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番外編 ミステリーカフェ

第1話

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 私は、人とうまくいかない。
 だから、ミステリーカフェとかに向かうの。

 難事件の話を聞いたり、解いたりすることは嫌いではなく、逆に好きな方だった。

 私がミステリーカフェに向かう理由は、
 他に居場所がなかったから。

 一日一食お昼しか食べていないため、私の体重はそんなになかった。
 職場では、痩せの大食いとして、有名だった。
 どんなに食べてなくても、大食い認定をされた。
 おにぎりを二個とか、
 パンを2、3個とか、
 お弁当箱二段でも、
「どうして、こんなに痩せてられるの?」と聞かれることがしょっちゅうだった。
「栄養の摂りすぎ」としても、騒がれていた。

 そこで私は「自分は大食いかもしれない」と思い、
 スープだけにしたり、
 ミニトマト一個とか、
 おにぎり一個とか、
 食事制限を始めてみた。

 食事は一日三食から、一日一食に変えてみた。
 その結果、激やせした。
 一日のうち、一キロ体重は減り続けた。

 それでも、「大食い」と言われたし、
 食べないは食べないで言われてしまうので、
 ミニトマト一個、
 チーズ一個を半分に折ってから食べたりもした。
 それでも「大食い」と言われた。

 だから、ミニトマト一個を半分に切ってから食べたし、
 チーズ一個を三分の一に折ってから、食べたりもした。

 影で食べたりしても、お局様たちは私のことを探し回ることを始めるようになるので、そうするしかなかった。

 男にモテてるわけではないのに、
「あいつは、モテてる」と女を敵に回していた。

 本当の私と、周りから見た私にギャップがあった。

 私は仕事行くだけなので、ファッションとかしなくていいように感じたけど、お局様たちはうるさかった。
 ミニスカートははかなかったし、
 ロングスカートか、ズボンのどちらかだった。
 電車とか乗るから、派手な格好はしたくなかった。

 私はLLサイズの服を着ることが多かったので、
「大きすぎじゃない?」と文句を言われたので、
 ワンサイズ下げて、職場で着ていく服をLサイズにして、プライベートで着ていく服をLLサイズにした。

 お局様たち曰く、ベージュのトレンチコートや全身黒コーデは似合ってなくて、
 ピンクが似合うとのこと。
 だけど、ピンクは恥ずかしかった。

 だから、うつ状態となり、体調を崩し、会社を退職せざるを得なくなった。
 その時、体は棒んぽようにやせ細り、再就職が難しい状態となっていたため、
 自宅での仕事を始めた。
 収入は安定しないけれど、自分の好きな仕事ができて楽しかったし、それはそれで充実していた。

 さて、過去話はこの辺にして、私はミステリーカフェへ向かった。






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