役立たずの俺は異世界で「取得」と呼ばれるスキルで成り上がります

雪塚 ゆず

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第二章 村の活性化と開発

第二十八話 戦闘狂の戦意

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村人たちの歓声が聞こえ、ナナカがマクスリルを倒したんだと分かった。

「…!どうやら、やったようだな…!」
「ふふふ…マクスリル殿がやられるとは、なかなかの使い手…楽しませてくれる…!」

シュナイサーが不気味な笑いを浮かべる。だが…

「もう…お前、ボロボロじゃんか」

立ち上がろうと力を入れるシュナイサーだが、俺の魔法を一つもよけなかったせいかボロボロ。
それでもなお戦意を失わない。

「…はあっ、楽しいのでござるよ…」
「は?」
「私は…生まれてから…戦いばかり強いられてきた…が…」

不気味な笑いが切なげな笑みに変わる。

「もともと…私は欠陥品だったらしくてな…戦闘が、楽しくてしょうがないのだ…この痛みも快感でしかない…どこかいじられたか」

自身を抱きしめるような形となったシュナイサーは再び刀を構え直そうとする。

「もういいじゃんか…な?お前なんのために戦ってんだよ」
「なんの…ため?理由は………」

…シュナイサーは口を閉ざした。

「思いつかないんじゃんか」
「…はは。もはやここまでに及んでいたとは…!私は理由などありはせぬ者か…!」

狂ったように笑い出した。
その姿は…泣いているようにも見える。
そんなに悪いやつには見えない。
じゃあ…

「戦う理由がないならこっちこいよ。俺が理由を作ってやる」
「…!?タクヤ…おぬしは阿呆か!?敵を殺めるどころか仲間など…甘ったるいにもほどが…」
「ん?」

シュナイサーは言葉を紡ぐのを止めた。
考えを放棄したかのように笑う。

「このような時代に…おぬしのような大馬鹿者に出会うとはな。腹が痛いわ」

と、そのときだった。

「お前らー!この地でなにをしているのだ!?」
「ん…?あやつは…ニシェル?」

シュナイサーは首をかしげた。
どうやら見知った顔らしい。
しかもニシェルが引き連れて来たのは…大勢の人、人、人!
これは…なんだ?

「この村は我らタイトー商会の友とも言えるグローフ商会だぞ!?タイトー商会はお前ら王族の手の者がこの村を襲うかぎり商品はもう渡さんぞ!?」
「なっ…!」

途中からマクスリルが起き上がって話を聞いていたらしい。
すっかり青ざめている。

「王国随一の商会と手を切られたらこの国は大変マズい事態に…!シュナイサー!逃げるぞ!?」

マクスリルがシュナイサーに手を差し出した。…が。

パシンッ

「な」
「え?」
「…私は、戦う理由が欲しいのでな。面白そうなほうにつかせていただく」

マクスリルの手を叩き、そうシュナイサーは語った。

「ぐ…!お前は裏切るというのか!」
「そういうことになるな」
「お…覚えておけ!」

逃げ足だけは速いやつ。
さっさとマクスリルは逃げて行ってしまった。

オオオオオオオー!!

「やった…やったぞ!またマクスリル様…、いや、マクスリルを退けられたんだ!」
「ああ!俺らは助かったんだ!」

村人の歓声に包まれ、場の緊張感は解かれた。

「やっ…たのか…」
「…ナナカ!?」

すると、ナナカは力尽きたようにくたん、と脱力して気絶してしまった。
とっさに支え、ナナカが穏やかに息をしていることにほっとした。

『…ありゃりゃ。私の力に耐えられなかったのね。まあ、しょうがないわね。魔法剣士だし』
「…?君は?」

ふわふわと浮かぶ黄緑色の髪をしたサリィに似たような妖精に問いかけた。

『私はシルフィ。風の聖霊よ』
『あーっ!シルフィ!』

すると、サリィが出てきた。

『んもうサリフィルトったら。また男引っ掛けたのね』
『しししし、失礼ね!私は善良な妖精よ!あんたこそ聖霊っぽいことしてるの!?』
『私はこの子について行くって決めたもの~。じゃね』

シュルン…と消えていったシルフィにサリィはムキーッ!と腹を立たせた。

「…シュナイサー」
「…私、手をはらってしまったでござる」

シュナイサーはうつむき、少し後悔の念も見えたが…

「しかし迷いなし。この命、戦場に咲かせようぞ」

シュナイサーに、俺は手を差し出す。
その手を振り払うのではなく、今度はがっちりと掴んで立ち上がった。

「よろしくでござる。…タクヤ殿」
「ああ。よろしくシュナイサー」
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