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読み切り

第6話

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 ヤミーが一人で帰ってきて、サクラ様を抱っこしていたのですぞ。
 さくらさん、おいら、咲良ちゃんの前で話をすることになりましたぞ。
「やっぱり、僕は決めたんだ」
「決めたって、何をですか?」
「僕の両親と、サクラ様の両親で、あとは、僕の祖父母でみんなで過ごそうかな、と。
それなら、子供を育てられないとか、そうゆうことはないかな」
「となると、どこに住むのですか?」
「日本にはいる。だけど、両親ばかりに負担をかける申し訳なさがあるなら、祖父母とか親戚とかの力を借りてもいいかな、と。
僕とサクラ様は祖父母の家に同居しよと思っていて。
さっき、連絡とったら、いいみたいだった」

 どうやって、連絡とったんだろう?

「わかりましたぞ。さくらさんがどう思うかがあると思いまずぞ」
「あたちは、賛成だにゃ」

 こうして、さくらさんに転送されて、サクラ様も、ヤミーも、人間世界に帰ることになっのですぞ。
 ヤミーは、桜と一緒に闇の洞窟に向かい、兄のヒカリに会って、そのまま転送されたらしいですぞ。
 ヤミーから、黒幕のこと、詳しい経緯は聞かされていたですぞ。

 ヤミーは、自分とどこか似ている感じはしたけれど、そのことは言わなかった。
 実は、おいらの両親は中学生で、おいらの妊娠が発覚して、結局、おいらを育てられないなんて、話になりましたぞ。
 小学入学に莫大な費用がかかると聞いた両親は、おいらを捨てましたぞ。
 ヤミーの両親は大学進学と、自分の子供、自分の子供を選んだし、
 サクラ様の両親も、自分の子供を選んだですぞ。
 だが、おいらの両親は、大学進学することを選んだですぞ。
 今は、おいらのことよりも、大学生活を満喫しているという話を聞いて、おいらの存在価値はわからなくなったけれど、おいらは自分を見失わないようにしたのですぞ。
 大学卒業したら、おいらの子育てよりも、新しく二人目を作るなんて話を聞いた際には、絶望して、世の中が信じられなくなりそうだったけれど、そうゆう両親なんだとあきれたほうがいいとすぐに気持ちを切り替えることにしましたぞ。

「あたいたちは、いつまでこのメンバーでいられるでござるか?
サクラ様も、メンバーから外れるということになってしまったのでござる」
「さあな」

 おいらに帰る場所ないんだし、メンバーから外れるとかしたら、居場所なんてなくなるのですぞ。
 一人暮らしとか、今のおいらにはできなさそうだなと思うのですぞ。
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