リコの栄光

紫蘇ジュースの達人

文字の大きさ
11 / 12

ナヨン

しおりを挟む
「ずいぶんじゃないか。毎週あんな美人とデートしてるの隠してるなんてさ。」

サッチは手に持っていたコーヒーのカップを屋上の柵の淵に置いて、不機嫌そうに言った。

「別に秘密にしていたわけじゃないって。

「それにしても二人でついてこなくったっていいじゃないか。」

リコもムキになって言い返す。

昼休みは自由時間で、トレーニングをしている学生もいれば、寝ている学生もいる。リコと

サッチはだいたい屋上でコーヒーを飲むのが日課だ。

「まあ、それは冗談としてさ。あんな美人とどこで知り合ったの?リコはすごいなあ。」

不機嫌そうなフリをしていただけで、サッチはとてもうれしそうだ。

「たまたまあの噴水で出会ったんだよ。まあ運命のいたずらってやつかな。」

「・・・。」

「まあ、なんでもいいけどさ。あの人、どこかで見たような気がするんだよね。」

「うーん。思い出せない。」

「どうせまたお前の好きなマイナー女優とか、地下アイドルとかだろ。」

「違うって(笑)」

「ドンッ」

「!?」

二人の前に勢いよくカバンが置かれた。現れたのは眉間にしわを寄せたモモだ。

「楽しいお話し中失礼しますね。」

「モモさん、何か怒ってらっしゃいます?」

「別に。毎週毎週、デート楽しそうで何よりです。」

「そういえば、来週テストでしたよね。お勉強が苦手な誰かさんは、遊んでる暇なんてあったかしら。そういえば、去年のテスト問題先輩から内緒でもらったのよね。これから勉強しなきゃ。またねー。」

二人はテストのことなんかすっかり忘れてしまっていた。

モモは、解答用紙らしい紙をカバンの中から取り出すと、ひらひらとなびかせながら階段

のほうへ歩いていく。

「ちょっと、待ってって。モモさん。モモ様―!」

二人が必死で追いかけたその時、校内一斉放送のチャイムが響いた。

「訓練生に連絡事項あり。至急屋内訓練場に集合せよ。繰り返す。~」

「ロキ教官の声だ。何だろうね。」

サッチが心配そうに言う。

「とりあえず急ごう。」

三人は屋内訓練場へと急いだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする

夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】 主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。 そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。 「え?私たち、付き合ってますよね?」 なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。 「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。

痩せたがりの姫言(ひめごと)

エフ=宝泉薫
青春
ヒロインは痩せ姫。 姫自身、あるいは周囲の人たちが密かな本音をつぶやきます。 だから「姫言」と書いてひめごと。 別サイト(カクヨム)で書いている「隠し部屋のシルフィーたち」もテイストが似ているので、混ぜることにしました。 語り手も、語られる対象も、作品ごとに異なります。

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

鐘ヶ岡学園女子バレー部の秘密

フロイライン
青春
名門復活を目指し厳しい練習を続ける鐘ヶ岡学園の女子バレー部 キャプテンを務める新田まどかは、身体能力を飛躍的に伸ばすため、ある行動に出るが…

処理中です...