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2第一ハーデス
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2第一ハーデス
二人はあるビルの一室に座っていた。
社長が「新見さん目を開けられますか?」
「……はい」
「ゆっくり起き上がって下さいね。 第一ハーデスに尽きました。 もう一度説明します」
部屋の様子を伺いながら「あっ、はい、お願いします」
新見は既に身体に脱力感を覚え、どことなくイライラしていた。
「ここはズバリ地獄と呼ばれるハーデス。 人の物を奪う、殺す、平気で嘘をつく、など当たり前の世界。
それと、全てのハーデスの人には死がありませんので殺人で殺されたように見えますが、
また動き出しますから気にとめないで下さい。 ここは非常に低い世界です。 私と二人で歩きましょう。
できるだけ私から離れないように歩いて下さい。では、ビルの表に出ましょう、私についてきて下さい」
二人は外に出た。
瞬間、経験したことのないような異臭が鼻をついた。 外は薄暗く重く濁った空気感。
高橋は「何度来てもこのハーデスは臭うの、でもこれが不思議とだんだん慣れてくるのよね。
こちらが地獄に馴染んでくるの……」
新見は思わず「臭いッ」声が出てしまった。
後ろから老婆が声を掛けてきた「あんた達、見慣れない顔だけどよそもんかい?」
新見は声の主を視て唖然とした。 その老婆は顔の肉が半分そげ落ち、目も片方が垂れ下がり、
口は下の唇が垂れ下がり全体にどす黒い皮膚が痛々しく感じた。
その時、高橋が「あまり凝視しないでね」
新見は一瞬我を忘れるところだった。 二人はそのまま大通りに出て町を歩いた。
「ここが第一ハーデス、一般的に地獄と呼ばれる世界。 どんよりとした空気、腐った魚か、
獣のような悪臭と全体が夕方か夜のような暗さ。 でも、そのうち感覚が馴れてきます。
このハーデスにこちらが同調してくるの。 魂はどんな環境にも同調しようとするの。
魂はどういう訳か調和が基本なの」
「こんな世界でも調和できるんですか?」
「今に解ります。 コマはいつでも回せるようにして下さい。 では、繁華街らしき所に行きましょう。
さっきいったようにここの住民とは目を出来るだけ合わせないようにして下さい」
ゆっくりと二人は街を歩き出した。 道にはゴミが所狭しと散乱し、路上で座って呟いている子供もいた。
「おい、姉さん達何処行くんだね?」
横から老婆の声がしたので新見は声の方向を視た。 新見は声を失った。 声の主は一見綺麗に着飾った
若い女性。 が、声の印象からすると老婆のようなかすれた声。
「散歩ですけど」
「ほ~う、いいご身分だ…… あんたの服は綺麗だね、あんたも私達と同じ仕事しないかい、稼げるよ。
な~に、ただ男と寝てやるだけでいいのさ。 簡単だろどうだい?」
新見が「いえ、私達は結構です。失礼します」
「ちょい、待ちな……! 私が稼げるようにしてあげるっていってるだろうが、何か文句あるのかい?」
形相が豹変した。
「いえ、ですから……」
新見の会話途中で高橋が遮った。
「姉さん、ごめんね、こいつここに来たばっかでなにもわかっちゃいないんだよ。 これとっといて」
お金らしき物をそっと女に掴ませた。
「そうかい、解ったよ。気が変わったらいつでもおいで。 この辺にたむろしてるからさフフ……」
高橋が「はい、その時には姉さんを頼りますのでここらで失礼します」
二人はその場から離れた。
「なんなんですか? あの人は?」
「新見さん、これが第一ハーデスなの、 ここではあれが当たり前の世界で、あれはまだいいほうです」
「あれがいいほうなんですか? 高橋さんが彼女に渡したあの紙はお金ですか?」
「そう、ただの紙だけどね。 あの人にはお金に映って見えるの。 地獄の沙汰も金次第っていうことば
は本当なんですよ」
二人は歩き始めた。 その時、パンという破裂音がした。
「今の音は何ですか?」
「うん、あれは拳銃の音ね、ここでは普通の出来事なんです。 こちらでもヤクザの抗争をやってるの。
彼らは死んでも死んだ自覚がないの。 だからああやって毎日毎日抗争をやってるのよ。 毎回死んでるの。
何十年も毎日毎日その繰り返し。 時間の概念がないからなんどでも、なんどでも繰り返すの、
自分のおかれた状況を悟るまで。
あの男性を視てごらんなさい。 拳銃で撃たれるわよ。 そして一回は死ぬの。
しばらくすると起き上がってまた抗争しはじめるの。 私の視る限りず~とああやって繰り返してるわ」
「死んで、また生き返るんですか?」
「言ったでしょ、ハーデスは観念の世界で肉体がないの。 時間もないからいつも今なのよ。
本人が気付くまで続くの」
「何回も何回も撃たれるんですか?」
「そう、何回も何回も気が付くまで。 因みにあの男は私が最初に視たのが、人間時間で三年前だった。
今だにああしてるのよ。 私、あの人と話したことあったんだけど、あの人が生きてるのは明治の終り
頃なの。 だから今でも明治だと思ってるの」
「明治?」
「そう、新見さんの感覚だと時間は直線だという意識ですが、ハーデスは時間という概念がない世界だ
からいつも今なの。 新見さんが考えてる一本の直線としての時間軸というのは、本当は今の地球だけ
の常識で、実は毛糸玉のように絡まってるの。 昨日と1十年前が隣り合わせになってる、
それが時間軸が無いハーデスなの。 明治のヤクザ間の抗争がいまだに続いている理由」
「なんか時間って頼りないんですね」
「頼りないというか、本来、時間は無いと言った方が正解。 今の私たちの住む地球だけに時間の存在が
あるんです。 月と太陽が時間というものを作りだしたのかもしれませんね。
因みに次元が上のハーデスでは月は用を足してません。 夜が存在しないから」
「もう少し歩いてみたいです」
「はい、かしこまりました。じゃあ行きましょう」
二人は通りをさらにすすんだ。
「あれは何ですか?」
指さす方向には一人の男を中心に大きな円陣を組む集団があった。
「ああ、あれは詐欺集団の打合せ。 あの中心の男がボスで周りが子分。 スリの手ほどきをしてるの」
「あんなに公然とやってるんですか?」
「それがこのハーデスの面白いところなの。 彼らはこちらが目に入ってないのよ。
遠くを見るという視界を持ち合わせてないの。 目の前のことしか考えてないから遠くは見えてないの。
視界というのは心の広さも関係してるのね。 目先のことばかりという言葉があるでしょ?
まさに書いて字のごとし。 だからあの集団はこちらを視るという作業が出来ないの。
本当は見えるのよ、自分で見えなくしてるだけなの。 ハーデスの世界って面白いでしょ?」
「本当ですね。心の在り方ってハーデスの世界でも重要なんですね」
「重要というか最重要です。 行ないについては次回生まれる時、カルマという形で補えるけど、
心の在り方は今しかないの」
「高橋社長、詳しいですね」
「何年もこの商売してると黙ってても身につくの。 もう少し歩いてみましょう」
「このハーデスって警察は存在するのかしら?」
「良い質問。 あるわよ覗いてみる?」
次の瞬間、違う町に変わっていた。
「正面にあるあれが警察」
「あっ! 本当だ警察署だ。 どういうこと取り締まるのかしら?」
署の中から二人の人相の悪い警官が出て来た。 そこに、ひとりの老婆が現われ警官と
会話をしてたと思った瞬間、ひとりの警官が声を張り上げ「馬鹿いってんじゃねぇぞ、
この糞ババァ……!」その瞬間足で老婆を蹴ってしまった。
新見は咄嗟に「あっ、危ない」
もうひとりの警官が気づき新見の方に向ってきた。
「おい、お前、今なんて言った? もう一度いってみろ」
「危ないって言いましたけど」
「ほ~う、誰に向って言ったんだ? えっ、こら!」警官は威圧してきた。
そこで高橋は「いつもすいませんね、この女、まだこの世界馴れてないんです。
今日の所はこれで旨いもの食って下さい。 私からいって聞かせますから。 すいませんね」
高橋はまた紙を警官にそっと渡した。
「おう、あんたツアー会社の社長さんだったな、いつも、出来の悪い観光客相手に大変だな。
まっ、頑張れよ」
そう言って二人の警官は立ち去った。
「もうひとつ教えておきます。 このハーデスのは他人に情をかける、愛情をかける、助けるという
行為が存在しません。 基本その逆です」
新見はなんとなく理解できた。 同時に人間界はここと比べるとまだ住みよい世界だと痛感した。
また歩き出すと新見が「社長さん来た時と違って段々と臭いが消えてきません?
目も幾分馴れてきたみたいだけど」
「新見さんがこのハーデスに馴れてきてるんですよ。 あそこの鏡を見て下さい」
ビルの薄汚れたミラーガラスに自分の姿をうつしてみた。 そこにうつっていた自分の姿は変貌していた。
目が見開き気味。 自分でもその変容に愕然とした。
次の瞬間新見は「いったいこれはどういう事だい、おい社長さんよ。 ちゃんと説明しなさいよね
あんたに責任取れるのかい?」
新見の意識も第一ハーデスに同調し始めていた。
「解りました。責任取りましょう」
そういって例のコマを取り出し「これと同じ物が新見さんのポケットに入ってるのでとり出して
回して下さい。 そうしてくれたら私が責任をとりますから」
新見はなにかブツブツ言いながらコマを回した。 コマは回り続け全然勢いに変化が現われなかった。
それを視ていた新見が、あっ、これはハーデス、自分の立場が瞬時に理解できた。
その様子をみた高橋は新見の手を握り、もとの部屋に戻った。
「新見様、これで第一ハーデスは終了いたします。 続きまして第二ハーデスにこのまま移動します。
また目を閉じリラックスして下さい」
二人はあるビルの一室に座っていた。
社長が「新見さん目を開けられますか?」
「……はい」
「ゆっくり起き上がって下さいね。 第一ハーデスに尽きました。 もう一度説明します」
部屋の様子を伺いながら「あっ、はい、お願いします」
新見は既に身体に脱力感を覚え、どことなくイライラしていた。
「ここはズバリ地獄と呼ばれるハーデス。 人の物を奪う、殺す、平気で嘘をつく、など当たり前の世界。
それと、全てのハーデスの人には死がありませんので殺人で殺されたように見えますが、
また動き出しますから気にとめないで下さい。 ここは非常に低い世界です。 私と二人で歩きましょう。
できるだけ私から離れないように歩いて下さい。では、ビルの表に出ましょう、私についてきて下さい」
二人は外に出た。
瞬間、経験したことのないような異臭が鼻をついた。 外は薄暗く重く濁った空気感。
高橋は「何度来てもこのハーデスは臭うの、でもこれが不思議とだんだん慣れてくるのよね。
こちらが地獄に馴染んでくるの……」
新見は思わず「臭いッ」声が出てしまった。
後ろから老婆が声を掛けてきた「あんた達、見慣れない顔だけどよそもんかい?」
新見は声の主を視て唖然とした。 その老婆は顔の肉が半分そげ落ち、目も片方が垂れ下がり、
口は下の唇が垂れ下がり全体にどす黒い皮膚が痛々しく感じた。
その時、高橋が「あまり凝視しないでね」
新見は一瞬我を忘れるところだった。 二人はそのまま大通りに出て町を歩いた。
「ここが第一ハーデス、一般的に地獄と呼ばれる世界。 どんよりとした空気、腐った魚か、
獣のような悪臭と全体が夕方か夜のような暗さ。 でも、そのうち感覚が馴れてきます。
このハーデスにこちらが同調してくるの。 魂はどんな環境にも同調しようとするの。
魂はどういう訳か調和が基本なの」
「こんな世界でも調和できるんですか?」
「今に解ります。 コマはいつでも回せるようにして下さい。 では、繁華街らしき所に行きましょう。
さっきいったようにここの住民とは目を出来るだけ合わせないようにして下さい」
ゆっくりと二人は街を歩き出した。 道にはゴミが所狭しと散乱し、路上で座って呟いている子供もいた。
「おい、姉さん達何処行くんだね?」
横から老婆の声がしたので新見は声の方向を視た。 新見は声を失った。 声の主は一見綺麗に着飾った
若い女性。 が、声の印象からすると老婆のようなかすれた声。
「散歩ですけど」
「ほ~う、いいご身分だ…… あんたの服は綺麗だね、あんたも私達と同じ仕事しないかい、稼げるよ。
な~に、ただ男と寝てやるだけでいいのさ。 簡単だろどうだい?」
新見が「いえ、私達は結構です。失礼します」
「ちょい、待ちな……! 私が稼げるようにしてあげるっていってるだろうが、何か文句あるのかい?」
形相が豹変した。
「いえ、ですから……」
新見の会話途中で高橋が遮った。
「姉さん、ごめんね、こいつここに来たばっかでなにもわかっちゃいないんだよ。 これとっといて」
お金らしき物をそっと女に掴ませた。
「そうかい、解ったよ。気が変わったらいつでもおいで。 この辺にたむろしてるからさフフ……」
高橋が「はい、その時には姉さんを頼りますのでここらで失礼します」
二人はその場から離れた。
「なんなんですか? あの人は?」
「新見さん、これが第一ハーデスなの、 ここではあれが当たり前の世界で、あれはまだいいほうです」
「あれがいいほうなんですか? 高橋さんが彼女に渡したあの紙はお金ですか?」
「そう、ただの紙だけどね。 あの人にはお金に映って見えるの。 地獄の沙汰も金次第っていうことば
は本当なんですよ」
二人は歩き始めた。 その時、パンという破裂音がした。
「今の音は何ですか?」
「うん、あれは拳銃の音ね、ここでは普通の出来事なんです。 こちらでもヤクザの抗争をやってるの。
彼らは死んでも死んだ自覚がないの。 だからああやって毎日毎日抗争をやってるのよ。 毎回死んでるの。
何十年も毎日毎日その繰り返し。 時間の概念がないからなんどでも、なんどでも繰り返すの、
自分のおかれた状況を悟るまで。
あの男性を視てごらんなさい。 拳銃で撃たれるわよ。 そして一回は死ぬの。
しばらくすると起き上がってまた抗争しはじめるの。 私の視る限りず~とああやって繰り返してるわ」
「死んで、また生き返るんですか?」
「言ったでしょ、ハーデスは観念の世界で肉体がないの。 時間もないからいつも今なのよ。
本人が気付くまで続くの」
「何回も何回も撃たれるんですか?」
「そう、何回も何回も気が付くまで。 因みにあの男は私が最初に視たのが、人間時間で三年前だった。
今だにああしてるのよ。 私、あの人と話したことあったんだけど、あの人が生きてるのは明治の終り
頃なの。 だから今でも明治だと思ってるの」
「明治?」
「そう、新見さんの感覚だと時間は直線だという意識ですが、ハーデスは時間という概念がない世界だ
からいつも今なの。 新見さんが考えてる一本の直線としての時間軸というのは、本当は今の地球だけ
の常識で、実は毛糸玉のように絡まってるの。 昨日と1十年前が隣り合わせになってる、
それが時間軸が無いハーデスなの。 明治のヤクザ間の抗争がいまだに続いている理由」
「なんか時間って頼りないんですね」
「頼りないというか、本来、時間は無いと言った方が正解。 今の私たちの住む地球だけに時間の存在が
あるんです。 月と太陽が時間というものを作りだしたのかもしれませんね。
因みに次元が上のハーデスでは月は用を足してません。 夜が存在しないから」
「もう少し歩いてみたいです」
「はい、かしこまりました。じゃあ行きましょう」
二人は通りをさらにすすんだ。
「あれは何ですか?」
指さす方向には一人の男を中心に大きな円陣を組む集団があった。
「ああ、あれは詐欺集団の打合せ。 あの中心の男がボスで周りが子分。 スリの手ほどきをしてるの」
「あんなに公然とやってるんですか?」
「それがこのハーデスの面白いところなの。 彼らはこちらが目に入ってないのよ。
遠くを見るという視界を持ち合わせてないの。 目の前のことしか考えてないから遠くは見えてないの。
視界というのは心の広さも関係してるのね。 目先のことばかりという言葉があるでしょ?
まさに書いて字のごとし。 だからあの集団はこちらを視るという作業が出来ないの。
本当は見えるのよ、自分で見えなくしてるだけなの。 ハーデスの世界って面白いでしょ?」
「本当ですね。心の在り方ってハーデスの世界でも重要なんですね」
「重要というか最重要です。 行ないについては次回生まれる時、カルマという形で補えるけど、
心の在り方は今しかないの」
「高橋社長、詳しいですね」
「何年もこの商売してると黙ってても身につくの。 もう少し歩いてみましょう」
「このハーデスって警察は存在するのかしら?」
「良い質問。 あるわよ覗いてみる?」
次の瞬間、違う町に変わっていた。
「正面にあるあれが警察」
「あっ! 本当だ警察署だ。 どういうこと取り締まるのかしら?」
署の中から二人の人相の悪い警官が出て来た。 そこに、ひとりの老婆が現われ警官と
会話をしてたと思った瞬間、ひとりの警官が声を張り上げ「馬鹿いってんじゃねぇぞ、
この糞ババァ……!」その瞬間足で老婆を蹴ってしまった。
新見は咄嗟に「あっ、危ない」
もうひとりの警官が気づき新見の方に向ってきた。
「おい、お前、今なんて言った? もう一度いってみろ」
「危ないって言いましたけど」
「ほ~う、誰に向って言ったんだ? えっ、こら!」警官は威圧してきた。
そこで高橋は「いつもすいませんね、この女、まだこの世界馴れてないんです。
今日の所はこれで旨いもの食って下さい。 私からいって聞かせますから。 すいませんね」
高橋はまた紙を警官にそっと渡した。
「おう、あんたツアー会社の社長さんだったな、いつも、出来の悪い観光客相手に大変だな。
まっ、頑張れよ」
そう言って二人の警官は立ち去った。
「もうひとつ教えておきます。 このハーデスのは他人に情をかける、愛情をかける、助けるという
行為が存在しません。 基本その逆です」
新見はなんとなく理解できた。 同時に人間界はここと比べるとまだ住みよい世界だと痛感した。
また歩き出すと新見が「社長さん来た時と違って段々と臭いが消えてきません?
目も幾分馴れてきたみたいだけど」
「新見さんがこのハーデスに馴れてきてるんですよ。 あそこの鏡を見て下さい」
ビルの薄汚れたミラーガラスに自分の姿をうつしてみた。 そこにうつっていた自分の姿は変貌していた。
目が見開き気味。 自分でもその変容に愕然とした。
次の瞬間新見は「いったいこれはどういう事だい、おい社長さんよ。 ちゃんと説明しなさいよね
あんたに責任取れるのかい?」
新見の意識も第一ハーデスに同調し始めていた。
「解りました。責任取りましょう」
そういって例のコマを取り出し「これと同じ物が新見さんのポケットに入ってるのでとり出して
回して下さい。 そうしてくれたら私が責任をとりますから」
新見はなにかブツブツ言いながらコマを回した。 コマは回り続け全然勢いに変化が現われなかった。
それを視ていた新見が、あっ、これはハーデス、自分の立場が瞬時に理解できた。
その様子をみた高橋は新見の手を握り、もとの部屋に戻った。
「新見様、これで第一ハーデスは終了いたします。 続きまして第二ハーデスにこのまま移動します。
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