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本編

へんな感じ(3)

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 ひどく感じている榛名くんを、もっともっと気持ち良くさせてあげたい。そう思って、おもちゃを一定のリズムで引き抜いていたのを不規則な間隔にしてみたり、押し込むときに少しぐりぐりと動かしてみたりする。
「あっ、ああっ、…っ は、アッ……!」」
 そうすると、榛名くんは面白いほどに、動かした通りに感じ入った声をあげた。
「それ、ぐりぐりするのっ……やだァッ…!」
「気持ちよくない?」
「き、気持ちいい、きもちいから、やだ」
 アナルプレイなんて自分自身でさえ経験がないし、もちろん人のを実際に見たり、もちろん自分で責めることなんてしたことがなくて不安だったけれど、彼はそんな不安なんてどこかへ行ってしまうくらい、素直に感じてくれていた。未経験の俺が上手いなんてことはないと思うから、きっと彼の慣れもあるんだろう。
 こんな綺麗な体が、アナル開発されていてひどく淫らだという事実に、思わず息が荒くなってしまう。そして、もっともっと、と欲が沸いて止まらない。
「おれは、榛名くんにもっともっと気持ちよくなって、たくさんイッてほしいんだけど」
「……っ」
「もっと恥ずかしい顔見たいし、泣いてる顔も見たいよ」
「夏生くん、エッチだ……」
「そうだよ、エッチな榛名くんの動画、いっつも見てたくらいね」
 俺がスケベで性的好奇心が旺盛で多少性癖が歪んでいるのなんて、もう出会った瞬間からバレていることだ。今更隠すことなんかじゃない。そして、もっと言えば、それは榛名くんのほうだって同じことだ。

 そう考えると、余計に理性のブレーキなんて効かなくなってきた。次第におもちゃを動かす手は激しく、榛名くんをより追い詰めるための動きになっていく。
「だめっ、イッちゃ、……っ! イッちゃう、……♡ んん…ッ」
「イッてるとこ、見せて」
「や、ああッ♡ やだ、アッ♡」
「見られたくないの? 見てほしいでしょ、本当は」
 榛名くんは顔を真っ赤にして、恥ずかしくてたまらないというように、手のひらでそれを隠そうとしている。細い指の間から覗く彼の瞳は涙でグショグショになっていて、俺の中に潜んでいたほんの僅かな加虐心をじんわりとあたためた。
「……っ、ぅ、見て♡ 僕のイクところ、見てほしいのッ♡ あっ、なつき、くんっ♡」
「うん、ちゃんと見てるよ。榛名くんのイキそうになってひくひくしてる穴も、全部見てるから」
「あぅ、ううっ♡ ん、ンン、…っ♡ いく、イク、イッちゃ……!」
 イク寸前の喘ぎ声は、もう殆ど吐息のような掠れた声になっていた。動画では聞き取りにくかったその切羽詰まった声が、今はしっかりと聞き取れる。何度もイク、と小さく繰り返した後、榛名くんの細い体がびくりと大きく跳ねる。
「……ッッ♡ は……ぁ、ッ♡ ……っ♡♡」
 それまでうずうずとゆるやかに動いてしまっていただけだった腰が、もう制御など効かないかのように、びくびくと卑猥にくねり、跳ねる。榛名くんの陰茎からはカウパーのような色の薄いものが細くツウと垂れているだけで射精はしていなかったけれど、その息を詰めて痙攣を繰り返す様を見れば、オーガズムに至ったことは明白だった。
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