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1章 はじまり
8話 *快楽の花
♦
「ん、んぅっ……ぁあ″っ!!」
あれからどれだけの時間が経っただろうか。視界を塞がれているせいで、余計に時間間隔が狂っていく。あれからもう4回ほど射精した晴柊は、体力の限界だった。もうイキたくないのに、強制的に射精を促されてしまう。晴柊の敏感な亀頭に当てられたローターが外から、バイブがナカからの晴柊を刺激し、絶え間なく快感を与え続けていた。昨日はあんなに苦しかったはずが、バイブのサイズが琳太郎のより少し小さいおかげで痛みよりも「気持ちいい」が勝っていることを嫌でも自覚しなければいけないほどには、晴柊に快感が募っていく。
昨日の時点では嫌悪感しか抱かなかった尻の穴が確実に変化している。心とは反対に身体は琳太郎を受け入れている気がして、自分の身体が自分のものではないみたいだと恐れ始める。
「はぁっ……あざ、みっ…………ん、い゛っ……あざみぃっ……!」
口からは自然と、琳太郎を求める声が出ていた。しかし望んでいる返事はなく、返ってきたのは機械音と自らのやらしい嬌声だけである。早く帰って来い、というつもりで彼の名前を読んでいる晴柊だったが、どんな形であれ琳太郎を求めているのに何ら変わりはないことに気付く余裕はないようだった。
そんな晴柊の様子を、琳太郎は仕事先の倉庫で携帯の画面から確認していた。画角は上と正面、左からとシーンを切り替えられる。寝室を始めあのマンション中には隠しカメラが散りばめられている。それを出先で確認できる仕組みなのである。廊下の監視カメラには見張り当番である篠ケ谷がつまんなそうに携帯ゲームに興じている様子だった。
寝室に限り、音声も取得できるようにしている。晴柊が琳太郎の名前を呼ぶところを、琳太郎本人は聞いていた。勿論、そんなもの晴柊は知らない。バレないようにカメラは隠すようにして置いているのだ。もし、誰にも見られていないと思い安心して晒している醜態をずっと俺が見ていると知ったら、晴柊はどんな表情をするのだろうか、と思いながら琳太郎は画面を見つめた。
晴柊の折りたたまれた華奢な身体が快感で時折跳ね、腹部を自らの精液で汚している姿に、琳太郎は満たされた。涙で濡れて色が変わった目隠しの下で、あの美しい顔がどう歪んでいるのか、見たくてたまらなくなる。
予想以上に自分が野瀬晴柊で楽しんでいることに気付き、小さな笑みを溢していると、ところどころ返り血を浴びた日下部が傍にやってきた。
「組長。作業が終わりましたが、このまま次は〇×山地に移動してよろしいでしょうか。」
倉庫では、一人の椅子に縛られていたであろう、もはや人としての原型を留めていない遺体が一つある。血生臭い匂いが広がり、組員たちが掃除を始めているところだった。これを最後、山の深くに埋めておしまいなのだが――。
「いや、今日は先を急ぐ。溶かしに変更だ。」
琳太郎は晴柊が自分を求める声を聞いて、気分が良かった。そして、自分の目でその姿を早く確かめたかった。日下部は、琳太郎の上機嫌の理由が晴柊であることに気付き、表情には出さずに驚いていた。どうやら、琳太郎は晴柊に振り回されているようだ。
琳太郎は遺体が溶けるさまを遠目に見ながら、携帯の向こうの晴柊に熱い視線を注ぎ続けていた。
♦
意識が遠のきそうだった。身体がずっと熱いままだ。身体を少し揺らしたときに肌がシーツに擦れるだけで小さな声が挙がるほど、晴柊の身体は敏感になっていた。視覚を塞がれ神経が快感に集中してしまう環境なのもまた、晴柊を苦しめた。繰り返し与えられる快感によって、晴柊の思考力はだんだんと低下していく。このまま、琳太郎が戻ってこないかもしれない。一生、この状態が続くのかもしれない。少し考えればそんなことは起こらないとわかるのだが、一切の自由を奪われ頭の中がぐちゃぐちゃになるほど快感に溺れた晴柊には、もはや正確な判断など不可能であった。
ずっと同じ音だけが鳴っていた部屋に、扉が開く音がした。晴柊はそれを聞き逃さなかった。些細なこの場の変化が、救いだった。
「ぁ、んっ……ぅう……はぁ、はぁっ……」
晴柊は、期待していた。琳太郎が来たのではないかと。期待と相まって舌が自然と伸びる。まるで、ご主人の帰宅を喜んだ犬そのものの姿であった。仕事を早々に切り上げスーツのジャケットを片手に寝室に入った琳太郎は、携帯越しではない目の前の晴柊の痴態に満足げな表情だった。そっとベットに腰掛けるようにして、晴柊に向け手を伸ばす。いきなり身体に触れられた晴柊は小さく喘ぎを漏らした。
言いつけを守ったようで、晴柊の秘所にはバイブが刺さったままだった。たっぷり仕込んだローションがナカで擦られ続けたことで泡立って晴柊のピンクのアナから漏れ出ていた。腹部には何度射精したのかわからない精子が散っている。亀頭につけたローターは、我慢汁で塗らされそれでも振動を続けていた。
そっと目隠しを外すと、虚ろな晴柊の大きな目と視線が交わる。長いまつ毛が涙で濡れ、整った顔は涎と鼻水と涙でぐちょぐちょだった。晴柊は視界が解放され、数秒遅れて「琳太郎が帰っててきた」と認識すると、さらに涙を溢れさせた。
「言いつけ、守ったみたいじゃないか。」
「ん、ぉ゛っ……!あぁ、ぁっ!」
琳太郎がバイブを外側に少し引っ張ると、晴柊のナカはキュンキュンとうねり、そのバイブを迎え入れるようにして動いたことで、自然とバイブは晴柊のナカへと戻っていく。昨日の痛々しさとはうってかわって、快楽に満ちた身体が出来上がっている。
「何度イった?」
琳太郎は晴柊が吐き出した、腹部に零れて水たまりをつくっている精子をすくい、舐めろと言わんばかりに晴柊の口元に指を持って行った。晴柊はそれに抵抗することなく舌で舐めあげる。幼子が母親の乳を吸うように、ちゅぱちゅぱと貪りながら晴柊は答える。
「わか、ない……たくさんっ…………ん、ち゛ゅっ……♡」
琳太郎は晴柊のおでこに触れる。昨日今日のことで、やはり熱が出ている。それが晴柊の理性を飛ばしかけて、素直にさせていた。しかし、悪い気はしない。出会ってからずっと反抗的だった晴柊が、甘えたような声で自分に縋り、自分の帰りに安堵したような様子を見せていることに優越感がふつふつと湧いてくる。
「仕方がない、今日は許してやる。次はきちんと数えることを忘れるな。それから、今日の様に意識も飛ばすな。そうすればもっと気持ちよくなれるよ、お前は。」
琳太郎の声が、晴柊の朦朧とし始めた意識に刷り込まれていく。もっと、気持ちよく?快楽漬けになった晴柊の表情は恍惚としたもので、最早苦痛とは程遠いものであった。もっと、気持ちよくなりたい――晴柊の身体で、快楽が花開いた瞬間だった。晴柊は僅かな体力でコクコクト頷くと、そこで電池が切れたように意識を落とした。時刻は早朝4時30分。放置を始めて6時間以上が経過していた。
琳太郎は眠る晴柊の顔を見つめながら、膝と腕の拘束具とディルド、ローターを外し、泣きはらし腫れて少し赤くなった目元にそっと触れた。朝日が少しずつ寝室に差し込む中、しばらく晴柊の眠る顔を見つめていた。
「ん、んぅっ……ぁあ″っ!!」
あれからどれだけの時間が経っただろうか。視界を塞がれているせいで、余計に時間間隔が狂っていく。あれからもう4回ほど射精した晴柊は、体力の限界だった。もうイキたくないのに、強制的に射精を促されてしまう。晴柊の敏感な亀頭に当てられたローターが外から、バイブがナカからの晴柊を刺激し、絶え間なく快感を与え続けていた。昨日はあんなに苦しかったはずが、バイブのサイズが琳太郎のより少し小さいおかげで痛みよりも「気持ちいい」が勝っていることを嫌でも自覚しなければいけないほどには、晴柊に快感が募っていく。
昨日の時点では嫌悪感しか抱かなかった尻の穴が確実に変化している。心とは反対に身体は琳太郎を受け入れている気がして、自分の身体が自分のものではないみたいだと恐れ始める。
「はぁっ……あざ、みっ…………ん、い゛っ……あざみぃっ……!」
口からは自然と、琳太郎を求める声が出ていた。しかし望んでいる返事はなく、返ってきたのは機械音と自らのやらしい嬌声だけである。早く帰って来い、というつもりで彼の名前を読んでいる晴柊だったが、どんな形であれ琳太郎を求めているのに何ら変わりはないことに気付く余裕はないようだった。
そんな晴柊の様子を、琳太郎は仕事先の倉庫で携帯の画面から確認していた。画角は上と正面、左からとシーンを切り替えられる。寝室を始めあのマンション中には隠しカメラが散りばめられている。それを出先で確認できる仕組みなのである。廊下の監視カメラには見張り当番である篠ケ谷がつまんなそうに携帯ゲームに興じている様子だった。
寝室に限り、音声も取得できるようにしている。晴柊が琳太郎の名前を呼ぶところを、琳太郎本人は聞いていた。勿論、そんなもの晴柊は知らない。バレないようにカメラは隠すようにして置いているのだ。もし、誰にも見られていないと思い安心して晒している醜態をずっと俺が見ていると知ったら、晴柊はどんな表情をするのだろうか、と思いながら琳太郎は画面を見つめた。
晴柊の折りたたまれた華奢な身体が快感で時折跳ね、腹部を自らの精液で汚している姿に、琳太郎は満たされた。涙で濡れて色が変わった目隠しの下で、あの美しい顔がどう歪んでいるのか、見たくてたまらなくなる。
予想以上に自分が野瀬晴柊で楽しんでいることに気付き、小さな笑みを溢していると、ところどころ返り血を浴びた日下部が傍にやってきた。
「組長。作業が終わりましたが、このまま次は〇×山地に移動してよろしいでしょうか。」
倉庫では、一人の椅子に縛られていたであろう、もはや人としての原型を留めていない遺体が一つある。血生臭い匂いが広がり、組員たちが掃除を始めているところだった。これを最後、山の深くに埋めておしまいなのだが――。
「いや、今日は先を急ぐ。溶かしに変更だ。」
琳太郎は晴柊が自分を求める声を聞いて、気分が良かった。そして、自分の目でその姿を早く確かめたかった。日下部は、琳太郎の上機嫌の理由が晴柊であることに気付き、表情には出さずに驚いていた。どうやら、琳太郎は晴柊に振り回されているようだ。
琳太郎は遺体が溶けるさまを遠目に見ながら、携帯の向こうの晴柊に熱い視線を注ぎ続けていた。
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意識が遠のきそうだった。身体がずっと熱いままだ。身体を少し揺らしたときに肌がシーツに擦れるだけで小さな声が挙がるほど、晴柊の身体は敏感になっていた。視覚を塞がれ神経が快感に集中してしまう環境なのもまた、晴柊を苦しめた。繰り返し与えられる快感によって、晴柊の思考力はだんだんと低下していく。このまま、琳太郎が戻ってこないかもしれない。一生、この状態が続くのかもしれない。少し考えればそんなことは起こらないとわかるのだが、一切の自由を奪われ頭の中がぐちゃぐちゃになるほど快感に溺れた晴柊には、もはや正確な判断など不可能であった。
ずっと同じ音だけが鳴っていた部屋に、扉が開く音がした。晴柊はそれを聞き逃さなかった。些細なこの場の変化が、救いだった。
「ぁ、んっ……ぅう……はぁ、はぁっ……」
晴柊は、期待していた。琳太郎が来たのではないかと。期待と相まって舌が自然と伸びる。まるで、ご主人の帰宅を喜んだ犬そのものの姿であった。仕事を早々に切り上げスーツのジャケットを片手に寝室に入った琳太郎は、携帯越しではない目の前の晴柊の痴態に満足げな表情だった。そっとベットに腰掛けるようにして、晴柊に向け手を伸ばす。いきなり身体に触れられた晴柊は小さく喘ぎを漏らした。
言いつけを守ったようで、晴柊の秘所にはバイブが刺さったままだった。たっぷり仕込んだローションがナカで擦られ続けたことで泡立って晴柊のピンクのアナから漏れ出ていた。腹部には何度射精したのかわからない精子が散っている。亀頭につけたローターは、我慢汁で塗らされそれでも振動を続けていた。
そっと目隠しを外すと、虚ろな晴柊の大きな目と視線が交わる。長いまつ毛が涙で濡れ、整った顔は涎と鼻水と涙でぐちょぐちょだった。晴柊は視界が解放され、数秒遅れて「琳太郎が帰っててきた」と認識すると、さらに涙を溢れさせた。
「言いつけ、守ったみたいじゃないか。」
「ん、ぉ゛っ……!あぁ、ぁっ!」
琳太郎がバイブを外側に少し引っ張ると、晴柊のナカはキュンキュンとうねり、そのバイブを迎え入れるようにして動いたことで、自然とバイブは晴柊のナカへと戻っていく。昨日の痛々しさとはうってかわって、快楽に満ちた身体が出来上がっている。
「何度イった?」
琳太郎は晴柊が吐き出した、腹部に零れて水たまりをつくっている精子をすくい、舐めろと言わんばかりに晴柊の口元に指を持って行った。晴柊はそれに抵抗することなく舌で舐めあげる。幼子が母親の乳を吸うように、ちゅぱちゅぱと貪りながら晴柊は答える。
「わか、ない……たくさんっ…………ん、ち゛ゅっ……♡」
琳太郎は晴柊のおでこに触れる。昨日今日のことで、やはり熱が出ている。それが晴柊の理性を飛ばしかけて、素直にさせていた。しかし、悪い気はしない。出会ってからずっと反抗的だった晴柊が、甘えたような声で自分に縋り、自分の帰りに安堵したような様子を見せていることに優越感がふつふつと湧いてくる。
「仕方がない、今日は許してやる。次はきちんと数えることを忘れるな。それから、今日の様に意識も飛ばすな。そうすればもっと気持ちよくなれるよ、お前は。」
琳太郎の声が、晴柊の朦朧とし始めた意識に刷り込まれていく。もっと、気持ちよく?快楽漬けになった晴柊の表情は恍惚としたもので、最早苦痛とは程遠いものであった。もっと、気持ちよくなりたい――晴柊の身体で、快楽が花開いた瞬間だった。晴柊は僅かな体力でコクコクト頷くと、そこで電池が切れたように意識を落とした。時刻は早朝4時30分。放置を始めて6時間以上が経過していた。
琳太郎は眠る晴柊の顔を見つめながら、膝と腕の拘束具とディルド、ローターを外し、泣きはらし腫れて少し赤くなった目元にそっと触れた。朝日が少しずつ寝室に差し込む中、しばらく晴柊の眠る顔を見つめていた。
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