異世界勇者~それぞれの物語~

野うさぎ

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番外編 海賊に愛されて

第2話

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 海賊の船長ザイコスキーと一緒に寝る、一緒にお風呂、キスをする(最初は浅いキスだったけど、そのうちディープなキスとなった)、ほのめの体に触る。

 そんなことが続いた。



 そういえば、家族は今更どうしているだろう?

 家族が恋しくなった。

「家族に会いたいよ‥‥」

 ほのめはザイコスキーにお願いしてみた。

「あなたに帰る場所はないわ」

「どうして?」

「何者か邪心に襲われたから」

「邪心?」

「あなたを守るためにここから避難させたのよ」

 邪心が何なのかわからない。

「考えさせてちょうだい」



 ほのめには姉がいた。父さんに母さんもいた。

 姉さんは「ほのめ君」といつもほのめを呼んでいた。

 背が高い俺と違い、姉さんは150センチ未満で、ほのめより小柄だった。

「ほのめ君」

「姉さん」

「ほのめ君、勇石神《ゆいか》は、心配したんですよ?」

 姉さんもほのめと同じように自分のことを名前呼びする。

 ただ、ほのめは時々「俺」になるけど、姉さんは時々「僕」と言う。

「どうして、ほのめはどっか行くのですか?

パパもママも心配しますわ」

「していいもん。

どうせ、ほのめが帰って来ると思ってるから」

「勇石神もそう思ってました。

だけど、帰りましょう?」

「どうして、姉さんはそんなにいつも明るいの?」

「うーん、どうしてですか‥‥

勇石神は、明るくないと誰も励ませれないから」

 姉さんは不思議な人だった。

 そのときはおかしな人ぐらいしかなかったけど、今としては恋しくなる。



「会いに行きましょう、ご家族に」

「本当?」

 ほのめは嬉しくなった。

「ただ、危険なので要注意よ」

 家族に会いに行くぐらいで、何が危険なんだが。

「行くわよ」



 船で行った矢先

 ザイコスキーとほのめの二人で、炎道家に向かう

 やっと帰れる。

 だけど、見つけたのは、父さんと母さんの倒れているところ

「父さん、母さん」

 二人とも息がない。

 姉さんは?姉さんがいない。

「姉さんは?」

「二人とも殺されているわね。

 今は逃げましょう」

「嫌だ、姉さんがいない‥‥」

「生きている保証はないわよ」

 ほのめの腕を掴むザイコスキーの手を振り払って、家の奥へと進む。

 そこで見たのは‥‥

「姉さん‥‥?」

 姉さんじゃない。

 姉さんの姿をしているけど、歯は青いし、左目からは黄色の液体が流れているし、胸は大きくなってるし(こんな短期間で育つか?)、爪は紫になってるし、唇は黒かった。ただ、身長は変わらないようだ。

「ぐううう」

 姉さんの姿に似たものが威嚇している。

「姉さん?」

 ほのめは呼び掛けた。

 すると‥‥

「ほお‥‥」

 何か喋ろうとしている。

「の‥‥」

「姉さん」

 ほのめは抱きついた。

 そしたら、姉さんの姿をした者は、右目からも黄色の液体を流した。

「あ‥‥え‥‥」

 何かを言いたそうだった。

「姉さん、ほのめだってわかる?」

「う‥‥‥‥ん」

 後ろからザイコスキーが「そいつから離れてよ」と叫んだ。

「嫌だ、姉さんだから」

「あなたの両親を殺した犯人かもしれないわ」

「姉さんはそんなことしない!」

 姉さんはザイコスキーに威嚇をした。

「これは、何があったのかしら?」



 ほのめは姉さんを連れて、海賊船に乗った。

 父さんも母さんも死んだけど、姉さんは生きててよかった‥‥。

「姉さんが犯人じゃないよね?」

「う‥‥‥‥ん」

「犯人は誰なの?」

「あ‥‥‥‥‥‥え‥‥‥‥」

 姉さんは言葉になってない。

 喋れてない。

「諦めなさい。これはもうすでに人間じゃないの」

「まさか、姉さんは生まれた時から人間だった」

「生まれた時はそうだったかもしれないけど、今は人間じゃないの」

 姉さんは両目から黄色の涙を流した。

 涙の色も、血の色も、爪の色も、唇の色も、歯の色も違うけど‥‥

「人間だよ」

「明らかに見た目でわかるでしょう?」

「人間だから、泣くんだよ。

ほのめは姉さんを信じる」

「そんなに大事?」

「大事」

「あたしよりも?」

「え?」

「あたしもほのめを愛してる。ほのめが好き」

「わかったよ‥‥」

 ザイコスキーがほのめを抱きしめたから、ほのめは抱きしめ返した。

 姉さんはその様子を見て「よ‥‥‥‥‥‥か‥‥‥‥あ」と喋った。

 多分、よかったと言う意味だと思う。姉さんなら言いそうだ。

 どうして、姉さんがそうなったのか、父さんや母さんを殺した犯人が誰か突き止めること、姉さんを人間に戻す方法をほのめが探すんだ。

 こうして、ほのめは前へ進むことができるようになった。

 こいつが本当に姉さんかどうかはわからない。だけど、姉さんのような気がする。

 本当は姉さんは人間のままで、どこかにいるという期待をしている自分がいた。

「姉さん、自分の名前わかる?」

「う‥‥‥‥ん」

「自分の名前言える?」

「ゆ‥‥‥‥‥‥い‥‥‥‥あ」

 ゆいあ?勇石神には近いしなあ。

「本当にゆいあ?」

「ち‥‥‥‥が‥‥‥‥」

 否定してる。自分の名前わかるのか?

 だけど、本当に姉さんかどうか確かめないと‥‥。
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