上 下
38 / 393
番外編 Y戦士~スケホの場合~

第12話

しおりを挟む
「あは、見つけたわ」
 突如、小さな女の子が現れた。

「君は、デイト」
「はじめまして、ゆと君。そして、おばかなお姉ちゃん」

 デイト。
 みちびとスケホの妹で、身長は150センチ代前半。
 一人称は、「あたし」。

「まさか、スケホお姉ちゃんが警察なんて、知らなかったわ」
「こっちもだ。まさか、デイトが黒幕とは知らなかった」
「あら、お姉ちゃんってば、頭いい。
もう、黒幕とか見つけちゃうんだ」

 Y戦士の黒幕とは、みちびとスケホの妹のデイトだった。

「大馬鹿なみちびお姉ちゃんの次は、
ばかなスケホお姉ちゃんを騙そうと思ったのに、残念ね」
「バカはどっちだ」
「なあに? 悔しいの?」
「自分から現れることが、バカと言っているんだ」

 デイトは、警察に囲まれ、逮捕された。
 スケホは位置情報と、スピーカーを仕込んであったらしい。

「覚えてなさい」

 そう、これで事件は解決してしまった。

 スケホの話によると、
 デイトはかなりのお調子者らしい。
 自分はモテると勘違いして、二股をして、後々厄介なことにもなったらしい。

「これで、全ては終わる。
もう、会うことはないかもしれん」
「待って、その前に君に姉もいなくて、妹もそんな感じで寂しくないかな?」
「所詮、オレはそうゆう恵まれない家庭だったんだ」
「なら、僕と一緒にならない?」
「どゆうことだ?」
「スケホとずっと一緒にいたいんだ」

 僕と、スケホは恋人同士になった。
 いつしか、結婚を前提とした同棲もするようになった。

 デイトの方はと言うと、
「何よ、お姉ちゃんばかり幸せそうに。
あたしなんて彼氏と付き合っても、すぐ別れて、結婚に行きつけないのに」

 そう、デイトはダメ男によく引っかかるらしい。

 みちび、スケホ、デイトの中で、デイトが正直に言うとかわいいけれど、
 性格的には受け付けなかった。

 僕と、スケホは結婚をするようになり、
 子供を授かった。

 デイトは、妬んではくる。
 デイトは年齢を重ねて、老けてきても、性格は変わらなかった。

 デイトも30、40になっても、自分のことをもてるかわいい女と思い込む、
 痛い女となっても、本人はそこことに気づかないでいた。

 僕と、スケホは愛し合うようになっていた。
 スケホは、警察は自分の好きな仕事という理由で、今は公安警察から、婦人警察になっていた。
 僕と、スケホは異世界で暮らすようになり、
 僕は新入社員で精神を病み、会社を辞めてからは、
 スケホと結婚して、専業主夫をやっていた。

 人間世界での専業主夫は、冷ややかな目をされるけれど、
 異世界では、それは個人での自由となっているらしい。

 僕は、スケホと幸せにやっていこうと思う。
しおりを挟む

処理中です...