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第13話 洞窟の魔物1
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ニーナはリチマンの屋敷すぐ隣にある小屋にきていた。
ノックをするとすぐにグレイシアがでてきた。
「ニーナ!よかった!来てくれたんだ。いらっしゃい!中に入って。」
そう言ってニーナを小屋の中に入れてくれた。
「…グレイシア、私…」
「ちょっと待ってね。今お茶だすから」そう言ってグレイシアはせかせかと動き回っている。
「私…グレイシアに話したいことが…」
グレイシアは皿に入れたクッキーとカップをテーブルの上に置いた。
「とにかく座ってよ!私も聞きたいことたくさんあるの!」
ニーナはとりあえず椅子に座ることにした。
屋敷とは違い、グレイシアの小屋は狭く、所々壁やテーブルの傷みがわかった。
お茶の入ったカップも長年使い込んだ形跡があり、皿も同様な様子だった。
「ねぇ、ニーナ。あそこを出てどんなところへ行ったの?教えて?」
ニーナの前に座ったグレイシアが身を乗り出しながら聞いてきた。
「特に……珍しいところも行ってない。……とにかく大変だった。」ポツリとニーナが答えた。
「えぇー、嘘でしょ?あの人達が引き取ってくれたの?」
「いや……あの人は王国で出会ったの。」
「王国?……ってグラインドンよね?!すごいところに行ってるじゃない!いいなぁー……王様には会えた?」
ニーナはこくりとうなずいた。
「すごいじゃない!いいなぁー……私も会ってみたい…」
ランランとしているグレイシアが急に下を向き始めた。
「…でも私はここから出られない」
「グレイシア?」
「あの、リチマンがいるかぎり私は一生このままこんなちっぽけな小屋で掃除や洗濯や鶏の世話をして過ごすんだ……」
「グレイシア。大丈夫?」
ニーナは心配になった。グレイシアはここでの生活に不満があるのだろう。
「ニーナはいいね。色々なところに自由に行けて。」
「自由……だけど大変だったよ?……それより孤児院のことで話さないといけないことが…」
バンッッ!!!!
グレイシアが急にテーブルを勢いよく叩いた。
その衝撃でカップのお茶が少しこぼれた。
「……大変?大変だって?あなたは自由に外の世界を回れるのに大変?」
「グレイシア?どうしたの?」
「あなたは私がここでどんな思いをしているか分かってるの!!?」
グレイシアは声を荒げた。
「私がっ」バンッ!
「どんな惨めな生活をしているかっ」バンッ!
「分かってるの!?」バンッ!
グレイシアがテーブルを叩くせいで皿ごとクッキーが床に落ちた。
「……ぐ、グレイシア…ごめんなさい私…」
「ごめんなさい?何もあなたは悪くないじゃない?なぜ謝るの?……ニーナ、あなた私をバカにしたわね?」
「違う……」
「昔はみんなの前で夢を語っていた私が、今はこんなところで奴隷のように働いている!そんな私をあなたは笑いたいんでしょ!?」
「違う…………」
「正直に言いなさいよ!」
グレイシアがニーナの頬に張り手をした。
ニーナはその勢いで椅子から転げ落ちた。
「………。」
「でも明日、明日になればすべて終わる…。」
「………グレイシア、何を言ってるの…」
「もう出てって。」
「グレイシア…」
「いいから出てって!!」
ニーナは仕方なく、小屋から出ることにした。
頬は熱くなりジンジンと痛みがあった。
ここで会うべきではなかった。会わない方がよかった。
ニーナが宿屋に戻ると明かりはついているもののサト子は布団に入っていた。
寝ていると思いこっそり部屋に入ると、小さな声がした。
「どうだった?」
サト子はまだ起きていたようだ。
「…うん。特に。」
サト子が少し起き上がってニーナの顔を見た。
「ニーナ!どうしたのほっぺた!」
ニーナが頬に触れてみると少し腫れているようだ。
「……なんでもない。」
「なんでもないわけないでしょ?こっち側だけ赤くなってるじゃない?何があったの?」
「……なんでもない。もう疲れたから寝かせて。」
ニーナはベッドに入っていった。
「ニーナ…私達友達なんだから、何でも話してね。私は何でも聞くから。」
そう言った後しばらくサト子は黙っていたが、ニーナが何も言わなかったのでサト子は自分のベッドに入った。
翌朝。ニーナはサト子に起こされた。
「ニーナ、これからノペルと魔物の情報を探しにいくけどこれる?まだ眠いなら寝てても大丈夫だけど…」
ニーナは起きて目を擦った。
(疲れていたはずなのに、色々考えすぎて全然寝れなかったな…)
「大丈夫。私も行く。」とニーナはサト子に言って顔を洗いにいった。まだ頬が少しジンジンする。
宿屋を出るとノペルが外で待っていた。
「おや、お二人とも、おはようございます。よく寝れましたか?」
どうやらノペルはぐっすり寝れたようで元気そうだ。
「私は寝れたけど、ニーナは微妙みたいね」
サト子がそう言ってニーナの顔を見た。
ニーナは腫れている方の頬を隠して言った。
「…魔物の情報を聞きにいくのでしょう?早くいきましょう。」
三人は村の中央付近に村人がチラホラいたのでそこで別れて情報収集することにした。
サト子とノペルは村人を呼び止めては話をしているが、ニーナは石段に腰掛けて昨日のグレイシアのことを思い出していた。
(グレイシアは何であんな怒っていたのだろう。私が何か気に触ることを言ったのか…。そういえば変なことも言ってたな。『明日になればすべておわる。』どういう意味なんだろう。)
ニーナは妙な胸騒ぎがした。
「ニーナ!」
サト子の声がした。
「ニーナ、大丈夫?今さっき村の人から村の東の方に洞窟があって、そこに魔物が住み着いたようだって話が聞けたよ!早速退治しにいこう?」
「………ごめん。ちょっと先行っててくれない?」
ニーナが言った。
「……グレイシアのことね?わかった。私達先に洞窟の前までいってるからそっちが終わったら来てくれる?ニーナがいないと私怖いから」
サト子は少し笑いながらニーナに言った。
ニーナはサト子の気持ちがわかった。きっと心配してくれてるのだろう。
「…ありがとう。すぐに行くから待ってて。」
そう言ってニーナはリチマンの屋敷に走り出した。
「…行きましたか?」
ノペルがサト子の後ろからヌッとでてきた。
「ちょっと!びっくりさせないでよ!………ってノペル、ニーナに何があったか知ってるの?」
ノペルは頭をかきながら言った。
「いえ?まったく。心が読めるわけではないので。…ただ、朝にニーナさんに会った時は心に何か引っ掛かってるものがあったようなので。」
「……ノペルあなた、そういうの分かるくせに何も声をかけてあげたりしないのね?」サト子が嫌味ったらしく言うとノペルはこう返してきた。
「所詮、僕は見えるだけで助けにはなりませんよ。自分自身で解決するしかないのです。」
「…ふーん。」サト子はノペルを横目で見ると村人が教えてくれた洞窟の方へ歩きだした。
「それでも……。」
ノペルはサト子の声が小さく聞き取りずらかったのでサト子の近くによった。
「なんです?」
「それでも、私は何か助けになれることを探したい。だって友達だから。」
ノペルはサト子の方を向いたが何も言わなかった。
ノックをするとすぐにグレイシアがでてきた。
「ニーナ!よかった!来てくれたんだ。いらっしゃい!中に入って。」
そう言ってニーナを小屋の中に入れてくれた。
「…グレイシア、私…」
「ちょっと待ってね。今お茶だすから」そう言ってグレイシアはせかせかと動き回っている。
「私…グレイシアに話したいことが…」
グレイシアは皿に入れたクッキーとカップをテーブルの上に置いた。
「とにかく座ってよ!私も聞きたいことたくさんあるの!」
ニーナはとりあえず椅子に座ることにした。
屋敷とは違い、グレイシアの小屋は狭く、所々壁やテーブルの傷みがわかった。
お茶の入ったカップも長年使い込んだ形跡があり、皿も同様な様子だった。
「ねぇ、ニーナ。あそこを出てどんなところへ行ったの?教えて?」
ニーナの前に座ったグレイシアが身を乗り出しながら聞いてきた。
「特に……珍しいところも行ってない。……とにかく大変だった。」ポツリとニーナが答えた。
「えぇー、嘘でしょ?あの人達が引き取ってくれたの?」
「いや……あの人は王国で出会ったの。」
「王国?……ってグラインドンよね?!すごいところに行ってるじゃない!いいなぁー……王様には会えた?」
ニーナはこくりとうなずいた。
「すごいじゃない!いいなぁー……私も会ってみたい…」
ランランとしているグレイシアが急に下を向き始めた。
「…でも私はここから出られない」
「グレイシア?」
「あの、リチマンがいるかぎり私は一生このままこんなちっぽけな小屋で掃除や洗濯や鶏の世話をして過ごすんだ……」
「グレイシア。大丈夫?」
ニーナは心配になった。グレイシアはここでの生活に不満があるのだろう。
「ニーナはいいね。色々なところに自由に行けて。」
「自由……だけど大変だったよ?……それより孤児院のことで話さないといけないことが…」
バンッッ!!!!
グレイシアが急にテーブルを勢いよく叩いた。
その衝撃でカップのお茶が少しこぼれた。
「……大変?大変だって?あなたは自由に外の世界を回れるのに大変?」
「グレイシア?どうしたの?」
「あなたは私がここでどんな思いをしているか分かってるの!!?」
グレイシアは声を荒げた。
「私がっ」バンッ!
「どんな惨めな生活をしているかっ」バンッ!
「分かってるの!?」バンッ!
グレイシアがテーブルを叩くせいで皿ごとクッキーが床に落ちた。
「……ぐ、グレイシア…ごめんなさい私…」
「ごめんなさい?何もあなたは悪くないじゃない?なぜ謝るの?……ニーナ、あなた私をバカにしたわね?」
「違う……」
「昔はみんなの前で夢を語っていた私が、今はこんなところで奴隷のように働いている!そんな私をあなたは笑いたいんでしょ!?」
「違う…………」
「正直に言いなさいよ!」
グレイシアがニーナの頬に張り手をした。
ニーナはその勢いで椅子から転げ落ちた。
「………。」
「でも明日、明日になればすべて終わる…。」
「………グレイシア、何を言ってるの…」
「もう出てって。」
「グレイシア…」
「いいから出てって!!」
ニーナは仕方なく、小屋から出ることにした。
頬は熱くなりジンジンと痛みがあった。
ここで会うべきではなかった。会わない方がよかった。
ニーナが宿屋に戻ると明かりはついているもののサト子は布団に入っていた。
寝ていると思いこっそり部屋に入ると、小さな声がした。
「どうだった?」
サト子はまだ起きていたようだ。
「…うん。特に。」
サト子が少し起き上がってニーナの顔を見た。
「ニーナ!どうしたのほっぺた!」
ニーナが頬に触れてみると少し腫れているようだ。
「……なんでもない。」
「なんでもないわけないでしょ?こっち側だけ赤くなってるじゃない?何があったの?」
「……なんでもない。もう疲れたから寝かせて。」
ニーナはベッドに入っていった。
「ニーナ…私達友達なんだから、何でも話してね。私は何でも聞くから。」
そう言った後しばらくサト子は黙っていたが、ニーナが何も言わなかったのでサト子は自分のベッドに入った。
翌朝。ニーナはサト子に起こされた。
「ニーナ、これからノペルと魔物の情報を探しにいくけどこれる?まだ眠いなら寝てても大丈夫だけど…」
ニーナは起きて目を擦った。
(疲れていたはずなのに、色々考えすぎて全然寝れなかったな…)
「大丈夫。私も行く。」とニーナはサト子に言って顔を洗いにいった。まだ頬が少しジンジンする。
宿屋を出るとノペルが外で待っていた。
「おや、お二人とも、おはようございます。よく寝れましたか?」
どうやらノペルはぐっすり寝れたようで元気そうだ。
「私は寝れたけど、ニーナは微妙みたいね」
サト子がそう言ってニーナの顔を見た。
ニーナは腫れている方の頬を隠して言った。
「…魔物の情報を聞きにいくのでしょう?早くいきましょう。」
三人は村の中央付近に村人がチラホラいたのでそこで別れて情報収集することにした。
サト子とノペルは村人を呼び止めては話をしているが、ニーナは石段に腰掛けて昨日のグレイシアのことを思い出していた。
(グレイシアは何であんな怒っていたのだろう。私が何か気に触ることを言ったのか…。そういえば変なことも言ってたな。『明日になればすべておわる。』どういう意味なんだろう。)
ニーナは妙な胸騒ぎがした。
「ニーナ!」
サト子の声がした。
「ニーナ、大丈夫?今さっき村の人から村の東の方に洞窟があって、そこに魔物が住み着いたようだって話が聞けたよ!早速退治しにいこう?」
「………ごめん。ちょっと先行っててくれない?」
ニーナが言った。
「……グレイシアのことね?わかった。私達先に洞窟の前までいってるからそっちが終わったら来てくれる?ニーナがいないと私怖いから」
サト子は少し笑いながらニーナに言った。
ニーナはサト子の気持ちがわかった。きっと心配してくれてるのだろう。
「…ありがとう。すぐに行くから待ってて。」
そう言ってニーナはリチマンの屋敷に走り出した。
「…行きましたか?」
ノペルがサト子の後ろからヌッとでてきた。
「ちょっと!びっくりさせないでよ!………ってノペル、ニーナに何があったか知ってるの?」
ノペルは頭をかきながら言った。
「いえ?まったく。心が読めるわけではないので。…ただ、朝にニーナさんに会った時は心に何か引っ掛かってるものがあったようなので。」
「……ノペルあなた、そういうの分かるくせに何も声をかけてあげたりしないのね?」サト子が嫌味ったらしく言うとノペルはこう返してきた。
「所詮、僕は見えるだけで助けにはなりませんよ。自分自身で解決するしかないのです。」
「…ふーん。」サト子はノペルを横目で見ると村人が教えてくれた洞窟の方へ歩きだした。
「それでも……。」
ノペルはサト子の声が小さく聞き取りずらかったのでサト子の近くによった。
「なんです?」
「それでも、私は何か助けになれることを探したい。だって友達だから。」
ノペルはサト子の方を向いたが何も言わなかった。
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