半世紀生きて、やっと小説完成しました

さんかく ひかる

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小説は完結を目指すものと思ってたが……

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 万年投稿小説初心者のエッセイです。
 最近、小説から脱線した自分語りが続いていましたが、今回から小説にまつわる愚痴に戻ります。

 私は長い間、小説執筆は、完結を目指すべきと考えていました。
 プロや、プロではなくてもウェブの人気作家さんともなれば、読者の要望に応えるため、あえて完結させずに連載を続けるかもしれません。
 しかし基本は、誰もが完結を目標にしている、と思っていました。

 ですが、私のように完結させるのが精いっぱいというレベルの人間ではなく、プロ志望や上位アクセスを目標に頑張っている方の中には、完結を重視しない方がいらっしゃるようです。
 それをSNSで知り、結構ビックリしました。
 試しに書いてみて、人気が出なかったらその作品は中断して、次に行くそうです。
 上を目指している方の中には、人気がない作品には愛情が持てない、とおっしゃる方もいます。


 私にとって、小説は、子どもみたいな感じです。出来が悪くても出来が良くても子どもは子ども。ダメっ子も賢い子も可愛いもんです。

 でも上を目指すなら、そんな甘いことは言ってられないのでしょう。
 人気がないなら、勇気を出して思い切って切り捨てる。時間や労力は有限、金銭にならない、反応が得られない作品に拘るより、新作をどんどん書いた方がいいのでしょう。
 作品は子どもではなく文字通りプロダクト。赤字を垂れ流す商品は生産中止した方がいい。おいしい果物を作るためには剪定が必要。芽をすべて残していったら栄養が分散し、どれ一つ売り物にならないのだから。

 試しに書き、人気が出なかったらそのままにして、新作を書く。
 書くのが精いっぱいの自分にとっては驚きでしたが、プロを目指す、プロではなくてもランキング上位を目指すためには、そういう考えもあるかもしれない、と思い直しました。


 ただ読者としては、そういう戦略なら、まず短編で試して、人気出たら長編にするという、漫画雑誌にある手法にしてくれるとありがたいけど、難しいですかね?
 お試しの短編が難しく不人気の長編を放置するなら、「中断します。再開未定」の一言があると助かります。
 ほかに、勉強や仕事・家庭の事情で中断せざる得ない場合や、小説執筆をする気持ちがなくなった場合も、一言、当たり障りのないコメントを残していただけると嬉しいです。
 無料のウェブ小説にそこまで求めるなよ、って言われればそれまでですが……。


 ともあれ、戦略的中断、生活の事情、気持ちの問題で小説から遠ざかる場合は、仕方ありません。
 問題は、意欲があるのに続きが書けない場合です。
 私自身、長編小説を書いていると、何度も中断したくなります。
 こういう時、どーしたらいーんでしょ?
 完結させたい気持ちがあるのに、力不足で続きが書けない場合。


 今から書くことは、プロになりたい、ランキングに載りたい、と上を目指す方は無視してください。


 私の目標は、自分が読んで楽しくなる作品を完結させることです。
 古今東西の名作を読んで目が肥えている方だと、この目標は辛いかもしれません。なんで自分にはあのような作品が書けないんだ! と落ち込まれるかも。
 が、幸い私は自分には相当甘いので、なんとなく小説っぽい雰囲気のナニカができれば充分です。
 それでも長編小説を完結させるのは大変でした。


 多分、次のような気持ちでいれば、長編小説は完成できると思います。

 ・焦らず時間をかけて、それなりに納得できるまで考える
 ・いやになったら、カッコつけずあきらめて、開き直る

 身も蓋もありません。


 いつも、小説の出だしはテンションを上げて書きますが、途中、このテーマは自分には無理だと気がつきます。
 知識ないし、ボキャブラリーないし、筆力ないし、人生経験薄いし、何もかもないし……
 中断したくなりますが、私は、次のように自分を励まします。

 この小説は完成品じゃない! ドラフトだ、叩き台だ、小説を読んだ方が「私の方がマシな小説書ける!」と発奮してくれたら、こんな素晴らしいことはない!

 実に後ろ向きです。
 でも誰かがそう感じて、新たな小説の書き手になってくれれば、下手な自分でも書いた意義があるんじゃないかな?
 本気でそう思っています。
 これは、二つ目の長編のあとがきに書いたことです。


 お話書きって、本当にいい趣味だよ。
 見た目がどうでもお金がなくても不器用でも何もなくても楽しめるんだから。
 なので私は、会う人会う人にお話書きを勧めています。ウザがられていますが。


 次回は、今回の続き。執筆に行き詰まった時、どうするかを話します。
 いや、いま、本当に行き詰まっているので、どなたか助けてください……。
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