1 / 15
出会い
しおりを挟む
「オラァッ!!」
路地裏から聞こえてきた男の声と共に、アレンの目の前へと、土塗れになった少女が転がってきた。
進路を塞がれたアレンは、迷惑だと思いつつも、少女の様子を確認する。
少女は、腹部を両手で押さえ、もがき苦しんでいる様だった。
顔は、よく見えない。
長く、伸ばされるままになっている髪が、その表情を隠しているからだ。
粗末なボロを纏っている事からして、どこかの奴隷なのだろう。
その口からは、微かな呻き声が漏れ出ていた。
「何だテメェ? そのガキに何か用か?」
男の声に、アレンが視線を向けると、ガラの悪そうな男が四人、路地裏から出て、少女の方へとやってくるところだった。
どうやらこの少女は、この男達に嬲られているようだ。
「ウチの奴隷に何か用かって聞いてるんだよ」
何も答えなかったのが気に食わなかったのか、男の一人がアレンへと詰め寄ってくる。
面倒だな。
それが、一連の出来事を見た上での、アレンの感想だった。
「いや、何でもない」
アレンはまだ、この街に着いたばかりだ。事情も呑み込めてない状態での、厄介事は御免だった。
男は、アレンを一瞥すると、つまらなさそうに唾を吐き捨て、倒れている少女へと標的を変えた。
「オラッ! さっさと立てよ! 奴隷ごときが御主人様の手を煩わせるんじゃねえ!!」
少女の髪を引っ張り、無理やり立たせようとする男達。
胸糞の悪くなる様な光景だが、アレンの行く先々では、よく見かける光景でもあった。
人によって、奴隷の扱いには差異がある。
優しい主人に貰われれば、それなりの扱いを受ける事もできる。
だが、多くの場合は、差別される事の方が多い。目の前の男達の様に扱う連中もいるのだ。
周囲の人間も男達を止めようと思ってはいない。巻き込まれないように、遠巻きに見ているだけだった。
それが、この国では当然の事なのだ。
この後の少女の行動も、アレンには容易に想像できた。
助けて下さいと喚き散らすか、全てを諦めたかの様に、大人しく男達に従うか。
アレンの見てきた奴隷たちは、大概が、そのどちらかを選んでいた。
どうやら少女の選んだ行動は、後者の様だった。
口を強く引き締め、弱った全身に力を入れて立ち上がり、黙って男達へと従う。
しかし、アレンの予想とは、一つだけ違う事があった。
それは、少女の瞳。
長い髪の間から見えた少女の瞳には、怯えの色も、嘆きの感情も無かった。
あるのはただ、強い意志。
それは、今までアレンが見てきた、多くの奴隷たちと、異なるものだった。
「なぁ」
「ああん?」
アレンが掛けた声に、男どもが振り向く。
だが、用があるのは、男達ではない。
男達の事を無視し、アレンは少女へと問いかける。
「お前は、何でそんな目をしている?」
問いかけに、奴隷の少女が顔を上げた。
その瞳はまっすぐにアレンの事を見つめ、逸らす事は無かった。
嫌な目だな……。
少女の真っ直ぐな瞳を見たアレンは、胸の奥がざわつくのを感じた。
この少女の瞳は、そっくりなのだ。
幼い頃、一緒に過ごした、友の瞳に。
アイツも、その瞳の奥には強い意志があった。
目の前の少女の瞳は、そんなアイツの事を思い出させる。
己の境遇も、運命も受け入れ、その上で抗い、そして死んでいったアイツの事を……。
嫌な事を思い出させる……。
あの時、力があれば、アイツを死なせる事はなかっただろうか。
何か、助ける方法はなかったのだろうか。
この少女の瞳は、そんな益体もない事を、アレンへと思わせるのだった。
「おい、テメェ! 何を勝手に……」
「うるせえよ」
想いに浸るアレンへ掴み掛かろうと、男の一人が腕を伸ばす。
だが、アレンは上体を捻って、その腕を躱し、同時に剣の柄へと手を添え、
一閃。
「……へ?」
男の伸ばしていた腕が、ズルリッ、と音をたて、地面へと落ちる。
男と交錯したアレンの手には、一振りの剣が握られていた。
柄へと拵えられた宝石が、蒼く輝く一振りの剣。
その刀身からは、赤黒い液体が滴り落ちている。
己の身に何が起こったか分からなかった男は、間抜けな声を出した後、耳障りな絶叫を上げ始める。
「うるせえなよ」
絶叫を上げる男へと、剣を突き立て、トドメを刺すアレン。
苛立っていた所に、無遠慮に手を伸ばされたせいで、ついやってしまった。
面倒はゴメンだと言うのに。
「テ、テメェッ!? 何やったか分かってんだろうなっ!?」
「だから、うるせえよ」
仲間がやられた事に激昂した男共が、ナイフを高々と掲げ、アレンへと襲い掛かる。
だが、その表情に余裕はなく、その動きは単調だった。
先頭に立って襲って来た男の胴へと、アレンはすれ違いざまに剣を振るう。
剣が肉へと当たり、持っていた腕へと負荷が掛かる。
剣を通して伝わる、不快な感触。
慣れない者であれば、そのおぞましい感触に、吐き気を催していただろう。
だが、今のアレンは何とも思わない。
剣を振り抜き、肉を裂く。
噴き出る鮮血と共に臓物をぶちまけ、男はその場へと崩れ落ちる。
その姿を見る事なく、アレンは次なる獲物に狙いを定めた。
振り抜いた剣の先を翻し、そのまま、二人目の男を袈裟懸けに、切り捨てる。
これで、残るはあと一人。
「ヒ、ヒィィィッ!?」
しかし、最後に残った男は、敵わないと悟ったのか、わき目もふらず、逃げ去っていった。
「ちっ」
男達に仲間が居た場合、このまま逃がすのは面倒だった。
アレンはどうすべきかを、一瞬考え、そして結論する。
この街には旅の途中で寄っただけだ。長居をする気もないので、放っておいても良いか、と。
剣についた血を拭い、腰の鞘へと、その身を納める。
後に残ったのは、地面へと倒れ伏す男達。
そして、呆然と立ち尽くす、奴隷の少女だった。
周りの建物の陰からは、通りの惨状を、恐る恐る窺う住民の姿が見える。
騒ぎになる前に、立ち去った方がいいだろう。
「あの……」
その時、アレンの耳へと、小さな声が聞こえた。
声の方へと視線を下げてみると、
「どうして、こんな事を? 助けてくれたのですか?」
奴隷の少女がアレンを見詰め、問い掛けてきた。
「別に、助けた訳じゃねえよ」
そう、助けた訳ではない。
確かにアレンは、この少女を不当に扱っていた男共を斬り捨て、自由を与えたかもしれない。
だが、それは同時に、少女の今までの生活を破壊し、路頭に迷わせた事にもなる。
本当に助けたと言うのならば、その後の責任も取った奴が言うべきだろう。
しかしアレンには、その後の少女の面倒を見る気は、まったくなかった。
「いいか、ガキ。お前はもう自由だ」
少女へと指を突き付け、言い聞かせる。
「どこでどうやって生きようと、野垂れ死のうと、お前の勝手だ。だから、好きにしろ」
言うべき事を言ったアレンは、少女から、その身を離す。
「じゃあな」
そして外套を翻し、アレンは街の外を目指して歩き出した。
あの少女がどうなろうが知った事ではない。
強い意志があれば、生きる事も出来るだろう。
少女の存在を振り払う様に、足を早めるアレン。
しかし、
「おい」
すぐ後ろを付いてくる、小さな足音を耳にし、足を止める。
「何で付いてくる」
アレンが振り返った先に居たのは、先程の奴隷の少女だった。
少女は、小さいながらも、はっきりとした声で、アレンへと答える。
「あの街に居ても、捕まって、また奴隷にされるだけだから」
「ああ、そうかい」
少女の説明は、確かに納得のいくものだった。
あの場から逃げた男に捕まれば、また奴隷にされるだけだろう。
自由になりたいのであれば、街から離れる必要がある。
そして、街の外を目指すなら、同じ方向へと向かうのは、おかしな事ではないのだが……。
「おい」
少々不機嫌になりながら、アレンは再び足を止め、後ろへと振り返る。
「何でまだ付いてくる」
街の外へと出ても、少女は、アレンの後を付いてきていたのだ。
質問に対し、少女は毅然とした態度で答えを返した。
「どこでどうやって生きようと、私の自由と言ったのは貴方です。どこへ行こうと、私の自由ですよね?」
「このガキ……!」
少女の答えに苛つきながらも、アレンは少女の行動を評価していた。
あの街にいる事は出来ない。かと言って、幼い少女が一人で街の外へと出ても、生きていける可能性は少ない。
だからこそ、付いてくるのだろう。
良い判断だ。それに、度胸もある。
こちらに対し、物怖じせずにものを言って来る。
いや、良く見れば、少女の身体は微かに震えていた。
一人で生きられないのだから、人に頼るしかない。
だが、その人物がどんな人間かは、分からないのだ。
少女にとっては、大きな賭けなのだろう。
「ちっ」
アレンは思わず、舌打ちをしていた。
アレンは弱い人間が嫌いだった。
弱肉強食のこの国では、弱い人間は、奴隷になるか死ぬしかない。
その姿はアレンに、弱く、卑屈だった頃の自分を思い出させる。
だが、現状を変えようと足掻く人間を、放っておく事もアレンには出来なかった。
幼い頃の友が、そういう奴だったから……。
「勝手にしろ」
少女の存在など無視しようとする様に、アレンは再び前へと、足を踏み出す。
安堵の吐息を吐いた少女は、置いてかれぬ様、アレンの後を、必死に付いていくのだった。
路地裏から聞こえてきた男の声と共に、アレンの目の前へと、土塗れになった少女が転がってきた。
進路を塞がれたアレンは、迷惑だと思いつつも、少女の様子を確認する。
少女は、腹部を両手で押さえ、もがき苦しんでいる様だった。
顔は、よく見えない。
長く、伸ばされるままになっている髪が、その表情を隠しているからだ。
粗末なボロを纏っている事からして、どこかの奴隷なのだろう。
その口からは、微かな呻き声が漏れ出ていた。
「何だテメェ? そのガキに何か用か?」
男の声に、アレンが視線を向けると、ガラの悪そうな男が四人、路地裏から出て、少女の方へとやってくるところだった。
どうやらこの少女は、この男達に嬲られているようだ。
「ウチの奴隷に何か用かって聞いてるんだよ」
何も答えなかったのが気に食わなかったのか、男の一人がアレンへと詰め寄ってくる。
面倒だな。
それが、一連の出来事を見た上での、アレンの感想だった。
「いや、何でもない」
アレンはまだ、この街に着いたばかりだ。事情も呑み込めてない状態での、厄介事は御免だった。
男は、アレンを一瞥すると、つまらなさそうに唾を吐き捨て、倒れている少女へと標的を変えた。
「オラッ! さっさと立てよ! 奴隷ごときが御主人様の手を煩わせるんじゃねえ!!」
少女の髪を引っ張り、無理やり立たせようとする男達。
胸糞の悪くなる様な光景だが、アレンの行く先々では、よく見かける光景でもあった。
人によって、奴隷の扱いには差異がある。
優しい主人に貰われれば、それなりの扱いを受ける事もできる。
だが、多くの場合は、差別される事の方が多い。目の前の男達の様に扱う連中もいるのだ。
周囲の人間も男達を止めようと思ってはいない。巻き込まれないように、遠巻きに見ているだけだった。
それが、この国では当然の事なのだ。
この後の少女の行動も、アレンには容易に想像できた。
助けて下さいと喚き散らすか、全てを諦めたかの様に、大人しく男達に従うか。
アレンの見てきた奴隷たちは、大概が、そのどちらかを選んでいた。
どうやら少女の選んだ行動は、後者の様だった。
口を強く引き締め、弱った全身に力を入れて立ち上がり、黙って男達へと従う。
しかし、アレンの予想とは、一つだけ違う事があった。
それは、少女の瞳。
長い髪の間から見えた少女の瞳には、怯えの色も、嘆きの感情も無かった。
あるのはただ、強い意志。
それは、今までアレンが見てきた、多くの奴隷たちと、異なるものだった。
「なぁ」
「ああん?」
アレンが掛けた声に、男どもが振り向く。
だが、用があるのは、男達ではない。
男達の事を無視し、アレンは少女へと問いかける。
「お前は、何でそんな目をしている?」
問いかけに、奴隷の少女が顔を上げた。
その瞳はまっすぐにアレンの事を見つめ、逸らす事は無かった。
嫌な目だな……。
少女の真っ直ぐな瞳を見たアレンは、胸の奥がざわつくのを感じた。
この少女の瞳は、そっくりなのだ。
幼い頃、一緒に過ごした、友の瞳に。
アイツも、その瞳の奥には強い意志があった。
目の前の少女の瞳は、そんなアイツの事を思い出させる。
己の境遇も、運命も受け入れ、その上で抗い、そして死んでいったアイツの事を……。
嫌な事を思い出させる……。
あの時、力があれば、アイツを死なせる事はなかっただろうか。
何か、助ける方法はなかったのだろうか。
この少女の瞳は、そんな益体もない事を、アレンへと思わせるのだった。
「おい、テメェ! 何を勝手に……」
「うるせえよ」
想いに浸るアレンへ掴み掛かろうと、男の一人が腕を伸ばす。
だが、アレンは上体を捻って、その腕を躱し、同時に剣の柄へと手を添え、
一閃。
「……へ?」
男の伸ばしていた腕が、ズルリッ、と音をたて、地面へと落ちる。
男と交錯したアレンの手には、一振りの剣が握られていた。
柄へと拵えられた宝石が、蒼く輝く一振りの剣。
その刀身からは、赤黒い液体が滴り落ちている。
己の身に何が起こったか分からなかった男は、間抜けな声を出した後、耳障りな絶叫を上げ始める。
「うるせえなよ」
絶叫を上げる男へと、剣を突き立て、トドメを刺すアレン。
苛立っていた所に、無遠慮に手を伸ばされたせいで、ついやってしまった。
面倒はゴメンだと言うのに。
「テ、テメェッ!? 何やったか分かってんだろうなっ!?」
「だから、うるせえよ」
仲間がやられた事に激昂した男共が、ナイフを高々と掲げ、アレンへと襲い掛かる。
だが、その表情に余裕はなく、その動きは単調だった。
先頭に立って襲って来た男の胴へと、アレンはすれ違いざまに剣を振るう。
剣が肉へと当たり、持っていた腕へと負荷が掛かる。
剣を通して伝わる、不快な感触。
慣れない者であれば、そのおぞましい感触に、吐き気を催していただろう。
だが、今のアレンは何とも思わない。
剣を振り抜き、肉を裂く。
噴き出る鮮血と共に臓物をぶちまけ、男はその場へと崩れ落ちる。
その姿を見る事なく、アレンは次なる獲物に狙いを定めた。
振り抜いた剣の先を翻し、そのまま、二人目の男を袈裟懸けに、切り捨てる。
これで、残るはあと一人。
「ヒ、ヒィィィッ!?」
しかし、最後に残った男は、敵わないと悟ったのか、わき目もふらず、逃げ去っていった。
「ちっ」
男達に仲間が居た場合、このまま逃がすのは面倒だった。
アレンはどうすべきかを、一瞬考え、そして結論する。
この街には旅の途中で寄っただけだ。長居をする気もないので、放っておいても良いか、と。
剣についた血を拭い、腰の鞘へと、その身を納める。
後に残ったのは、地面へと倒れ伏す男達。
そして、呆然と立ち尽くす、奴隷の少女だった。
周りの建物の陰からは、通りの惨状を、恐る恐る窺う住民の姿が見える。
騒ぎになる前に、立ち去った方がいいだろう。
「あの……」
その時、アレンの耳へと、小さな声が聞こえた。
声の方へと視線を下げてみると、
「どうして、こんな事を? 助けてくれたのですか?」
奴隷の少女がアレンを見詰め、問い掛けてきた。
「別に、助けた訳じゃねえよ」
そう、助けた訳ではない。
確かにアレンは、この少女を不当に扱っていた男共を斬り捨て、自由を与えたかもしれない。
だが、それは同時に、少女の今までの生活を破壊し、路頭に迷わせた事にもなる。
本当に助けたと言うのならば、その後の責任も取った奴が言うべきだろう。
しかしアレンには、その後の少女の面倒を見る気は、まったくなかった。
「いいか、ガキ。お前はもう自由だ」
少女へと指を突き付け、言い聞かせる。
「どこでどうやって生きようと、野垂れ死のうと、お前の勝手だ。だから、好きにしろ」
言うべき事を言ったアレンは、少女から、その身を離す。
「じゃあな」
そして外套を翻し、アレンは街の外を目指して歩き出した。
あの少女がどうなろうが知った事ではない。
強い意志があれば、生きる事も出来るだろう。
少女の存在を振り払う様に、足を早めるアレン。
しかし、
「おい」
すぐ後ろを付いてくる、小さな足音を耳にし、足を止める。
「何で付いてくる」
アレンが振り返った先に居たのは、先程の奴隷の少女だった。
少女は、小さいながらも、はっきりとした声で、アレンへと答える。
「あの街に居ても、捕まって、また奴隷にされるだけだから」
「ああ、そうかい」
少女の説明は、確かに納得のいくものだった。
あの場から逃げた男に捕まれば、また奴隷にされるだけだろう。
自由になりたいのであれば、街から離れる必要がある。
そして、街の外を目指すなら、同じ方向へと向かうのは、おかしな事ではないのだが……。
「おい」
少々不機嫌になりながら、アレンは再び足を止め、後ろへと振り返る。
「何でまだ付いてくる」
街の外へと出ても、少女は、アレンの後を付いてきていたのだ。
質問に対し、少女は毅然とした態度で答えを返した。
「どこでどうやって生きようと、私の自由と言ったのは貴方です。どこへ行こうと、私の自由ですよね?」
「このガキ……!」
少女の答えに苛つきながらも、アレンは少女の行動を評価していた。
あの街にいる事は出来ない。かと言って、幼い少女が一人で街の外へと出ても、生きていける可能性は少ない。
だからこそ、付いてくるのだろう。
良い判断だ。それに、度胸もある。
こちらに対し、物怖じせずにものを言って来る。
いや、良く見れば、少女の身体は微かに震えていた。
一人で生きられないのだから、人に頼るしかない。
だが、その人物がどんな人間かは、分からないのだ。
少女にとっては、大きな賭けなのだろう。
「ちっ」
アレンは思わず、舌打ちをしていた。
アレンは弱い人間が嫌いだった。
弱肉強食のこの国では、弱い人間は、奴隷になるか死ぬしかない。
その姿はアレンに、弱く、卑屈だった頃の自分を思い出させる。
だが、現状を変えようと足掻く人間を、放っておく事もアレンには出来なかった。
幼い頃の友が、そういう奴だったから……。
「勝手にしろ」
少女の存在など無視しようとする様に、アレンは再び前へと、足を踏み出す。
安堵の吐息を吐いた少女は、置いてかれぬ様、アレンの後を、必死に付いていくのだった。
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
ちゃんと忠告をしましたよ?
柚木ゆず
ファンタジー
ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私フィーナは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢アゼット様に呼び出されました。
「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」
アゼット様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は最愛の方に護っていただいているので、貴方様に悪意があると気付けるのですよ。
アゼット様。まだ間に合います。
今なら、引き返せますよ?
※現在体調の影響により、感想欄を一時的に閉じさせていただいております。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
愛していました。待っていました。でもさようなら。
彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。
やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。
私は既にフラれましたので。
椎茸
恋愛
子爵令嬢ルフェルニア・シラーは、国一番の美貌を持つ幼馴染の公爵令息ユリウス・ミネルウァへの想いを断ち切るため、告白をする。ルフェルニアは、予想どおりフラれると、元来の深く悩まない性格ゆえか、気持ちを切り替えて、仕事と婚活に邁進しようとする。一方、仕事一筋で自身の感情にも恋愛事情にも疎かったユリウスは、ずっと一緒に居てくれたルフェルニアに距離を置かれたことで、感情の蓋が外れてルフェルニアの言動に一喜一憂するように…?
※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる