役立たずの俺は異世界で「取得」と呼ばれるスキルで成り上がります

雪塚 ゆず

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第三章 グローフ商会と商売

第三十五話 スカーレット

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「はいいらっしゃい!今日も上質な商品がたくさんあるよ!」

ニシェル今日も絶好調。
大声で叫んで手を叩く。
と、

「あなた…タクヤ、さん?」
「え?あ、はい」
「昨日は勇気づけられましたわ。そちらのお嬢様を救って…」
「!?」

女性がスカーレットに触れようとしたが、スカーレットはビクッと体を震わせて俺の後ろに隠れた。
まだあの男のせいか人が怖いらしい。
徐々に慣らしていくしかないだろう。

「あら…ごめんなさい。もしよろしければ私達の商会と商品交換しませんこと?そちらにも利益になるかと…」

す…と女性が俺に名刺を差し出した。
この人、商人だったのか。

「では、ポーション頂けるかしら?」
「何個ですか?」
「では…3個で」
「銀貨9枚です」

ポーションを渡して銀貨を受け取る。
女性はにこやかに去って行った。

「あの、ニシェル。これ」
「…それをどこで!?」
「さっきの女性にもらいました」

ニシェルに名刺を見せるととても驚かれた。

「すごい所と縁を結べましたね。この商会はフラワー商会といって花を売っている所なんですよ。しかもこの商会は私達タイトー商会ともいい勝負。ほぼ女性が入っていて「花園」とも呼ばれていますよ」
「ほほう」
「男性が声をかけられるのは珍しいことです。自慢して大丈夫ですよ」

これは自慢の種になるらしい。
持っておこう。

「たくやおにいちゃん…」
「?」
「あのひと、なにかもってる」

スカーレットはす…と指を差した。
その先には…怪しげな女。
帽子を深くかぶり、周りをキョロキョロと見回す。
その腕の中にはシャツがあった。

「なあニシェル…ナナカ…あの人に商品売ったか?」
「?売ってませんよ?」
「私もよ」
「と、いうことは…」

間違いない。

「泥棒だ!!誰か捕まえて!!」
「!!」
「え?」

女は気がついたのか、慌てたようにそそくさと逃げていく。
俺はそれを追いかけた。

タッタッタッ…

足音だけが響く。
どんどん人通りの少ない所に入ってきているのが分かった。
やがて…女は行き止まりに遭遇する。

「ここまでだ」

焦って逃げ道を探す女。
だが、とうぜんここには逃げ場なんてない。

「…ちっ!森よ!力を貸して!リーフタイフーン!」

舌打ちをすると、いきなり魔法を放ってきた。
それを防ごうと構えた。…が。

「ふん。しょうもないまほう…炎よ。我に力を。ホムラ!」
「きゃあっ!」

何者かの魔法が飛んできて、女に直撃した。
女は気絶した。………

「…誰だ?」
「こんなにはやく、しょうたいをあかすことはなかったとおもうけど…」
「…え!?」

姿を現したのは…スカーレットだった。
先ほどとはまるで違い堂々とした態度。何よりも流暢な言葉。
少女の舌っ足らずな口調は変わらないが…

「スカーレット…?」
「たくやおにいちゃん、だっけ?」

ニコニコしながらズイッと顔を近づけた。

「あなた、わたしといっしょ?」
「………?」
「ねえ、「にほん」ってしってる?」
「!!」

今、なんて…
確かに「日本」と言った。

「…そのかお。しってるのね。じゃあ…にほんごもわかるわね」
「あ…ああ」
「じゃああらためて…こんにちわ。私はスカーレット…だけど、転生者よ」
「転生者!?」

スカーレットの舌っ足らずさが全く消え失せた。
大人と喋ってるも同然だ。

「そこで驚くってことは…あなた、転生者じゃないわね?」
「そうだけど…」
「じゃあ、召喚者かしら」
「…そうだな」
「へー…じゃあ神様には会ってないのね」
「神様?それって…アリス?」
「違う違う!おじいちゃんよ」

スカーレットはにこりと笑うと奴隷になった理由や転生したことなどを語り出した…
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