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四蘭島村中学生
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四蘭島村中学生
ある日のこと余市町のとなり蘭島村の中学生の中でシリパのことが噂になっていた。
女子生徒クミ子は同級生のアケミに、この地方独特の訛りのある口調で話しかけた
「ねえアケミさぁ、狸小路のシリパっておばさん占い師のはなす聞いた?」
「なにそれ? あたし聞いたこと無いベさ……」
クミコは「何でも、狸小路商店街が終わる頃、イスとテーブルを持ったオバサンがどっかから
湧いてくるらしの。 そのオバサンの名前がシリパっていうんだと。
一説によると宇宙人って噂もあるっぺな。 ほんでもって相談者が来るとズケズケ喋るんだとさ。
それが本人はガイドとかいう簡単にいうと守護霊らしいけど、相談者のそのガイドの言葉を
通訳する人らしいのよ」
「へぇ……」
「そんで、面白しれえ話しがあんのよ。 シリパが店をはじめて間もない頃、ヤクザ者が
所場代よこせって来たらしいけど、たんかきって追い返したらしいの。
その時にそのヤクザ者の二人に、『お前ら明日病院で診てもらいな』って追い返したらしいの。
ほんでその二人がのこのこ病院に行ったらしいのよ。
笑っちゃうべ。そしたら二人とも重病だったらしいの。 それ以降、その二人は今じゃあ差入れ持って
訪れて姉さん待遇だってさ。 口癖が『金返すから帰りな』って言うらしいの。
中には弟子入りした女もいるとか」
うわさ話は少し大げさになっていた。
「おんもしれぇな、それ」
「まだあんだ、相談者の過去、現在、未来を視てガイドから伝言を貰って話すんだと……」
「おんもしれえなそれ。 うんでもって誰からさ聞いたのその話しっこ」
「なんでも、ミヨリのネエチャンが視てもらったんだとさ。 内容は聞かなかったけんど……」
「おっ、あの出戻りのネエチャンか…… たぶん内容は男のこったべな、アハハ……」
「あれだばそんだぁな」
「まちがいねぇべさガハハハ……」
数日が過ぎた。 学生達はシリパに逢いたいという話しに発展し、ユリ子が幹事となり話しを進めた。
しかしまだ中学生。 しかも蘭島から夜の札幌狸小路は許可が出ない。 そこで知恵者のマキ子が言った。
「まず視てもらいたい人が、何人集まるか人数出すてみない?」
「ほんで?」
「人数によって一人いくらって予算をたてるのさ。 それで日中に札幌のカラオケ屋で部屋借りるのさ。
集まった金からシリパさんに日当払って部屋代払ったら中学生でも出来ると思うわさ…… どお?」
「おおマキ子おめぇ、頭いい。 昨日納豆かなんか喰ったが?」
マキ子が「で、何人集まるか放課後までに集計ね」
放課後集合した。
ユリ子が「男五人、女七人の計十二人になったべさ」
「シリパさんの見料いくらが妥当だと思う?」
クニオが「俺の父ちゃん大工なんだけど他の大工さん借りるとき一人工、一万五千円って
話し耳にするけんども……」
トシユキが「ば~~か、それ大工の話だんべよ。 占い師は大工と違うっぺな」
ノリ子が「占い師に人工ってあるの? それよりか一万五千円しか予算ありませんって
ハッキリ言った方がいいかも……」
「賛成」
全員も賛成した。
ムカイが「で、誰が交渉するのよ?」
アケミが「私の兄ちゃんが札駅で働いてるから、仕事帰りに寄って交渉を頼んでみるわさ」
ノリ子が不安そうな目をして「アケミの兄ちゃんにそんなこと頼んでいいの?」
アケミは「大丈夫、わたし兄貴の秘密握ってんだ。 絶対うんっていうよ」
「秘密ってなに?」
「兄貴ねえ高校生の時エロ本、しかも無修正のやつ机にそのまま置いて学校行ったのね。
そんで私が発見したのよ。 母親に見つかったら大変なことになるから隠して置いたのね。
それで貸しを作ったのよね。 それをネタに兄をゆすり続けてるダッペ…… 今も!」
ユキオがニヤけて「おめえ悪い妹だなぁや。 まるで不良女だな……」
シリパとの交渉は成立し日時も場所も決定した。
札幌駅近くのカラオケ店で決定した。 日当一万五千円。 会場費は生徒持ち。
小さい部屋と三十名は入る大部屋を予約した。 当日、生徒達は札幌駅に着き、
早めの食事を駅の地下食堂でとることにした。 全員期待を胸にワクワクしていた。
そんなときマサコが「すんげえな、やっぱ札幌は人が多いな。 なんかお祭りみてえなもんだな~や」
「男も女も都会風でどこか、あか抜けしてるでや」
ゆきおが「着てる服も赤や、ピンクや水色だのちょっとケバくねえか?」
向井は「おらが村は茶か黒かグレーだもんな……」
ゆきおは「女も雑誌から出てきたような格好いいの多いな……」
向井が「あそこの三人組見てみろや。 目っこさキョロキョロしてるぞ。 ありゃ完全に田舎ッペだな。
間違いねぇべや。 俺ぐらいになると見れば解るべ。 田舎ッペくせぇ…… ガハハハ」
全員、思い思いの事を口走り、辺りを見回し目はキョロキョロしていた。
待ち合わせ場所。時間ちょうどにシリパは派手目な装いで出席した。
「はじめましてシリパです。 今日は呼んでいただきありがとう。 君たち何年生かな?」
「中三です」
「蘭島村だったよね、わたし余市町なの宜しく」
生徒のひとりが「シリパさんもカッペか?……」
すかさずシリパは「おめぇ、なんか言ったか?」
「……」
「じゃあ始めよっか? 順番決めてきた?」
「決めてません」
「そっか、じゃあ私をカッペといったお前から、名前は?」
「ト、トシユキです」
「他は順番決めておくようにね」二人は大部屋から出て行った。
「おい、シリパさんって威圧感あるな。 やっぱヤクザもんが一目置くの本当だわ……」全員うなずいた。
各自思いや相談事を打ち明け、予定の百二十分が過ぎた。 シリパは大部屋に戻ってきた。
「今日はどうもね。 とっても楽しかった。 今度は私がみんなを接待するからもう二時間延長しない?
当然私の接待だからみんなは全部無料でどう?」
生徒十二人は互いの顔を見合わせ大はしゃぎ。
幹事のユリ子が「申し訳ありません……」
「なーに、利益は酔っぱらいオヤジから頂くから、みんなは気にしなくていいよ……」
全員が笑った。
「さて、二時間どういう風に使う? 裸踊りしろていうならやっちゃうよ。 どう? トシユキ」
全員が又笑った。
「あのう…… いいですか? シリパさんは彼氏いるんですか?」
「いないよ。 今、興味のある男は周りにみあたらないのよね」
「昼間はなにやってるんですか?」
「曲作ってるよ。 あのさ、私のことより君たちのこと話そうよ。 せっかくだからさ、
いいかい私はいつも相談者に言うことは、自分の好きなことやってというの。
自分の好きなことやってる時と、笑ってる時がバイブレーション高いのよね。
さっき私の接待で無料と言った瞬間、あのみんなのバイブレーション最高。 凄く良かった忘れないでね!
これから高校、大学、そして社会に出てバカな上司に気を遣い生きていくのよ。でもどんな時も笑いを
忘れたら駄目。 落ち込んだときは友達に会うなり、自分の好きな趣味に没頭するなり、
映画を見るなりなんでもいい。
その行為が楽しいものならね。 但し、万引きなど人に迷惑掛かることは駄目よ。
された側のバイブレーションが下がるわ。 宇宙には作用反作用の法則があって、
マイナスのバイブレーションを与えるとそれと同じマイナスのバイブレーションが自分に還ってくるのよ。
かならず。
だから気をつけてね。そして、いき詰まったからってすぐ私のとこ来るんじゃないのよ。
極力自分で解決する癖つけるのよ。 すぐ他人に依存する癖をつけないこと。
相談者に多いの依存癖のあるひとが。 なにかあるとすぐ私の所に来るのね、
自分で解決しようとしなくなるのよ。 依存癖ね……
極力自分で解決するのよ、そういう癖をつけてね…… 私のようなところに来る時はひとつの
意見を聞きに来るぐらいでいいの……解った! 目の前に出てきた問題はあなたのために、
タイミングを計って出てきたものなの。 言い方を変えると、解決できるパワーがあなた達に
既に備わったから出てくるのね。解決できない問題は目の前に出てこないの。 それ大事なことなの解った!」
「ハイ!」
「若い子は素直でいいねぇ。 それと、すぐ人に頼る癖付けるんじゃないよ。
いつも誰かに頼らないと生きていけない人間になるよ。 私のとこに来るときは最後の最後にしな。
その時はお互いの顔忘れてると思うけど○○年前に蘭島から十二人でカラオケボックスで話を聞いた
一人ですっていいなよ。 そしたら私は、だから? それがどうしたの? っていうからさ」
生徒全員コケた。 そして爆笑した。
「あと、差入れはいつでもお受けいたします。 但し五人分ぐらいは持ってきてね。
狸小路は売れない画家やミュージシャンが多いのよ。そいつらに喰わせるの、
餌付けしておくと何かあったら、すぐ私に従うから便利なのよ。 どっかの犬猫と同じよ。
まっそれはじょうだんだけど。 あと何かない? みんなが興味ある質問がいいな。 君なんかない?」
「宗教についていいですか?」
「私、宗教は知らないけどいえることは、あっちの世界に行くと宗教という概念が全くないのよね。
宗教という概念はこっちの世界だけなのよ。 つまりこっちの世界で人間が作ったのが宗教。
もう宗教は必要なくなるって私のガイドから聞いた。 宗教に入りたい人は自由だけど盲信だけはしないで。
中道っていってニュートラルがいいのよ。 柔軟性があってチョット難しかった?」
「はい」
「人の心は余裕が大事。 偏ったら息が詰まってくるのよ」
「シリパさんは今後もこの商売続けるんですか?」
「先のことは解らないわ。 私の場合なんでも極端なのね。 辞めたいときが辞めどきかな?」
話しはあっという間に二時間が過ぎた。
「そろそろ時間だわ。 だれか最後聞きたいことある?」
「運命について」
「おっ! 深い質問ね。 人は生まれる時にやらなければならないスケジュール表を持ってくるのね、
それに沿って人生を歩むの。 ある年齢になったら働いて、ある年齢になったら結婚して、
そして子供を作り、結婚しない方向を選ぶ人もいるのは当然。 会社を起ち上げたり倒産させたり。
そしてある年齢になったら死ぬ。
いつもガイドが応援するからね。 心の深いところで小さな声がするから心を落ち着かせ耳を傾けてね。
そして自信持って道を選んでちょうだい。 選択するとき表面の大きな声は無視していい。
心の深いところで小さな声がポイント、但し!よこしまな思いだと判断を間違うるからね。
解った? トシユキ」
「あっハイ」
「あと最後に、自分の目標を打ち立てること。 これは声を大きくしていうよ!どんな事でもいい。
目標を持つ。 達成出来たら又、次の目標を立てる事。
私のとこに仕事のことで相談に来る多くの人はその辺が欠如してるのね。 やりたい仕事が見つからない。
そういう人って本当に多いけど生きてる限りやることあるからね。 死ぬまである……
目の前に出て来た事は全部意味があるから。 そして人生は放棄しないでよ。わかった? 約束よ。
この世に偶然はひとつもない。 覚えておいてね。
難しい事ないの。心に柱を立てるのよ。 行き詰まった時やくじけそうになった時に、その自分だけの
柱にしがみつくのよ。 そしてその柱の意味をもう一度思い起こすの。 間違ったと思ったらその
柱をぶち壊し、また新しい柱を立てなよ。 何度でも何度でも。 チンチンじゃないよクニオ……
心の柱だよ柱。
期待してるわ。 本当の自分らしく生きることを。 世間に惑わされないでね。 今
日はとっても楽しかった。 ありがとうね、みなさん愛してます……」
全員潤んだ目で拍手した。しっかりシリパと握手をして別れた。
列車の中で「今日は、なんかスカッ~とした気分」
「おらの村の村長になって欲しいな~や」
「んだな」
「シリパさんカッコええよな……嫁さんにするには怖いけど……」
シリパという異色の存在を目の辺りにした蘭島生徒は帰宅した。
シリパはまた路上に座っていた
ある日のこと余市町のとなり蘭島村の中学生の中でシリパのことが噂になっていた。
女子生徒クミ子は同級生のアケミに、この地方独特の訛りのある口調で話しかけた
「ねえアケミさぁ、狸小路のシリパっておばさん占い師のはなす聞いた?」
「なにそれ? あたし聞いたこと無いベさ……」
クミコは「何でも、狸小路商店街が終わる頃、イスとテーブルを持ったオバサンがどっかから
湧いてくるらしの。 そのオバサンの名前がシリパっていうんだと。
一説によると宇宙人って噂もあるっぺな。 ほんでもって相談者が来るとズケズケ喋るんだとさ。
それが本人はガイドとかいう簡単にいうと守護霊らしいけど、相談者のそのガイドの言葉を
通訳する人らしいのよ」
「へぇ……」
「そんで、面白しれえ話しがあんのよ。 シリパが店をはじめて間もない頃、ヤクザ者が
所場代よこせって来たらしいけど、たんかきって追い返したらしいの。
その時にそのヤクザ者の二人に、『お前ら明日病院で診てもらいな』って追い返したらしいの。
ほんでその二人がのこのこ病院に行ったらしいのよ。
笑っちゃうべ。そしたら二人とも重病だったらしいの。 それ以降、その二人は今じゃあ差入れ持って
訪れて姉さん待遇だってさ。 口癖が『金返すから帰りな』って言うらしいの。
中には弟子入りした女もいるとか」
うわさ話は少し大げさになっていた。
「おんもしれぇな、それ」
「まだあんだ、相談者の過去、現在、未来を視てガイドから伝言を貰って話すんだと……」
「おんもしれえなそれ。 うんでもって誰からさ聞いたのその話しっこ」
「なんでも、ミヨリのネエチャンが視てもらったんだとさ。 内容は聞かなかったけんど……」
「おっ、あの出戻りのネエチャンか…… たぶん内容は男のこったべな、アハハ……」
「あれだばそんだぁな」
「まちがいねぇべさガハハハ……」
数日が過ぎた。 学生達はシリパに逢いたいという話しに発展し、ユリ子が幹事となり話しを進めた。
しかしまだ中学生。 しかも蘭島から夜の札幌狸小路は許可が出ない。 そこで知恵者のマキ子が言った。
「まず視てもらいたい人が、何人集まるか人数出すてみない?」
「ほんで?」
「人数によって一人いくらって予算をたてるのさ。 それで日中に札幌のカラオケ屋で部屋借りるのさ。
集まった金からシリパさんに日当払って部屋代払ったら中学生でも出来ると思うわさ…… どお?」
「おおマキ子おめぇ、頭いい。 昨日納豆かなんか喰ったが?」
マキ子が「で、何人集まるか放課後までに集計ね」
放課後集合した。
ユリ子が「男五人、女七人の計十二人になったべさ」
「シリパさんの見料いくらが妥当だと思う?」
クニオが「俺の父ちゃん大工なんだけど他の大工さん借りるとき一人工、一万五千円って
話し耳にするけんども……」
トシユキが「ば~~か、それ大工の話だんべよ。 占い師は大工と違うっぺな」
ノリ子が「占い師に人工ってあるの? それよりか一万五千円しか予算ありませんって
ハッキリ言った方がいいかも……」
「賛成」
全員も賛成した。
ムカイが「で、誰が交渉するのよ?」
アケミが「私の兄ちゃんが札駅で働いてるから、仕事帰りに寄って交渉を頼んでみるわさ」
ノリ子が不安そうな目をして「アケミの兄ちゃんにそんなこと頼んでいいの?」
アケミは「大丈夫、わたし兄貴の秘密握ってんだ。 絶対うんっていうよ」
「秘密ってなに?」
「兄貴ねえ高校生の時エロ本、しかも無修正のやつ机にそのまま置いて学校行ったのね。
そんで私が発見したのよ。 母親に見つかったら大変なことになるから隠して置いたのね。
それで貸しを作ったのよね。 それをネタに兄をゆすり続けてるダッペ…… 今も!」
ユキオがニヤけて「おめえ悪い妹だなぁや。 まるで不良女だな……」
シリパとの交渉は成立し日時も場所も決定した。
札幌駅近くのカラオケ店で決定した。 日当一万五千円。 会場費は生徒持ち。
小さい部屋と三十名は入る大部屋を予約した。 当日、生徒達は札幌駅に着き、
早めの食事を駅の地下食堂でとることにした。 全員期待を胸にワクワクしていた。
そんなときマサコが「すんげえな、やっぱ札幌は人が多いな。 なんかお祭りみてえなもんだな~や」
「男も女も都会風でどこか、あか抜けしてるでや」
ゆきおが「着てる服も赤や、ピンクや水色だのちょっとケバくねえか?」
向井は「おらが村は茶か黒かグレーだもんな……」
ゆきおは「女も雑誌から出てきたような格好いいの多いな……」
向井が「あそこの三人組見てみろや。 目っこさキョロキョロしてるぞ。 ありゃ完全に田舎ッペだな。
間違いねぇべや。 俺ぐらいになると見れば解るべ。 田舎ッペくせぇ…… ガハハハ」
全員、思い思いの事を口走り、辺りを見回し目はキョロキョロしていた。
待ち合わせ場所。時間ちょうどにシリパは派手目な装いで出席した。
「はじめましてシリパです。 今日は呼んでいただきありがとう。 君たち何年生かな?」
「中三です」
「蘭島村だったよね、わたし余市町なの宜しく」
生徒のひとりが「シリパさんもカッペか?……」
すかさずシリパは「おめぇ、なんか言ったか?」
「……」
「じゃあ始めよっか? 順番決めてきた?」
「決めてません」
「そっか、じゃあ私をカッペといったお前から、名前は?」
「ト、トシユキです」
「他は順番決めておくようにね」二人は大部屋から出て行った。
「おい、シリパさんって威圧感あるな。 やっぱヤクザもんが一目置くの本当だわ……」全員うなずいた。
各自思いや相談事を打ち明け、予定の百二十分が過ぎた。 シリパは大部屋に戻ってきた。
「今日はどうもね。 とっても楽しかった。 今度は私がみんなを接待するからもう二時間延長しない?
当然私の接待だからみんなは全部無料でどう?」
生徒十二人は互いの顔を見合わせ大はしゃぎ。
幹事のユリ子が「申し訳ありません……」
「なーに、利益は酔っぱらいオヤジから頂くから、みんなは気にしなくていいよ……」
全員が笑った。
「さて、二時間どういう風に使う? 裸踊りしろていうならやっちゃうよ。 どう? トシユキ」
全員が又笑った。
「あのう…… いいですか? シリパさんは彼氏いるんですか?」
「いないよ。 今、興味のある男は周りにみあたらないのよね」
「昼間はなにやってるんですか?」
「曲作ってるよ。 あのさ、私のことより君たちのこと話そうよ。 せっかくだからさ、
いいかい私はいつも相談者に言うことは、自分の好きなことやってというの。
自分の好きなことやってる時と、笑ってる時がバイブレーション高いのよね。
さっき私の接待で無料と言った瞬間、あのみんなのバイブレーション最高。 凄く良かった忘れないでね!
これから高校、大学、そして社会に出てバカな上司に気を遣い生きていくのよ。でもどんな時も笑いを
忘れたら駄目。 落ち込んだときは友達に会うなり、自分の好きな趣味に没頭するなり、
映画を見るなりなんでもいい。
その行為が楽しいものならね。 但し、万引きなど人に迷惑掛かることは駄目よ。
された側のバイブレーションが下がるわ。 宇宙には作用反作用の法則があって、
マイナスのバイブレーションを与えるとそれと同じマイナスのバイブレーションが自分に還ってくるのよ。
かならず。
だから気をつけてね。そして、いき詰まったからってすぐ私のとこ来るんじゃないのよ。
極力自分で解決する癖つけるのよ。 すぐ他人に依存する癖をつけないこと。
相談者に多いの依存癖のあるひとが。 なにかあるとすぐ私の所に来るのね、
自分で解決しようとしなくなるのよ。 依存癖ね……
極力自分で解決するのよ、そういう癖をつけてね…… 私のようなところに来る時はひとつの
意見を聞きに来るぐらいでいいの……解った! 目の前に出てきた問題はあなたのために、
タイミングを計って出てきたものなの。 言い方を変えると、解決できるパワーがあなた達に
既に備わったから出てくるのね。解決できない問題は目の前に出てこないの。 それ大事なことなの解った!」
「ハイ!」
「若い子は素直でいいねぇ。 それと、すぐ人に頼る癖付けるんじゃないよ。
いつも誰かに頼らないと生きていけない人間になるよ。 私のとこに来るときは最後の最後にしな。
その時はお互いの顔忘れてると思うけど○○年前に蘭島から十二人でカラオケボックスで話を聞いた
一人ですっていいなよ。 そしたら私は、だから? それがどうしたの? っていうからさ」
生徒全員コケた。 そして爆笑した。
「あと、差入れはいつでもお受けいたします。 但し五人分ぐらいは持ってきてね。
狸小路は売れない画家やミュージシャンが多いのよ。そいつらに喰わせるの、
餌付けしておくと何かあったら、すぐ私に従うから便利なのよ。 どっかの犬猫と同じよ。
まっそれはじょうだんだけど。 あと何かない? みんなが興味ある質問がいいな。 君なんかない?」
「宗教についていいですか?」
「私、宗教は知らないけどいえることは、あっちの世界に行くと宗教という概念が全くないのよね。
宗教という概念はこっちの世界だけなのよ。 つまりこっちの世界で人間が作ったのが宗教。
もう宗教は必要なくなるって私のガイドから聞いた。 宗教に入りたい人は自由だけど盲信だけはしないで。
中道っていってニュートラルがいいのよ。 柔軟性があってチョット難しかった?」
「はい」
「人の心は余裕が大事。 偏ったら息が詰まってくるのよ」
「シリパさんは今後もこの商売続けるんですか?」
「先のことは解らないわ。 私の場合なんでも極端なのね。 辞めたいときが辞めどきかな?」
話しはあっという間に二時間が過ぎた。
「そろそろ時間だわ。 だれか最後聞きたいことある?」
「運命について」
「おっ! 深い質問ね。 人は生まれる時にやらなければならないスケジュール表を持ってくるのね、
それに沿って人生を歩むの。 ある年齢になったら働いて、ある年齢になったら結婚して、
そして子供を作り、結婚しない方向を選ぶ人もいるのは当然。 会社を起ち上げたり倒産させたり。
そしてある年齢になったら死ぬ。
いつもガイドが応援するからね。 心の深いところで小さな声がするから心を落ち着かせ耳を傾けてね。
そして自信持って道を選んでちょうだい。 選択するとき表面の大きな声は無視していい。
心の深いところで小さな声がポイント、但し!よこしまな思いだと判断を間違うるからね。
解った? トシユキ」
「あっハイ」
「あと最後に、自分の目標を打ち立てること。 これは声を大きくしていうよ!どんな事でもいい。
目標を持つ。 達成出来たら又、次の目標を立てる事。
私のとこに仕事のことで相談に来る多くの人はその辺が欠如してるのね。 やりたい仕事が見つからない。
そういう人って本当に多いけど生きてる限りやることあるからね。 死ぬまである……
目の前に出て来た事は全部意味があるから。 そして人生は放棄しないでよ。わかった? 約束よ。
この世に偶然はひとつもない。 覚えておいてね。
難しい事ないの。心に柱を立てるのよ。 行き詰まった時やくじけそうになった時に、その自分だけの
柱にしがみつくのよ。 そしてその柱の意味をもう一度思い起こすの。 間違ったと思ったらその
柱をぶち壊し、また新しい柱を立てなよ。 何度でも何度でも。 チンチンじゃないよクニオ……
心の柱だよ柱。
期待してるわ。 本当の自分らしく生きることを。 世間に惑わされないでね。 今
日はとっても楽しかった。 ありがとうね、みなさん愛してます……」
全員潤んだ目で拍手した。しっかりシリパと握手をして別れた。
列車の中で「今日は、なんかスカッ~とした気分」
「おらの村の村長になって欲しいな~や」
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