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08. 頼もしき専属侍女
「…………ッ!」
アイゼルのその姿を目にした時、リースベットは思わず声を出しそうになった。
ただ、それはマズイと、必死に声と気配を押し殺す。
今、アイゼルはリースベットに見られていることに気がついていない。
疲れ果ててしばらく起きないと思っているからこそ、リースベットが横たわる隣で『それ』をしているのだろう。
リースベットは息を潜めて、もう一度こっそりアイゼルを盗み見る。
……初めて目にするけれど、あれって、あれよね……?
リースベットは男性の『それ』を見たことがない。
いや、ほとんどの女性もおそらく同様だろう。
なにしろ『それ』は、自分の手で己の性器を刺激し、性的快感を得る行為――一般的には人目を盗んで一人でする行為だからだ。
そう、アイゼルはリースベットの隣で自慰行為に耽っていたのである。
今しがた閨を共にした相手が、その直後に自分で自分を慰めている。
それが意味することとは――
……私が相手では、満足できない、物足りないってことよね……。
つまりは、そういうことだ。
そもそもアイゼルはリースベットの容姿を気に入っていなかった。
実際に行為に及んでみて、リースベットの貧相な身体や、はしたない痴態にさらなる幻滅をしたのだろう。
もしかすると行為そのものにも不手際があったのかもしれない。
きっとアイゼルは当主としての強い責任感に突き動かされ、なんとか最後まで初夜を完遂させたに違いない。
……なんだか、とっても申し訳ない気持ちでいっぱいだわ……。
この一夜で子を授かっていれば良いが、もしそうでなった場合、アイゼルはまた無理をしなければならなくなる。
それがとんでもなくリースベットは心苦しかった。
……確か子を授かったか否かは一ヶ月くらいで分かるのだったかしら。
であれば、授かっておらず再び子づくりが必要になった場合、次の閨は早くても一ヶ月後になるだろう。
なんとなく猶予を得た気持ちになったリースベットは少しばかり安堵する。
そしてアイゼルの秘密の行為は見なかったことにして、再び微睡の中に落ちていった。
「奥様、おはようございまーす! まもなく昼食ですからお支度しましょう!」
翌日、明るく元気なエルマの声でリースベットは目を覚ました。
あれからぐっすり眠っていたようで、もう太陽が天頂を通過する頃となっていた。
ふと隣に目を向ければ、昨夜そこにいた人の姿はすでにない。
「旦那様なら朝から忙しそうに執務に励まれてますよ。あ、寝坊してしまったかもって奥様は気にしなくていいですからね! 昼まで休ませてやれっていう旦那様のご指示ですから!」
リースベットの視線に気がついたエルマが、すかさず教えてくれる。
しかもリースベットが気に病みそうな点まで先回りする周到ぶりだ。
「昼食はご一緒にとのことですから身支度始めちゃいましょ! ささっ、こちらへどうぞ!」
案内されたのは、昨夜アイゼルが入ってきた扉とは別の、もう一つの扉の方だった。
「あっちの扉は旦那様の私室に繋がっていて、こっちは奥様用の私室に繋がってるんですよ!」
中に入ると、シックな色合いの調度品で統一された落ち着いた雰囲気の部屋だった。
ドレッサーや衣装棚、ソファー、テーブルなどがセンスよく配置されている。
部屋に入ると、昨日同様、エルマに手早く着ていたネグリジェを剥ぎ取られた。
お湯で濡らした手拭いでまずは体を清めてくれるようだ。
だが、手拭いを握りしめたエルマがふと動きを止める。
「ムフフ。昨夜は熱~い夜を過ごされたんですね! それにしても旦那様、むしゃぶりつきすぎじゃないですか。これ、キスマークつけすぎですよ!」
「キ、キスマーク?」
「この赤い花みたいな鬱血痕のことです。ほら、体の至る所についてるの分かります?」
指摘されて初めて気づいた。
確かにエルマの言う通り、胸元やお腹、二の腕などに痣のような痕がいくつもある。
リースベットからは見えないが、エルマによると首筋や背中にも残っているらしい。
……全然気づかなかったわ。
それもそのはず。
アイゼルによってもたらされる喜悦に翻弄され、昨夜のリースベットにそんな余裕は皆無だったのだから。
「これじゃ、胸元の開いた服は着れないですねぇ。首も隠した方がいいかなぁ。今回は初夜だから旦那様もハッスルしちゃったんでしょうけど………奥様っ!」
「は、はい!?」
「今後は旦那様がキスマークつけすぎないように注意してくださいね! と・く・に、翌日に夜会や舞踏会があるような時はマストですよ! 着れるドレスが限られちゃいますからねっ!」
「わ、分かりました……!」
“ハッスル”や“マスト”などエルマの言葉には聞き馴染みのない単語が時々混じる。
ただ、それを尋ねるのが憚られるほどの有無を言わせぬ圧を受け、リースベットはコクコクと何度も頷いた。
真摯に忠告を受け入れてくれたリースベットに、エルマは非常に満足そうにニッコリ笑う。
実はエルマには一つの願望があった。
それは自身が担当する主を自らの手で美しく磨き、着飾らせ、最高のレディに仕立て上げることだ。
これまでこの公爵邸には、残念なことにエルマの願いを叶えるに適した存在がいなかった。
現在のシャロック公爵家にはアイゼルとルイズの兄弟だけ。
前公爵夫人――二人の母親は、領地の別邸に住んでいる上に、そもそもすでに完成された美貌を誇る女性である。
ああ、どこかに私の手で磨き上げるに相応しい原石のような令嬢はいないものだろうか、と常日頃から思いを馳せていた。
そんなある日である。
アイゼルが妻を娶ると言うではないか。
しかも十八歳の若い令嬢だと聞いたものだから、我先にと専属希望に手を挙げた。
そうして顔合わせの時にリースベットを一目見た瞬間、エルマは雷に打たれたような衝撃を受けた。
まさに探し求めていた原石というべき逸材であったからだ。
髪はパサつきがちだし、肌には艶がなく、今にも折れてしまいそうなほどに華奢な体型は一見貧相。だけど、女性的なラインの身体つきな上に胸も程よい大きさな上に形が良さそうだった。
それに色彩は地味めなものの、決して顔立ちは悪くない。いや、よく見れば儚げな美人だ。
これは磨き甲斐があるとニマニマを隠せずにいたところ、アイゼルから冷たい目を向けられたのは記憶に新しい。
……フフフ。前世でラノベ読んでた時から、もし自分が転生したなら、モブキャラ侍女になって主を最高のレディにしてみたいと思ってたのよね~! ヒロインを輝かせるための影の立役者的なポジション良くない!?
そう、実はエルマ、前世の記憶持ちであった。
物心ついた頃に現代日本で生きた記憶を思い出したのだ。
誰にもその事実を話してはいないものの、ノリの軽さや、時々前世の言葉を使うことから、身内からは変わり者認定されている。
「さぁて、さてさて。奥様、今日は何着ましょうかね!」
リースベットの身を清め終えたエルマは、ルンルン気分で衣装棚の中からドレスを選び始める。
エルマの事情などつゆ知らぬリースベットは、今まで接したことのあるどの人物とも全く違うエルマに戸惑い、接し方を図りかねていた。
……昨日アイゼル様が『個性的な奴』って評されていたけれど、確かにその通りね。
でも決して嫌というわけではない。
一人嫁いできて心細い中、気さくに接してもらえるのは嬉しかった。
「首筋のキスマークを隠さなきゃなんで、こちらの襟付きのワンピースなんてどうですか?」
問われたものの、長年使用人として過ごしてきたリースベットには自分で服を選ぶという経験がほぼない。
アメリアに帯同して夜会に出席していた時も、アメリアの指定したものを着ていた。
それゆえ、選び方が分からない上に、衣装棚にズラリと並ぶドレスやワンピースを前に完全に気後れしていた。
……夫人用の私室にあるってことは、こ、これ全部が私用の服なの……!?
おそらくどれも伯爵家では手が出せないような上質な素材の一級品のはずである。
それらに袖を通すだけでも恐れ多い上に、選ぶなんて無理だ。
早々に匙を投げたリースベットはニコニコと楽しげなエルマに丸投げすることにした。
「あの、お恥ずかしながら、私はあまり服を選ぶセンスがないので、エルマさんにお任せしていいですか?」
「………!!」
「エ、エルマさん……?」
「ああ、もうどうしよう! 奥様、最高すぎるんですけど! はいっ、もちろんこのエルマにお任せください! あと、私のことはエルマと呼び捨てに、敬語も不要ですので!」
パッと顔を輝かせ、リースベットの手を取ると、エルマは嬉しそうにその手をブンブン上下に振った。
そんなこんなで、エルマの選んだワンピースを着せてもらい、整髪やお化粧も施してもらって身支度が整ったのは、昼食時間の少し前だった。
「では一階の食堂に参りましょう! あ、そうそう。今日の昼食は旦那様の弟であるルイズ様もご一緒だそうです。お会いになるの初めてですよね?」
部屋を出て食堂に向かって歩いている途中、なんでもないことかのようにエルマがポロリと聞き捨てならない情報を零した。
思わず足を止めて目を瞬く。
「あれ? 奥様どうかしました?」
……エルマ、旦那様の弟もいらっしゃるなら、もっと早く教えて欲しかったわ……!
こちらにも心の準備というものがある。
リースベットのような地味で冴えない伯爵令嬢がアイゼルの妻になるなんて、きっと弟のルイズは内心快く思っていないはずだ。
アイゼル以外の公爵家の人間と顔を合わせるのはこれが初めてである。
急遽浮上した初顔合わせという事態に、リースベットは緊張でドギマギしながら、食堂へ向かって再び歩き出した。
アイゼルのその姿を目にした時、リースベットは思わず声を出しそうになった。
ただ、それはマズイと、必死に声と気配を押し殺す。
今、アイゼルはリースベットに見られていることに気がついていない。
疲れ果ててしばらく起きないと思っているからこそ、リースベットが横たわる隣で『それ』をしているのだろう。
リースベットは息を潜めて、もう一度こっそりアイゼルを盗み見る。
……初めて目にするけれど、あれって、あれよね……?
リースベットは男性の『それ』を見たことがない。
いや、ほとんどの女性もおそらく同様だろう。
なにしろ『それ』は、自分の手で己の性器を刺激し、性的快感を得る行為――一般的には人目を盗んで一人でする行為だからだ。
そう、アイゼルはリースベットの隣で自慰行為に耽っていたのである。
今しがた閨を共にした相手が、その直後に自分で自分を慰めている。
それが意味することとは――
……私が相手では、満足できない、物足りないってことよね……。
つまりは、そういうことだ。
そもそもアイゼルはリースベットの容姿を気に入っていなかった。
実際に行為に及んでみて、リースベットの貧相な身体や、はしたない痴態にさらなる幻滅をしたのだろう。
もしかすると行為そのものにも不手際があったのかもしれない。
きっとアイゼルは当主としての強い責任感に突き動かされ、なんとか最後まで初夜を完遂させたに違いない。
……なんだか、とっても申し訳ない気持ちでいっぱいだわ……。
この一夜で子を授かっていれば良いが、もしそうでなった場合、アイゼルはまた無理をしなければならなくなる。
それがとんでもなくリースベットは心苦しかった。
……確か子を授かったか否かは一ヶ月くらいで分かるのだったかしら。
であれば、授かっておらず再び子づくりが必要になった場合、次の閨は早くても一ヶ月後になるだろう。
なんとなく猶予を得た気持ちになったリースベットは少しばかり安堵する。
そしてアイゼルの秘密の行為は見なかったことにして、再び微睡の中に落ちていった。
「奥様、おはようございまーす! まもなく昼食ですからお支度しましょう!」
翌日、明るく元気なエルマの声でリースベットは目を覚ました。
あれからぐっすり眠っていたようで、もう太陽が天頂を通過する頃となっていた。
ふと隣に目を向ければ、昨夜そこにいた人の姿はすでにない。
「旦那様なら朝から忙しそうに執務に励まれてますよ。あ、寝坊してしまったかもって奥様は気にしなくていいですからね! 昼まで休ませてやれっていう旦那様のご指示ですから!」
リースベットの視線に気がついたエルマが、すかさず教えてくれる。
しかもリースベットが気に病みそうな点まで先回りする周到ぶりだ。
「昼食はご一緒にとのことですから身支度始めちゃいましょ! ささっ、こちらへどうぞ!」
案内されたのは、昨夜アイゼルが入ってきた扉とは別の、もう一つの扉の方だった。
「あっちの扉は旦那様の私室に繋がっていて、こっちは奥様用の私室に繋がってるんですよ!」
中に入ると、シックな色合いの調度品で統一された落ち着いた雰囲気の部屋だった。
ドレッサーや衣装棚、ソファー、テーブルなどがセンスよく配置されている。
部屋に入ると、昨日同様、エルマに手早く着ていたネグリジェを剥ぎ取られた。
お湯で濡らした手拭いでまずは体を清めてくれるようだ。
だが、手拭いを握りしめたエルマがふと動きを止める。
「ムフフ。昨夜は熱~い夜を過ごされたんですね! それにしても旦那様、むしゃぶりつきすぎじゃないですか。これ、キスマークつけすぎですよ!」
「キ、キスマーク?」
「この赤い花みたいな鬱血痕のことです。ほら、体の至る所についてるの分かります?」
指摘されて初めて気づいた。
確かにエルマの言う通り、胸元やお腹、二の腕などに痣のような痕がいくつもある。
リースベットからは見えないが、エルマによると首筋や背中にも残っているらしい。
……全然気づかなかったわ。
それもそのはず。
アイゼルによってもたらされる喜悦に翻弄され、昨夜のリースベットにそんな余裕は皆無だったのだから。
「これじゃ、胸元の開いた服は着れないですねぇ。首も隠した方がいいかなぁ。今回は初夜だから旦那様もハッスルしちゃったんでしょうけど………奥様っ!」
「は、はい!?」
「今後は旦那様がキスマークつけすぎないように注意してくださいね! と・く・に、翌日に夜会や舞踏会があるような時はマストですよ! 着れるドレスが限られちゃいますからねっ!」
「わ、分かりました……!」
“ハッスル”や“マスト”などエルマの言葉には聞き馴染みのない単語が時々混じる。
ただ、それを尋ねるのが憚られるほどの有無を言わせぬ圧を受け、リースベットはコクコクと何度も頷いた。
真摯に忠告を受け入れてくれたリースベットに、エルマは非常に満足そうにニッコリ笑う。
実はエルマには一つの願望があった。
それは自身が担当する主を自らの手で美しく磨き、着飾らせ、最高のレディに仕立て上げることだ。
これまでこの公爵邸には、残念なことにエルマの願いを叶えるに適した存在がいなかった。
現在のシャロック公爵家にはアイゼルとルイズの兄弟だけ。
前公爵夫人――二人の母親は、領地の別邸に住んでいる上に、そもそもすでに完成された美貌を誇る女性である。
ああ、どこかに私の手で磨き上げるに相応しい原石のような令嬢はいないものだろうか、と常日頃から思いを馳せていた。
そんなある日である。
アイゼルが妻を娶ると言うではないか。
しかも十八歳の若い令嬢だと聞いたものだから、我先にと専属希望に手を挙げた。
そうして顔合わせの時にリースベットを一目見た瞬間、エルマは雷に打たれたような衝撃を受けた。
まさに探し求めていた原石というべき逸材であったからだ。
髪はパサつきがちだし、肌には艶がなく、今にも折れてしまいそうなほどに華奢な体型は一見貧相。だけど、女性的なラインの身体つきな上に胸も程よい大きさな上に形が良さそうだった。
それに色彩は地味めなものの、決して顔立ちは悪くない。いや、よく見れば儚げな美人だ。
これは磨き甲斐があるとニマニマを隠せずにいたところ、アイゼルから冷たい目を向けられたのは記憶に新しい。
……フフフ。前世でラノベ読んでた時から、もし自分が転生したなら、モブキャラ侍女になって主を最高のレディにしてみたいと思ってたのよね~! ヒロインを輝かせるための影の立役者的なポジション良くない!?
そう、実はエルマ、前世の記憶持ちであった。
物心ついた頃に現代日本で生きた記憶を思い出したのだ。
誰にもその事実を話してはいないものの、ノリの軽さや、時々前世の言葉を使うことから、身内からは変わり者認定されている。
「さぁて、さてさて。奥様、今日は何着ましょうかね!」
リースベットの身を清め終えたエルマは、ルンルン気分で衣装棚の中からドレスを選び始める。
エルマの事情などつゆ知らぬリースベットは、今まで接したことのあるどの人物とも全く違うエルマに戸惑い、接し方を図りかねていた。
……昨日アイゼル様が『個性的な奴』って評されていたけれど、確かにその通りね。
でも決して嫌というわけではない。
一人嫁いできて心細い中、気さくに接してもらえるのは嬉しかった。
「首筋のキスマークを隠さなきゃなんで、こちらの襟付きのワンピースなんてどうですか?」
問われたものの、長年使用人として過ごしてきたリースベットには自分で服を選ぶという経験がほぼない。
アメリアに帯同して夜会に出席していた時も、アメリアの指定したものを着ていた。
それゆえ、選び方が分からない上に、衣装棚にズラリと並ぶドレスやワンピースを前に完全に気後れしていた。
……夫人用の私室にあるってことは、こ、これ全部が私用の服なの……!?
おそらくどれも伯爵家では手が出せないような上質な素材の一級品のはずである。
それらに袖を通すだけでも恐れ多い上に、選ぶなんて無理だ。
早々に匙を投げたリースベットはニコニコと楽しげなエルマに丸投げすることにした。
「あの、お恥ずかしながら、私はあまり服を選ぶセンスがないので、エルマさんにお任せしていいですか?」
「………!!」
「エ、エルマさん……?」
「ああ、もうどうしよう! 奥様、最高すぎるんですけど! はいっ、もちろんこのエルマにお任せください! あと、私のことはエルマと呼び捨てに、敬語も不要ですので!」
パッと顔を輝かせ、リースベットの手を取ると、エルマは嬉しそうにその手をブンブン上下に振った。
そんなこんなで、エルマの選んだワンピースを着せてもらい、整髪やお化粧も施してもらって身支度が整ったのは、昼食時間の少し前だった。
「では一階の食堂に参りましょう! あ、そうそう。今日の昼食は旦那様の弟であるルイズ様もご一緒だそうです。お会いになるの初めてですよね?」
部屋を出て食堂に向かって歩いている途中、なんでもないことかのようにエルマがポロリと聞き捨てならない情報を零した。
思わず足を止めて目を瞬く。
「あれ? 奥様どうかしました?」
……エルマ、旦那様の弟もいらっしゃるなら、もっと早く教えて欲しかったわ……!
こちらにも心の準備というものがある。
リースベットのような地味で冴えない伯爵令嬢がアイゼルの妻になるなんて、きっと弟のルイズは内心快く思っていないはずだ。
アイゼル以外の公爵家の人間と顔を合わせるのはこれが初めてである。
急遽浮上した初顔合わせという事態に、リースベットは緊張でドギマギしながら、食堂へ向かって再び歩き出した。
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