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番外編 タイトのクエスト

第2話

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 僕には、同じクラスで仲良しの五人グループがいた。

 石ノ木レオ君。
 喧嘩早くて、隣のクラスの子や上級生とも喧嘩している。
 クラスで1番背が高い。

 弓時るいき君。
 僕の親友。
 怖がりだけど、とってもいい子なの。

 美元《びもと》繭《まゆ》ちゃん。
 実は、実家が大金持ちのお嬢様。
 すごい美人さん。

 
 蒼空 守璃《そら まもり》ちゃん。
 おとなしくて、温和で、かわいい。

 
  タイトが家に帰ってくれば、母さんがいる。
  母さんは、パートやっているけど、なぜか僕が帰ってくる頃にはいる?

「慄胡ちゃんとは、今日も遊べるの?」
「突然、どうしたの?」
「家にはすでに帰ってるかなと思って」
 そしたら母さんはクスリと笑った。
「何で笑うの?」
「さびしいの??」
「うん、母さんは思わないの?」
「あんまり考えたことないかしら」
「どうして?」
「さあ、どうしてかしらね」

 母さんがよくわからなかった。
 ただ母さんはタイトの話を否定することなく、最後まで聞いてくれる。
 そこがタイトにとっては救いだった。
 母さんは聞き上手だった。
 嫌な顔1つせずに聞いてくれる。

 タイトはさっそく質問してみることにした。
「母さん、それはどうゆうこと?」
「そのままの意味よ」
「それって、どんなかんじ?」
「どんなかんじって言われても答えにくいわよね」
「どうして?」
「特に深い意味はないわ」
「毎日、遊びたいって思ったことないの?」
「思えないかも。
母さん、忙しいから」
「忙しいって、何が?」
「大人になったら、わかるわ」

 タイトよりも背が高い母さんだけど、いつか背を抜かす日が来れるかな?
 昨日身長測ったら、伸びていたんだよね。
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