あまいの、いくつほしい?

白湯すい

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本編

24.男同士

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「私、男同士での交際経験はないんですよね」
 付き合うことになったその日の夜、散々恋人っぽいデートコースを楽しんだ後、なんとなくそのまま別々の部屋に帰るのも寂しい気がして、東は蓜島を部屋に招いた。
 そこで、蓜島はふと話を切り出す。
「僕もです。女の子と付き合ったことしかなくて、男性を好きになったのも初めてです」
「そうだったんですね」
 お互いの恋愛遍歴はどちらも女性との付き合いのみであった。
「まあでも、特別何か変わるってこともなくないですか? 今日も普通に楽しかったですし」
「そういうものかもしれません。私はそれほど経験豊富というわけでもないので、そもそも普通というものの判断材料すら乏しいのですが」
 初心に見えてあるわけではないが、蓜島に女性を取っ替え引っ替えしているようなイメージはないため、その話もそうだろうなという気持ちで東は聞いていた。
「蓜島さんっておいくつなんでしたっけ」
「今三十四です。恋人は学生のときに一度、先程お話ししたのが二度目で、それだけです」
「僕もまあ、そんな感じですよ。僕の場合はあんまり長続きした試しがないですし…」
「そうなんですか?」
「いつも『なんかイメージと違った』みたいに言われてふられちゃいます」
「それは……ひどいです。東さんは素敵な人なのに」
 東がいつもふられる理由を聞いてほんの少しムッとする蓜島に、東は思わず嬉しくなってしまう。
「まあ外見に騙されちゃってるんでしょうね。僕のこと知ってもらった上で付き合っても、店をやる前はちょっとやばいとこに勤めてたので、会う時間が取れなさすぎて別れちゃったり。自分の店持ってからは何にもないです」
「ああ……それは、わかります」
「蓜島さんもそんな感じだったって言ってましたもんね。社会人あるあるなんでしょうね」
 そんな仕事中心に生きてきた二人なので、すれ違いに対する不安はあまりなかった。寂しくなるのは仕方がないとして、それは起こり得るものだと割り切ることができる。

 問題はやはり、恋人としての関係の深め方だった。有り体に言えば、夜のことなどである。
「……あの、割と勢いで告白しちゃいましたし、蓜島さんはじっくり考えてくださってましたけど、僕自身は返事もパッと返しちゃいましたけど……蓜島さん、僕と…そういうことできます?」
 付き合うことになっても東が不安に思うのは、お互いに男同士の経験はないのだから無理もない。蓜島もそう思っていた。
「想像の域を出ませんが、東さんに触れたいとは思っています」
「ほ、ほんとですか」
「はい、触れてもいいのなら」
 蓜島はそういう男だ。東がしてもよいと言うのならするし、だめだと言えばしない。生真面目で理性的過ぎるとも言える。つまり東が何かしてほしいと思うのなら、素直になってそれを求めなければならないのだ。
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