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09. 義弟との邂逅
「お初にお目にかかります。リースベット・エイムズと申します」
「ご丁寧にどうも。公爵家当主アイゼルの弟のルイズ・シャロックです。こんな堅物の兄のお嫁さんに来てくれてありがとうございます」
「とんでもございません。私などには身に余るお話でしたので。婚姻に際して、公爵家から当家への金銭的援助も申し出てくださったと耳にしております。父に代わって厚く御礼申し上げます」
「いやいや、そんな畏まらなくてもいいですよ。というかもう義理の姉弟になったわけですし、僕のことは気軽にルイズと呼んでください。あ、砕けた話し方でも構わないですか?」
「あ、はい。もちろんです。私のこともどうぞリースベットとお呼びください」
食堂に入るとすでにアイゼルとルイズは着席しており、リースベットの到着が最後であった。
慌ててまずはアイゼルに挨拶をし、その次にルイズと初対面の挨拶を交わす。
夜会で遠めに目にしたことはあったが、こうして直接言葉を交わすのは初めてだ。
ルイズはアイゼルより二歳年下の二十歳。
関係上は義弟となるが、実際にはリースベットより二歳年上である。
さすが兄弟だけあって、紺藍の髪や灰色の瞳といった色彩はアイゼルとまったく同じだ。
だけど、顔立ちや表情のせいか、受ける印象が全然違った。
アイゼルの涼やかな雰囲気に対し、ルイズは穏やかな物腰の柔和な雰囲気の美形だった。
どちらも並外れた美貌であることに変わりないが、ルイズにはアイゼルのような近寄りがたさはあまり感じられない。
ルイズが好意的に接してくれていることも相まって、リースベットは胸を撫で下ろし、随分と気持ちが楽になった。
……いい人そうで本当に良かった。この婚姻に反対されている様子もなくてホッとしたわ。
人心地がつくリースベットだったが、ふいに突き刺さるような視線を感じ、そちらに顔を向ける。
すると眉根を寄せてこちらをジトッと見つめるアイゼルと目が合った。
「あの、アイゼル様……?」
だが、やはりというかなんというか、視線が重なるとアイゼルはいつものようにふいと顔を背けてしまう。
「兄上、リースベットになにか言いたいことがあるんなら伝えれば?」
「いや、別に」
「ほらほら、早く」
「………ただ、名乗りが誤ってる、と思っただけだ」
「名乗り? あ! はいはい、なるほどね」
いち早くアイゼルの言わんとすることに気がづいたルイズは、言葉が足りない兄に代わって、小首を傾げるリースベットに説明する。
「僕に挨拶してくれた時、リースベットは『リースベット・エイムズ』って名乗ったでしょ? 兄上が言ってるのはそのことだよ」
「えっと、それはつまり……?」
「昨日結婚したんだから、名乗るならもう『リースベット・シャロック』じゃないかってことだね」
「あっ……!」
リースベットも遅まきながらアイゼルの言いたかったことをようやく理解した。
同時にルイズは兄であるアイゼルの意を汲むのが巧みなのだなと感心してしまう。
そんなところからも兄弟仲の良さが窺い知れる。
「アイゼル様、申し訳ありません。まだ言い慣れておらず、つい長年親しんだ方を口にしていました」
「……リースベットはもう俺の妻なのだから、次から気をつけてくれ」
「はい。ご指摘ありがとうございます」
「あ~なんかもう二人とも堅いなぁ! とりあえず全員揃ったことだし食事を始めない?」
ルイズのその一言で全員が着席し、使用人によって昼食が運ばれてきた。
夕食に比べると軽めのメニューだが、それでも十分なボリュームがある。
リースベットは昨夜に続き、食事の美味しさに圧倒されながら一口一口大事に味わっていた。
パンはふわふわで柔らかく、スープは野菜の旨味が溶け込んだ濃厚さ。
メイン料理の鶏のソテーも、外側の皮はパリッと香ばしく、中は肉汁が溢れてジューシー。トマトソースともよく合う。
……どれもとっても美味しい。もっと食べたいのに、こんな贅沢な食事に慣れていなくて胃に入らないわ。
昨夜の夕食もそうだったが、残念ながらリースベットは量が食べられない。
長年粗食だったせいだろう。
生活習慣に合わせて胃が小さくなっており、なかなか量を受け付けないのだ。
「奥様、もうお腹いっぱいなんですか? それとももしかして食事が口に合いません?」
「食事は本当にとっても、とーっても美味しかったわ! その、もともとあまり量が食べらなくて」
エルマが給仕をしながら心配そうに顔を覗き込んでくるので、リースベットは珍しく感情豊かに食事の美味しさを語った。
絶対に「口に合わなかった」と勘違いされたくないという思いがあったからだ。
「フフフ、お口に合ったようで良かったです! でも奥様はちょっと細すぎますから、少しずつ量を増やしていきましょ! 食事は美容の基本ですから、ね?」
「え、ええ。そうね……」
「エルマ、お前の勢いにリースベットがちょっと引いてるよ。昔から言ってるだろう? エルマの言動は変わってるって。兄上や僕は慣れてるけどさ」
「はいはい、そうですね。私はどうせ変わり者ですよー。ご助言どうもありがとうございまーす、ルイズ坊ちゃん」
「坊ちゃんってのはやめてよ」
「ワザとでーす! ルイズ様」
目の前で繰り広げられるエルマとルイズの言い合いに、リースベットは目をぱちくりとした。
リースベットに対しても親しげだったエルマだが、あれでまだまだ猫を被っていたらしいと気づく。
……幼い頃から一緒に育ったのだものね。アイゼル様も妹みたいなものっておっしゃってたし。特にルイズ様とエルマは同い年だもの。
リースベットにも半分血の繋がった異母兄と異母姉がいるが、他人以下の関係だった。
血の繋がりなど関係なく、このような気心知れた関係性が築けるなんて素晴らしいことだと、リースベットは少し羨ましくなった。
そんなふうに他人事のように二人のやりとりを眺めていたところ、不意打ちでエルマによる爆弾がその場に投下された。
「あ、そうだ、旦那様! 奥様の美しさをより一層磨き上げるためにも旦那様の協力が必要不可欠なんですよ! 具体的には、いっぱい奥様のお胸を揉んであげてください! あとキスマークちょっと控えてください!」
「……ブフッ」
被害をもろに食らったアイゼルは、スープを飲み誤り盛大にむせた。
リースベットは顔を真っ赤に染めて、羞恥に耐えられずふるふる小刻みに震えている。
そんな状況を見て、ルイズは片手を額にあて天を仰いだ。
やらかした当の本人であるエルマだけがケロッとしている。
「………………エルマ」
「はい! なんでしょう、旦那様!」
「お前の両親と一緒に、後で俺の執務室に来い」
「ええっ! 両親と、ですか!?」
「親の目の前で説教だ」
「ひえ~っ! 奥様~助けてー!」
どうやらエルマの弱点は、両親である執事長と侍女頭であるらしい。
ものすごい辱めを受けたリースベットは、エルマに悪気がなかったのは理解していたが、こればっかりは手を差し伸べる気にならなかった。
穏やかに微笑み、無言で首を横に振る。
しっかり叱られて、ああいった爆弾発言は控えて欲しいと願うばかりだ。
……エルマには悪いけど、そもそもアイゼル様に協力要請したところで、あまり意味はないのだけどね。
なにしろ次の閨は早くて一ヶ月先だ。
もし仮に昨夜で授かっていたら、もう二度とそういった行為はないかもしれない。
自分と視線をまともに合わないアイゼルの言動を思い出し、リースベットは自嘲めいた笑みを静かに浮かべた。
「ご丁寧にどうも。公爵家当主アイゼルの弟のルイズ・シャロックです。こんな堅物の兄のお嫁さんに来てくれてありがとうございます」
「とんでもございません。私などには身に余るお話でしたので。婚姻に際して、公爵家から当家への金銭的援助も申し出てくださったと耳にしております。父に代わって厚く御礼申し上げます」
「いやいや、そんな畏まらなくてもいいですよ。というかもう義理の姉弟になったわけですし、僕のことは気軽にルイズと呼んでください。あ、砕けた話し方でも構わないですか?」
「あ、はい。もちろんです。私のこともどうぞリースベットとお呼びください」
食堂に入るとすでにアイゼルとルイズは着席しており、リースベットの到着が最後であった。
慌ててまずはアイゼルに挨拶をし、その次にルイズと初対面の挨拶を交わす。
夜会で遠めに目にしたことはあったが、こうして直接言葉を交わすのは初めてだ。
ルイズはアイゼルより二歳年下の二十歳。
関係上は義弟となるが、実際にはリースベットより二歳年上である。
さすが兄弟だけあって、紺藍の髪や灰色の瞳といった色彩はアイゼルとまったく同じだ。
だけど、顔立ちや表情のせいか、受ける印象が全然違った。
アイゼルの涼やかな雰囲気に対し、ルイズは穏やかな物腰の柔和な雰囲気の美形だった。
どちらも並外れた美貌であることに変わりないが、ルイズにはアイゼルのような近寄りがたさはあまり感じられない。
ルイズが好意的に接してくれていることも相まって、リースベットは胸を撫で下ろし、随分と気持ちが楽になった。
……いい人そうで本当に良かった。この婚姻に反対されている様子もなくてホッとしたわ。
人心地がつくリースベットだったが、ふいに突き刺さるような視線を感じ、そちらに顔を向ける。
すると眉根を寄せてこちらをジトッと見つめるアイゼルと目が合った。
「あの、アイゼル様……?」
だが、やはりというかなんというか、視線が重なるとアイゼルはいつものようにふいと顔を背けてしまう。
「兄上、リースベットになにか言いたいことがあるんなら伝えれば?」
「いや、別に」
「ほらほら、早く」
「………ただ、名乗りが誤ってる、と思っただけだ」
「名乗り? あ! はいはい、なるほどね」
いち早くアイゼルの言わんとすることに気がづいたルイズは、言葉が足りない兄に代わって、小首を傾げるリースベットに説明する。
「僕に挨拶してくれた時、リースベットは『リースベット・エイムズ』って名乗ったでしょ? 兄上が言ってるのはそのことだよ」
「えっと、それはつまり……?」
「昨日結婚したんだから、名乗るならもう『リースベット・シャロック』じゃないかってことだね」
「あっ……!」
リースベットも遅まきながらアイゼルの言いたかったことをようやく理解した。
同時にルイズは兄であるアイゼルの意を汲むのが巧みなのだなと感心してしまう。
そんなところからも兄弟仲の良さが窺い知れる。
「アイゼル様、申し訳ありません。まだ言い慣れておらず、つい長年親しんだ方を口にしていました」
「……リースベットはもう俺の妻なのだから、次から気をつけてくれ」
「はい。ご指摘ありがとうございます」
「あ~なんかもう二人とも堅いなぁ! とりあえず全員揃ったことだし食事を始めない?」
ルイズのその一言で全員が着席し、使用人によって昼食が運ばれてきた。
夕食に比べると軽めのメニューだが、それでも十分なボリュームがある。
リースベットは昨夜に続き、食事の美味しさに圧倒されながら一口一口大事に味わっていた。
パンはふわふわで柔らかく、スープは野菜の旨味が溶け込んだ濃厚さ。
メイン料理の鶏のソテーも、外側の皮はパリッと香ばしく、中は肉汁が溢れてジューシー。トマトソースともよく合う。
……どれもとっても美味しい。もっと食べたいのに、こんな贅沢な食事に慣れていなくて胃に入らないわ。
昨夜の夕食もそうだったが、残念ながらリースベットは量が食べられない。
長年粗食だったせいだろう。
生活習慣に合わせて胃が小さくなっており、なかなか量を受け付けないのだ。
「奥様、もうお腹いっぱいなんですか? それとももしかして食事が口に合いません?」
「食事は本当にとっても、とーっても美味しかったわ! その、もともとあまり量が食べらなくて」
エルマが給仕をしながら心配そうに顔を覗き込んでくるので、リースベットは珍しく感情豊かに食事の美味しさを語った。
絶対に「口に合わなかった」と勘違いされたくないという思いがあったからだ。
「フフフ、お口に合ったようで良かったです! でも奥様はちょっと細すぎますから、少しずつ量を増やしていきましょ! 食事は美容の基本ですから、ね?」
「え、ええ。そうね……」
「エルマ、お前の勢いにリースベットがちょっと引いてるよ。昔から言ってるだろう? エルマの言動は変わってるって。兄上や僕は慣れてるけどさ」
「はいはい、そうですね。私はどうせ変わり者ですよー。ご助言どうもありがとうございまーす、ルイズ坊ちゃん」
「坊ちゃんってのはやめてよ」
「ワザとでーす! ルイズ様」
目の前で繰り広げられるエルマとルイズの言い合いに、リースベットは目をぱちくりとした。
リースベットに対しても親しげだったエルマだが、あれでまだまだ猫を被っていたらしいと気づく。
……幼い頃から一緒に育ったのだものね。アイゼル様も妹みたいなものっておっしゃってたし。特にルイズ様とエルマは同い年だもの。
リースベットにも半分血の繋がった異母兄と異母姉がいるが、他人以下の関係だった。
血の繋がりなど関係なく、このような気心知れた関係性が築けるなんて素晴らしいことだと、リースベットは少し羨ましくなった。
そんなふうに他人事のように二人のやりとりを眺めていたところ、不意打ちでエルマによる爆弾がその場に投下された。
「あ、そうだ、旦那様! 奥様の美しさをより一層磨き上げるためにも旦那様の協力が必要不可欠なんですよ! 具体的には、いっぱい奥様のお胸を揉んであげてください! あとキスマークちょっと控えてください!」
「……ブフッ」
被害をもろに食らったアイゼルは、スープを飲み誤り盛大にむせた。
リースベットは顔を真っ赤に染めて、羞恥に耐えられずふるふる小刻みに震えている。
そんな状況を見て、ルイズは片手を額にあて天を仰いだ。
やらかした当の本人であるエルマだけがケロッとしている。
「………………エルマ」
「はい! なんでしょう、旦那様!」
「お前の両親と一緒に、後で俺の執務室に来い」
「ええっ! 両親と、ですか!?」
「親の目の前で説教だ」
「ひえ~っ! 奥様~助けてー!」
どうやらエルマの弱点は、両親である執事長と侍女頭であるらしい。
ものすごい辱めを受けたリースベットは、エルマに悪気がなかったのは理解していたが、こればっかりは手を差し伸べる気にならなかった。
穏やかに微笑み、無言で首を横に振る。
しっかり叱られて、ああいった爆弾発言は控えて欲しいと願うばかりだ。
……エルマには悪いけど、そもそもアイゼル様に協力要請したところで、あまり意味はないのだけどね。
なにしろ次の閨は早くて一ヶ月先だ。
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