不思議な黒石(ケンタ編・京子編)

當宮秀樹

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五シリパの会-1

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五シリパの会-1

 シリパがメメと出会って三ヶ月が過ぎていた。 ケンタに依頼したままその後どうなったか
ケンタにも聞いていない。 そろそろメメかケンタが現れそうな気配をシリパは感じていた。

「お疲れさん!」ケンタだった。

「ケンタくん久しぶりだね。 今日辺り連絡あると思っていたんだ。 れいのメメちゃんその後どうした?」 

「うん、週一~二回とか逢ってるよ。 彼女さあ元々素質あるから結構簡単にトリップしちゃうよ。 
それに巫女さん体質というか共感しやすいの。 この前も宇宙の存在と繋がってフルトランス状態で
僕と会話したよ。 逆に僕も色々新しい発見したんだ」 

「そっか、あれからもう三ヶ月か」  

「京子ちゃんどうかしたの?」  

「ケンタくんさぁ、人に教えるっていう行為ってどう思う?」

「どうって、教えてる時はこっちも必死だけど、その事が相手に伝わった瞬間って相手の顔色が急に
変わるよね。 その様子を見るのが快感に思える時があるよ」
  
「そうでしょ! 私も同じなの。 私の場合はこの商売だけど。 やっぱり相談者の顔が変わる
瞬間がたまらないのよ。 相談者で心が開けて突然泣き出す人もいるのね…… 
その時は私にとっても至福の瞬間なの。 やってて良かったと思うのよ」

二人はしばし沈黙し京子が口火を切った。

「今、少なくても四人は同じ事を共有する仲間がいるよね。 もっと増やしたいと思わない……?」  

「増やすって?」 

「結局あの世界を経験すると、普段の行ないや考え方がいかに大事か解るよね。そういう人が増えると
平和な世界になると思わない? 百匹目の猿よ! 共感する人が徐々に広がるのよ」

「でも京子ちゃんそれって宗教みたいにならない?」  

「なんで……?」  

「だって、目に見えない世界について話さないとならないから宗教っぽくない?」  

「だって信じるとか信じないとかっていう次元じゃないでしょ?」

「なんで?」 

「だって、本人が体験するんだから認めるでしょう。 メメちゃんだってママだって最初は
半信半疑だったはずよ。 でもケンタくんに会って経験したら疑う余地なくなったでしょ?」 

「……それはいえてる。 京子ちゃんで、方法は?」  

「それをこれから考えるのよ……」  

「メメちゃんと連絡取ってマチコママの店に集合かけてよ。 私も今日は休業するから……」 

「相変わらずフットワークいいよね京子ちゃんは」 

「つべこべ言わないで連絡とってよ」 

 そして4人は小料理屋リンちゃんに集合した。 

「まずはカンパイ!」

京子が事の経緯を説明した。

「という訳で今日は集合しました。 どうでしょうか? 意見を聞きたいの」 
 
メメが「面白いです! 私もこの経験を誰か多くの人と分かち合いたかったです」   

マチコママが「そうね。私たちの経験ってズバリ百聞は一見にしかずで、あの経験を一度したら、
理屈抜きで説得力あると思う……」  

京子が「じゃあとりあえずゴーね? ケンタくんはどう? 」 

「僕は異議ない」

京子が「あとは方法ね。 そこが問題よ、どういう方法にするか?」 

ケンタが「とりあえずなにをするにしても事務局を置こうよ。 
場所はここリンちゃんじゃ駄目かなあマチコママ?」 

「いいわよ狭いけど」

「電話は僕とメメちゃんは会社勤めだから九時~十八時は無理だよ」 

京子が「いいわ、私ならいつでもOK。 だから電話は私の携帯でいい」  

ケンタが「会場はここで決まり。 日祭日はこの店を使わせて貰うということで、
人数が多くなったらカラオケBOXとか有料の会議室とかあるしね」 

ママが「あと宣伝方法と料金設定」  

ケンタが「宣伝はPC得意なメメちゃん頼んだよ。 ブログとかどんどん作ってね」  

「私は相談に来た客とか狸小路仲間に宣伝するよ。 ケンタくんあんたはなにできんのよ?」 

「僕は誰でもトリップできる方法を考えてみるよ。 極力、石は使わせたくないからね。 
どうやったら制限をはずして早くトリップできるか考える。 とりあえずマチコママとメメちゃん
二人は石を使わないでトリップさせたしね。二度だけど実績があるからなんかいい方法を考えてみるよ。 
そしてみんなにも伝授してみんなが指導できるようにしたい。 どのみち石があるから心配ないけど」  

メメが「で、料金は一回の講習が約二時間で一万円てのはどうですか?」  

「チョット高くない? ママは八千円位かなと思うのどう?」  

「僕はメメちゃんの一万円の方を支持するけど。 少しでも高いと真剣みが違うと思うんだ。 
本当は三万円とかいいたいくらいだけど……」  

京子が「確かに高い安いで気持ちの入れ方変わるよね。 
安いと駄目もと的に半信半疑でこられても困るし、こちら側も来てもらうからには
絶対トリップさせたいものね。 逆にトリップ出来なかったら全額返す位のほうがお互いに真実味ない?」 

ママは「それもそうね…… で、いくらにする?」  

ケンタが「中とって二万円でどう?」

京子とママが「決定!」

ケンタの言葉に全員一致。 

ママが「あと、会の名前も要るよね」

ケンタが「シリパの会ってどう?」

「なんでよ?」京子ちゃんが聞いた。 

「京子ちゃんも同名でやってるけど、本名と違うしなんとなく響きが良いかなって思っただけ……」

京子は「みんなどう?」

「賛成!」決定した。
 
メメが「ではまとめます。 名前はシリパの会。 事務局はここリンちゃん。電話は京子ちゃんの携帯。 
会員及び講師はここにいる四人。 入会金ナシで参加費二時間二万円。 
開催日不定期で原則、日・祭日。 参加申込は電話かこのお店のFAXで開催三日前までに申込み。 
最後に会の趣旨・目的ですが、パラレルワールド、ガイドとの会話、異世界体験補助。 どうですか?」  

三人は「異議なし」  

ケンタが「じゃあ、代表を作らない? 僕は京子ちゃん推薦します」 

他二人も賛成した。

京子が「なんで私なの……?」

「僕はパラレルワールドで京子ちゃんが知らない人達数人を相手に、講習してる場面に
出くわしたことあるんだ。 その意味が今日解ったんだよ。 この事なんだよ」

「異議な~し」二人も賛成した。  

ケンタが「じゃシリパの会発足決定します。 乾杯!」

「かんぱ~い」

こうしてシリパの会が立ち上がった。

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