狂い咲く花、散る木犀

伊藤納豆

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1章 はじまり

22話 *見ないで

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「ぅ、う゛、んっ……あっ…!」


晴柊は、琳太郎の下で乱暴に陰茎を扱かれていた。それは愛撫とは程遠いものであった。それでも晴柊のモノは刺激に喜ぶようにして熱を帯び始める。晴柊の声と、少しずつ大きくなる粘着質の音が広い倉庫にただ響いた。


「こんな状況でも勃ってきたぞ。これから殺されることを想像して興奮してるのか?変態。今日はお前の痴態を見てくれる人がいるんだ。せっかくだから、お前がこの1か月でどれだけ教え込まれたのか、どれだけ淫らな犬になったのか、見てもらうと良い。」


そういうと、琳太郎は晴柊の腕を引っ張り起き上がらせると背後に回り、晴柊の脚を開かせ、ベッドに対面する形で座らされている篠ケ谷と男の目に入らせるようにする。


晴柊も、2人の存在を再確認すると、途端にモノが縮こまりそうになったが、琳太郎の手がそれを許さない。日下部は、その様子を少し離れたところで見ていた。


琳太郎が、見たことがない形相で車に乗り込んでから、車という狭い空間にただならない空気が澱んでいた。


そして、後部座席に乗り込んだ琳太郎が監視カメラの映像を確認し始めると、車を運転している日下部を今にでも殺してしまおうかと言わんばかりの殺気が、日下部に突き刺さった。


篠ケ谷がいながら逃走。まさかそこまで懐柔されているとは思わなかった。篠ケ谷のそれは決して、あの若い男の様に逃走のための色仕掛けをされたわけでは無い。晴柊の天性とも言える人たらし具合はいともたやすく、人を操る。それは、あそこで今晴柊を嬲っている琳太郎も例外ではない、と日下部は無表情にその情事を眺めた。


「ひぅ、んっ……んっ…!ぁ、……あっ!!」


自分のせいでぼろぼろになっている二人が、手を伸ばせば届きそうな距離にいるのに、晴柊はだらしなく喘いでしまっている。琳太郎が執拗に晴柊の陰茎を扱き、もう片方の手で乳首を転がした。たまに爪を立て、力を込めた後離せば、晴柊の小さかったはずの乳首ゆっくりと膨らみ立ち上がる。


琳太郎の親指が尿道をくすぐるように動くと、晴柊のモノからはとろりと我慢汁が垂れた。


「おら、脚閉じようとするんじゃねえよ。ココに弾ぶちこむぞ。」

「ぃ、やっ…ぁ、!……ひ、ぃ…んあ゛ぁ~~っ……!!


琳太郎が銃を晴柊の秘所に当てがっていた。銃口が晴柊の入口にめり込むと、そのまま浅いところで抜き差しを始めた。怖いはずなのに、ナカは銃を今すぐ突っ込んで欲しいと言わんばかりにきゅんきゅんと迎え入れようとしていた。カチャカチャと銃が音を立てながら晴柊のナカを往復する。


「お前のせいでひでぇ目に遭ってる2人に見られて、お前は銃ケツマンコに突っ込まれて、ちんぽ勃起させて喜んでんのかよ?救いようがないな本当に。はしたなくイけ。こいつらにぶっかけろよ。」


晴柊はそのまま身体を持ち上げられ、篠ケ谷の目の前に連れてこられた。琳太郎はいともたやすく片腕を晴柊の両膝に入れそのまま抱え込むと、銃を奥まではめ込み、容赦なく抜き差しした。晴柊の良いところを、固い銃が掠める。


晴柊はそのまま、椅子に縛られた篠ケ谷に向けて射精する。篠ケ谷の血だらけの顔に、白い晴柊の精液飛び散る。篠ケ谷からは、晴柊の秘所が丸見えだった。晴柊のアナはピンク色で切なそうに開いて閉じてを繰り替えしていた。晴柊は羞恥と申し訳なさとで感情がぐちゃぐちゃになったのか嗚咽交じりに泣きじゃくり始めた。


「はは、大好きな篠ケ谷にぶっかけてあげれてよかったじゃねえか。」


琳太郎は晴柊の耳に口を寄せ囁く。そのまま2人に一番近いベットの端に腰掛け晴柊を膝の上に乗せる。


「自分で足持ってこいつらに見せつけるようにしてみろ、ほら。」


琳太郎が晴柊の手を取り、太ももの裏に当てさせる。晴柊のナカに琳太郎の指が3本捻じ込まれ。晴柊は痛みで身体を跳ねさせるが、琳太郎のもう片方の手が晴柊の胴体を抑えつけ、逃れることを許さなかった。指がナカでぐねぐねと動く。そして、たまらないところを掠めると、晴柊の声が一段と甘く響く。最初は乱暴なその手つきに痛さを感じていたはずだったのに、すぐに気持ちよさへと変わった。


これが嫌で晴柊は逃げたのだ。


人前で、自分のせいで怪我をしている2人の前で、俺は薊の言う通り興奮して勃起している。今も、女のように指を突っ込まれて喘いでいる。こんなの、自分ではない。こんな自分じゃ、ばあちゃんのいう「幸せ」になんてなれない。なる資格がない。


晴柊は子どものように泣きながら、許しを乞うこともせず、ただ快感を受け入れていた。その潮らしい様子に、琳太郎は今すぐめちゃくちゃにしてしまいたい興奮を覚える。


でも、もう少しだ。もう少しで崩せる。晴柊のすべてを、自分のものにできる。


まるで一つの仕事を成し遂げるかのように、琳太郎は慎重に進めていた。晴柊を非がないほど完璧に、自分のものへとするための準備を。今すぐやってしまいたい、と、高まる気持ちを、指先を激しく動かすことでなんとか引き止める。すると晴柊が一段と高い声を上げ、ナカを締め付けて2度目の射精をした。


よくできたな、とまるで親犬が子犬を褒めるように、琳太郎が晴柊の耳に舌を這わせる。そして、縛られている2人に視線を向けた。男の方は軽い脳震盪を起こしていて、もう意識が飛びかけてはいるが、なんとか起きようとしているようだった。篠ケ谷もボロボロではあるが、目はまだしっかりしている。


ばちりと視線が合う。


こいつは、俺に背いた。俺の所有物を逃がした。しかし、篠ケ谷の目は反抗心とは裏腹の、忠誠心の塊であった。篠ケ谷は琳太郎に心酔している。今もそれは変わっていない。その様子は見て取れた。しかし、それをも揺るがす晴柊の存在は、琳太郎の晴柊への執着心を後押しした。


「ほら、ちゃんと見ろ。こいつらもお前の痴態を見てくれてるよ、良かったなぁ。人に見られるのは嬉しいか?マゾにはたまらないだろう。ほら、お前がメス堕ちするところもちゃんと見てもらえ。もっといい声で啼いて見せろ。イイ子にできたら、最期はこうやってハメたまま、逝かせてやるからよ。」


琳太郎は晴柊の耳に口を寄せ囁く。低音の声が妙に心地いい。琳太郎は晴柊への凌辱で興奮しきったモノを、晴柊のナカに沈めた。晴柊の背中が弓なりにしなる。晴柊の視界が2人を捉えた。こっちを見ないで。そう視線で訴えるも、奥をゴリゴリと苦しいまでに貫いてくる琳太郎のモノのせいで、口では喘ぎ声を漏らすのが精いっぱいだった。


「ぁあ、っ……ん、んん、!……、あ゛ぅ゛ん……!!」


晴柊のはしたない声が空を切る。琳太郎の吐息が、晴柊の耳をくすぐった。地獄のような場面なはずなのに、天国のような快感に、晴柊は自分が何に抗っていたのか忘れかけ始めていた。
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