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一章4
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ミュラー家の屋敷に戻ると、錆びだらけの門の前に立派な馬車が停まっていた。
「お客さま? 珍しいわね」
これだけの高級な馬車に乗れるような人間が貴族社会の腫れ物であるミュラー家に寄りつくなんて、まず考えられない。いったい、誰だろうか。
「ただいま戻りました」
「おぉ、おかえり。アデリナ」
出迎えてくれたオルコットは額に汗をかき、なにやら落ち着かない様子だった。応接間の扉が開き、レガッタが顔を出した。手招きでアデリナを呼び寄せる。
「アデリナ、こちらへ」
彼女の顔は血の気を失い、真っ青だ。
(いったい、なにがあったのかしら)
尋常でないものを感じ取り、アデリナはやや慌ててレガッタに駆け寄る。
「どうしたの? お客さまがいらしてるの?」
レガッタは震える唇で、絞り出すように言う。
「えぇ。あなたのお客さまよ」
「私に?」
アデリナは訝しく思いながらも、応接間に足を踏み入れた。と同時に、なかにいた人物がゆっくりとアデリナのほうを振り向いた。ふたりの視線がまっすぐにぶつかる。
(どうして……なぜ彼がここにいるの?)
にらみつけるような目つきで自分を見ているカイの姿に、アデリナは言葉を失った。彼が自分に個人的な用などあるはずがないのだ。互いに、もっとも顔を合わせたくない相手なのだから。
「お、お母さま。どうして……」
アデリナは答えを求めて、レガッタを見る。だが、答えたのは彼女ではなくカイだった。
「迎えに来た」
短く告げると、彼はコツコツと靴音を響かせながらアデリナに歩み寄る。爪先が触れ合いそうな距離まで来て、ようやく足を止めた。アデリナはおそるおそる彼を見あげる。
会うのは二年ぶりくらいだが、彼はこんなに背が高かっただろうか。目の前の男はアデリナの知らない別の誰かのように思えた。
「どういうこと?」
声が震える。カイは手を伸ばし、アデリナの指先をつかむ。アデリナはとっさに手を引いたが、彼は離してはくれなかった。カイは優雅にお辞儀をするように頭をさげ、アデリナの手に口づけた。ゆっくりと唇を離すと、上目遣いに彼女を見つめた。
「迎えに来たんだよ、俺の……運命の相手をな」
「な、なにを言っているのか」
アデリナはひどく狼狽した。彼がここにいる理由も、今の言葉の意味も、わからないことばかりだ。
わかることはひとつだけ。彼が変わらずアデリナを憎んでいるということだけだ。まるでプロポーズのようなシーンだったが、彼の声も瞳も凍えるように冷たい。
アデリナは吐き捨てるように言った。
「くだらない冗談を言いに来たのなら、早く帰って。あなたの顔なんて見たくない」
「アデリナ! それが……冗談ではないみたいなの」
レガッタは困り切った顔でアデリナに一通の手紙を差し出した。皇家の色である緋色の封筒。まさか、と思った。アデリナはレガッタの手からひったくるようにしてそれを奪う。
「彼が来るほんの少し前に、皇宮からの使いが届けに来たの」
それが緋色の封筒に封入されていることは有名な話だ。アデリナはなにかに急き立てられるように、中身を確認した。
がくりと膝から崩れ落ちるような衝撃を受けた。アデリナの手からこぼれた手紙はひらひらと床に落ちる。カイはそれを拾いあげると、アデリナの眼前に突きつけた。目を背けてしまいたい現実がそこにはっきりと記されていた。
「俺とお前の『婚姻決定通知書』だ」
カイの台詞がアデリナの頭をぐるぐると回る。
(そんな……私の夫が彼だなんて)
アデリナの頭は真っ白になり、なにも考えられなかった。いい加減に決まってほしいと思っていたのは事実だ。相手に贅沢を言うつもりなどなく、夫がどんな男だったとしても誠心誠意尽くす覚悟でいた。だが……まさか相手が彼だとは想像もしていなかった。
運命とはこんなにも残酷なものなのか。
「もうわかっただろ」
カイは冷たい声で言い放つと、荷物を担ぎあげるようにしてアデリナの身体を肩に乗せる。
「やっ。おろして」
「通知書の発行日は三日前。お前はもうオーギュスト家の人間だ」
「そんなっ」
彼がなにをするつもりなのかさっぱりわからず、アデリナの胸に不安が広がっていく。
「あの、でも……輿入れにはいろいろ準備もありますし」
レガッタが取りなそうとするが、カイはそれもばっさりと切り捨てた。
「必要なものはすべてこちらで用意します。だいいち、この家に輿入れの準備とやらができるのですか」
あからさまなさげすみにアデリナの頬はかっと赤く染まる。カイはアデリナを無視し、レガッタに向けて言う。
「別に一生会わせないなどと言う気はありませんから、心配しないでください」
ぼうぜんとしているレガッタとオルコットを残して、カイは悠然と屋敷を出ていく。アデリナは彼の肩を叩いたり、その身をよじったりしてみたが、自身の腰をつかむ彼の腕はぴくりとも動かなかった。
カイはアデリナを座席に押し込むと、すぐに馬車を走らせた。あっという間にスピードをあげて、街を走り抜ける。
「どこへ行くの?」
アデリナが聞いても、彼はなにも答えなかった。むっつりと前を見ているだけで、彼女のことはちらりとも見ようとしない。アデリナは諦め、窓の外に視線を向けた。予想したとおり、ローザの中心部に向かっているようだ。
皇宮からほど近い、もっとも栄えているエリアで彼は馬車を停めた。扉が開き、エスコートするように彼が手を差し出したが、アデリナはその手は取らずに馬車をおりた。
「ここは?」
まだ新しそうな立派なお屋敷が見える。白薔薇の咲き誇る庭園が、それはそれは見事だった。
カイは面倒そうに短く答える。
「俺の屋敷だ」
「俺の? オーギュスト邸は南街区だったでしょう」
小さい頃に一度だけ晩餐会に招かれてオーギュスト邸を訪れたことがあった。今いるこの場所は南街区ではなく中央街区だ。
「騎士団入団と同時に独立した。オーギュスト邸には兄がいるしな」
六年前の政争で命を落とした兄以外にも彼にはもうひとり兄がいる。カイはオーギュスト家の三男坊なのだ。
「そうなの」
どうすることもできず、アデリナはカイに促されるままに門をくぐり、彼の屋敷に足を踏み入れる。実家ほどではないのだろうが、この屋敷にも大勢の使用人がいた。その全員が不快なものを見る目つきでアデリナを見ている。
(まぁ、それはそうよね……)
この結婚はアデリナにも信じがたいことだが、オーギュスト家の受けた衝撃はそれ以上だろう。すっかり落ちぶれたかつての仇敵の娘が今さら嫁いでくるなど、到底受け入れられないはずだ。
「お客さま? 珍しいわね」
これだけの高級な馬車に乗れるような人間が貴族社会の腫れ物であるミュラー家に寄りつくなんて、まず考えられない。いったい、誰だろうか。
「ただいま戻りました」
「おぉ、おかえり。アデリナ」
出迎えてくれたオルコットは額に汗をかき、なにやら落ち着かない様子だった。応接間の扉が開き、レガッタが顔を出した。手招きでアデリナを呼び寄せる。
「アデリナ、こちらへ」
彼女の顔は血の気を失い、真っ青だ。
(いったい、なにがあったのかしら)
尋常でないものを感じ取り、アデリナはやや慌ててレガッタに駆け寄る。
「どうしたの? お客さまがいらしてるの?」
レガッタは震える唇で、絞り出すように言う。
「えぇ。あなたのお客さまよ」
「私に?」
アデリナは訝しく思いながらも、応接間に足を踏み入れた。と同時に、なかにいた人物がゆっくりとアデリナのほうを振り向いた。ふたりの視線がまっすぐにぶつかる。
(どうして……なぜ彼がここにいるの?)
にらみつけるような目つきで自分を見ているカイの姿に、アデリナは言葉を失った。彼が自分に個人的な用などあるはずがないのだ。互いに、もっとも顔を合わせたくない相手なのだから。
「お、お母さま。どうして……」
アデリナは答えを求めて、レガッタを見る。だが、答えたのは彼女ではなくカイだった。
「迎えに来た」
短く告げると、彼はコツコツと靴音を響かせながらアデリナに歩み寄る。爪先が触れ合いそうな距離まで来て、ようやく足を止めた。アデリナはおそるおそる彼を見あげる。
会うのは二年ぶりくらいだが、彼はこんなに背が高かっただろうか。目の前の男はアデリナの知らない別の誰かのように思えた。
「どういうこと?」
声が震える。カイは手を伸ばし、アデリナの指先をつかむ。アデリナはとっさに手を引いたが、彼は離してはくれなかった。カイは優雅にお辞儀をするように頭をさげ、アデリナの手に口づけた。ゆっくりと唇を離すと、上目遣いに彼女を見つめた。
「迎えに来たんだよ、俺の……運命の相手をな」
「な、なにを言っているのか」
アデリナはひどく狼狽した。彼がここにいる理由も、今の言葉の意味も、わからないことばかりだ。
わかることはひとつだけ。彼が変わらずアデリナを憎んでいるということだけだ。まるでプロポーズのようなシーンだったが、彼の声も瞳も凍えるように冷たい。
アデリナは吐き捨てるように言った。
「くだらない冗談を言いに来たのなら、早く帰って。あなたの顔なんて見たくない」
「アデリナ! それが……冗談ではないみたいなの」
レガッタは困り切った顔でアデリナに一通の手紙を差し出した。皇家の色である緋色の封筒。まさか、と思った。アデリナはレガッタの手からひったくるようにしてそれを奪う。
「彼が来るほんの少し前に、皇宮からの使いが届けに来たの」
それが緋色の封筒に封入されていることは有名な話だ。アデリナはなにかに急き立てられるように、中身を確認した。
がくりと膝から崩れ落ちるような衝撃を受けた。アデリナの手からこぼれた手紙はひらひらと床に落ちる。カイはそれを拾いあげると、アデリナの眼前に突きつけた。目を背けてしまいたい現実がそこにはっきりと記されていた。
「俺とお前の『婚姻決定通知書』だ」
カイの台詞がアデリナの頭をぐるぐると回る。
(そんな……私の夫が彼だなんて)
アデリナの頭は真っ白になり、なにも考えられなかった。いい加減に決まってほしいと思っていたのは事実だ。相手に贅沢を言うつもりなどなく、夫がどんな男だったとしても誠心誠意尽くす覚悟でいた。だが……まさか相手が彼だとは想像もしていなかった。
運命とはこんなにも残酷なものなのか。
「もうわかっただろ」
カイは冷たい声で言い放つと、荷物を担ぎあげるようにしてアデリナの身体を肩に乗せる。
「やっ。おろして」
「通知書の発行日は三日前。お前はもうオーギュスト家の人間だ」
「そんなっ」
彼がなにをするつもりなのかさっぱりわからず、アデリナの胸に不安が広がっていく。
「あの、でも……輿入れにはいろいろ準備もありますし」
レガッタが取りなそうとするが、カイはそれもばっさりと切り捨てた。
「必要なものはすべてこちらで用意します。だいいち、この家に輿入れの準備とやらができるのですか」
あからさまなさげすみにアデリナの頬はかっと赤く染まる。カイはアデリナを無視し、レガッタに向けて言う。
「別に一生会わせないなどと言う気はありませんから、心配しないでください」
ぼうぜんとしているレガッタとオルコットを残して、カイは悠然と屋敷を出ていく。アデリナは彼の肩を叩いたり、その身をよじったりしてみたが、自身の腰をつかむ彼の腕はぴくりとも動かなかった。
カイはアデリナを座席に押し込むと、すぐに馬車を走らせた。あっという間にスピードをあげて、街を走り抜ける。
「どこへ行くの?」
アデリナが聞いても、彼はなにも答えなかった。むっつりと前を見ているだけで、彼女のことはちらりとも見ようとしない。アデリナは諦め、窓の外に視線を向けた。予想したとおり、ローザの中心部に向かっているようだ。
皇宮からほど近い、もっとも栄えているエリアで彼は馬車を停めた。扉が開き、エスコートするように彼が手を差し出したが、アデリナはその手は取らずに馬車をおりた。
「ここは?」
まだ新しそうな立派なお屋敷が見える。白薔薇の咲き誇る庭園が、それはそれは見事だった。
カイは面倒そうに短く答える。
「俺の屋敷だ」
「俺の? オーギュスト邸は南街区だったでしょう」
小さい頃に一度だけ晩餐会に招かれてオーギュスト邸を訪れたことがあった。今いるこの場所は南街区ではなく中央街区だ。
「騎士団入団と同時に独立した。オーギュスト邸には兄がいるしな」
六年前の政争で命を落とした兄以外にも彼にはもうひとり兄がいる。カイはオーギュスト家の三男坊なのだ。
「そうなの」
どうすることもできず、アデリナはカイに促されるままに門をくぐり、彼の屋敷に足を踏み入れる。実家ほどではないのだろうが、この屋敷にも大勢の使用人がいた。その全員が不快なものを見る目つきでアデリナを見ている。
(まぁ、それはそうよね……)
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