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はじまりの町 11
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時間は少し遡る。
スタンが広間へと突入する少し前、酒場で事情を聞いた少女達は、すぐさま町はずれの屋敷へと訪れていた。
「ここみたいだな」
入口の陰に転がされている見張りを目ざとく見つけたセトナは、獣のような耳をピクピクと動かし、中の音を探る。
「……どうやら戦闘が始まっているようだな」
獣の力を宿す少女の耳は、普通の人間よりも遥かに良い。
中から聞こえてくる声と物音。そして鼻へと漂う血の香りに、セトナは戦闘が始まっている事を悟った。
「じゃあ、こっそり行く必要はなさそうですね」
自分の背丈と同じくらいの戦鎚を担いだ少女、エルが言う。
スタンが見つからないように動いているのであれば、彼女達もそのようにしようと思っていたのだが、必要なさそうだった。
「ああ、急いで合流しないとな」
誰もいない入口から、建物の中へと侵入する。
だが、セトナはそこで動きを止めてしてしまう。
屋敷は広く、部屋数も多かった。
このような建物を見慣れていないセトナには、迷宮のように見えてしまったのだ。
「どこから行くのが一番早いか……」
セトナが耳を澄ませて、道を探ろうとした時、
「セトナさん、師匠はどの辺りにいるんですか?」
エルの、のんびりとした質問が耳へと入る。
「あいつが居る場所か? 建物の奥の方、向こうの方角だが……」
何故エルがそんな事を聞くのか分からなかったセトナは、首を傾げながらも、聞かれた質問に答える。
「そうですか、じゃあボクに任せて下さい」
自信満々に答えたエルは、腕をグルグルと回しながら、セトナの指差す方向へと向かう。
その先に通路はない。あるのはただの壁だ。
「……何をするつもりなんだ?」
セトナは嫌な予感がした。
止めるべきなのかと思いもしたが、その時には遅かった。
「師匠が前に言ってたんですよ。道がないなら……作ればいいって」
満面の笑みで答えたエルは、担いでいた戦鎚を勢い良く壁へと叩きつける。
轟音と共に壁が崩れ落ち、道が作られる。
「さ、行きましょう、セトナさん」
自ら作った道を進み、エルはさらに道を作っていく。
「アイツに似てきた? いや、それ以上に酷いか?」
その後ろを、セトナは何とも言えない表情で付いていくのだった。
崩れた壁から出てきたのは、スタンの予想通り、エルとセトナだった。
スタンは苦笑と共に、彼女達を迎える。
「お前ら、派手な事をするなぁ」
「……誰のせいだと思っているんだ」
呆れたようなスタンの言葉に、セトナは半眼で睨み返す。
エルはエルで、「師匠ほどじゃありませんよぉ」と照れたような笑みを浮かべていた。
「何なの、この娘達は……?」
呆気にとられたのはスタン以外の人間だった。
もの凄い轟音と衝撃に、どのような化け物が現れるのかと思っていたら、現れたのはリッカと同じ年頃の少女達。
茫然とするのも、無理はなかった。
「安心しろ、俺の仲間だ」
「アンタの? それって、はぐれてたって言う……」
「ああ、その通りだ」
リッカはエルとセトナをマジマジと見詰める。
冒険者をしているスタンの仲間だから、てっきり厳つい男達だと思っていたのだ。
それが、自分と同じ年頃の少女だとは思ってもみなかった。
「さぁ、あとは俺達に任せて、お前は後ろに下がっておけ。必ず家に帰してやるから」
「……分かった」
まだ相手の方が人数が多い上に、はっきり言ってスタンの仲間の少女達は強いようには見えなかった。
しかし不思議な事に、リッカの心に不安はなかった。
余裕の笑みすら浮かべるスタン達の姿が、リッカに不安を与えなかったのだ。
彼らならどうにかしてくれる。
スタン達の姿は、リッカにそう思わせた。
「さてと……エル、セトナ。登場の仕方には色々と言いたいが、タイミング的には助かったぜ」
スタンは二人へとリッカ達の事を任せると、前へと出る。
「さて、少し暴れるとしようか」
スタンが広間へと突入する少し前、酒場で事情を聞いた少女達は、すぐさま町はずれの屋敷へと訪れていた。
「ここみたいだな」
入口の陰に転がされている見張りを目ざとく見つけたセトナは、獣のような耳をピクピクと動かし、中の音を探る。
「……どうやら戦闘が始まっているようだな」
獣の力を宿す少女の耳は、普通の人間よりも遥かに良い。
中から聞こえてくる声と物音。そして鼻へと漂う血の香りに、セトナは戦闘が始まっている事を悟った。
「じゃあ、こっそり行く必要はなさそうですね」
自分の背丈と同じくらいの戦鎚を担いだ少女、エルが言う。
スタンが見つからないように動いているのであれば、彼女達もそのようにしようと思っていたのだが、必要なさそうだった。
「ああ、急いで合流しないとな」
誰もいない入口から、建物の中へと侵入する。
だが、セトナはそこで動きを止めてしてしまう。
屋敷は広く、部屋数も多かった。
このような建物を見慣れていないセトナには、迷宮のように見えてしまったのだ。
「どこから行くのが一番早いか……」
セトナが耳を澄ませて、道を探ろうとした時、
「セトナさん、師匠はどの辺りにいるんですか?」
エルの、のんびりとした質問が耳へと入る。
「あいつが居る場所か? 建物の奥の方、向こうの方角だが……」
何故エルがそんな事を聞くのか分からなかったセトナは、首を傾げながらも、聞かれた質問に答える。
「そうですか、じゃあボクに任せて下さい」
自信満々に答えたエルは、腕をグルグルと回しながら、セトナの指差す方向へと向かう。
その先に通路はない。あるのはただの壁だ。
「……何をするつもりなんだ?」
セトナは嫌な予感がした。
止めるべきなのかと思いもしたが、その時には遅かった。
「師匠が前に言ってたんですよ。道がないなら……作ればいいって」
満面の笑みで答えたエルは、担いでいた戦鎚を勢い良く壁へと叩きつける。
轟音と共に壁が崩れ落ち、道が作られる。
「さ、行きましょう、セトナさん」
自ら作った道を進み、エルはさらに道を作っていく。
「アイツに似てきた? いや、それ以上に酷いか?」
その後ろを、セトナは何とも言えない表情で付いていくのだった。
崩れた壁から出てきたのは、スタンの予想通り、エルとセトナだった。
スタンは苦笑と共に、彼女達を迎える。
「お前ら、派手な事をするなぁ」
「……誰のせいだと思っているんだ」
呆れたようなスタンの言葉に、セトナは半眼で睨み返す。
エルはエルで、「師匠ほどじゃありませんよぉ」と照れたような笑みを浮かべていた。
「何なの、この娘達は……?」
呆気にとられたのはスタン以外の人間だった。
もの凄い轟音と衝撃に、どのような化け物が現れるのかと思っていたら、現れたのはリッカと同じ年頃の少女達。
茫然とするのも、無理はなかった。
「安心しろ、俺の仲間だ」
「アンタの? それって、はぐれてたって言う……」
「ああ、その通りだ」
リッカはエルとセトナをマジマジと見詰める。
冒険者をしているスタンの仲間だから、てっきり厳つい男達だと思っていたのだ。
それが、自分と同じ年頃の少女だとは思ってもみなかった。
「さぁ、あとは俺達に任せて、お前は後ろに下がっておけ。必ず家に帰してやるから」
「……分かった」
まだ相手の方が人数が多い上に、はっきり言ってスタンの仲間の少女達は強いようには見えなかった。
しかし不思議な事に、リッカの心に不安はなかった。
余裕の笑みすら浮かべるスタン達の姿が、リッカに不安を与えなかったのだ。
彼らならどうにかしてくれる。
スタン達の姿は、リッカにそう思わせた。
「さてと……エル、セトナ。登場の仕方には色々と言いたいが、タイミング的には助かったぜ」
スタンは二人へとリッカ達の事を任せると、前へと出る。
「さて、少し暴れるとしようか」
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