役立たずの俺は異世界で「取得」と呼ばれるスキルで成り上がります

雪塚 ゆず

文字の大きさ
39 / 104
第三章 グローフ商会と商売

第三十六話 転生者(スカーレット視点)

しおりを挟む
あの日。
いつもどうり仕事を終えて歩いて帰っていた…けど。
私は、彼氏の元カノに突き飛ばされて車に引かれて死んだ…
ビックリだわ。
まさか、自分が逆恨みで死ぬ、なんて。
でもここからがさらにびっくり。
なんと目覚めると…神様がいたの。

「えええ?私…死んだの?」
「哀れな魂よ…そなたは本当は死ぬ予定は無かった。この地球で…」

私、死ぬ予定無かった?
つまり…死ぬはずじゃなかったと。

「そこでだ。おぬしを転生させようと思う。ここの神が守護する異世界にな…」
「あ、あのう…はじめまして、あわれなたましい、さん?」

何てことだ…
幼女にまで哀れまれてしまったのか私は…!!
その子はどうやら異世界で創造神らしい。
どうみても幼女だが。

「そこで。お前にはちょっとしたサービスをつけようと思う」
「サービスって…チート!?」
「ちいと…」

幼女神はチートに首をかしげたが、こっちのおじいちゃん神は分かってるらしい。

「そなたが望めば、な」
「よっしゃあああああ~~!!」

ここでようやく晴れてきた!
私の人生春ね。

「では…そなたのステータスを覗いてみよ。ステータス、と言ってな」
「…ステータス」

すると、半透明のプレートみたいなの…ステータスが出てきた。




名前 ーーー
性別 女
種族 人間
称号 聖女 レベル1
属性 光 レベル1、聖 レベル1
   転生の加護
   地球神の加護
スキル 救済 レベル1
    回復術 レベル1
    衣類 レベル1
体力 30
攻撃力 5
守備力 20
魔力 150
気力 40



聖女っぽい!けど…衣類って何??
でも、一番気になるのは。

「名前は?」
「そなたは転生するのだから、そちらでつけてもらえばよい」

なるほど。
異世界だからさぞかしファンタスティックな名前になるだろうな…

「ちなみに、異世界だから言葉は違う。あちらできちんと学ぶのだぞ」
「あいあいさー!」
「ではあの穴に落ちろ」
「了解っ!」
「…ん?待て、おい!そっちじゃない!こっち…」
「キャアアアア~~…」

…残念ながらここで落ちる場所間違えたって訳。









物心ついたころには、私は奴隷になっていた。
残念ながら穴を間違えたせいで奴隷ルート真っ逆さま。
あの男!油ギトギト男に虐げられてきたってわけ!
こっちじゃ奴隷に言葉なんて教えるはずがない。
ということで「ごめんなさい」というその場をしのぐ言葉だけかろうじて覚えたって訳。
私は聖女ってことでわりかし高い値段で買われた。
だけど、愛玩用じゃないから。
愛玩用はご主人様に愛でられるけど、一般奴隷は虐げられる。
毎日鞭打たれて歯を食いしばって生きてきた。

「そこで、あなたに会ったの」
「…そうか。大変だったな」

目の前の新しいご主人様…タクヤ。
タクヤって漢字で書くと「拓也」になるのかしら。
この人には返しきれない恩がある。
一生ついていこうと思う。
だけど…
この人、どう見ても日本人。
黒目黒髪はこの世界にそんなにいないし、何よりこの世界のことをそんなに知らないらしい。
私が「日本」と異世界語で言ったら反応したし、今日本語で喋ってるけど分かってる。

「あなた、どうやってこの異世界の言葉を覚えたの?」
「…まず、言葉に違いなんてあったのか?」
『タクヤ様は「召喚の加護」のおかげで言語が通じるようになっているのです』

なにこの声!?

「なに!?」
「え?…取得の声が聞こえるの?」
「取得…?」
『こちらの方は転生者ですので私の声が聞こえるようになっています』
「だだだだ、誰!?」
「…こいつは取得。俺のスキル」

スキルが喋る!?聞いたこと無い!
…そうなの?
私がただ聞いたことないだけで…本当はみんな喋るの~!?

「スキルって喋るのね!?」
「違うよ。このスキルだけ」

話に聞くと、どうやらご主人様は中学二年生で…友達の司君と一緒に召喚されたらしい。
だけどスキルとかがまだ届いてなくて、ただの一般魔法使いとおんなじ扱いを受けて王宮を追い出されたみたいだ。
それで遅れて届いたスキル、取得にこの世界説明を受けた。
…どうやらこのスキル、勇者のスキルらしくて勇者である司君とスキルが変わってしまったらしい。
なんというアクシデント!
それで適当に歩いてついたのが…村か。
そこでお世話になって、商会を立ち上げた。
その商会で今は売り出し中らしい。
色々あったんだな…
でも…これで安心できた。
立場は違うけど同じ日本人。
同種だ。

「色々教えてくれてありがとう…たくやおにいちゃん」
「なあ、舌っ足らずさが戻ってるけどどうしたんだ?」
「あれ?しらなかった?わたしはにほんごでずっとしゃべってたんだよ」
「へ~、大変だな」
「もともと「いせかいご」しらなかったからしゃべれなかったのよ。…まあ、ひとはきらいだけど」
「なんで?」
「…まえのごしゅじんさまにぼうりょくうけて。なんか「ようじがえり」しちゃってかな?このからだのねんれいにせいしんがひっぱられてるっていうか…」
「ちょっと待て。…スカーレット。今お前何歳だ?」
「ん?9さい」
「………」
「にほんごでしゃべるとだいじょうぶなんだけで、いせかいごでしゃべると9さいレベルに…で、たくやおにいちゃんってかってによんじゃうの」
「なるほど…」

納得してくれたみたいだ。
よし。
ではご主人様と一緒に戻ろう。
…人見知りは猫かぶってないからね。
幼児帰りしてるだけだから。
…だけだから!!
しおりを挟む
感想 117

あなたにおすすめの小説

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

お花畑な母親が正当な跡取りである兄を差し置いて俺を跡取りにしようとしている。誰か助けて……

karon
ファンタジー
我が家にはおまけがいる。それは俺の兄、しかし兄はすべてに置いて俺に勝っており、俺は凡人以下。兄を差し置いて俺が跡取りになったら俺は詰む。何とかこの状況から逃げ出したい。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

神の加護を受けて異世界に

モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。 その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。 そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。

異世界へ行って帰って来た

バルサック
ファンタジー
ダンジョンの出現した日本で、じいさんの形見となった指輪で異世界へ行ってしまった。 そして帰って来た。2つの世界を往来できる力で様々な体験をする神須勇だった。

処理中です...