異世界勇者~それぞれの物語~

野うさぎ

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番外編 空賊暮らし

第1話

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 俺は、飛野《とびの》ソラ。

 気がついたら、見知らぬ場所にいた。
 どうゆう経緯でここに来たんだ?

 まわりを見渡せば、船で寝ていたそう。
 未成年だし、年齢的にお酒なんか飲まないしなあ。

 俺は極度の高所恐怖症で、空飛ぶ飛行機だが、船だか知らないけど、勘弁してほしい。
 こわい、こわすぎる。
 俺はただ恐怖に震えるしかなかった。

 夜空か?宇宙か?
 どちらともとれる色だった。
ただ、宇宙だと呼吸できないだろうから、多分夜空だろうな。

「気がついたか」
 目の前に筋肉質の俺より背が高い男が現れたから、
「うわああっ」
「悪い。脅かすつもりない」
 独特な喋り方とユニークな発音をするそいつは、   
 深々と頭をさけたけど、俺はそんなによりも‥‥。
「ここどこだ?
俺は帰りたい」
「帰れない、思う。
ここは、宇宙外を羽ばたくから」

「宇宙外って‥‥?」
「宇宙のことを貴様たちは、地球外とか呼ぶだろう。
それと同じだ」
「はあ‥‥」

 つまり、俺は地球にいないってことになるよね?
 言うなれば、宇宙にもいなくて、宇宙を抜け出したことになるよね?

 これからどこに向かおうとしているんだろう?
 まず、何故俺がここにいる?
 俺は誘拐されたのか?それとも俺が知らない間に足を運んだか?
 前者のような気がするけど。

 そんなことを考えていたら、男が口を開いた。
「貴様、ここに来た経緯を覚えとるか?」
 唐突な質問だった。
「覚えてない‥‥」

 俺が恐る恐る答えると、男がしばらく黙りこんでから静かに語る。
「なら、貴様は我を知らぬということになるな」
 知るわけない。

 俺は記憶喪失か?記憶のどこか抜けているのか?
 だけど、自分の名前を覚えているし、家も、親も、友達のこともわかる。
 こいつのこととか、ここに来た経緯を知らないだけ‥‥。

「貴様、名は何という?」
 まず、自分から名乗れよ。

「飛野ソラ」
「珍しい名だな」
 そうか?

「我は、蛾通《がつ》だ」
「がつ?」
「そうだ。
漢字だと画数が多すぎて書きづらいと言われるので、
書いてもらう時や書くときは、
カタカナか、
ひらがなにしてもらっとる」
 そうゆうことですか。
 どうでもいい情報ありがとうございます。

「わかったら、帰してよ」
「帰してやりたい、と言いたいところだ」

「言いたいところって‥‥?」
「ここは、地球からはるか遠い。
ソラ殿は契約に身に覚えがないとしたら、
父殿、母殿、あるいは双方、
内緒で我と取り引きしたことなる」
「取り引き?」

「知らぬか。なら、よい。
仕組まれたのは、ソラ殿の同意を得てないということ仕方ない。
親から虐待、ネグレスト、喧嘩などした覚えあるかい?」

「ないけど、うちの両親離婚してて、
両親は二人とも血のつながりないし、
新しく赤ちゃんができて‥‥」

「なるほどな。

なら‥‥これ以上は言うまい。
探ってしまってすまない。

我は事情も知らずに、
ソラ殿から直接話を聞くこともせず、
本当に申し分ない、と思う。

頼みは、誤解しないでくれ。
我らは、誘拐はしとらん。
寝とる間に貴様の両親から引き取ってくれ、と。

貴様を起こしてでも、
事情を聞くべきだったかもしれん。

今更、どうしようない。
貴様の願い、なるべく叶えるようしたい。
玩具の購入か?
肉類の要望か?
欲望の度を越えなければ、答えてやる。
それでよいか?」

「多分‥‥」

「気が進まぬようだな。
が、仕方あるまい。
混乱と困惑もある、と思う。
ゆっくり考えとくれ。

ただ、複数に迷惑のかかる得手勝手はするな?」

「うん‥‥」

「有り難い。
なら、我は他の者の様子を伺うことにするぞ?
何か困れば、いつでもいいと思われるぞ?
では、これで」

 蛾通は、軽くお辞儀をするとその場から去った。

 どこまでか本当なんだか。

 蛾通は難しい言葉を使うわりには、
 発音も独特だし(方言とは違う感じがする)、沈黙になってからゆっくり話し始めるし、
 不思議な雰囲気を感じさせた。

 さて、これから何をしようか?
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