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番外編 ミステリー探偵団

第7話

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 四年生になれば、カップルが成立し始める。
 だけど、クラスの男子は子供ぽっく感じるから、五年生とか六年生の先輩と女の子たちは付き合い始めるの。

 いじめとかはやっぱりひどい。
 放課後トイレに閉じ込めて、先生がきずくまてそのままだとか。
 
 何でいじめとかあるの?
 これって、犯罪の一環だよね?
 止めに入る?止めに入るとかあたしが巻き込まれたら本末転倒よね。
 隠しカメラがあれば撮れるけど、そんなもの学校に持ってこない。

 二年生の探偵団の一人である歩未ちゃんが、「四年生でいじめが酷くない?」と囁いてきた。
「子供には理解できないかもしれないけどね」
「子供じゃないもん」
「ごめん、ごめん。
とにかく、事件でもないことに首を突っ込もうとか考えないでほしいの」
「どうして?」
「どうしても」
「理由になってない」

 どうしたら、二年生ぐらいのお子ちゃまにもわかるように話せるかしら?
「話を大きくしなくないの」
「話?」
「いじめとかは、些細なきっかけで大きくなるの。
だから、見なかったことにしつつ、解決法を考えるって言うのが大人のやり方だと思うな」
「いじめは犯罪って言うよ。犯罪を見てみぬふりしていいの?」

 このませガキ、変な情報ばかりどこからかとってくる。
 あたしも考えないと、歩未のことだ。何かをやらかすにちがいない。

 あたしも、二年生ぐらいの時は大人になりたくて、 背伸びをしたもんだ。
 高いものをとろうとしたり、
 意味もわからないのに新しく聞いた言葉を使ったり、
 化粧とか勝手にして、
 泣くのを必死でこらえたり、
 ヒールの高い靴がないかお店で探してみたり、
 重たい買い物袋を一人で持とうと頑張ってみたり、
 今となってはどれも懐かしい。

「犯罪者を捕まえたい時は、どうすると思う?」
 子供の言うことを微笑ましく思う自分と、
常識から外れた発言を許せない自分がいて、
葛藤しつつ笑顔を作る努力をしていた。

「そのまま現行犯逮捕」
 殴っていいかしら?
 多分、同い年の男子が同じ発言していたら、殴っていたことが脳裏に浮かんだ。

「様子を見るのよ。一番いいチャンスを掴むために」

 納得してくれるかはわからない。
 子供なりに考えてはいるだろう。

 いじめていい理由なんて、どこにもない。
 あたしは葛藤している。いじめから助けたい気持ちと。
 だけど、あたしが冷静にならなきゃ誰がなる?
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