですから」
階段を上がる。ところどころきしむところがある。それなりの年輪を感じる。剛は千春の後姿を見上げながら、このような可憐な女性とこれから日常的に顔を合わせることは、自分にとってどういうことになるのか――出会ってすぐにこれだけ笑いあえる関係と実家での陰鬱な暮らしとの間のギャップに心を曇らせていた。
階段を上りきると、そこには流しがあり、鍵がかかる敷戸に張り紙がしてある
『ここはトイレではありません』
「これ、はがそうかどうか、悩んだんですけど、たまに間違えてここまで来ちゃう客さんがいらっしゃりますよの」
「ああ、なるほど」
千春はエプロンのポケットからカギを取り出し、戸を開けた。
「こちらの鍵はお預けします。一応、私達も同じものを持っているのですけど、よろしいかしら」
千春は鍵を二つ手に持ち、そのうちの一つを剛に渡した。
「ええ、かまいません。むしろお持ちいただかないと、これを失くしたら大変だ」
剛は鍵を受け取り、草履を脱いで部屋に上がった。
がらんとした部屋の隅に布団が一組畳んで置いてある。6畳の部屋の真ん中に段ボールの箱が二つ置いてある。
「先に届いた荷物はこの二つでよろしかったかしら。お布団はこれを使ってください」
千春は更に部屋のふすまを開けると4畳のほどのスペースに通りに面したところは出窓になっている。
「こちらを書斎にお使いになるといいでしょう。この机も自由にお使いください。食事は下で済ませばいいかと思って。でも一応食器類は人揃え、こちらの茶箪笥にございますから、こちらも使ってください」
窓の外は向かい側には『なかた書店』と書かれた大きな看板が見える。通りを往来する人の流れを見るのは、ちょっとした人間観察になるかもしれないと剛は考えた。
「気にいりました。とても良い部屋です。何から何まで用意していただいて、恐縮です」
「良かったですわ。気にいって下さって。さぁ、荷物を置いて、下に降りましょう」
剛は荷物を置いて部屋をいったん出ようとしたが、あることを思い出して、部屋に引き返す。
「そうだ。ちょっと荷物をほどきますので、どうぞ先に降りて下さい。すぐに行きますから」
「あら、そう、じゃあ、そうしますね」
千春は剛を待とうかと少し躊躇した様子だったがすぐに下に降りて行った。
「例のもの、例のものっと……」
剛は持ってきた荷物をほどき『清水屋』と書いた包装紙に包まれた箱を取り出し、千春の後を追いかけた。
「幸太郎、こいつをみんなで頂こうか」
「まぁ、なんですの」
「清水屋の小饅頭と言って、これはなかなかのものですよ」
剛は幸太郎に見えるように箱を持ち上げた。
「あっ、それは……」
幸太郎は何か言おうとして、首を振り、そして大きくうなずく。
「私が知る限り、世界で一番旨い饅頭ですよ」
「あらあら、いいんですか。それ、幸太郎さんが楽しみにしていたお土産なんじゃありませんこと」
初枝が幸太郎の表情から思いを察する。
「心配には及びませんよ。ちゃんと幸太郎の分は別に容易してあります。ほら、この通り」
剛は後ろ手に隠し持っていた、もう一つの箱を得意げに抱え上げた。
「まぁ、よかったわね。幸太郎さん」
千春は笑顔を振りまき、初枝は東風亭自慢のコーヒーを二人に振舞った。
「剛よ、これはなかなかのものなのだぞ」
幸太郎はコーヒーの香りを愉しみなが、東風亭特製ブレンドコーヒーを味わい、そして大好物の小饅頭を口に頬張った。初枝と千春はその様子を見届けてから饅頭を口にする。
江戸時代、東海道五十三次の23番目の宿場町、島田宿にあった清水屋の小饅頭は東海道一上手いという評判だっとという話や、幸太郎が子供の頃に欲張り過ぎて、喉につかえて大変な騒ぎになったと剛が話せば、そのとき水を汲んでくれればいいものを、熱いお茶を私が剛が悪いと幸太郎が反論し、悠木親子はそれを聞いて良く笑い、そして美味しく小饅頭を食べたのであった。
剛はコーヒーの良し悪しは解らなかったが、お茶以外で食べる饅頭も悪くない。そして自分を東京に呼び寄せてくれた幸太郎、そして温かく迎い入れてくれた悠木親子に感謝をするのであった。
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