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4 修学旅行で迷子!?
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「准。聞いてるか?」
バシッと春樹に頭を叩かれて我に返る。
「ん?聞いてた聞いてた。明日のスピーチだろ。」
「・・・それは、15分くらい前の話でしょ?今から、スライドショーの試し見をするって話。」
李美香が呆れたように言う。
そうだ、夏希の結婚式は明日に迫っていた。
そして、今日の場には、夏希は居ない。式の打ち合わせだと言っていた。
こんなことを考えていたら急に部屋が暗くなった。
目の前には知らぬ間にすスクリーンが用意されていた。
ー夏希 結婚おめでとう!ー
淡い桃色の文字が浮かんだ後に、白いスクリーンにだんだん色が付いてきて空の写真になった。
音楽が流れる。これは、夏希が高校の頃好きだと言っていた曲だったような・・・。
「いい感じね!」
沙奈がいかにもわくわくしています!というふうに春樹にいう。
「だろー!頑張った!」
「お前は、偉そうに言うな!」
出しゃばってきた勇太を春樹が押しのける。
スクリーンの中では、写真が浮かんだり薄れていったりを繰り返してた。
スライドショーが中学時代の写真になってきた。
「あっ、修学旅行じゃん」
「懐かしいね。どれも」
勇太と李美香がしみじみ呟いた。
それから、春樹は思い出したように手をたたく。
「あれだよね、2日目の自由時間に夏希がまさかの迷子」
「いつの間にかいない!みないなねー!びっくりよね。」
沙奈も思い出したようでコロコロ笑う。
春樹がその写真でスライドショーを止める。夏希が見つかった後に撮った写真。6人は最高の笑顔で笑っている。というより、俺が沙奈と李美香にニヤニヤした顔で見られて少し不機嫌そうだ。てか、この頃はまだ若いな。
ーー修学旅行の二日目の朝、班でのミーティング。
6人は同じ班になった。これは、実行委員の桜木が三年生最後の思い出になるように、男女3人づつなら自由に組んでもいいと、先生を無理やりせっとくしたからである。
「夏希ー!迷子になるなよ!中3で!」
春樹のからかう声がした。
「なるわけないでしょっ!あたしだって!」
「いやっ、夏希のことだっ!絶対迷子になるだろ。」
俺も春樹に加勢する。
「はぁー!准の方があぶないんじゃなくて?」
「ばぁーか!足でまといになるなよ!」
「ふんっ!迷子になんてならないもん!」
「小学生みたいな会話ね・・・」
李美香が呟いていたのは、くだらない言い争いをしていた2人には届かなかつた。
「きゃぁー!鹿だぁー!」
夏希と沙奈が叫ぶ。
6人は鹿がいる広場にやってきた。
「ここの鹿は可愛くないわよ」
「そうそう。餌を持っている人にたかるから」
李美香と春樹は淡々といい、既に鹿に襲われている他校の修学旅行生を指差した。
「えぇーー」
夏希が明らかにがっかりしたよだった。
「あっ、通り見てみたい!」
沙奈がすこし和風な小物を取り扱うお店が多い通りを指さす。
「おっ!いいんじゃん」
「俺もさんせー!うまいもんあるかな?」
「勇太・・・、あんたは、ほんとに食べ物の事だけよね」
李美香が呆れたようにつぶやく。
「うるせーよ!」
「じゃあ、出発!」
勇太の反発は夏希の脳天気な声にけされた。
それから、初めに入ったのは風鈴のお店。
色んな風鈴が優しい音を奏でている。
「綺麗ー!」
紗奈は感動の声を出す。
「家に買って買うかなー?」
春樹も結構気に入ったようで家用に風鈴を選び始めた。
「だったから、梨花ちゃんにこれかとかがいいんじゃない?」
沙奈がピンク系のアサガオ柄の風鈴を指さす。
梨花は春樹の妹で中1だ。
「うん。それにしようかな」
「あの2人いい雰囲気だよね?」
夏希が2人をみていう。
「だよな!俺も思った」
「そーか?」
「勇太、あんたは鈍感だから」
「・・・そーね」
李美香が上の空で呟く。
「おいっ!『そーね』じゃねえだろっ!」
勇太がいつも道理反発する。
「・・・」
「勇太、うるさい!」
夏希と俺は声がそろった。
それから、小物屋 駄菓子屋など色々よった。
「あっ、団子屋じゃん!」
「わぁー!食べよー!」
結構歩いたのでみんなお腹が空いていたからテンションが上がる。
「俺、あんこがいい。勇太よろしく」
「あたしは、3色の!」
「なんで俺なんだよっ!」
「・・・夏希は?」
李美香が辺りをキョロキロしながら聞く。
ばっとみんなが辺を見回す。
「・・・・・・」
「えっ?迷子」
「さっきまでいなかった?」
みんなが動揺しだす。
「あのバカッ!」
准が小さく吐き捨てて駆け出した。
うしろから、沙奈達が准の事を呼ぶ声がする。だが、構わずに走った。
准が元きた道を戻ると店の前で夏希は1人、オロオロとしていた。
「夏希ー!」
准が呼ぶと夏希はパッと顔を明るくして、駆け寄ってきた。
「・・・中3で迷子とかマジであり得ねーんですけど」
「・・・」
夏希がいきなり泣きそうな顔になり、抱きついてきた。
「!?!な、夏希!?」
「怖かった~」
「あっ、夏希やめろ!泣くな!俺が泣かしたみたいだろ!!」
そんなことを言っているが、多分今俺の顔は赤くなっている。
「ふー、やっと見つけ・・・」
勇太が2人を見て言葉をうしなう。
「わぁー、何やってんの」
沙奈は、楽しそうにニヤニヤ言った。
「いつの間に・・・」
李美香はきっと夏希が一方的に抱きついてきたとわかっているはずだけどニヤニヤしている。
「そうゆう事ね」
春樹も意味ありげに言う。
「あーーー、もおっ!離れろ!」
四人が後から来てさんざんからかわれた、准だけが。
「てかほんとに迷子とか、ウケる」
春樹が真顔で言う。
「うけるな、てかその顔やめろ!メガネバカ!」
「まぁまぁ、団子でも食べておちついて」
「あたしたちの奢りよ!」
李美香と沙奈が団子を差し出す。
「わぁーありがと」
「おいっ、俺に払わせたよな」
勇太が沙奈を睨む。
「えぇー、私わかんなぁーい」
「おいっ!」
「じゃあ、集合写真撮りますか!夏希の迷子記念!」
春樹が写真をお店の人にたのむ。
夏希「嬉しくないー」
夏希がすこしむくれる。
カチャ
乾いた青空にフラッシュの音が響いたように聞こえた。
「まぁ、よくも迷子になったよなぁ」
「だよな!てかなんで、迷子?」
春樹と勇太がやはりバカにしたように言った。
「夏希だからね」
李美香が笑いながら言う。
「いゃー、さすが夏希よね!」
きっとこの場に夏希がいたら怒るだろう。
バシッと春樹に頭を叩かれて我に返る。
「ん?聞いてた聞いてた。明日のスピーチだろ。」
「・・・それは、15分くらい前の話でしょ?今から、スライドショーの試し見をするって話。」
李美香が呆れたように言う。
そうだ、夏希の結婚式は明日に迫っていた。
そして、今日の場には、夏希は居ない。式の打ち合わせだと言っていた。
こんなことを考えていたら急に部屋が暗くなった。
目の前には知らぬ間にすスクリーンが用意されていた。
ー夏希 結婚おめでとう!ー
淡い桃色の文字が浮かんだ後に、白いスクリーンにだんだん色が付いてきて空の写真になった。
音楽が流れる。これは、夏希が高校の頃好きだと言っていた曲だったような・・・。
「いい感じね!」
沙奈がいかにもわくわくしています!というふうに春樹にいう。
「だろー!頑張った!」
「お前は、偉そうに言うな!」
出しゃばってきた勇太を春樹が押しのける。
スクリーンの中では、写真が浮かんだり薄れていったりを繰り返してた。
スライドショーが中学時代の写真になってきた。
「あっ、修学旅行じゃん」
「懐かしいね。どれも」
勇太と李美香がしみじみ呟いた。
それから、春樹は思い出したように手をたたく。
「あれだよね、2日目の自由時間に夏希がまさかの迷子」
「いつの間にかいない!みないなねー!びっくりよね。」
沙奈も思い出したようでコロコロ笑う。
春樹がその写真でスライドショーを止める。夏希が見つかった後に撮った写真。6人は最高の笑顔で笑っている。というより、俺が沙奈と李美香にニヤニヤした顔で見られて少し不機嫌そうだ。てか、この頃はまだ若いな。
ーー修学旅行の二日目の朝、班でのミーティング。
6人は同じ班になった。これは、実行委員の桜木が三年生最後の思い出になるように、男女3人づつなら自由に組んでもいいと、先生を無理やりせっとくしたからである。
「夏希ー!迷子になるなよ!中3で!」
春樹のからかう声がした。
「なるわけないでしょっ!あたしだって!」
「いやっ、夏希のことだっ!絶対迷子になるだろ。」
俺も春樹に加勢する。
「はぁー!准の方があぶないんじゃなくて?」
「ばぁーか!足でまといになるなよ!」
「ふんっ!迷子になんてならないもん!」
「小学生みたいな会話ね・・・」
李美香が呟いていたのは、くだらない言い争いをしていた2人には届かなかつた。
「きゃぁー!鹿だぁー!」
夏希と沙奈が叫ぶ。
6人は鹿がいる広場にやってきた。
「ここの鹿は可愛くないわよ」
「そうそう。餌を持っている人にたかるから」
李美香と春樹は淡々といい、既に鹿に襲われている他校の修学旅行生を指差した。
「えぇーー」
夏希が明らかにがっかりしたよだった。
「あっ、通り見てみたい!」
沙奈がすこし和風な小物を取り扱うお店が多い通りを指さす。
「おっ!いいんじゃん」
「俺もさんせー!うまいもんあるかな?」
「勇太・・・、あんたは、ほんとに食べ物の事だけよね」
李美香が呆れたようにつぶやく。
「うるせーよ!」
「じゃあ、出発!」
勇太の反発は夏希の脳天気な声にけされた。
それから、初めに入ったのは風鈴のお店。
色んな風鈴が優しい音を奏でている。
「綺麗ー!」
紗奈は感動の声を出す。
「家に買って買うかなー?」
春樹も結構気に入ったようで家用に風鈴を選び始めた。
「だったから、梨花ちゃんにこれかとかがいいんじゃない?」
沙奈がピンク系のアサガオ柄の風鈴を指さす。
梨花は春樹の妹で中1だ。
「うん。それにしようかな」
「あの2人いい雰囲気だよね?」
夏希が2人をみていう。
「だよな!俺も思った」
「そーか?」
「勇太、あんたは鈍感だから」
「・・・そーね」
李美香が上の空で呟く。
「おいっ!『そーね』じゃねえだろっ!」
勇太がいつも道理反発する。
「・・・」
「勇太、うるさい!」
夏希と俺は声がそろった。
それから、小物屋 駄菓子屋など色々よった。
「あっ、団子屋じゃん!」
「わぁー!食べよー!」
結構歩いたのでみんなお腹が空いていたからテンションが上がる。
「俺、あんこがいい。勇太よろしく」
「あたしは、3色の!」
「なんで俺なんだよっ!」
「・・・夏希は?」
李美香が辺りをキョロキロしながら聞く。
ばっとみんなが辺を見回す。
「・・・・・・」
「えっ?迷子」
「さっきまでいなかった?」
みんなが動揺しだす。
「あのバカッ!」
准が小さく吐き捨てて駆け出した。
うしろから、沙奈達が准の事を呼ぶ声がする。だが、構わずに走った。
准が元きた道を戻ると店の前で夏希は1人、オロオロとしていた。
「夏希ー!」
准が呼ぶと夏希はパッと顔を明るくして、駆け寄ってきた。
「・・・中3で迷子とかマジであり得ねーんですけど」
「・・・」
夏希がいきなり泣きそうな顔になり、抱きついてきた。
「!?!な、夏希!?」
「怖かった~」
「あっ、夏希やめろ!泣くな!俺が泣かしたみたいだろ!!」
そんなことを言っているが、多分今俺の顔は赤くなっている。
「ふー、やっと見つけ・・・」
勇太が2人を見て言葉をうしなう。
「わぁー、何やってんの」
沙奈は、楽しそうにニヤニヤ言った。
「いつの間に・・・」
李美香はきっと夏希が一方的に抱きついてきたとわかっているはずだけどニヤニヤしている。
「そうゆう事ね」
春樹も意味ありげに言う。
「あーーー、もおっ!離れろ!」
四人が後から来てさんざんからかわれた、准だけが。
「てかほんとに迷子とか、ウケる」
春樹が真顔で言う。
「うけるな、てかその顔やめろ!メガネバカ!」
「まぁまぁ、団子でも食べておちついて」
「あたしたちの奢りよ!」
李美香と沙奈が団子を差し出す。
「わぁーありがと」
「おいっ、俺に払わせたよな」
勇太が沙奈を睨む。
「えぇー、私わかんなぁーい」
「おいっ!」
「じゃあ、集合写真撮りますか!夏希の迷子記念!」
春樹が写真をお店の人にたのむ。
夏希「嬉しくないー」
夏希がすこしむくれる。
カチャ
乾いた青空にフラッシュの音が響いたように聞こえた。
「まぁ、よくも迷子になったよなぁ」
「だよな!てかなんで、迷子?」
春樹と勇太がやはりバカにしたように言った。
「夏希だからね」
李美香が笑いながら言う。
「いゃー、さすが夏希よね!」
きっとこの場に夏希がいたら怒るだろう。
応援ありがとうございます!
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