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番外編 ミステリー探偵団

第8話

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 事件は起きた。
 いじめられっ子が死んでいた。

 容疑者は、クラスメート全員と担任の先生。
 あたしも含まれていたけど、一番疑われるのはいじめっ子となる。
 だけど、いじめっ子のママたちが、「私の子はいじめなんてしない」「殺人もしない」と騒ぐ。
 
 わずか10歳前後でも人を殺せるし、憎悪の感情を持つ。
 今は考えても答えがでない。
 どうにかして誤解を解かなくてはならないけど、誤解を解こうとしてることを悟られてしまえば、罪逃れと疑われる。

 担任の先生とかは疑いの対象が大きい。
 学校内で事件が起きてるとすれば、先生全体が疑われるけど、中には担任の先生には一番疑いの目がいきやすい。
 警察の推理も、信用できないものと思った方がいい。
 警察は情報をそこまでしっかり掴めるか定かではないからだ。

 まず、警察がどう思っているのか知ることから始めよう。
 他の探偵団は、子供みたいな感じだし、当てにならないし、当てにしてない。

 警察の話をこっそり聞いた。
「あの子、死因がわかりませんな、自殺じゃないですか?」
「自殺にしてみれば話がおかしい。髪がロープに絡まっていた」
「だけど、縄の巻きが緩いですよ?」
「下手くそなだけだろ?」

 学校内に縄なんてあるっけ?
 包丁とかなら家庭科室から持って行けばいいけど、縄なんて普通に考えればどこにもないはず。

「可哀想になあ、僅か10歳で」
「わしの孫も10歳でな」
「お孫さん、いたんですか?」
「馬鹿にしとるのか」
「孫がいるような年齢に見えないのですが」
「よく言われる」

「あの子は確か、親から虐待を受けていたという通報が過去にあったのですが」
「詳しく聞かせてくれないか」
「母親から、縄で縛られると近所の方から通報がありました」

 母親?犯人はもしかして母親?
 決めるのはまだ早いわね。
 母親が学校内に来て、わざわざ殺人を犯すとか考えにくい。
 誰かに罪を着せるためだとしても、学校といういつ、どこで、誰が見てるかわからないところだと不利になる。

 担任の先生なんかじゃないはず。
 普通に考えれば、担任の先生が疑われる。
 でも、小学生の言うことをどこまで信じるかわからない。
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