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第0章

第7話

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 歩いていく途中で、一人の女性とで出会った。

「朱莉・・・・」

 目の前にいたのは、俺には見知らぬ女性でしかないけど、マリは知っている人らしい。

「初めまして。
あたしは、昭島《あきしま》朱莉《あかり》。

異世界ネームは、ブリースモよ」

 この名前は、どこかで聞いたことがある。

 そうだ、闇姫も、同じ名前のやつに、中学の頃にいじめられたとか。

 詳しい事情はわからないけど、ほうっておいたら危ないやつかもしれない。

 ブリースモがナイフを持っているから、僕は防御に走った。
「水仮面」 

 俺の前に、水のシールドが現れた。
 
 普通の一般人なら、これで驚くはずだ。

 ところが・・・。

「ほう、異能力者か、それとも、魔法使い?」

 相手は驚くどころか、平然としていた。

「ならば、お前の能力をいだだくぞ」

 ブリースモが片手を出すと、そこから掃除機みたいな空気で吸われていった。
 
 俺が焦っていると、吸われたのは僕ではなく、水亀の方だった。

「これで、異能力は使えない」

「君は、もしかして異能力狩り・・・?」

 僕が「水仮面」と言っても、水のシールドは目の前に現れないし、
 水が現れないため、水を噛むこともできない。

「あたしの固有能力は、異能力狩り。
異能力者からの異能力を奪って、それをそのまま使うことができる」

 ここで、ブリースモが「水仮面」と唱えて、水のシールドが現れた。
 そこで、水のシールドを噛んで、水を飛ばした。

 俺は、マリを抱えてよけた。

 よかった。
 俺の能力は、そこまで強くない。
 
 だから、よけられるし、当たっても、そこまでのダメージはない。

「あたしは、殺人者からの殺人スキルも。ストーカー犯からストーカーするための技術も身に着けた。
だから、怖いものなんてないのよ」

 水亀だけの能力なら、大丈夫だ。
 だけど、問題なのは、能力を奪えるとして、他の能力もコピーしているかもしれないということだ。

 なら、実力行使だ。
 素手で、叩きのめす!

 俺は、ブリースモに殴りかかろうとして、ブリースモは水のシールドを出現させたけど、俺は殴って破壊させた。

 僕は、ブリースモを蹴り飛ばした。

 思ったより、飛んだ。
 
 俺の能力は、防御と最低限の攻撃しかできない役立たずな能力だ。
 それなら、素手で戦った方がいいくらいだ。

 なんでも、異能力を使った方が有利かと言われると、そういうことでもない。

 とにかく、マリを連れて行こう。

 能力を奪われた僕は、これからは活動できない。
 あるいは、魔法の才能があれば、魔法の訓練になるかどちらかだ。

 ブリースモは、多分死んではいないだろうけど、重傷は負うとは思う。
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