上 下
29 / 113
番外編 ミステリーカフェ

第4話

しおりを挟む
 保護犬カフェとか、保護猫カフェなのに、どうして、「ミステリーカフェ」なんて、名前がつけられていることに疑問を持つ人もいるかと思う。

 それは、一階に保護犬カフェに警察犬、消防犬、聴導犬、盲導犬、介護犬などいるから、警察や探偵の人も来るし、カフェには実は探偵事務氏があって、探偵は一人しかいないけれど、
 店長さんとは、大学時代の友達らしい。
 探偵を雇うカフェとかなかなかないし、カフェ経営をしつつ、探偵事務所もやっている不思議なカフェだ。

 私は、皆ちゃんとは、よく会う。
 皆は夜に港区女子として、活躍していたけれど、彼氏がいる以上、そういった必要もなくなり、
 仕事が休みの日は、こうしてカフェに来ている。

 皆は、ワンピースが多い。
 美容師で働く時は汚れてもいいようなズボンをはくけれど、
 私服はワンピースしか持っていないらしい。

 鞄も、財布とか携帯とか、必要最低限の物しか入らなさそうな、小さめのブランド物のバックばかりだった。
 私は、皆ちゃんが羨ましくて、しょうがなかった。
 母親は専業主婦で、結婚してからずっと専業主婦で、大学卒業なので、正社員でいる時期は2年たつかたたないかぐらいだったらしい。

 私の母は、週二日の、四時間勤務のパートをしていた。
 専業主婦でいられた期間なんて、子供が生まれて、一年もしないうちに、パートを始めたため、私は一歳にならないうちから、保育園通いだった。

 だから、専業主婦の生活の実態は想像がうかなくて、
 優雅な生活を送れるのかな、とも思えてくる。

 私も、本当はおしゃれな服を着たくても、どんな服が似合うのかもわからないし、
 お局様たちは気まぐれなので、気分によっても、発言が変わる。
 だから、私は自分らしさとか、おしゃれとか、働き始めてからはわからなくなっていったし、
 そう考えると、皆ちゃんと私は、すごく正反対だと思う。

 16歳の従妹は、153、0センチで、
 17歳の従妹は、153、1センチで、
 18歳の従妹は、153、2センチで、
 19歳の従妹は、153、3センチで、
 20歳の妹は、153、4センチで、
 21歳の妹は、153、5センチで、
 22歳の妹は、153、6センチで、
 23歳の妹は、153、7センチで、
 皆ちゃんは、153、8センチで、背の高い私とは正反対だ。

 皆ちゃんは、ベージュのトレンチコートのようなワンピースや、
 全身黒コーデが非常に似合っている。
 黒のワンピースとか、黒のタイツで、黒のハイヒールや、黒のパンプスとか。
 だけど、皆ちゃんの悩みどころは、ピンクが似合わないことらしい。
 だから、ピンクのワンピース、鞄、靴とか持っていないらしい。
 一点でも、ピンクがあると似合わなくなるらしい。
しおりを挟む

処理中です...