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18.浮き足立つ気持ち(Side百合)
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思いもよらない嬉しいことが起こった。
なんと常務から私の誕生日に出掛けるお誘いをいただいたのだ。
常務のことが好きだと気づき、でも身の程知らずだからと落ち込んでいた私にとって、晴天の霹靂だったーー。
その日、常務のマンションで夕方頃まで過ごし、私は自宅へ帰った。
家に着くとそのままベッドに倒れ込み、この週末のことを思い返してみる。
(本当に想像もしていなかった週末だったなぁ。金曜日の夜は、まさか常務のことを好きになるなんて思ってもいなかったのに‥‥。怒涛の週末だったな‥‥)
同時に脳裏には常務のことが自然と浮かんでくる。
少年のようにあどけなく笑う顔。
ルームウェアを着てリラックスした姿。
たまにちょっとイジワルなところ。
真剣で真摯な仕事への姿勢と考え方。
抱きしめられた時の体温と香り。
近くで見つめられた時の妖しく光る瞳。
そして頬へのキス。
(本当に素敵だったな‥‥)
思い出すたびに身体が火照ってきて、どうしようもない。
こんな素敵な人に誕生日を一緒に過ごそうと誘ってもらえたなんて、信じられない。
嬉しすぎてどうにかなりそうだ。
(でも浮かれ過ぎてはダメだ。常務みたいな人が私を相手にするなんて気まぐれかもしれないんだから‥‥!)
浮き足立つ気持ちを鎮めて自分に言い聞かせていると、ブーブーブーとスマホのバイブ音が部屋に鳴り響いた。
気持ちを落ち着かせてスマホを手に取ると、弟の蒼太からの電話だった。
「もしもし?」
「あ、姉ちゃん?今いい?」
「うん、家でのんびりしてたところ」
「あのさ、確か来週誕生日だったよね?」
「うそ、よく覚えてるね。私もさっき思い出したのに」
「自分の誕生日なのに思い出すの遅過ぎでしょ。でさ、最近会ってなかったしゴハンでもどう?お祝いしてあげるよ」
優しい気の利く弟だ。
そんなにしょっちゅうは会っていないけど、いつも私のことを気にかけていてくれる。
「来週の平日なら大丈夫だよ」
「平日?誕生日は土曜日だったよね。しかも今彼氏いないでしょ。何か予定あんの?」
「‥‥‥」
「何か声が弾んでるもんね」
相変わらず鋭い。
楽しそうな笑いを含ませた声で蒼太が話す。
「まぁいいや。その時に色々聞かせてもらうから。じゃあ金曜日の仕事終わりでいい?」
「うん」
「オッケー!また詳細はメールする」
そういって蒼太は電話を切った。
(蒼太にまで声が弾んでるって言われるなんて相当浮かれてるな、私。明日からまた仕事なんだから気を引き締めないと‥‥!)
電話が終わると、私は夜ごはんを食べ、テキパキと就寝の準備をし、その日は翌日に備えて早めに眠りについた。
翌日出社すると、朝一番に由美ちゃんが近寄ってきた。
「百合さん、金曜日は遅くまで取材対応ありがとうございました!」
「由美ちゃんもお疲れ様!いっぱい反響あって良かったよね」
「はい、ホッとしました!ところで、何か今日の百合さんいつも以上に麗しくないですか!?まるで花が咲き誇るような‥‥!あぁ、なんて美しい‥‥!!」
「えっ、ちょっと由美ちゃん‥‥!」
急に興奮しだす由美ちゃんを嗜める。
周囲の人にそんな様子を見られて恥ずかしい。
そんな私たちに加わってきたのは安西部長だ。
「うん、でもそれ分かるわ。何か今日の並木さんいつも以上に綺麗だもの。恋でもしてるの?」
その言葉にギクっとする。
ちょうど昨日常務への想いを自覚したばかりだった私は身を硬くする。
(そんなに私って分かりやすいのかな。恥ずかしい‥‥!確かにいつ会社で常務に会うか分からないから綺麗にしておきたいって思ってはいたけど)
「‥‥えっと、たぶん化粧品を変えたからかもしれないです!」
慌ててもっともらしい理由を挙げて誤魔化した。
その週は、会う人会う人によく同じようなことを言われた。
響子や太一くんからは「絶対なんかある!」と言われてお昼に呼び出されたけど、常務との出来事を話すわけにもいかず、曖昧に微笑んで切り抜けた。
社内では無意識に常務を目で探してしまうし、他の社員が常務のことを話しているとこっそり耳を傾けてしまう。
全身で意識しまくっている状態だった。
残念ながらその週に常務を会社で見かけることはなかったけど、金曜日の朝にはLINEでメッセージが届いた。
絵文字なしの短くてシンプルなメッセージだけど、それだけで嬉しくて気持ちが舞い上がる。
数回のやりとりで、土曜日は車で横浜に行くことになった。
(すごく楽しみ!どんな服を着て行けばいいかな?休日にわざわざ付き合ってもらうんだから何かお礼も準備しようかな)
そんなワクワクする気持ちを隠しきれず、「ご機嫌ですね!そんな百合さんも素敵!」と由美ちゃんにツッコまれながら金曜日の仕事を終えた。
金曜日の仕事終わりは蒼太とディナーの約束だ。
駅前の待ち合わせ場所に行くと、蒼太がすでに待っていた。
私を見つけるなり、ニヤリとした笑いを向けてくる。
「なんかご機嫌ですねぇ、百合さん?俺とのデートがそんなに楽しみなの?それとも明日の予定が楽しみなの?」
完全にからかう口調で話しかけてくる。
「もう!からかわないでよ!」
「まぁ話はあとでゆっくり聞くとしましょうか。じゃあお店予約してあるから行こう」
そういって歩きだす。
蒼太が予約しておいてくれたのは、大きなガラス張りの窓が印象的な駅から程近い大通りに面した地上階のお店だった。
「ここ、この前友達と来てさ。雰囲気もいいし、ごはんもお酒も美味しかったんだよ」
「そうなんだ。予約しといてくれてありがとうね」
私たちは道に面した窓側の席へ案内される。
窓から夜の街に色付く光が見えて綺麗だ。
蒼太が食事とお酒をオーダーし、向かい合って座った私たちは目を合わせる。
「で?」
「‥‥何のことでしょうか?」
「さっき聞いたでしょ。なんでそんなにご機嫌なんですか?って。そのお答えは?」
「‥‥明日の予定が楽しみなだけだよ」
「その明日の予定っていうのは?」
「‥‥会社の人と出掛けるの」
「それってこの前言ってた春樹くんにそっくりな男?」
そう言われてドキッとする。
そうだ、そういえば常務は春樹に似てるんだった。
最初に目を離せなかったキッカケはそれだった。
(私、いつの間にかそんなこと全然気にしなくなってた‥‥)
「その反応はアタリだなぁ。へぇ、いつの間にかそんなことになってたんだ。付き合ってんの?」
「ち、違うよ‥‥!そんなわけないでしょ!そんな恐れ多い。私なんて相手にされないよ。だってすっごいモテる人なんだよ?しかも会社の御曹司だし住む世界が違うような人だし」
「でも好きになっちゃったんだ?」
「‥‥そうだけど」
改めて人に言われるとすごく恥ずかしい。
蒼太から面白い者を見るような目で眺められると余計にだ。
「相手にされないって言うけど、誕生日にデートするんでしょ。それは十分相手されてんじゃない?」
「そ、それはたぶん成り行きというか、気まぐれというか」
「ふぅん」
蒼太は意味ありげに返事をすると口をつぐむ。
そしてさっきとは打って変わって真剣な眼差しになった。
「姉ちゃんはさ、たまには自分の気持ちに向き合って正直になった方がいいよ。ここ何年も見ないふりして逃げてるよね」
「‥‥」
その通り過ぎて何も言えない。
蒼太の言う通りだった。
春樹を忘られなくて、それを紛らわせるために、好きと言ってくれた男性と付き合ってきた。
でもそれは確かに逃げてるだけだったーー。
「まぁ明日は余計なこと考えずにとりあえず楽しんできなよ。こんなに浮かれてる姉ちゃん珍しいしさ」
「うん、そうする。ところで蒼太こそどうなの?」
「俺?俺は彼女いないよ。そんな感じの子も今はいないなぁ」
「そうなんだ。いつも私のことばっかりだけど、蒼太も何かあったら教えてよね!」
「なに、姉ちゃん、俺のことが気になんの?でも俺たちは姉弟だからいくら好かれても残念ながらダメだからね~!」
「もう!またそうやってからかうんだから!」
飄々としていて掴みどころがない蒼太には、いつもこうやって煙に巻かれてしまう。
姉らしくしたいのに、これだとどっちが年上か分からない。
「あ、そういえばこれ誕生日プレゼント。察しの良い俺は男の影を感じ取って、今年は身に付けるアクセサリー系は避けといたよ。恨まれたら嫌だからね~」
蒼太が贈ってくれたのは、人気コスメブランドの口紅だった。
「姉ちゃんに似合う色を見繕っておいたから、明日のデートに付けていって相手の男を悩殺しておいでよ」
悩殺できる気はしないけど、気遣いが素直に嬉しい。
会う前からなんとなく私の予定を察してるところが鋭い蒼太らしかった。
「ありがとう。嬉しい」
気持ちを込めてにっこりと微笑みを返す。
私の喜んだ様子を見て満足したのか蒼太も微笑んだ。
食事を終えると、私たちは駅で別れ、私はそのまま真っ直ぐ家に帰った。
夜は更け、明日が近づいてくる。
それに伴って、私の緊張も高まっていったーー。
なんと常務から私の誕生日に出掛けるお誘いをいただいたのだ。
常務のことが好きだと気づき、でも身の程知らずだからと落ち込んでいた私にとって、晴天の霹靂だったーー。
その日、常務のマンションで夕方頃まで過ごし、私は自宅へ帰った。
家に着くとそのままベッドに倒れ込み、この週末のことを思い返してみる。
(本当に想像もしていなかった週末だったなぁ。金曜日の夜は、まさか常務のことを好きになるなんて思ってもいなかったのに‥‥。怒涛の週末だったな‥‥)
同時に脳裏には常務のことが自然と浮かんでくる。
少年のようにあどけなく笑う顔。
ルームウェアを着てリラックスした姿。
たまにちょっとイジワルなところ。
真剣で真摯な仕事への姿勢と考え方。
抱きしめられた時の体温と香り。
近くで見つめられた時の妖しく光る瞳。
そして頬へのキス。
(本当に素敵だったな‥‥)
思い出すたびに身体が火照ってきて、どうしようもない。
こんな素敵な人に誕生日を一緒に過ごそうと誘ってもらえたなんて、信じられない。
嬉しすぎてどうにかなりそうだ。
(でも浮かれ過ぎてはダメだ。常務みたいな人が私を相手にするなんて気まぐれかもしれないんだから‥‥!)
浮き足立つ気持ちを鎮めて自分に言い聞かせていると、ブーブーブーとスマホのバイブ音が部屋に鳴り響いた。
気持ちを落ち着かせてスマホを手に取ると、弟の蒼太からの電話だった。
「もしもし?」
「あ、姉ちゃん?今いい?」
「うん、家でのんびりしてたところ」
「あのさ、確か来週誕生日だったよね?」
「うそ、よく覚えてるね。私もさっき思い出したのに」
「自分の誕生日なのに思い出すの遅過ぎでしょ。でさ、最近会ってなかったしゴハンでもどう?お祝いしてあげるよ」
優しい気の利く弟だ。
そんなにしょっちゅうは会っていないけど、いつも私のことを気にかけていてくれる。
「来週の平日なら大丈夫だよ」
「平日?誕生日は土曜日だったよね。しかも今彼氏いないでしょ。何か予定あんの?」
「‥‥‥」
「何か声が弾んでるもんね」
相変わらず鋭い。
楽しそうな笑いを含ませた声で蒼太が話す。
「まぁいいや。その時に色々聞かせてもらうから。じゃあ金曜日の仕事終わりでいい?」
「うん」
「オッケー!また詳細はメールする」
そういって蒼太は電話を切った。
(蒼太にまで声が弾んでるって言われるなんて相当浮かれてるな、私。明日からまた仕事なんだから気を引き締めないと‥‥!)
電話が終わると、私は夜ごはんを食べ、テキパキと就寝の準備をし、その日は翌日に備えて早めに眠りについた。
翌日出社すると、朝一番に由美ちゃんが近寄ってきた。
「百合さん、金曜日は遅くまで取材対応ありがとうございました!」
「由美ちゃんもお疲れ様!いっぱい反響あって良かったよね」
「はい、ホッとしました!ところで、何か今日の百合さんいつも以上に麗しくないですか!?まるで花が咲き誇るような‥‥!あぁ、なんて美しい‥‥!!」
「えっ、ちょっと由美ちゃん‥‥!」
急に興奮しだす由美ちゃんを嗜める。
周囲の人にそんな様子を見られて恥ずかしい。
そんな私たちに加わってきたのは安西部長だ。
「うん、でもそれ分かるわ。何か今日の並木さんいつも以上に綺麗だもの。恋でもしてるの?」
その言葉にギクっとする。
ちょうど昨日常務への想いを自覚したばかりだった私は身を硬くする。
(そんなに私って分かりやすいのかな。恥ずかしい‥‥!確かにいつ会社で常務に会うか分からないから綺麗にしておきたいって思ってはいたけど)
「‥‥えっと、たぶん化粧品を変えたからかもしれないです!」
慌ててもっともらしい理由を挙げて誤魔化した。
その週は、会う人会う人によく同じようなことを言われた。
響子や太一くんからは「絶対なんかある!」と言われてお昼に呼び出されたけど、常務との出来事を話すわけにもいかず、曖昧に微笑んで切り抜けた。
社内では無意識に常務を目で探してしまうし、他の社員が常務のことを話しているとこっそり耳を傾けてしまう。
全身で意識しまくっている状態だった。
残念ながらその週に常務を会社で見かけることはなかったけど、金曜日の朝にはLINEでメッセージが届いた。
絵文字なしの短くてシンプルなメッセージだけど、それだけで嬉しくて気持ちが舞い上がる。
数回のやりとりで、土曜日は車で横浜に行くことになった。
(すごく楽しみ!どんな服を着て行けばいいかな?休日にわざわざ付き合ってもらうんだから何かお礼も準備しようかな)
そんなワクワクする気持ちを隠しきれず、「ご機嫌ですね!そんな百合さんも素敵!」と由美ちゃんにツッコまれながら金曜日の仕事を終えた。
金曜日の仕事終わりは蒼太とディナーの約束だ。
駅前の待ち合わせ場所に行くと、蒼太がすでに待っていた。
私を見つけるなり、ニヤリとした笑いを向けてくる。
「なんかご機嫌ですねぇ、百合さん?俺とのデートがそんなに楽しみなの?それとも明日の予定が楽しみなの?」
完全にからかう口調で話しかけてくる。
「もう!からかわないでよ!」
「まぁ話はあとでゆっくり聞くとしましょうか。じゃあお店予約してあるから行こう」
そういって歩きだす。
蒼太が予約しておいてくれたのは、大きなガラス張りの窓が印象的な駅から程近い大通りに面した地上階のお店だった。
「ここ、この前友達と来てさ。雰囲気もいいし、ごはんもお酒も美味しかったんだよ」
「そうなんだ。予約しといてくれてありがとうね」
私たちは道に面した窓側の席へ案内される。
窓から夜の街に色付く光が見えて綺麗だ。
蒼太が食事とお酒をオーダーし、向かい合って座った私たちは目を合わせる。
「で?」
「‥‥何のことでしょうか?」
「さっき聞いたでしょ。なんでそんなにご機嫌なんですか?って。そのお答えは?」
「‥‥明日の予定が楽しみなだけだよ」
「その明日の予定っていうのは?」
「‥‥会社の人と出掛けるの」
「それってこの前言ってた春樹くんにそっくりな男?」
そう言われてドキッとする。
そうだ、そういえば常務は春樹に似てるんだった。
最初に目を離せなかったキッカケはそれだった。
(私、いつの間にかそんなこと全然気にしなくなってた‥‥)
「その反応はアタリだなぁ。へぇ、いつの間にかそんなことになってたんだ。付き合ってんの?」
「ち、違うよ‥‥!そんなわけないでしょ!そんな恐れ多い。私なんて相手にされないよ。だってすっごいモテる人なんだよ?しかも会社の御曹司だし住む世界が違うような人だし」
「でも好きになっちゃったんだ?」
「‥‥そうだけど」
改めて人に言われるとすごく恥ずかしい。
蒼太から面白い者を見るような目で眺められると余計にだ。
「相手にされないって言うけど、誕生日にデートするんでしょ。それは十分相手されてんじゃない?」
「そ、それはたぶん成り行きというか、気まぐれというか」
「ふぅん」
蒼太は意味ありげに返事をすると口をつぐむ。
そしてさっきとは打って変わって真剣な眼差しになった。
「姉ちゃんはさ、たまには自分の気持ちに向き合って正直になった方がいいよ。ここ何年も見ないふりして逃げてるよね」
「‥‥」
その通り過ぎて何も言えない。
蒼太の言う通りだった。
春樹を忘られなくて、それを紛らわせるために、好きと言ってくれた男性と付き合ってきた。
でもそれは確かに逃げてるだけだったーー。
「まぁ明日は余計なこと考えずにとりあえず楽しんできなよ。こんなに浮かれてる姉ちゃん珍しいしさ」
「うん、そうする。ところで蒼太こそどうなの?」
「俺?俺は彼女いないよ。そんな感じの子も今はいないなぁ」
「そうなんだ。いつも私のことばっかりだけど、蒼太も何かあったら教えてよね!」
「なに、姉ちゃん、俺のことが気になんの?でも俺たちは姉弟だからいくら好かれても残念ながらダメだからね~!」
「もう!またそうやってからかうんだから!」
飄々としていて掴みどころがない蒼太には、いつもこうやって煙に巻かれてしまう。
姉らしくしたいのに、これだとどっちが年上か分からない。
「あ、そういえばこれ誕生日プレゼント。察しの良い俺は男の影を感じ取って、今年は身に付けるアクセサリー系は避けといたよ。恨まれたら嫌だからね~」
蒼太が贈ってくれたのは、人気コスメブランドの口紅だった。
「姉ちゃんに似合う色を見繕っておいたから、明日のデートに付けていって相手の男を悩殺しておいでよ」
悩殺できる気はしないけど、気遣いが素直に嬉しい。
会う前からなんとなく私の予定を察してるところが鋭い蒼太らしかった。
「ありがとう。嬉しい」
気持ちを込めてにっこりと微笑みを返す。
私の喜んだ様子を見て満足したのか蒼太も微笑んだ。
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