リコの栄光

紫蘇ジュースの達人

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ナヨン

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「ずいぶんじゃないか。毎週あんな美人とデートしてるの隠してるなんてさ。」

サッチは手に持っていたコーヒーのカップを屋上の柵の淵に置いて、不機嫌そうに言った。

「別に秘密にしていたわけじゃないって。

「それにしても二人でついてこなくったっていいじゃないか。」

リコもムキになって言い返す。

昼休みは自由時間で、トレーニングをしている学生もいれば、寝ている学生もいる。リコと

サッチはだいたい屋上でコーヒーを飲むのが日課だ。

「まあ、それは冗談としてさ。あんな美人とどこで知り合ったの?リコはすごいなあ。」

不機嫌そうなフリをしていただけで、サッチはとてもうれしそうだ。

「たまたまあの噴水で出会ったんだよ。まあ運命のいたずらってやつかな。」

「・・・。」

「まあ、なんでもいいけどさ。あの人、どこかで見たような気がするんだよね。」

「うーん。思い出せない。」

「どうせまたお前の好きなマイナー女優とか、地下アイドルとかだろ。」

「違うって(笑)」

「ドンッ」

「!?」

二人の前に勢いよくカバンが置かれた。現れたのは眉間にしわを寄せたモモだ。

「楽しいお話し中失礼しますね。」

「モモさん、何か怒ってらっしゃいます?」

「別に。毎週毎週、デート楽しそうで何よりです。」

「そういえば、来週テストでしたよね。お勉強が苦手な誰かさんは、遊んでる暇なんてあったかしら。そういえば、去年のテスト問題先輩から内緒でもらったのよね。これから勉強しなきゃ。またねー。」

二人はテストのことなんかすっかり忘れてしまっていた。

モモは、解答用紙らしい紙をカバンの中から取り出すと、ひらひらとなびかせながら階段

のほうへ歩いていく。

「ちょっと、待ってって。モモさん。モモ様―!」

二人が必死で追いかけたその時、校内一斉放送のチャイムが響いた。

「訓練生に連絡事項あり。至急屋内訓練場に集合せよ。繰り返す。~」

「ロキ教官の声だ。何だろうね。」

サッチが心配そうに言う。

「とりあえず急ごう。」

三人は屋内訓練場へと急いだ。
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